NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2013年06月20日 (木) | 編集 |
第70話

『今日、これから話し合うんです、本人と … あっちは東京に行くつもり、こっちは絶対に行かせないつもり … どっちが勝つかなあ?』

大吉の車で家に戻った春子を出迎えにアキとユイは家の外まで出て来ました。

「水口さんは?」

水口が何のためにまた北三陸に現れたかを早く知りたい、そんなところだったのでしょう。

「スナックで待たせてる」

ややガッカリ感が見えたユイに春子は功は疲れたと先に家に帰った旨を伝えました。

「お祖母ちゃんは?」

「分かんねえ、海女カフェでねえか?」


他愛のない会話が終わり、春子は、アキに本題を切り出しました。

「どれ、2階行くよ」

… … … … …

アキが2階へ上がると、先に部屋で待っていた春子が話しはじめました。

「ここでしゃべったよね、アイドルのこと」

「 … そうだね」

「デモテープ、聴いたよね」


少し緊張が解けたのかアキはベッドに腰かけながら言いました。

「あん時、ママ面白かった、話に夢中になってスナックさ休んで」

春子は笑いながらうなずいた後、ぼそっとつぶやきました。

「さては、あれがよくなかったか … 」

「えっ?」


アキに向き直った春子は、一変して厳しい顔で問いただしました。

「どういうつもり?」

アキは立ち上がって「すみません」とひとこと謝りました。

「そうかそうか、ママにもできるんだから私もできるかなあ、なんか思っちゃった?」

アキは否定しましたが、春子の口調はますます厳しくなっていきます。

「そういう話じゃないからね、あれは … むしろ逆!

東京なんか行かなけりゃよかった、アイドルなんかあこがれてバッカみたい、人生やり直したいって、そういう話だからね!」

「そしたら、おらこの世にいねえ … 」

「またそういう!」


春子は、口答えをしようとしたアキの両頬をつまみました。

そして、アキを座らせると、その前に腰かけました。

… … … … …

「アキ聞いて、ママね、あんたが東京に行くの全然反対しない、おっかけになるとか、なでしこジャパンに入るとか全然OK、ガールズバーで働きたいとかでも全然OK!

アイドル以外だったら何にあこがれても、全然いい!

… それぐらい、アイドルはダメ、許さない!」


何故、母はそこまでアイドルを毛嫌いするのだろう?。

「何で?」

「 … 不幸になるからよ」

「やってみなきゃ、分かんねえ」


ふたたび立ち上がったアキはすでに泣き声でした。

階段の降り口では、ユイがふたりの話に聞き耳を立てていました。

「分かるのっ!

… 純粋な気持ち、弄ばれて、利用されて、消費されて … 心が折れる」


アキはラジカセに入っていた春子のデモテープを取り出して手に取りました。

「水口もその社長の太巻って人も、誰も決して手を差し伸べてくれない … そういう世界なのよ」

「それでもいい、やるだけやってみてえんだ」


玄関の扉の開く音がして、夏が帰って来たようです。

迎えに出たのはユイでした。

「アキは?」

ユイは2階を指さして言いました。

「春子さんと … 」

… いつだったか、おばさんと呼ぶなと言われたからでしょう。

それだけ伝えるとユイは丁寧にお辞儀をして帰って行きました。

… … … … …

思ったより、頑固なアキに春子は手を焼いていました。

「聞いてけろ、ママ … おらがアイドルになりてえって思ったのは、ママの歌聞いた時なんだよ」

「えっ?」


突然、アキにそう言われて、春子は戸惑いました。

「かっこよかった … ご飯作ってるママや洗濯もの干しているママも好ぎだけど … 歌ってるママは最高だと思った」

何と答えていいのか迷う春子。

「だいぶ経ってから本物聴いたべ」

『新助、その火を飛び越えて来い!』

春子が吉田から借りていたビデオのことでした。

「鈴鹿ひろ美の潮騒のメモリーもかっこよかった … やっぱり女優は違うなっと思った。

でも、おらママの歌の方が好ぎだ!

先に聴いたからかもしんねえが、ママの歌の方が本物だって思った … 今でもそう思ってる」

「 … ありがとう」


春子は礼を口にしていました。

「お座敷列車で歌った時、海女カフェで歌った時、楽しかった。

もちろん、ママの足元にも及ばねえが、おらの歌がお客さんに届いたような気がして、うれしがった。

もっと届けてえ、もっともっと元気になってもらいてえ … ひとりじゃ無理だが、ユイちゃんとふたりならやれそうな気がするんだ」


アキの言葉は、春子に自分がアイドルを目指していた遠い日の感情を思い出させました。

確かにあの頃、今のアキと同じようなことを考えていたような気がします。

しかしそれは、却って今の春子の頭の中を混乱させてしまいました。

「 … だめか?」

「分がんねえ … 」


思いっきり訛ってつぶやく春子。

アキは、ずっと目を閉じたままの母のことが不安になってきました。

「ママ?」

「 … 何て答えていいのか、全然分かんない」


春子は目を開けて首を振りました。

アキの不安は募るばかりです。

「ちょっと待ってて、お母さんに聞いてくるわ」

「えっ?」


そう言った春子に最初の勢いは消えていました。

そして、アキを部屋に残して、1階に下りて行ってしまいました。

… … … … …

夏はすでに寝床についていました。

「どうしたらいいか分かんないよ … 夏さん、起きてよ、夏さん」

夏からの返事はありません。

「起きてんでしょ?」

春子は横になっている夏の顔をのぞきこみました。目は固く閉じられています。

「あんたならどうする? … ねえ、夏さん!」

『ねえ、母ちゃん、あたしやっぱり海女やりたくねえ … 東京さ、行きてえ』

25年前のあの夜のことが春子の脳裏によみがえりました。

「あん時と一緒か … 」

泣きたいような気持になって、あきらめて部屋を出て行こうとする春子。

「待て … 」

夏が呼び止めました。

… … … … …

寝床から出て、茶の間に腰を下ろした夏は春子に尋ねました。

「何だって?」

春子は立ったまま、斜に構えた格好で意見を乞いました。

「アキが東京に行くって言って聞かないの、アイドルになるんだって … どうしたらいいと思う?」

当たり前のことのように答えた夏です。

「行がせてやったら、いいべ」

切羽詰って相談したのに、それを深く考えもせずにいとも簡単に答えた夏。

「何で?」

「本人が行きてえって言ってるからだ」


春子は夏の助言を素直に聞くことができませんでした。

それは、夏の考えが自分が思っていたものと違っていたからという訳ではありません。

「私も行きたかったけど … 同じように私も夢があって、東京行きたくて、オーディション受けたいって相談したじゃん?」

「いつの話してんだ?」


湯呑みに一升瓶で酒を注ぐ夏、春子は向かいに座って身を乗り出しました。

「あの時、夏さん何っつったか覚えてる?」

「へっへ、くっだらねえ」


… … … … …

『くだらねえ』

春子から見せられたオーディションの通知を夏は放り捨てました。

『お願い、二度とないチャンスだから行かせてください!』

… … … … …

「 … そんな冷たい夏さんがさ、どうしてアキには甘いの?」

それはもう嫉妬でした。

「孫だから? … 娘のことは突き放したけど、孫のことは守るんだ?」

夏からの答えを待つ春子、しかし夏は口をつぐんだままです。

「ねえ、答えてくんないとさ、私もアキに何て言っていいか分かんないんだよ!」

「 … なしてだべなあ」


ようやく重い口を開いた夏。

「やっぱし、あん時のことが引っ掛かってるんだべな … 」

「えっ?」

「母親として、娘の将来も考えねばなんねえ、同時に海女クラブの会長として、地域の活性化に貢献せねばなんねえ。

北鉄が開通して、あの頃は皆前向いてたもんで、地元のために娘を犠牲にしたこと … 今やっぱし、後悔してんだべな」


夏の口から出たのは、春子にとって思いもよらぬ言葉でした。

「ちょちょ、やめてよ … えっ?」

「あの晩、おめえは本気で訴えかけてきた … おらも本気で応えるべきだった。

大事な娘を欲の皮の突っ張った大人たちの犠牲にしたくねえって、市長さんや組合長さ、タンカ切るべきだった … 」


春子の頬を一筋の涙が流れました。

「そのことを、ずうっとずうっと悔やんでたから … おめえの顔見んのがつらかった」

夏は伏せていた顔を上げて、春子の目を見つめて言いました。

「すまなかったな、春子 … 25年かかった、この通りだ … 許してけろ」

深く深く頭を下げました。

… … … … …

春子はあふれ出る涙を止めることができません。

「お母さん … 顔、顔あげてよ、お母さん、お母さん」

夏は静かに顔をあげて、「ふうっ」と25年分のため息をつきました。

「スッとしたあ、やっと言えたべ」

「私もスッとした」

「そうかい?」


晴れやかな顔になった夏が聞き返しました。

「へへっ、謝ってほしかったのか、私 … よく分かったね」

泣き笑いの春子。

「 … まあな … 腹減ったな、うどんでも食うか?」

夏は照れ隠しに台所に向かいました。

「やっぱ、かっこいいわ、お母さんは」

もう『夏さん』とは呼びません … 25年分のわだかまりが解けていくのを感じていました。

「ああ?」

台所から聞き返した夏に春子は答えました。

「なんでもねえ!」

… … … … …

春子が2階の部屋に戻ると、待ちくたびれたのでしょう、アキは眠りについていました。

床に落ちていたデモテープを拾った春子。

インデックスには、『1984.5 君でもスターだよ!』と書かれています。

アキに伝える答えはもう決まっていました …

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