NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2013年04月05日 (金) | 編集 |
第5回

その少女 … 足立ユイは畑野駅から乗ってきました。

地元の子とは思えない洗練された容姿、清楚な横顔にアキの目はしばしくぎ付けになりました。

「ありゃあ、畑野のユイちゃんか?」

夏が声を掛けると、ユイはイヤフォンを外して、挨拶をしました。

「早えな、学校か?」

「はい、終業式なんです」


きれいな標準語でした。

「訛ってねえ … 」

夏がアキのことを東京から遊びに来ている孫だと紹介しました。

「高校生?」

「んだ、2年生だ」


東京で生まれ育ったアキの方が訛っていました。

「うふふ、私も高2、よろしくね」

笑顔のユイ、アキはぎこちなくうなずくことしかできませんでした。

のちにふたりがお互いにとって、かけがいのない存在になろうとは … 本人たちも知らなかったのです。

… … … … …

喫茶リアス。

「ユイの親父さんは地元の名士なんだ … 元々、北三陸高校の先生で俺や春ちゃんの担任で」

岩手県議会議員・足立功、店の壁に貼ってある講演会のポスターを指して大吉がアキに説明しました。

「だからもう北鉄も観光協会も足立さんには、頭が上がらねえんだ」

常連の今野が言いました。

ポスターの写真の足立功は、ユイの父親にしては随分年配に見えました。

「遅くに結婚したからなあ」

今日の店番の弥生がしみじみと言いました。

ユイには盛岡の大学を卒業して、今年東京のホテルに就職した兄がひとりいました。

「それが、辞めて帰ってきたんだじゃ」

「じぇ!じぇ!」


情報通の大吉は続けました。

「くわしい事情はわかんねえけど … 今完全に無職で、家さ居づらくて、パチンコさ入り浸っているらしい」

パチンコ屋に入り浸っているのは、もう一人いました …

… … … … …

「よく会うね」

春子がパチンコ屋で声を掛けたその若い男こそユイの兄、足立ヒロシでした。

ここに「入り浸っている」二人は、挨拶して二言三言かわすくらいの顔なじみになっていました。

「あんた仕事は?」

「今日から、形だけバイト始めました … 漁港の上の監視小屋、わかります?」


密漁船などを見張って、1日5,000円の仕事だとヒロシは言いました。

「今は休憩中?」

「抜け出してきました」


まったく悪びれずに答えたヒロシ、春子でさえあきれていました。

「ダメじゃん」

… … … … …

「24年ぶりか、春ちゃん帰ってきて … 大吉さん、あのあと上手くいってるのかい?」

弥生に聞かれて、大吉はソワソワし始めました。

『待ってたんだべ、春ちゃんが帰ってくるの、ずっと待ってたんだべ … 』

「まあ、こっちの気持ちは伝えた」

「それで、春ちゃんは?」


一同、大吉の返事に注目しています。

「 … まんざらでもねえって感じだった」

何故か大喜び、弥生は大吉の手を取りました。

「でかしたぞ、でかしたぞ大吉さん」

「春ちゃんが潜ってくれたら、これ以上明るいニュースはねえ」


かつ枝も喜んでいます。

「あっ! そっちの話か … 」

勘違いに気づき、あせる大吉です。 

… … … … …

「ママが、海女さんになるの?!」

横で聞いていたアキは驚きました。

「なってくれたら、まんず後継者不足も解消するって話、なっ?」

かつ枝が言うと、一同うなずきました。

「若い連中が春ちゃんのふぉ、ふぉ」

「フォロワー?」


無理してカタカナ語を使おうとして言葉に詰まっていた弥生を大吉がフォローしました。

「 … フォロワーがついてくれたら、言うことなしだべ」

… … … … …

「確かになあ、客集めるには、海女の若返りは必要だべな」

弥生の亭主、今野が現在の海女メンバーが並んだポスターを見ながら、妙に納得しています。

「そんなにお客さん来ないの?」

アキは不安そうに尋ねました。

若手だと言われている美寿々でさえ、もう50歳です。

若い頃は東京から追っかけが来るほどの人気者でしたが、一時休業して復帰してから冷え性で … 最年少の小百合も漁協と掛け持ちでがんばってはいますが、いかんせん地味でした。

「だが、どうせなら、若者にバトン渡してから引退してえ」

「ここで辞めたら、北の海女は絶滅する」


弥生とかつ枝が声を大にしました。

副駅長の吉田が来たので、店番を交代した弥生は客側に移動しました。

「ああ、くやしい … 酒くれ酒! … それと、ぴす、ぴす、ぴす … ピストル?」

「ピスタチオだべ、弥生さん今日はどうした? いつもはもうちょっとしゃべれるべ」


大吉に言われて、弥生はカウンターの上で頭を抱えてしまいました。

… … … … …

「琥珀はどうだ?」

今まで黙っていた琥珀掘りの勉さんが口を開きました。

「 … 海女と違って年取らねえ、元々8千500万年前の樹液の化石だからなあ」

「勉さん、皆まじめに考えて意見言ってるんだ … 琥珀の時代は来る、琥珀も必ず来るから待ってろ … 8千500万年も待ったんだから、あと2、3年待てるべ?」


大吉の剣幕に勉はうなずきました。

… … … … …

大人たちの話を聞いてアキは、これが過疎の町の実態なんだと … 改めて感じました。

そんな過疎の町を何とかするためにアキの母親は呼び戻されたのです。

皆必死なんだ … きれいな海や美味しいウニ、可愛い電車、それだけじゃ人は生きていけない。

それでもアキはここが好き、ここにいる自分が好きです。

… … … … …

ひとしきりパチンコに興じた春子が家に戻ると、夏は昼寝の最中でした。

「お母さん … 夏さん … 」

返事はありませんでしたが、体が少し動きました。

「 … 今何時だ?」

午後3時ごろでした。

「もうちっと寝かせてけろ」

春子は腰を下ろして構わず話しはじめました。春子の方から夏に話をする、どうしても今伝えておかなければならないことなのでしょう。

「今日、アキが帰ってきたら東京に帰るか、ここに残るか決めてもらうつもりです」

… … … … …

「アキは残りたいって言うと思います。それくらい、あなたに懐いています。

もちろん無理やり連れて帰ることはできます。

でも、果たしてそれがあの子のためなのか、親としては考えてしまうんです。」


夏は横になったままで春子の話を聞いています。

「東京でのあの子は、感情を表に出さない内気な子なんですよ。

殻に閉じこもって、家族にも友達にも心を開かない … 『うっめえ』とか『かっけえ』とか『じぇ!じぇ!じぇ!』とか絶対言わない子なんですよ。

どっちが本来のアキなんだかわかんないけど、あの子にはここがあっているような気がするんです。

だから、せめて夏休みが終わるまでここにいさせてあげようかなって思って … 」


夏からは何も返ってきません。

「お母さん、夏さん! … 聞いてよ」

ようやく夏はゆっくりと体を起こしながら、反対に春子に尋ねました。

「おめえさんはどうなんだ?」

… … … … …

「東京と、こことどっちが好きだ?」

東京に決まっていると春子は答えました。

「ということは、東京にいるときのおめえは、本来のおめえなのか?」

春子は答えられませんでした。

「おらあ、東京さ行ったこともねえ。ここさ生まれて64年、ここから一歩も出たことねえ。

袖が浜と北三陸の町以外、なんも知らねえ …

だけど、ここが一番良いってことだけは知ってる、間違いねえ … その土地をおめえは捨てたんだど」


… … … … …

「まあいいさ … 来る者は拒まず、去る者は追わずだ」

腰を上げた夏は、そのまま母屋を出て行こうとしましたが、玄関で立ち止まりました。

「アキは今、自分で変わろうとしてっぞ … 変わらなくちゃなんねえのは、むしろ春子、おめえさんの方じゃねえの?」

春子は反論もせずに黙って聞いていました。

… … … … …

漁港の監視小屋に戻ったヒロシは、誰もいない防波堤の上を歩く人影を見つけました。

望遠鏡で覗くと、その少女のような人影は灯台に向かってどんどん歩いています。

「あれあれあれ … 」

… … … … …

人影はアキでした。

アキは灯台の下、防波堤の突端で立ち止まり、海面をじっと見つめていましたが … 尻込みをして引っ込みました。

「いやいやいや、服濡れちゃうし、パンツも」

もう一度、恐る恐る海を覗き込み … やはり怖くて引っ込みました。

「怖ええ」

『地味で暗くて、向上心も協調性も個性も花もない、パッとしない子になっちゃったじゃないの!』

母の声が頭の中に響いてきて、アキは思わず耳をふさぎました。

「違う!違うもん!」

その言葉を振り払うように、アキは走りだし … 思い切って踏み切りました。

… … … … …

「あっ!」

監視小屋から双眼鏡で覗いていたヒロシの視界から人影が消えました。

双眼鏡を外すと、その瞬間を肉眼で目撃したのです。

… … … … …

ザ、ブーーン!!

アキの体は放物線を描き、見事な水しぶきを上げて海に飛び込みました。

… … … … …

あまりの事態に、どんな行動をとればいいかわからなくなって混乱しているのでしょうか … ヒロシはテーブルの上のパチンコ攻略誌を手に取りめくりはじめました … 現実逃避?

「いやいやいや、あれあれ ◎×▲☆○■!!」

我に返ったヒロシは、あたふたして … 勢いで、非常用ブザーを押してしまいました。

「あ、押しちゃった … 」

… … … … …

ウ~ウ~ウ~ウ~

袖が浜に鳴り響く緊急サイレン。

何事かと思って飛び出した、夏と春子が玄関先で鉢合わせしました。

「夏さん、夏さん!」

泡食った大吉が駆け込んできました。

「あ、春ちゃん! アキちゃん、海さ飛び込んだじゃあ!!」

思わず口走る春子。

「じぇ?!」

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思わず春子も地が出て「じぇ!」
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