NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2013年03月29日 (金) | 編集 |

第150話

晴海(森下愛子)は病状が進行し、もはや純が誰かわからない。だが、うれしそうに自分の家族について語る晴海を見て、純は涙を流す。

(2013年3月22日 NHKネットステラ)


まだ明けやらぬ朝、純はベッドに座り込んで、眠り続けている愛のことをぼんやりと見つめていました。

おじい、お父ちゃん … 昨日、皆が励ましに来てくれたのに …

「いとし君が目覚めてくれないと、ここは“まほうのくに”にはならないんです … 本当にごめんなさい」

… あたしは、あんなことしか言えなかった


朝陽が差し込み始めた頃、純は愛の手足の屈伸運動を施しながら、いつものように話しかけました。

「いとし君、今日も宮古の空、きれいだよ」

その言葉に反応したかのように、愛の手が純の手を握り返しました。

しかし、ただそれだけ … 返事が戻ってくるわけもなく … 何度こんな期待と失望を繰り返したでしょうか …

純はこみ上げてくるものを抑えきれなくなりました。

「ねえ、何で起きてくれないのよ? … こんな日が続くの耐えられないよ!」

ただただ泣くことしかできない純。

おじい、お父ちゃん … お願い、助けてください

… … … … …

「こんにちは」

一階から声が聞こえました。

純が重い足取りで、階段を下りてみると、青いワンピースの晴海がフロアに立っていました。

「あなた従業員の方でしょ?」

母が自分のことを娘だと理解することはもうないのでしょうか … どうしようもないことと思いながらも、いたたまれない気持ちに苛まれている純に、晴海が無邪気に言いました。

「お茶もらえませんか? … 私のどが渇いちゃって」

… … … … …

純がお茶を淹れている間、館内を見回していた晴海が、壊れてしまったジュークボックスに気づきました。

「あれ、これ壊れちゃったの … 残念ねえ、聞きたい曲があったのに」

純は、母が何の曲を聞きたかったのか気になって尋ねました。

「ひなまつり … 父と娘が、ジュークボックスの前に座って、いつも聞いてたさ … 父はね、娘のことが大好きでね … “お前はそのままでいいからな”って、いつも言ってたよ」

長い間解けなかったパズルの答えを純は、祖父の思い出と共に見つけたような気がしました。

♪ 灯りをつけましょ、ぼんぼりに お花を上げましょ 桃の花 …

ジュークボックスの代わりに、純が歌うと、晴海は手をたたいて喜んでくれました。

… … … … …

純が淹れた茶を美味しそうに飲んだ晴海は、次に腹が減ったので何かないかと尋ねました。

冷蔵庫を覗いても大したものは残っていませんでしたが …

「あの、ダシ巻タマゴでもいいですか?」

そう尋ねると、晴海がうれしそうに答えました。

「あら、それ、ウチの主人の大好物」

純の顔が思わずほころびました。

純は、晴海自身に教わったダシ巻タマゴと、裏庭に愛が植えておいたパンダマを摘んでサラダを作って出しました。

ダシ巻タマゴを口に入れた晴海のことを不安そうに見つめる純 … 晴海は笑顔で言いました。

「ウチの味付けと一緒」

… … … … …

「ウチの家族見る?」

晴海はポケットから、家族写真を取り出すと、テーブルの上に置きました。

「 … これが私で、これが父 … それから、これがね … えーっと … 」

善行を指さしていますが、誰だか思い出せないようです。

「 … ご主人の善行さん」

純が代わりに言うと、晴海はうなずきました。

「長男の正さん … 次男の剛君」

晴海が指差すたびに純が代わりに名前を言い、晴海がうなずきました。

「そして、これが … 」

純を指さしたまま、晴海は一生懸命考えています。

「長女の … 純 … さん」

… … … … …

「そうそうそう … この子がね、やんちゃでさ、男の子みたいだから、大きくなっても結婚できるか心配で … 」

純は少し言いにくそうに答えました。

「それは … 大丈夫です、きっと」

「そうかね? … いい人見つかるかねえ?」


晴海は不安そうに聞き返しました。

「はい、きっと」

「そうね? … だったら、安心ねえ」


晴海は、うれしそうにころころと笑っています。

… … … … …

こみあげてくる涙を見られまいと、純は晴海の後ろに回って肩を揉み始めました。

「あなた、お母さんは?」

晴海にそう尋ねられた純は肩を揉みながら答えました。

「とっても優しい母がいます … そこにいるだけで皆が笑顔になる、ウチの家族の誇りです … あたしは、そんな母に文句ばかり言って … 苦労ばっかり掛けて … 全部 … 全部、あたしのせいなんです」

晴海は純の手をやさしく触って言いました。

「そんなことないさあ … あなたは、愛をいっぱいいっぱい持ってるよ」

純にそう言った晴海は、母親の顔でした。

純は誰はばかることなく涙を流して晴海に抱きついていました。

「お母ちゃん、お母ちゃん」

… … … … …

「やっぱりここにいたさ、晴海ちゃん」

「捜したよ」


キンや晴海の幼なじみたちが、いなくなった晴海を捜してここまでやってきたのです。

「あら、じゃあ、帰ろっかねえ」

晴海は立ち上がると、あっけらかんとそう言い、キンたちの元へ駆け寄りました。

「晴海ちゃんのこと、心配しなくてもいいから … あんた、頑張って!」

純のことも気にかけていたキンがそう励ましました。

「あ、ありがとうございます」

キンたちに連れられた晴海がふいに振り返りました。

「ここ、また来てもいい?」

純が返事に困っていると、晴海は続けました。

「だって、ここ … “まほうのくに”でしょ?」

… … … … …

純の心の中で何かが解き放たれ … 思わず答えていました。

「はい!」

晴海はうれしそうに微笑むとキンたちと共に帰って行きました。

純は深く頭を下げ … そして、見送りました。

… … … … …

涙はもう乾いていました。

いとし君 …

純はフロアの窓を全部全開にして、外の空気を呼び込みました。

あたし … いとし君が二度と起きてくれなくても、このホテルに一人でも多くの人に来てもらって、さっきのお母ちゃんみたいな笑顔を一つでも多く作っていく … ことに決めた

薄汚れたカーテンをテキパキとすべて外して洗濯しました。

あなたが目覚めると、もう無理して信じるのはやめる … あなたのために作ったこのホテルをダメにしたら … あたしたちが、今まで愛しあってきたことも、消えてしまうから

愛の枕もとに腰かけてそう語りかける純の顔には、もう一遍の迷いもありませんでした。

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