NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2013年06月22日 (土) | 編集 |
第72話

ついに、アキとユイが東京に発つ日がやってきました。

北三陸駅には、アキを見送るために海女クラブのメンバー、組合長、そして担任の磯野が駆けつけてくれました。

「天野アキの門出を祝して、万歳!万歳!万歳!」

弥生の音頭で万歳三唱のあと、皆は日の丸の小旗を振って、アキのことを送り出してくれました。

ホームには、大吉が特別に用意してくれた貸切りの臨時列車が停まっていました。

車内には、潮騒のメモリーズのポスターや『ガンバレ!アキユイ』と書かれた垂れ幕が吊るされています。

「ありがとう」

「だば、まだ時間があるから、ごゆっくり」


大吉は気を利かせたつもりで、アキと春子を残して、電車から出て行きました。

… … … … …

と言われても、昨夜一杯話ししたので、これと言って特にもう話すこともないのですが。

「 … 忘れ物ないよね、お金はちゃんと二つに分けた?」

アキはまだ夏のことが気になっていて、上の空で返事しました。

「まあ、あれだ … 色々大変だと思うけどさ、ちゃんと水口さんの言うこと聞いて … 本当になんか困ったことがあった時だけ、パパに連絡しなさいよね」

結局、夏は見送りに来ていなかったようです。

なんだか急に寂しくなってきました。

「 … まあ、せっかく近くにいるんだし、あの人も、ねっ?」

「行ぎたくねえ!」

「ええっ?!」


いきなり泣き出したアキ。

「ママ、東京さ行ぎたくねえ」

「ちょっと待って、何言ってるの? 今更」


おろおろする春子。

しかし、車掌の吉田が乗り込んで来たのを見てアキは言いました。

「行かなきゃ … 」

「 … 行くんだ?」


そして、夏からの餞別、北の海女の手拭を取り出しました。

「じゃあね、夏ばっぱと仲良くね、ケンカしないでね」

春子にそう言ったあと、手拭で涙を拭いました。

「はいはいはい … 」

春子は列車から下りる時に1通の封筒を取り出して、アキに手渡しました。

「これ後で読んでね」

< それは、私の知らない母の半生をつづった手紙でした … >


… … … … …

ホームで大吉と並んで見送る春子。

アキは窓を開けて、母に尋ねました。

「ママ、私変わった?」

「えっ?」

「1年前と随分変わった?」


大吉が発車の合図をすると、ベルが鳴り始めました。

「 … 変わってないよ、アキは」

「ママ … 」

「昔も今も地味で暗くて、向上心も協調性も存在感も個性も華もないパッとしない子だけど …

だけど、皆に好かれたね、こっちに来て、皆に好かれた」


列車は、ゆっくりと動き始めました。

「あんたじゃなくて、皆が変わったんだよ」

窓から顔を出すアキを追いながら春子は続けました。

「 … 自信持ちなさい、それはね案外すごいことなんだからね!」

「うんっ!」

「いってらっしゃい!」


春子は晴れやかな気持ちで手を振りました。

「いってきます、いってきます!」

アキは列車の中を走り、手を振りながら、何回も何回も言いました。

「ガンバレ、アキ!」

「ガンバレ、アキちゃん!」


アキは春子たちが見えなくなると、席につきました。

もう一度、今来た道を振り返り、そして、電車が進む方へ向き直って、前を見つめました。

… … … … …

アキを見送った春子と大吉がリアスに戻ると、弥生が気の抜けたように言いました。

「あ~あ、行っちまったなあ … 」

「さあ、これからが正念場だな、観光課長」


今野にそう言われて、保もやはり気の抜けたように答えました。

「張り合いが無くなっちまったな … ミス北鉄の2代目でも探すか?」

「でも、あの子たちは幸せよ、皆に祝福されてさ … あたしなんか誰も見送りなんか来なかったもんね」


春子の言葉に勉さんが琥珀を磨く手を止めました。

「うそうそ、すごい人出だったべ、日の丸の旗振って!」

「いやいや、それは、北鉄を見に来た人たちでしょ? … ウチなんか母親も来なかったんだから、ふふっ」

「春子さん … 」


春子が振り向くと、勉さんが何か言いたそうな顔をしています。

「浜でワカメ採ってたんだよな、夏ばっぱらしいべ」

弥生が横から口を出したので、遮られてしまいましたが、春子は気になって聞き返しました。

「何、勉さん?」

「 … お母さん、いたんだよ、あの日」

「えっ?!」

「夏さん、ちゃんと見送りしてたんだ」

「じぇじぇっ!」


絶句する春子。

「いやいや、そんな訳ねえべ、おらホームさいたけど、見かけなかったど」

弥生は否定しましたが、勉は続けました。

「ホームじゃなくて、浜で … 」

… … … … …

1984(昭和59)年、あの日 …

勉さんは、浜で竹竿に結びつけた大漁旗を持った夏に出くわしたのです。

夏は、旗を突き立てて鉄橋を見上げていました。

… … … … …

「なんだやあ、そったら大事なこと、なして黙ってた勉さん?!」

弥生は責めました。

「誰にも言うなよって、夏さんからワカメもらったから … 」

「それで25年もか?」


保があきれて声をあげました。

「えっ、ちょっと待って、浜でって … えっ、じゃ何で私気がつかなかったんだろう?」

北鉄は夏が待っていた浜の上の鉄橋に出ると、景色を見せるために少しスピードを緩めます。

春子が列車から外を見ていれば、夏に気づいたはずです。

大吉が急に立ち上がりました。

「ごめん春ちゃん、おらが話しかけたからかもしんねえ!」

… … … … …

25年前、春子は列車の海側に座ってぼんやりと外を眺めていました。

「春ちゃん、東京さ行ぐのか? 北鉄も通って、この町もますます活性化するべ」

「うるせえ、ひとりで生きて行くって決めたんだ!」


家出を止めようと説得する大吉のことをうるさがった春子は席を立って、反対側の窓際に移りました。

ちょうど、それが列車が鉄橋に通りかかった時だったのです。

浜では、夏が列車に向かって大漁旗を振りながら叫んでいました。

「ガンバレ、春子! 行って来い、春子! 元気でなあ! 万歳!万歳!万歳! … 」

もしも、大吉が話しかけていなければ …

… … … … …

勉さんの話を聞いた春子は、どうしようもなくやるせない気持ちになって店から出てきました。

心配した大吉があとを追ってきます。

「 … ずっと恨んでた … もしもあの時、お母さんが笑顔で送り出してくれてたら、どんなに気が楽なんだろうって … 」

「笑顔で送り出してたんだな … 」

「ああ、何だよ、何て人だろう、夏さんて … 何なんだよもう、何なんだよもう!」


恨みつらみ、くやしさ、後悔 … いろんな気持ちが渦巻いて、混乱した春子 … 髪をかきむしり、泣きながらベンチに座り込んでしまいました。

「大吉っ、おめえはバカかこのっ! 大吉ばかっ、このっ、大吉っ!」

大吉は春子の前に立って自分自身を殴り始めました。

… … … … …

アキを乗せた列車は、トンネルに入っていました。

これを抜けると、列車は浜が見える鉄橋に出ます。そこには …

「アキちゃん、どうしても行ぐのか? … 東京さ、行ぐのか?」

吉田が名残惜しそうにアキに声を掛けた時、他に誰も乗っていないはずのボックス席から老婆が現れました。

「車掌さん、おしっこさ行ぎたぐなったんだども、次の駅までなんぼかかんべ?」

「っていうか、これ貸切りの臨時便、ダメだよ、乗って来ちゃあ」


そんなやり取りをぼんやりと聞きながら、アキは窓の外を眺めていました。

トンネルを抜けて、車窓一面に広がった北リアス海岸。

「じぇじぇじぇっ!」

「どうした、アキちゃん?」


アキは、急いで窓を開けました。

「見て、あれ!」

浜で一心不乱に大漁旗を振る夏の姿がありました。

「万歳!」

「ばっぱっ!」


窓から身を乗り出すアキ。

「ばっぱ、元気でね! 行ってくるからねえ!」

アキはちぎれんばかりに手を振りました。

夏も笑顔で旗を振って、叫んでいます。

「万歳!万歳!」

アキも手拭を手に取りました。

「ばっぱ、元気でね! またねえ!」

旗を振りつかれた夏は、よろけて浜に手をつきましたが、最後に列車に向かって叫びました。

「アキ、ツラくなったら帰えって来いよお!」

… … … … …

北三陸駅。

「バカバカバカっ!」

大吉の自己反省は続いています。

「もういいよ、大吉さん ふふふ」

知らなかったこととはいえ、夏はずっと応援してくれていたのです。

自分は決してひとりではなかったんだ …

いつしか春子に笑顔が戻っていました。

… … … … …

列車は畑野の駅に近づきました。

ホームにユイとヒロシの姿が見えます。

「えっ、ユイちゃん?」

ユイは荷物を持っていません。

列車が停まってドアが開きます。

「何で?」

「ごめん、行けなくなった … でも、すぐ追っかけるから、先行ってて」

「 … 親父が倒れたんだ」


強張った顔のヒロシがアキに伝えました。

「お医者さんは、じき意識は取り戻すだろうけど、大きな病院に転院するかもって」

「ごめんね、アキちゃん」

「いや … うん、そしたら、おらも行ぐのやめるか」


アキが荷物を取りに席に戻ろうとしました。

「ダメ、それはダメ! アキちゃんは行って!」

ユイは列車に乗り込んできて、アキの手を握りました。

「大丈夫、きっと良くなるから … 必ずすぐ行くから、ねっ」

自分自身にも言い聞かせるようにユイはそう言いました。

ヒロシに促されて、電車を下りるユイ。

アキはカバンからユイの分の東京までの切符を取り出して渡しました。

「これっ」

無常に閉まる列車のドア。

「すぐ行くからね!」

ドアの向こうでアキはうなずきました。

「すぐ行くから、すぐ行くから待っててね」

動き出した電車を追って、泣きながら叫ぶユイ。

「アキちゃん、ごめんね!」

ホームの先端でヒロシに肩を抱かれながら、泣きじゃくるユイ。

「待っててね、アキちゃん!」

ユイとふたりなら、なんとかやっていけると思った大嫌いな東京 … アキは途方に暮れていました。

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