NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2013年07月10日 (水) | 編集 |
第87話

「じぇっ!」

その女性は男性と談笑しながら、横断歩道をこちらに渡ってきました。

「じぇっ!」

向こうは気づかずにアキの目の前を通り過ぎます。

< それは、紛れもなく … ユイちゃんのママでした。 >

慌てて小百合の屋台に駆け込むアキ。

「安部ちゃん、安部ちゃん、来て来て!」

小百合の手を取ると、歩いていくよしえの後ろ姿を指さしました。

「いいから見て!」

「見える … 三又又三!」

「じぇじぇっ、うそ、どこどこ?」


タレントの三又又三が丁度、よしえたちとすれ違ったところでした。

「あの人、岩手県出身なんだよ。花巻市の医者の息子なんだよ。コロッケの付き人だったこともあるんだよ」

三又又三は女性連れでこちらに向かって歩いてきます。

「あっ!」

それどころではありません … 三又又三に気を取られていて、よしえたちの姿を見失ってしまいました。

「ああ、もうどっか行っちゃった … 安部ちゃん、三又について詳しすぎっ!」

… … … … …

その夜 …

アキはベッドに入っても、目が冴えて中々眠りにつくことができませんでした。

< えれえもん、見ちまった … ユイちゃんとストーブさんのママが、北三陸で一番恵まれてると言っても過言ではねえ、幸せの代名詞、足立家の奥様が … あんな楽しそうな笑顔はじめて見た >

昼間見かけた、男性と談笑しながら歩くよしえの横顔が頭をよぎりました。

「いやいやいやいや」

思わず声を発してしまいました。

< 人違いかもしんねえ … ユイちゃんの身をあんずるばかり、幻を見たんだ … そうに違いねえ、だって … >

『私はただ、帰ってきた子供たちを温かく迎えたいなって思うだけ … 美味しいご飯と笑顔で』

かつて、よしえはアキにそう話しました。

< あれは、ウソだったんだべか … >

『全部ウソだよ、声も言い方もウソ臭いでしょ、原稿読んでるみたいでしょ?』

しかし、あの時ユイはそう言っていました。

「いやいやいやいや!」

声を出して、ベッドの上で体を起こしたアキ、同室のふたりは眠りついています。

< ユイちゃんの言うとおり、全部ウソだったんだあ! >

「んだんだんだんだ!」


掛け布団を払いのけたアキ。

< そしてついに、病気の夫を見捨て、娘の夢を犠牲にしてまで、東京さ来たのだ …

あららららら、恐ろしい女、鬼嫁だあ >

「知らせなきゃ!」


アキは携帯を手にして、ユイを呼び出しましたが … 出る気配がありません。

「痛っ、痛い痛い … 」

腹痛に襲われて、うずくまるアキ … 薫子が心配そうに覗いてみています。

< 言えねえ、これ以上ユイちゃんを傷つけたくねえ>

携帯を閉じて立ち上がりました。

「いやいやいやいや … 」

いつまでも暗がりでゴソゴソしていたかと思うと、急に声を上げたりで、うるさいアキ。

我慢しきれなくなったしおりが起き上がって、アキをにらみつけて言いました。

「うるっせえな、お前、この野郎! 何時だと思ってるんだよ? … 寝ろ!」

… … … … …

一方、ユイは …

リアスでバイトを始め、立ち直りかけているとはいえ … 学生の時とは比べようにならない不規則な生活を送っていました。

散らかったままの部屋に横たわっていたユイは携帯に手を伸ばしました。

アキからの着信があったようです … 携帯を開くと、着信履歴はほとんどアキからのものでした。

アキにコールしようとしましたが、すかさずキャンセルしてしまいました。

… … … … …

再び合宿所。

水口の部屋の戸をノックする者がいました。

返事をしても、ドアを開けずにもう一度ノックしました。

そのうち、かすかな泣き声が聞こえてきます。

戸を開けると、枕を抱えた泣き顔のアキが立っていました。

「 … 眠れません」

うらめしそうな顔で水口のことを見上げています。

「君はいくつだ? … もう寝なくていいから、布団の中でじっとしていなさい」

あきれた水口が戸を締めようとするのを、アキは止めました。

「じっとしてたらウルサイって言われました … 気配がウルサイって、出てってくれって」

… … … … …

「えっ、ユイちゃんのお母さんが?」

うなずくアキ。

「あの上品な奥さんが? … 浮気とか絶対しなさそうな、風邪薬のコマーシャルに出てそうな奥さんが?」

取りあえず、部屋に入れたアキの口から、失踪中のよしえを見かけたことを聞いた水口。

「男と上野で?!」

「はい」

「 … それは、確かに『じぇじぇじぇ』だ」


アキが眠れないのも理解できました。

「どっちにしろ、警察に届けだしているわけだから、似た人見かけたって通報した方がいいかもね」

「ユイちゃんには?」

「それは、絶対言っちゃダメだよ … ただでさえ心が折れかけてるのに、蒸発した母親が東京でしかも男と一緒だなんて聞いたら、完全に折れるよ」


… … … … …

「どうなの、最近連絡取ってる?」

よしえの件以来、メールも返って来ない、留守電入れても折り返しもないという状況でした。

「何か責任感じるなあ … 」

「水口さんが、なして?」


水口は部屋を出て、食堂へ行き、冷蔵庫から飲み物を取りながら言いました。

「だって、ふたりを引き裂いた元々の原因は俺だし … あんなに仲良かったのに」

アキにも1本渡しました。

「んだな、あっちさいた頃は毎日何時間でもしゃべれたのに … 今は電話繋がっても、正直何しゃべっていいか分がんねえ

… せめて、おらとユイちゃんの立場が逆だったら」

「そういうもんかもしれないね …

前に言っただろう、ユイちゃんの方が可愛くて華があるのにって … でも、ひょっとすると、世の中動かしてるのは、一番かわいい子や一番才能のある人間じゃなくて、2番目なんじゃないかって思うんだ」

「2番目?」

「2番目の人間が一番の人間に対して、恥ずかしい姿見せたくないって、頑張ったときに成功するんじゃないかって」

「ユイちゃんに対して、恥ずかしくねえ仕事をしろってことですか?」


水口はうなずきました。

『ユイに恥ずかしくない仕事をする』、その言葉を声には出さずにもう一度繰り返したアキでした。

… … … … …

「あっ、君が2番って意味じゃないけどね」

すかさず、水口は言い直しました。

「そこは、『うん』でいいじゃないですか?!」

「それは、ダメでしょ? … 今40位に入れるかどうかの崖っぷちなんだから … ドラマの撮影もあるし」

「あっ、そうでした」


アキは立ち上がって、たったひとつだけ与えられているセリフを言いました。

「島田さん、先週引っ越しましたよ」

訛りは取れていますが棒読みでした。

「いやいや、今のは本気じゃねえし」

「本気でやってよ、この扉使って」


水口は居間に移って、食堂の扉を締めました。

「はい、ピンポーンピンポーン」

ソファに腰かけて、チャイムを鳴らす口マネをしました。

「島田さん、先週引っ越しましたよ」

「 … もう1回」

「島田さん、先週 … 引っ越しましたよ」

「 … ちょっと、表情が硬いかな?」

< 考えてもしょうがねえし、取りあえずおらは、仕事さ打ち込むことにしました … 隣人Cになりきることに >


… … … … …

< 生まれて初めてカメラの前で演技することに、緊張していたのはもちろんですが … 今は余計なことを考えたくなかった、というのが本音です >

< 幸い、土日はイベントだし、考える余裕もありませんでしたが、気を抜くと思い出してしまう … >


歌の途中、幾度となくダンスをつかえてしまうアキ … その度に、しおりの表情が険しくなりました。

… … … … …

「しっかりしてよ!」

イベントを終えて、合宿所に着くなり、しおりはアキを咎めました。

「反省会? もう反省会?」

食事を作ろうと、一緒に帰ってきた小百合が、勝手が分からずに驚いて聞きました。

「ごめんなさい … 」

「もうすぐドラマの収録だから、集中できないのかもしんないけどさ、ちょっと酷すぎ!」

「ダンスはともかく、握手会のあれはマズイわ」


アユミが指摘したのは … ファンと握手する時、アキはずっとひとりひとりに「島田さん、引っ越しました」と笑顔で繰り返していたのです。

ほとんどのファンが意味が分からずに戸惑っていました …

「誰? 島田とかいうメンバーおらんし!」

「ごめん、無意識 … 完全に無意識!」

「うちらは、もう後がないんだよ! … やる気ねえなら、辞退してくれないかな?

目障りだから!!」


そう言い捨てると、しおりは皆を残して部屋に行ってしまいました。

… … … … …

「さすがにピリピリしてんなあ」

薫子が苦笑いしました。

「無理なかよ、国民投票のしめきりまでくさ … あと1週間なかけんね」

「じぇじぇっ」


真奈の言葉に驚くアキ、カレンダーを確認しました。

「忘れてた訳?」

逆に驚いて聞き返す喜屋武。

「暦の上ではディセンバーさ」

「ごめん … おら、自分のことしか考えてねがった。

っていうか、開票日とドラマの収録かぶってる、どうすべえ?!」

「アキちゃんは大丈夫たい、ファンもおるし … 仕事も順調やもんね」


真奈にそう言われて、謙遜したアキ。

「あれ、笑ってるな … 余裕ある証拠や!」

喜屋武と薫子がアキを捕まえてくすぐり始めました。

「やめてけろっ!」

「できたら、6人皆残りたいな」


アユミの言葉を聴いたアキは言いました。

「残れるよ、残れるようにやるしかねえべ!」

… … … … …

その様子を部屋の隅で黙って見ている水口、少し浮かない顔をしています。

『戦略として国民投票はする!

… けど、これはリストラじゃない、ただ … 』

『何ですか?』

『あの海女の子いるだろ? 岩手の』

『はい、天野アキですね』

『あの子はなあ … 何か違う、何か違う』

… あの日のやり取りを思い返して、太巻の態度が心に引っ掛かっていました。

… … … … …

「ねえ、水口さん」

アキに声を掛けられて、水口は我に戻りました。

「6人全員で年越せたら、安部ちゃんに年越しそば作ってもらうべ」

「まめぶも作るか?」


夕餉の支度をしながら、小百合は笑っています。

「もっと美味いもん食わしてやるよ」

ぼそっと失礼なことを言うと立ち上がりました。

「とにかく、皆ここまで頑張ったんだから、悔いのないように、正々堂々戦い、どんな結果も受け入れ、ちゃんと前を向いて … 」

そのまま自分の部屋に入ってしまったので、最後の部分は皆聞き取れませんでした。

… … … … …

その時です。

アキの足元に何か落ちました。

… それはミサンガでした。

左手首にしている5本のうちの1本が切れて落ちたのです。

「じぇじぇじぇっ!」

アキは切れたミサンガを拾い、腕をまくって、うれしそうに小百合に見せました。

「見で、安部ちゃん、ミサンガ1本切れた!」

「じぇえ、じぇじぇっ … 願い事叶うべや!」


メンバーにもミサンガを見せるアキ。

「それってもしかして、6人皆合格ってこと?」

薫子が言うと皆飛び上がりました。

「しおりちゃんば呼んできて!」

… … … … …

『何か違う、何か違う』

『鬼が何か違うっつってるんだから、何か違うんだろ、違う?』

… 確かにアキは他の子たちとは少し違うところがあるかも知れない。

しかし、それはアイドルにとって決してマイナスなことばかりではないはず。

あの時、太巻の態度から感じられたものは … 水口の思い違いでなければ、アキに対する恐れや嫌悪感のようなものでした …

… … … … …

不機嫌面のしおりを喜屋武が部屋から連れてきました。

「見て、リーダー … ミサンガ切れた!」

アキが切れたミサンガを目の前に差し出すと … 一転、笑顔が戻ったしおり。

「あっ、天下取れる … 天下取ろうね、皆っ!」

「天下、よしっ!」


円陣を組むメンバーに小百合も加わって、声を合わせました。

「天下取ろうね … GMT6!」

歓声、皆でハイタッチ。

ミサンガが自然に切れた時、願い事が叶う … それが迷信であっても、今は少女たちの不安を少しの間だけ吹き飛ばしてくれました。

… … … … …

2009年12月12日。

その日は、アメ女の国民投票当日でした。

東京EDOシアター前には沢山のファンが詰め寄せて … いよいよカウントダウンが始まりました。

「 … 5、4、3、2、1 … ゼロ!」

歓声と共にシアターの正面に掲げられた大きなスクリーンに『結果発表』の文字が映し出されました。

アキを除いたGMTのメンバーは、それぞれの衣装に着替えて奈落に集合しています。

スクリーンに太巻の姿が現れました。

「プロデューサーの荒巻太一です … 私は今、ニューヨークにいます」

太巻のバックには、摩天楼の灯りが見えます。

… … … … …

< そして、ついに女優デビューの日がやって来ました >

「ドライ前に紹介します … 隣人C役の天野アキさんです」


ADが紹介するとスタッフから拍手が起こりました。

ひろ美に促されて前に出たアキ。

「よろしくお願いします」

繰り返し繰り返し、スッタフたちに向かってお辞儀をしました。

「よろしく、今日は共演者だからね … 対等に行きましょう」

ひろ美はアキの手を取ってそう言いました。

うなずいた後、アキは慌ててひろ美に尋ねました。

「ドライって何だ? … ドライなんて、教わってねえど、何? 今すぐ教えろ!」

「お芝居の段取りを決めるんだよ」


いつの間にか後ろに控えていた水口が代わって答えました。

「じぇじぇじぇ、水口さん、なしているの?」

「マネージャーが現場に来るの、当たり前だろ」


素っ気なく言うとスタジオの隅に向かいました。

… … … … …

「鈴鹿さん、今日まで色々とありがとうございました」

改めてひろ美に挨拶をするアキ。

「えっ、引退?」

戸惑い気味のひろ美にアキは答えました。

「はいっ、そのつもりで当たって砕けます!」

< 前略 … ユイちゃん、ママ、夏ばっぱ、あと大吉っつあんとか、そこら辺の皆さん。

ついに私、天野アキ、女優デビューでがす! >


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