NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2013年09月29日 (日) | 編集 |
あまちゃん

連続テレビ小説『あまちゃん
2013年4月1日(月)~9月28日(土)全156回

< スタッフ >
作/宮藤官九郎 音楽/大友良英 アニメーション/鉄拳

< キャスト >
ヒロイン 天野アキ/能年玲奈

アキの家族

アキの母 天野春子/小泉今日子 若き日の春子/有村架純
アキの祖母 天野夏/宮本信子
アキの父/黒川正宗 尾美としのり
アキの祖父/天野忠兵衛 蟹江敬三

最北の海に潜る海女たち

今野弥生/渡辺えり
長内かつ枝/木野花
熊谷美寿々/美保純
安部小百合/片桐はいり

北三陸の人びと

北三陸駅・駅長 大向大吉/杉本哲太 若き日の大吉/東出昌大
北三陸駅・副駅長 吉田正義/荒川良々
観光協会・会長 菅原保/吹越 満
観光協会・職員 栗原しおり/安藤玉恵
琥珀(こはく)掘り 小田勉/塩見三省
商工会長 今野あつし/菅原大吉
漁協・組合長 長内六郎/でんでん
漁協・事務員 花巻珠子/伊勢志摩
高校の先輩 種市浩一/福士蒼汰
高校教師 磯野心平/皆川猿時
アイドルおたく ヒビキ一郎/村杉蝉之介

足立家の人びと

ユイの兄 足立ヒロシ/小池徹平
アキの親友 足立ユイ/橋本愛
県議会議員 足立功/平泉成
ユイの母 足立よしえ/八木亜希子

東京の人びと

女優 鈴鹿ひろ美/薬師丸ひろ子
プロデューサー 荒巻太一/古田新太
マネージャー 水口琢磨/松田龍平
マネージャー 河島耕作/マギー
GMT(埼玉) 入間しおり/松岡茉優
GMT(福岡) 遠藤真奈/大野いと
GMT(徳島) 宮下アユミ/山下リオ
GMT(沖縄) 喜屋武エレン/蔵下穂波
GMT(宮城) 小野寺薫子/優希美青
GMT(山梨・ブラジル) ベロニカ/斉藤アリーナ
アメ女(センター) 有馬めぐ/足立梨花
純喫茶アイドル店主 甲斐さん/松尾スズキ
無頼寿司大将 梅頭/ピエール瀧

※放送順に一覧にしてみました。

故郷編


第1週 おら、この海が好きだ!


誰よりも地味なヒロイン、登場。


| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |

第2週 おら、東京さ帰りたくねぇ


いよいよアキ、本格始動。


| 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |

第3週 おら、友だちができた!


アイドルになりたあい!


| 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |

第4週 おら、ウニが獲りてぇ


わざわざ人がやってきた!


| 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |

第5週 おら、先輩が好きだ!


『ずぶん』に、胸キュン!


| 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |

第6週 おらのじっちゃん、大暴れ


やっぱり、ここがいちばんいい!


| 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 |

天野春子

第7週 おらのママに歴史あり


潮騒のメモリー、春子のメモリー。


| 37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 |

第8週 おら、ドキドキがとまんねぇ


恋の、ばがやろう!


| 43 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48  |

足立ユイ

第9週 おらの大失恋


友情が走る、お座敷列車。


| 49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 |

第10週 おら、スカウトされる!?


ビフォー&アフター。


| 55 | 56 | 57 | 58 | 59 | 60 |

第11週 おら、アイドルになりてぇ!


ママなんか、大嫌い。


| 61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 |

第12週 おら、東京さ行くだ!


行ぎだくねえけど、行ぐ!


| 67 | 68 | 69 | 70 | 71 | 72  |

大向大吉

東京編


第13週 おら、奈落に落ちる


おら、東京さ行くだ!


| 73 | 74 | 75 | 76 | 77 | 78 |

第14週 おら、大女優の付き人になる


ユイちゃん、壊れる。


| 79 | 80 | 81 | 82 | 83 | 84 |

第15週 おらの仁義なき戦い


北三陸へ、帰りでえ!


| 85 | 86 | 87 | 88 | 89 | 90 |

第16週 おらのママに歴史あり2


自分のために、歌ってみれば。


| 91 | 92 | 93 | 94 | 95 | 96 |

第17週 おら、悲しみがとまらねぇ


アキの前に、春子の壁。


| 97 | 98 | 99 | 100  | 101 | 102 |

第18週 おら、地元に帰ろう!?


太いものには、巻かれない!


| 103  | 104 | 105 | 106 | 107 | 108 |

第19週 おらのハート、再点火


くれぐれにも、ママには内緒で。


| 109 | 110 | 111 | 112 | 113 | 114  |

第20週 おらのばっぱ、恋の珍道中


決着、つけさせてもらいます!


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第21週 おらたちの大逆転


天野アキ、鈴鹿アキになる!


| 121 | 122 | 123 | 124 | 125 | 126 |

第22週 おらとママの潮騒のメモリー


申し訳ない、春ちゃん。


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復興編


第23週 おら、みんなに会いでぇ!


そんでも、走るべ、前を向ぐべ。


| 133 | 134 | 135 | 136 | 137 | 138 |

第24週 おら、やっぱりこの海が好きだ!」


変わらないこともある。


| 139 | 140  | 141 | 142 | 143 | 144 |

第25週 おらたち、いつでも夢を


まだまだ笑える、強さがある。


| 145 | 146  | 147 | 148 | 149 | 150 |

第26週 おらたち、熱いよね!


ここから、スタートだべ。


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潮騒のメモリーズ
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2013年09月28日 (土) | 編集 |
最終話

2012(平成24)年7月1日。

北三陸駅には、『祝 運転再開 北三陸鉄道 リアス線』の横断幕が掲げられ、記念式典が行われる駅前広場にはたくさんの人々が集まりました。

ついに今日、「北三陸~畑野駅間」の運転が再開されるのです。

「昭和59年の開通から28年、市民の足として走り続けた北鉄は今日、復活します!」

1番列車が出るホームから市長の足立功が声高々に宣言すると、ブラスバンドの演奏が始まり、人々から大きな拍手と歓声が起こりました。

「見えるか? 吉田君」

「見えますよ」


念願の運転再開に感無量の大吉と吉田。

「あのカメラ、どっきりカメラじゃねえよな?」

多くの報道関係のカメラを見て大吉の声は震えています。

「あんなにいっぱいいたら、どっきりカメラでもいいです」

「越えたよな、84年の開通式、越えたよな」


涙をこらえて、うなずき合ったふたりです。

… … … … …

「 … すいません、通してください」

階段に並んだ溢れんばかりの人々をかき分けて、ホームに下りてきたのは、正宗でした。

吉田の顔を見つけました。

「あっ、吉田さん、春子さん知りませんか?」

「鈴鹿さんと一緒に7時の新幹線でお帰りになりました」

「はあ? なんで教えてくれないんですか!」


吉田の胸倉をつかんだ正宗。

「旦那さんはいいんですか?って聞いたら … いいんですって答えたので、お知らせしませんでした」

「どうしたのよ?」


何事かと、吉田に尋ねた大吉。

「黒川さんがなんだか … 面倒くさい」

「またか ~ 」


… … … … …

「では続いて、市長の娘さんで、ミス北鉄の足立ユイちゃんによります、テープカットです!」

保に紹介されてユイが登場すると、今まで以上の拍手と歓声 … ひと目、見ようと押し寄せる人々。

「ちょっと、押さないでください」

よろめいた正宗に押された吉田が、大吉を押して、その大吉がまた次の人を … 将棋倒しのように次々に連鎖して反対側の端にいたユイを突き飛ばしました。

その反動で、ユイはくす玉のひもを引いて、予定より早く割ってしまいました。

「すいません、すいません!」

皆に頭を下げる大吉。

… まるで、28年前のデジャブ …

くす玉から運転再開を祝う垂れ幕と紙吹雪。

それを合図に、ブラバンが景気のいい演奏を始めました。

バンザイ ~ バンザイ ~

… … … … …

「出発、進行!」

指差し確認した大吉が笛を吹くと、ユイと乗客を乗せた電車がホームを滑り出しました。

バンザイを連呼して見送る功、ヒロシ、正宗、保 …

< 2012年7月、北鉄は北三陸~畑野間で運転を再開しました >

「今日は、北の海女の海開きの日です」


電車の中でユイが知らせると、乗客から拍手が起きました。

袖が浜に差し掛かると、浜で海開き恒例の餅まきをしているアキや海女クラブのメンバーたちが見えてきました。

「アキちゃ~ん!!」

窓から顔を出して手を振るユイ。

「ユイちゃん、ユイちゃ~ん、後でね ~ 」

それに気づいて、アキも手を振り返しました。

車窓にびっしりと貼りつくようにこちらを見ている乗客たち、それを見上げて夏が言いました。

「あっちもすげえなあ ~ 」

「うん、おらも負けてらんねえ!」

< 袖が浜も過去最高の人出 >


素潜りの実演、鈴なりの観光客たちに手を振って応えながら海に入るアキ。

息を大きく吸い込んで、潜りました。

< 海女カフェの補修と再建で、海女クラブはそこそこの借金を抱えていました >

弥生もかつ枝も美寿々も小百合も、潜る潜る …

< 幸い、海の底にはゼニがゴロゴロ落ちていました >

繁殖が成功して、岩を埋め尽くすほどのウニが戻ってきています。

… … … … …

「ぷはっ!」

水面に顔を出したアキに夏は尋ねました。

「どうだ ~ どうだ、アキ?」

「最高~だ!!」


立派に育ったウニを高く掲げたアキ。

どよめく観光客、夏も笑顔で手を叩いて、何度もお辞儀しました。

… … … … …

『次は終点、畑野~畑野です』

吉田のアナウンス。

畑野駅でも、多くの地元の人々が電車を迎えてくれました。

『おかえり!北鉄』の横断幕、大漁旗、踊りながら鉦や太鼓を叩く音 …

< 今は、畑野までですが … そう遠くない将来、この線路が東京までつながるのです >

ここから先は、来年、平成25年に全線復旧の予定です。

『折り返し、北三陸行きになりま~す』

手を振る人々に見送られて、北三陸駅目指して走り出した電車。

… … … … …

観光協会。

昨晩、ヒロシや種市たちが夜を徹して描き上げた『潮騒のメモリーズ』の看板も元の位置に掲げられました。

ジオラマの修理も終わり、観光協会のホームページもヒロシの手でリニューアルされました。

窓から、駅舎を出てくる観光客の人数を数えている保。

「来るね … うん、グループで来るね」

< 袖が浜も北鉄も満員御礼 >

「お客さんがたくさん来るね、はっははっは」


… … … … …

< 行き場を失った観光客の受け皿になったのが、勉さんの採掘場 … 1時間500円の体験コースでした >

坑道から出てきた子供たちに質問する勉さん。

「まだ、人間は地球上には存在しません … じゃあ、何がいた?」

元気よく手を上げた女の子を指しました。

「恐竜!」

「そう、恐竜です!」

「おじちゃん、これ琥珀?」


体験採掘をしていたひとりの男の子が数センチの黒い棒状の塊りを勉さんに見せました。

「 … うん?」

手に取って、じっと見つめていた勉さん … 突然!

「じぇじぇじぇっ!」

… … … … …

「水口君、水口君、大変!」

大騒ぎでリアスの窓口から顔を出した勉さん。

水口はカウンター席で注文した焼きうどんを待っているところでした。

「こ、こ、こ、こ、これ見て!」

さっきの男の子が見つけた黒い塊を持っています。

「無理っす … 今、焼きうどん、待ってるんで」

「ごめんね、勉さん … 今日、いっぱいで座れないの」


リアスも千客万来、小百合ひとりでは間に合わないと、手伝っているよしえが申し訳なさそうに言いました。

「まめぶ以外は、30分待ちです」

「30分だと? … こっちは、8,500万年待ったんだよ!」


いつになく興奮気味の勉さん、小百合に向かって大声を上げました。

店に入って来て、水口の目の前にもう一度、塊りをつきつけました。

「何か、動物のフンだね?」

「カリントウですね?」


呑気に答えた、功と吉田。

「恐竜の骨ですよ!!」

「じぇじぇじぇ」

「白亜紀に生きてたとされる肉食恐竜コエルロサウルス類の後ろ足の指!

人間でいうと、薬指か中指の第2関節、つまりここ!」


そう言って、水口の掌に当てました。

「はい、焼きうどん、お待たせ!」

水口にしてみれば、焼きうどんの方が興味があるようです。

「えっ、そんなに珍しいの?」

隣に座っていた、ヒビキ一郎が尋ねました。

「そりゃもう、琥珀なんかより全然!」

「 … 琥珀なんかよりって言っちゃ、だめだよ ~ 」


常日頃、琥珀を軽く見ている吉田ですが、勉さん本人がそれを言ったらお終い … と、諌めました。

「だって、こんな状態のいいの、ふたつとないから!」

「じゃあ、これもですかね?」


水口は昨日見つけた、同じような塊りを勉さんに見せました。

「えっ?」

ひと目見て、またも驚く勉さん。

「箸置きにちょうどいいんですよね」

急に様子が変わった勉さん、小さな声で水口に言いました。

「 … 僕が見つけたってことには … ならないよね?」

「いやあ ~ それは … 証人がいますし … 」


証人、多過ぎです。

「水口さん、お待たせ!」

そこへ『潮騒のメモリーズ』の衣装に着替えたアキが店に入ってきました。

ざわめく店内。

… … … … …

ホームには、すでにお座敷列車が停車していました。

「え ~ お座敷列車『潮騒のメモリーズ』号、まもなく発車です」

アナウンスする大吉。

衣装を着たアキとユイがホームに現れると、満員の乗客が拍手と歓声で迎えました。

< ついにこの日が来た … 水口君は興奮を隠しきれませんでした >

ふたりの後をビデオカメラを構えてついてきた水口です。

< 2年半ぶりのお座敷列車、『潮騒のメモリーズ』復活!

明日の1面トップはもらった! >

「出発!」


… … … … …

「待って下さ~い!」

慌てて階段を駆け下りてきたのは、春子に置いてけぼりを食った正宗でした。

「乗せて、大吉さん … 乗せて下さい!」

大吉にすがりついて、懇願しました。

「いやいや、それは無理だ、マサ … お座敷列車は、来月分まで予約で一杯!」

そう、冷たく言い放つと電車に乗り込んでいきました。

こればかりはどうしようもないと … すまなそうな顔で、その後に続く水口。

がっくりとホームに座り込んだ正宗。

最終回まで、こんな扱い … 

その目の前にチケットを差し出した人がいました。

顔を上げた正宗 … ヒビキ一郎でした。

「 … いいんですか?」

「明日も乗るし … 言ってみりゃ、あんた、『潮騒のメモリーズ』の生みの親みたいなもんだし」

「産んではないけど … ありがとうございます!」


一郎の手を握った正宗、喜び勇んで電車に乗り込みました。

… … … … …

「大変長いことお待たせいたしました。

いよいよの登場でございます … 『潮騒のメモリーズ』」


割れんばかりの拍手、喝采 …

しかし、カーテンを開けて、顔を出したのは、吉田でした。

ブーイング …

「大変失礼しました … さあ、登場で~す」

手招きする大吉と吉田。

今度こそ、アキとユイが登場しました。

「私たち、潮騒のメモリーズ … ゼェェット!!」

… … … … …

『 … 続いてのニュースです。

東日本大震災で被害を受けたローカル線が、今日、一部運転を再開しました。

地元市民に交じって、全国各地の鉄道ファンがエールを送りました。』

純喫茶アイドル。

甲斐のテレビから、今日の北鉄運行再開の模様を映したニュースが流れています。

『そして、午後には、地元アイドルを乗せたお座敷列車・潮騒のメモリーズ号が運行しました … 』

ユイと歌うアキの姿が映ると、甲斐が興奮して声を上げました。

「この子、昔うちでバイトしてた!

この子のお母さんもね、うちでバイトしてたの … 『潮騒のメモリーズ』、今一番熱いよね!」


ウエイトレスにそう語っても、興味なさそうに、テーブル席を片付けに行ってしまいました。

「 … 失礼しました ~ 」

… … … … …

< 後日、ふたりの活躍は地元の新聞でも大きく報じられました。

… 残念ながら、1面トップではありませんでした >


トップを飾ったのは、『北三陸で8,500年前の肉食恐竜の骨発見!』という見出し、例の黒い塊 … 恐竜の骨を発見したふたり、水口と少年の写真でした。

「めちゃ悔しい ~ 」

ファイナル勉さん …

… … … … …

『潮騒のメモリーズ』のステージをカメラで追っていた水口、ふと車窓から外を見て気づきました。

「お、ヒロシ君、すごいよ!」

お座敷列車に向かって、手を振るたくさんの人々が見えます。

田んぼの中で手や旗を振る人、電車と一緒に畦道を走る子供。

『おかえり』の文字も見えます。

笑顔、笑顔、笑顔 …

… … … … …

ベーリング海上 N58° 0"W178° 0"

「見れ! これ、おらの孫」

船室でパソコンに映ったアキの姿を自慢げに外国人の船員に見せる忠兵衛。

「マイ・ドーターズ・ドーター」

「Oh! シー・イズ・キュート」

「メモリーズ・オブ・潮騒よ!」


… … … … …

「ありがとう!」

アキとユイは、終点の畑野駅で電車を下りました。

北三陸へ戻って行く電車へ手を振って見送るふたり。

アキはふとその手首のミサンガを見つめました。

「どうかした?」

「ミサンガ、今日こそは切れると思ったのに …

しょうがねえか、いっぺえ間違えたもんな ~ 」

「私も! … 今までで一番ヤバかった!」


顔を見合わせて笑ったふたり。

「まだまだ、完成しなくていいべ?!」

「うん … 明日も明後日もあるもんね」

「明日も明後日も … 来年もある。

今はここまでだけど、来年はこっから先にも行けるんだ!」


アキはホームの先を見つめて言いました。

線路はトンネルへと続いています。

しばし、黙ってそれを見つめていたふたり。

ふいにユイがアキの肩に手を置いて言いました。

「行ってみようか?」

「じぇじぇっ?」

「行こう、アキちゃん」


その先を指差したユイ、ホームを下りて線路を歩きはじめました。

後に続くアキ。

トンネルの入り口で手をつないで奇声を上げてバンザイをしました。

微かに見える反対側の出口目指して、どちらからともなく走り出したアキとユイ。

そして …

長いトンネルを抜けると、そこに広がったまばゆい光の中へ、ふたりは飛び出して行きました。

… これから始まる新しい物語へと …
おしまい


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あまちゃんニュース

総集編・前編、後編が一挙放送されます!
あまちゃん』総集編
10/14(月・祝)NHK総合
《前編》午前8:20~9:48 / 《後編》午前10:05~11:35

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2013年09月27日 (金) | 編集 |
第155話

「アキ … ママの花嫁姿、見たい?」

「見でえ!」

< … という訳で、おらのひとことで、3組の合同結婚式が開かれたのでした >

式も無事に終わり …

< 余興は、いっそんの『南部ダイバー』に始まり … 種市先輩の『南部ダイバー』。

足立先生の手品は、背広からずっと、ハトの鳴き声が聞こえてました。

弥生さん、かつ枝さん、美寿々さんのperfumeでは、けが人が出て … >


perfumeに扮した3人に向け気合を入れてペンライトを振っていた、ヒビキ一郎の脱臼癖の肩が外れてしまったのでした。

< … 急遽、おらも加わり、三度目の『南部ダイバー』 >

♪白い鴎か 波しぶき、若い血潮が 躍るのさ ~

< 『南部ダイバー』に次ぐ『南部ダイバー』 … そして、花束贈呈 >

… … … … …

ふたたびステージに上がった、3組の花婿花嫁。

< とはいえ、安部ちゃんは身寄りがなく、大吉っつあんのお母さんは早々に酔いつぶれてしまい …

結果、花束は夏ばっぱに集中しました >


抱えきれないほどの花束を受け取った夏。

拍手を受けて、ステージを下りようとするのを司会進行の保が止めました。

「え、それではあの … 春子さんのお母様で袖が浜海女クラブの会長であられます、天野夏さんからひとことお願いします」

拍手、歓声 …

「おら、しゃべること、ねえんだがら」

突然のことで、一度は固辞した夏でしたが、それでもマイクを用意されて … 観念しました。

… … … … …

「え~と … 天野家の初代、マーメイドでがす」

一同、どっと受けました。

「鈴鹿さん、わざわざこんな辺鄙なとこさ来てくれて … ありがとうごぜいます」

まず、ひろ美に深く頭を下げた夏、ひろ美も同じように下げました。

夏はひろ美の手を握りました。

「あんたが動いてくれたおかげで、20数年前に拝めなかった、娘の花嫁姿を図らずも見ることができました。

できれば、忠兵衛さんにも見せたかったが … 全部叶ったら、あの人もうここさ帰ってこねぐなるから」


ごもっとも ~ と笑う一同。

夏は花婿花嫁たちを椅子に座らせました。

「お互いもう、若くねえんだから」

夏が何か言うたびにどっと沸く会場です。

… … … … …

「大吉!」

名前を呼ばれて、立ち上がった大吉と小百合。

「今度こそ、安部ちゃん泣かしたら、おらもう北鉄乗んねえど ~

ウニ丼、作んねえぞ ~ 分かったか?!」


大吉をにらみつけて、そう言いました。

「はいっ」

しっかりと返事をした大吉、「ありがとう」を繰り返す小百合。

「 … それから、荒巻ジャケ」

「シャケではないんですけど … はい」


にこやかに立ち上がった太巻。

「あんたみてえな金持ちが、田舎さ目つけることはいいことだ ~ どんどん金出せ ~

そしたら、おらたちもどんどん元気出すべ!」

「んだんだんだ!」


立ち上がった弥生と太巻を座らせると、夏は会場に向かって、ゆっくりと話しはじめました。

… … … … …

「一昨年倒れてまして、去年は地震があったりして … 明日はどうなるか分かんねえ毎日を送ってましたが、娘や孫に助けられて、なんとか生きてます。

明日は、『海開き』でがす!

今年は、ウニも帰って来たし、去年のリベンジでがす!

いっぺえ潜って、いっぺえ取って、そんで ~ 一段落したら … まあ、これは毎年言ってることですが …

今年こそ、海女引退するつもりです」


静まり返った会場。

夏を見つめる春子、アキ。

「これからは、おめえたちの時代だ … 老兵は去りゆく …

去る者は追わないで下さい ふふふ」


満面の笑みをたたえた夏。

「最後に …

本日は、皆さん、おらの夢を叶えてくれて、どうもありがとう」


皆に向かって、深く深くお辞儀しました。

そして、春子も …

拍手 …

「夏ばっぱ … 」

「何だ?」


思わずつぶやいたアキ、夏が即反応しました。

「えっ … ごめん、返事するとは思わねがった」

「あらまぁ」


… … … … …

披露宴の最後に一郎がカメラマンで集合写真の撮影です。

「あれ、水口さんは?」

アキが水口の姿が見当たらないことに気づきました。

「えっ、あ、いないね … いつから?」

辺りを見回すユイ。

「いても気づかねえのに、いねえと気づくもんだな … 」

… … … … …

その水口は、琥珀の採掘場でひとり作業をしていました。

… 今日ぐらい休みにすればいいのに …

トンネルの外に運び出した、ふるいの中に奇妙な物が混ざっているのを目に留めた水口。

「何だ、これ?」

手に取って、眺めました。

数センチの黒い動物の骨のようなものです。

… … … … …

梨明日。

披露宴を終えた新郎3人が集まって、改めて祝杯を挙げていました。

お互いの琥珀の指輪を見比べる3人。

「微妙に色、違うんですね」

「まあまあ、何にせよ … おめでとうございます」


本日、何回目かの乾杯をしました。

「見に行かれるんですよね? 明日、お座敷列車」

店番の吉田が太巻たちに尋ねました。

「いやいやいや、見て行きたいのはやまやまなんですが … あしたから、鈴鹿の東北ツアーが始まりますんで」

残念そうな太巻。

宮城や福島を回るのです。

「いや、でもテレビもありますし、水口にカメラ回させます」

当然、事務所の社長の春子も …

「ついていくでしょうね … 」

「ええっ、もう帰っちゃうの? もう1日ぐらいいいじゃない!」


不満顔の大吉、それ以上に不満そうに正宗は言いました。

「居たいですよ、そりゃ僕だって!

こないだのお座敷列車も乗ってないし … 今日も鈴鹿さんの歌、僕だけ聞いてないし!」

「ふふふ」


思い出し笑いの太巻。

「再婚しても、蚊帳の外ですね」

平然とした顔で吉田がきついひとこと。

… … … … …

天野家。

「きゃ ~ !」

ビールを手にした春子が2階の隠し部屋のドアを開けると、ベッドの上にいたひろ美が驚いて声を上げました。

その声に逆に驚く春子。

「ごめんなさい、ごめんなさい … っていうか、なんでいるの?」

「ずっと、お借りしてたんです … 社長は?」

「 … ここ、私の部屋だから?」


納得して笑ったひろ美は、謝ってベッドから立ち上がりました。

「いやいやいや、座ってて下さい … お酒とか要ります?」

しかし、すでに嗜んでいたひろ美でした。

「じゃあ、ちょっとお邪魔して … 」

… … … … …

ふたりは並んでベッドに腰かけました。

ここでも琥珀の指輪を見せ合っています。

「 … 懐かしいわね、ここ」

部屋を見渡して、ひろ美は言いました。

「そうでしょ?」

春子は1枚のLPを取り出してジャケットを見せました。

「これとか、ヤバくないですか?」

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「渋谷哲平!! 同じの持ってる ~ 」

「マジで?!

… え ~ じゃあ、これはこれは?」


今度はシングルのジャケットを見せました。

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「太川陽介!」

「そう、持ってる!」

「持ってます? Lui-Lui!」


同じような趣味だったと分かって、少女のように大はしゃぎするふたり

… … … … …

窓から夕陽さす駅舎。

「はい、どっちがいい?」

ユイが2本のペットボトルを見せて、アキに聞きました。

「こっち、ありがとう!」

アキはベンチに腰かけながら言いました。

「カッコよかったね、鈴鹿さん … さすが、天下の大女優だべ?」

何か考えていたユイ、おもむろにアキに尋ねました。

「アキちゃんはさ、どっちが辛かったと思う?」

「えっ、どっちが?」

「鈴鹿さんと、春子さん … 」

「ああ、影武者問題か」

「私は鈴鹿さんの方が辛かったと思うんだよね」

「どうして?」

「何となく … ステージ見てて、そう思った」


ユイにそう言われて、アキも考えてみました。

… … … … …

懐かしい音楽話に盛り上がった春子とひろ美。

春子は、オーディションのために録音したデモテープまで、ひろ美に聴かせました。

「何か、変な感じ … 自分の部屋に鈴鹿ひろ美がいるなんて」

微笑むひろ美。

「楽しかったですか? 今日 … 」

「はい」

「 … 吹っ切れた?」


ひろ美は少し考えて、うなずきました。

「私も!」

「それは … よかった」


ふたりは、顔を見合わせて笑いました。

… … … … …

アキは、ユイの質問の答えを出せずにいました。

どちらが辛かったなんて決めることはできません。

「知ってた? 明日、全国放送のテレビも来るんだって ~ 」

突然、ユイが話題を変えて、不安げに言いました。

「うん、ママに聞いた」

平然と答えたアキを見て、笑ったユイ。

「ふふふ、アキちゃんは、平気だよね」

ほんの短い間でしたが、仮にも全国区のアイドルだったのです。

「うん … ユイちゃんがいるから、怖くねえ!

東京では、ひとりだったからな …

訛ってる方だけじゃ、『潮騒のメモリーズ』って、いえねえべ?

もちろん、可愛い方だけでもダメだ!

… ふたり揃うのは、何年ぶり?」

「3年ぶり」

「3年かあ ~ 長かったような、あっという間だったような … 」


ユイはアキの顔を見ました。

「 … 私は、長かった」

見返したアキ、ユイは微笑んでいます。

駅舎に飾ってある、3年前のお座敷列車の写真に目をやりました。

… … … … …

観光協会では、ヒロシと種市、しほり、そして勉さんが、明日のために『潮騒のメモリーズ』の新しい看板を描き起こしていました。

「あ、ちょっと、種市君! アキちゃんの方ばっか、描かないでよ!」

アキの絵の方ばかり念を入れて描いてるように見えて、嫉妬したヒロシ。

「そんなことねえです! 自分、平等に描いてます … 絵具だって、5色ずつ使ってます」

「早くしねえと、朝になるから!」


しょうがない男の子たち、しほりが注意しました。

… … … … …

< そして、翌朝 >

2012年7月1日、袖が浜海岸海開きの朝が明けました。

『海女クラブの皆さん、おはようございます ~ 』

漁協のスピーカーから、海開きを知らせるアナウンスが聞こえてきます。

その声で目を覚ましたアキ。

『本日7月1日、天候もよく、予定通り、袖が浜海岸海開きを行います ~ 』

「じぇじぇっ、この声は?」

聞き覚えのある声、でもその声は海女クラブのメンバー誰のものでもありません。

「どう、ビックリした?」

いつの間に後ろにいた、春子がアキに尋ねました。

興奮気味にうなずいたアキ。

「サプライズだ … 超サプライズだ!」

… … … … …

その声の主は、鈴鹿ひろ美でした。

漁協仮事務所のマイクの前に座ったひろ美、傍らには原稿を持った太巻。

「海女クラブの皆さん、おはようございます!」

「おはようございます ~ 」


窓から覗いている、美寿々、かつ枝、小百合が目の前で答えました。

流れ出す『いつでも夢を』。

「海女クラブの皆さんは、速やかに旧漁協前、海女カフェ前に集合してください。

7時より、安全祈願のご祈祷を行います」

「鈴鹿さん、僕たちも7時の新幹線に乗って … 」


太巻の言葉に、ひろ美は「分かっています」というようにうなずきました。

「繰り返します ~ 」

… … … … …

仏壇に手を合わせる春子、その横で海女姿のアキは神棚に手を合わせました。

「じゃあ、行くね」

スーツケースを手にした春子。

ひろ美のツアーに同行するのです。

「もう行くの?

… せめて、開通式見て行けばいいのに」


名残惜しそうなアキに春子は言いました。

「や・め・と・く … いろいろ思い出しちゃうから」

「そっか … 」


少しさみしそうに笑ったアキ。

「まあ、がんばってね!」

「うんっ!」


今度は元気よく返事をしました。

… … … … …

浜に出る前にアキは高台に昇って、そこから海を見渡しました。

快晴の空高くトンビが鳴いています。

大きく手を広げるアキ。

♪いつでも夢を いつでも夢を …

< 2012年7月1日、私の故郷、北三陸が大きな一歩を踏み出します >

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2013年09月26日 (木) | 編集 |
第154話

会場に響き渡る、ひろ美の澄んだ伸びのある歌声、魅了されて耳を傾ける観客。

♪ … 来てよ その川 乗り越えて ~

三代前から マーメイド 親譲りの マーメイド …

「なんつった今?」

かつ枝に尋ねた美寿々。

「『三代前からマーメイド』だと … 夏ばっぱのことだべ?

… あの野郎、さては最初から決めてたな」

♪ … 好きよ 嫌いよ …

ひろ美は見事に歌い切りました。

割れんばかりの拍手、喝采 …

… … … … …

「もう、始まっちゃいました?」

海女カフェに飛び込んできたのは、正宗でした。

「おお、マサ、来たのかい?」

「残念 ~ たった今、本編は終わってしまいました」


保の言葉で、へたり込んだ正宗の肩に吉田が手を掛けました。

「ご心配なく、アンコールもありますから … まっ、民話の読み聞かせですけどね」

まだ興奮冷めやらぬ会場を覗きながら、笑い合った大吉と吉田。

「ああ、最高だったな … 『潮騒のメモリー』」

「さすが、ブランクを感じさせねえ歌声でしたね」

「春子さんがでしょ?」


正宗の言葉に怪訝な顔をする一同。

「春子さんが歌ったんでしょ?」

「ちょっとちょっと、何言ってんの? この人は … 今日は鈴鹿ひろ美のリサイタルだよ」

「んだんだ、なんぼ声だけでも、鈴鹿ひろ美と春子さんの違いぐらい分かるべ … バカにすんな!」


目を剥いて怒る吉田 … しかし、正宗はもう一度聞きました。

「よかったんですよね?」

「ああ、最高だった」

「やっぱり、春子さんだ ~ 」


春子のカバンを抱きしめて、満足そうに微笑む正宗。

… … … … …

アンコール、アンコール …

観客の声に応えて、再びステージに現れた鈴鹿ひろ美。

その様子を並んで見つめている太巻と春子。

「大した人だよ … 」

「本当だよね ~ よりによって、私の地元でさ」

「しかも、東北の復興支援だよ。

上手くいったからよかったようなものの … 脇汗すごいよ、押さえてないと溢れちゃうよ」


ひろ美は観客席に向かって問いかけました。

「今日はいかがでしたか?

皆さん、楽しんでいただけましたか?」


「最高」という声と大きな拍手が返ってきました。

その時、春子の胸にある疑問が湧きました。

「 … わざとだったりして」

「わざと … えっ、わざとって何?」


太巻には春子の言っている意味がよく分かりません。

「わざとで上手くは歌えないでしょう?」

「今日じゃなくて、今までがよ」

「えっ … わざと下手に? どうして??」


… … … … …

「今回の東北チャリティーツアーは、どうしても、この北三陸から始めたかったんです。

私の所属事務所の代表が、こちらの出身で … 彼女とは、若い頃からの腐れ縁で … 」


ひろ美は、会場の春子を見つけて会釈しました。

「その娘さん … そうです! この海女カフェを作った、天野アキちゃん!」

ひろ美は、袖にいるアキとユイを手招きしてステージに呼びました。

「北鉄のミス、ユイちゃん!」

アイドルのふたりの登場で盛り上がる会場。

「アキちゃんとは、映画でも共演したし、お祖母ちゃんの夏さんには … 」

ステージから夏を探しましたが、姿が見当たりません。

「夏ばっぱ、さっきまで、ここで聞いてたぞ ~ 最高だって!」

隣に座っていたかつ枝が代わりに答えました。

… … … … …

「言ってましたよね、確か『歌手志望じゃなかった』って」

春子の話を黙って聞いている太巻。

「でも、駆け出しのアイドルだから断れなくって … 」

「しかたなく、わざと下手に … 最初から?」


ステージでもちょうど、ひろ美がその頃の話を始めました。

「アイドルと呼ばれていた当時も実は、歌が苦手で … 歌番組も何度か出ただけ。

人前で歌うなんて、もっての外 … はい」


ひろ美の意外な発言にどよめく会場。

「 … そんな訳ないよね?」

自分で言い出したことながら、春子は否定しました。

「やだやだ、知りたくない … ていうか、考えたくない!」

耳をふさいだ春子。

「 … でも、万が一そうだとしたら?」

… … … … …

「だから、初めてなんです。

初めて自分の意志でステージに立って、歌を … ずっと、封印していた歌を歌いたい。

皆さんに笑顔を届けたいと思って、来ました」


大きな拍手に包まれたひろ美。

「 … プロだわ」

そう言って、絶句する春子。

「そう思わせてくれた、天野家の皆さん、そして、北三陸の皆さん … 本当にありがとうございました!」

< 果たして本当に、猛練習の成果なのか? たまたまの大当たりか?

… あるいは、元々歌える人だったのか?

真相は、本人にしか分かりません >


もう、どちらでも構わない … 春子はステージの上の3人が手を繋いで高く掲げた姿を微笑みながら見つめていました。

< とにかく、チャリティーリサイタル、大盛況! >

… … … … …

< 終演後は急遽、サイン会が行われました >

ひろ美の前には長蛇の列。

そこへ姿が見えなかった夏が、何かを探しているように、辺りを見回しながら入って来ました。

「お義母さん、どうかしました?」

それに気づいた正宗が声を掛けると …

「恥ずかしい … 忠兵衛さん、見当たらなくて」

「えっ?」

「必ず行くって言うから、待ってたのに!」


腹を立てている夏を見て、困惑する正宗。

… … … … …

数時間前、正宗は天野家で忠兵衛に会っていたのです。

旅支度を整えた忠兵衛は正宗に宮古まで送るように頼みました。

「 … お義父さんは何処行くんです?」

「何処って、おめえ … また漁さ出るのよ」

当然のように忠兵衛。

「 … 何で、今日?」

「今日、船が出るからよ!」

「だけど、明日は海開き、北鉄の開通式 … 今日は、その前夜祭ですよね?」

「だから、今日なんだ」

ふたりは、取りあえず腰を下ろしました。

「地震もあったし、心細いかと思って帰って来たのによ … 皆、忙しくてよ、おらなんかほったらかしだ!

頭さ来たから、誰にも会わねえで行くわ!

はっ、ざまあみろだあ ~ 」

荷物を手にした忠兵衛を正宗は慌てて止めました。

「お義父さん、お義父さん、1分だけお時間いいですか?」

「なんだよ?」

正宗は忠兵衛の前に正座をして畏まりました。

「僕たち、やり直すことにしました … お騒がせしました!」

「そうか … 正宗君も苦労するな ~ 」

しみじみと言う忠兵衛。

「春子は、俺のDNAと夏さんのDNAのブレンドだからよ … 一筋縄じゃ行かねえもんな?」

うなずいた正宗の肩をがっしりとつかんで忠兵衛は言いました。

「油断するなよ!

人生を航海に例えると … 1回目よりも、2回目の方が危険を伴うからよ」

「はいっ!」

正宗の真剣なまなざしを見て、にやりと笑った忠兵衛。

「行くべえ!」

意気揚々と玄関に向かいました。

… … … … …

また漁に出る忠兵衛を宮古まで送って行ったとは、夏に言いだせない正宗。

「一緒に探しましょうか? ねえ、お義母さん」

「浜の方かも分かんねえな、行くべ、行くべ」


浜まで出て、あちこと探し回るふたり。

< 私と正宗さんが忠兵衛さんを探している、その頃 >

「春ちゃん、春ちゃん、こっちこっち」


春子は弥生に呼ばれて、控室へ行くとウエディングドレスを着せたマネキンを見せられました。

「 … これ、どうだべ?」

「ああ、どうかな ~ まあ、いいんじゃない?

鈴鹿さんの歳考えると、ちょっと派手だけどね」

「いやいや、鈴鹿ひろ美のはこっちだ」


今野がカーテンを開けると、もう1体、ウエディングドレスを着たマネキンが立っていました。

「 … 安部ちゃん、丈大丈夫なの? 結構、背高いよね?」

小百合が着るものだと思って、ドレスの丈を気にする春子。

「おらは、文金高島田 ~ 」

反対側のカーテンを開ける小百合、そこには白無垢が掛かっていました。

「じゃあ、これ、誰が着んのよ?」

「春ちゃんだ」


当然のように言った今野。

「わたしぃ???」

「うん、ほら、おらたちと鈴鹿ひろ美さんが合同で披露宴やることになってるべ?

それでほら、せっかく春ちゃんと正宗さんもいるし …

2組も3組もいっしょだべ ~ つって、急遽、おらが発注かけたんだ!」

「衣装代、負けっからよ」


ニコニコしている弥生。

「いやいやいや、無理だ」

「マサのタキシードもあるんだ」

「いやいやいや、無理無理無理 … 」

「頼むじゃ、春ちゃん! 縁起物だべ!」

「着ろって、夏ばっぱ喜ぶ顔、見たくねえのか?」


かつ枝までそう言って勧めますが、春子はまったくそんな気にはなれません。

「今更、こんなの着て喜ばないってば!」

… … … … …

そこへ、忠兵衛を探しに出ていた夏と正宗が戻って来ました。

部屋の上がり口に疲れたように座った夏。

「夏ばっぱ、具合でも悪いのか?」

心配する一同。

「 … 忠兵衛さん、行っちまった。

沖さ、行っちまった … 黙って、行っちまった … 」

「じぇじぇじぇじぇ ~ 」

「ごめん … 誰にも会わずに行くって」


結局、隠し通せずに夏に打ち明けた正宗でした。

「やっと帰って来たと思ったら、よりによって … 海開きの前の日に、北鉄もまだ走ってねえのに … 」

気落ちして、嘆く夏に向かって、頭を下げた正宗。

「引き留めるべきでした … すみません」

「いやいやいやいや …

『行ぐな』って言っても、やっぱし行ぐ。

『行け』って言っても、行く … あ ~ ああ」


深い深いため息をついた夏は、雁首揃えている一同を改めて見て、訝しげな顔をしました。

「何してんだ? おめえたち?」

「いやいや … ほらほら、いつもの、管巻け、管巻け、いつものな」


そう言いながら、かつ枝が夏を連れ出しました。

… … … … …

「ママ、お座敷列車の練習するから、見で!」

入れ替わりに顔を出したアキとユイ。

「えっ、なんかあったんですか?」

なんとなく微妙な雰囲気を感じたふたりです。

春子が遠慮がちにアキに尋ねました。

「アキ … ママの花嫁姿、見たい?」

突然にそんなことを聞かれても、意味が分からず戸惑うアキ。

「 … 見たくない?」

「見たい?」


小百合と今野も尋ねました。

「見でえ … 」

アキの言葉を聞いて、俄然張り切り出した大吉たち。

隠していたウェディングドレスを見せました。

「見でえ!」

今度はハッキリと笑顔で答えたアキ。

「 … ユイちゃん、見たくないもんね?」

それでも、往生際が悪い春子。

「見でえ!」

… … … … …

「それでは、お待たせいたしました。

新郎新婦たちの入場です!」


司会進行役の保が合図すると、カーテンが上がって … まず、純白のウェディングドレスをまとった、ひろ美とタキシード姿の太巻が登場しました。

拍手、歓声 …

そして、その前に白無垢の小百合と紋付袴の大吉。

< という訳で、ママたちも急遽、結婚式を挙げることになりました >

最後に、ウェディングドレスの春子とタキシードの正宗が現れました。

春子の姿を見て、驚いて立ち上がった夏。

< ヴァージンロードを歩く、6人の中年 … 皆、何となく半笑いでした。

おらも、こんなに面白え結婚式はそうそうねえと思う。

… でも、時間もったいねえし、この人たちをご存じねえ方には、さっぱり面白くねえだろから、ざっとダイジェストでご案内しますね >


… … … … …

< 神父さんは北三陸市にはいねえので、勉さんにお願いしました >

厳かに登場した勉さん神父、3組の新郎新婦の前に立ち、右手を上げました。

「病める時も、健やかなる時も、永遠の愛を誓いますか?」

どこからか、むせび泣く声 … 大吉でした。

< 大吉っつあんは、うれしいのか、悔しいのか … 基本、泣きっぱなし。

安部ちゃんは、謝りっぱなし >

「誓います!」


春子に向かって誓う大吉。

「安部ちゃんでしょ! 向こう向こう!」

< この町の人じゃない、鈴鹿さん、太巻さん夫妻も、何だかうれしそう …

一方、パパとママと夏ばっぱは、どんな顔していいか分からないようです >


照れくさそうに、夏を見た春子。

少し戸惑い気味の笑顔を返した夏。

… … … … …

「それでは、誓いの口づけを … 」

「ない、ない、ないよ!」


勉さん神父は言いましたが、春子が頑として拒否したため、カットされました。

「じゃあ、指輪の … 」

用意されたのは、琥珀の指輪です。

またも、手元が狂って落としたりなんだり …

それでも、何とかかんとか … 指輪の交換も無事に終えて、幸せそうな6人です。

< 取りあえず、おめでとうしか … 言えねえ! >

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2013年09月25日 (水) | 編集 |
第153話

2012年6月30日。

「は~い、私は今日、岩手県北三陸市に来ています!」

朝のワイドショー、北三陸駅からの生中継、女性アナウンサーが軽快な調子でレポートしています。

「春子さん、北三陸だって!」

出勤の支度をしながら、正宗は春子に声を掛けました。

しかし、春子はまだ寝ているのか、返事も何も返ってきません

「 … 北三陸リアス線が、いよいよ明日7月1日に運行を再開します ~ 」

駅舎に集まった人々から歓声と拍手が起こりました。

「それに合わせまして、様々なイベントが開催されます。

こちら市長の足立功さん … 」


功に続いて、駅長の大吉を紹介する女子アナ。

「更に、ご当地アイドルの … 」

「潮騒のメモリーズです!」


ユイとアキが決めのポーズを取ると、一段と大きな歓声が上がりました。

そんな様子が映るテレビを横目で見ながら、正宗は不安な気持ちにかられていました。

春子の姿がどの部屋にも見当たらないのです。

「さあ、そして、本日は前夜祭としまして、なんと北三陸市に縁のある女優、鈴鹿ひろ美さんがチャリティーコンサートを開くそうです」

正宗は、ふと思い立って、壁に貼られてある案内状を確認しました。

6月30日 … 今日は、太巻とひろ美に加えて、急遽、大吉と小百合の結婚披露宴も海女カフェで行われることになっていました。

一応、欠席という返事はしてあるのですが …

嫌な予感がした正宗は、取るものも取りあえずマンションを飛び出して行きました。

… … … … …

< 鈴鹿ひろ美チャリティーリサイタル、開演まであと1時間 >

海女カフェにやって来たアキ、準備が整ったホールを見て目を見張りました。

「すごい … 何かちゃんとしている」

スタッフと一緒に椅子を並べていたユイが笑って答えました。

「ふふふ … うん、何かちゃんとしちゃってる」

ステージでは、バックを演奏するバンドがリハーサルを行っています。

太巻から贈られた最新の音響設備のおかげでクリアなサウンドがホールに響いています。

「鈴鹿さんは?」

「楽屋にこもってる」


その方向を指差すユイ。

「 … 大丈夫かな?」

< 実は3日前、アキは親友のユイにだけ、真相を打ち明けていました >


… … … … …

アキと水口の口から真相を知ったユイは驚いて声を上げました。

「え ~ 何それ、マジで?!」

そんなユイをアキは落ち着かせて椅子に座らせました。

「だって、それじゃあ … 春子さん、鈴鹿ひろ美の影武者じゃん」

「落ち武者」

頭を振るアキ。

「落ち武者じゃん … 」

ユイが言い直すと、アキは納得してうなずきました。

違う違う。

「 … 影武者じゃん!」

携帯プレーヤーを取り出して、鈴鹿ひろ美の『潮騒のメモリー』をかけて改めて納得するユイ。

「春子さんだ … 春子さんの声だもんね、うわ ~ 」

「つまり、あと3日で鈴鹿さんの音痴を直さないといけない」

「音痴なの?」

「音痴だ … それに始末が悪いのは、本人にその自覚がほとんどない。

だから、音痴って言うと、落ち込む」

「あら、面倒くさっ」

水口はアキに確認しました。

「でも、大分マシになってるんだよね?」

「うん … ママの話では、たまに当たるって」

「たまに当たる?」

< そうなんです … 10回に1回、いやもっと低い確率で、たまに音程が合うことがあり >

しかし、本人はずっと合っているつもりなので、いい時とダメな時、その違いが分かっていないのでした。

… … … … …

アキと水口が楽屋を覗くと、当のひろ美は、『潮騒のメモリー』の歌詞を見ながら悩んでいました。

「『三途の川のマーメイド』のところ」

「そんなのいいから練習してよ」


思わず口にしたアキ。

『寄せては 返す 波のように』は、夏に言われて、そのまま歌うことにしたのですが …

「まあ、確かにな、『三途の川』はな … 」

眉をしかめるかつ枝。

「んだら、『三度の飯よりマーメイド』は?」

「『三段腹のマーメイド』は?」


小百合と美寿々。

「『三枝のアイラブクリニック』は?」

… 水口、ホントにそれでいいのか?

「せめて、マーメイドは残しませんか?」

ヒロシの提案。

「ちょっと、どうでもいいけど、あと30分で開演ですよ!」

「じぇじぇじぇっ?!」


ユイに言われて、一同、ひろ美を残して慌てて楽屋から出て行きました。

… … … … …

< さすがに根強い人気を誇る鈴鹿さん … アイドル時代からのファンはもちろん、家族連れやお年寄りなど、幅広い層のファンが訪れました。

まだ、仮設住宅にお住いの皆さんには、特別招待席が用意されました >


あの男 … ヒビキ一郎も当然駆けつけています。

「いや ~ 2009年の海女ソニは熱かったわ ~ 」

一角を陣取ったオタクさんたちから上がる歓声、拍手。

入り口近くに太巻の顔も見えます。

「いいんですか? … 今更、遅いか … 」

水口の顔を見返しながら太巻は言いました。

「いつでも逃げられるように、ここにいるんだ。

… 安心しろ、最悪の事態を回避するために、『影武者』が向かっている」


そう言ってコードレスのマイクを取り出しました。

… … … … …

「ねえ、ばっぱ、祖父ちゃんは?」

忠兵衛の姿が見当たりません。

「どっかにいるはずだがな ~ 」

辺りを見回す夏。

「まあ、いいか … そこ座ってけろ」

… … … … …

忠兵衛は、まだ自宅にいました。

仏壇に向かって手を合わせて、夏のパソコンに映る家族写真を見て微笑んでいます。

誰かが走ってくる足音 …

「こんにちは!」

玄関から入って来たのは、正宗でした。

「あれ、お義父さん?!」

「おお、ちょうどいがった … 正宗君、宮古まで送ってけろじゃ」


そう言った忠兵衛の傍らには旅支度がしてあります。

「 … 春子さんは?」

「春子? … 東京だべ?」

「いや、東京から来たんです。

急にいなくなったんです!」

「そうか … なら、ほれ、あれだ … 海女カフェ?」


そう言いながら身支度を整える忠兵衛。

「えっ、お義父さんは何処行くんです?」

「何処って、おめえ … また漁さ出るのよ」


当然のように忠兵衛。

「 … 何で、今日?」

「今日、船が出るからよ!」


… … … … …

海女カフェ。

開演を今か今かと待ちわびる観客 …

カンカン帽に白いスーツを着た組合長がステージに現れました。

拍手 …

「もっと、大きく拍手 ~ 」

拍手、歓声 …

「高い所から、失礼します。

ご存じ、北三陸市漁業協同組合の長内です … 当、海女カフェのオーナーです」

「いいの? 来ないの? 組合長の挨拶始まっちゃったよ!」


焦って電話をかけている太巻。

「男のスピーチとおなごのスカートは、短いほどいいと言います。

… 以上です!」


拍手 …

「終わっちゃったよ、挨拶終わっちゃったよ!

いいの? リサイタル始まっちゃうよ ~ 」


開始のブザーが鳴りました。

… … … … …

「鈴鹿ひろ美が北三陸にいる ~ 」

花道の舞台に上がった磯野の音頭で鈴鹿コールが始まりました。

「鈴鹿コール、始まっちゃったよ … 」

ステージ袖に控える、着物姿のひろ美。

女優の時と違って、緊張しているのが伝わってきます。

「大丈夫です … なるようになるから」

ユイに言葉を掛けられて、ひろ美はうなずきました。

「んだ、なるようにしか、なんねえから」

同じことでも、身もふたもないようなアキの言い方、ひろ美はアキを軽く叩きました。

ユイが真相を知ってから、3日間 … 夜、スタッフが帰った海女カフェで、ふたりに協力してもらって、ヴォイストレーニングを続けていたのです。

「ありがとう … 行って来るね」

… … … … …

「聞こえないんだけど! えっ?」

海女カフェにようやく到着した春子。

「春ちゃん?!」

出迎えたのは大吉でした。

「ちょうどいがった、ファックスでも報告したが、おらと安部ちゃん … 」

今はそれどころではありません。

春子は、ホールの入り口のカーテンをまくり上げました。

ステージで観客席に向かって頭を下げるひろ美。

袖から見ているアキは春子に気づきました。

しかし、その姿は …

「じぇっ?!」

アキの目に映ったのは、若かりし頃の春子でした。

「マイク頂戴!」

「春ちゃん、マイク!」


太巻の元に駆けよる春子、その手からマイクを受け取るとステージに向かって走る。

「どいてどいてどいて!」

「春ちゃん、電池!!」


春子が手にしたマイクから電池が飛び出して、太巻の眉間に命中しました。

「あいたっ!」

ひっくり返る太巻。

ステージ袖に駆け込んだ春子、何とか間に合いました。

春子に気づいたひろ美。

… … … … …

その時、『潮騒のメモリー』のイントロが流れ出しました。

歌い出す春子。

♪来てよ その火を 飛び越えて 砂に書いた …

しかし、電池が入っていないマイクではその声は会場には届きません。

万事休す …

ひろ美は微笑むと、落ち着いてマイクに向かいました。

♪アイ ミス ユー

… 奇跡が起こりました。

♪北へ帰るの 誰にも会わずに 低気圧に乗って 北へ向かうわ

完璧な音程でした。

ステージ袖でひろ美の歌に聴き入るアキとユイ、そして春子。

♪潮騒のメモリー 17才は寄せては返す 波のように激しく ~

「さすが、プロだな」

「紛れもねぐ、鈴鹿ひろ美だ」


かつ枝と美寿々の言葉通り、海女カフェにいるすべての人がひろ美の歌に心を打たれていました。

「すごいね … 」

「んだ、大当たりだ」


うなずき合ったユイとアキ。

『逃げるのもう嫌なんです … 下手でもいい、不完全でもいい、自分の声で歌って、笑顔を届けたい!』

『私の声がレコードになるんですか? … 鈴鹿ひろ美の名前で?』

アキは見ました。

反対のステージ袖で満面の笑みをたたえる若き春子を、その目に光る涙を …

< その少女の姿は、それっきりもう見えなくなりました … >

… … … … …

一番を歌い終わったひろ美は、今一度春子の顔を見て、そしてスタンドからマイクを外して、花道を歩き始めました。

静まり返っていた観客席から、一斉に拍手と歓声が起こりました。

♪ … 来てよ その火を 飛び越えて 夜空に書いた アイム ソーリー

感極まり、ひろ美を見つめる太巻。

♪来てよ その川 乗り越えて ~

三代前から マーメイド 親譲りの マーメイド …

「なんつった今?」

かつ枝に尋ねた美寿々。

「『三代前からマーメイド』だと … 夏ばっぱのことだべ?」

それを聞いて微笑む夏。

「あの野郎、さては最初から決めてたな」

♪ … 好きよ 嫌いよ …

「なすて、あんたが泣いてるの?」

「すいません … 」


いつの間にか大泣していた太巻。

「拭けほら、涙で顔がテッカテカだぞ」

… … … … …

ひろ美は見事に歌い切りました。

割れんばかりの拍手、喝采 …

ステージ袖の春子と微笑みを交わす、ひろ美。

そして、長い長いひろ美の闘いが幕を閉じたのです。

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