NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2013年07月15日 (月) | 編集 |
第91話

< おら、4ヶ月ぶりに北三陸に帰って来ました。

… はじめてのドラマ出演ではNGを連発して、あこがれの鈴鹿さんがら見放され … >


『女優はダメ、向いてない』

< 人気投票ではGMTの最下位、繰り上げ当選で解雇は免れたものの … >

『次なんかないよ、君を必要とする人間はここにはいない!』

< でも、地元の皆は温かく迎えてくれました。

… ただ一人を除いて >


… … … … …

アキをメールで呼び出したのは、ユイでした。

閉店後の薄暗い海女カフェ、ステージに腰かけてユイは待っていました。

マニキュアを塗っているユイは、アキが来たことに気づいて、少し顔をあげましたが、また元のように続けています。

< これは、どういうつもりだ? … 夜中にわざわざ呼び出して >

「あの ~ 」


アキが声を掛けても、チラッとにらんだだけで、そのままで話すこともしません。

< 爪が渇くまで、待てってことか? >

手持無沙汰のアキは、ステージをぼんやりと眺めていました。

こうしていると、潮騒のメモリーズの歌声が空耳のようによみがえります …

… … … … …

「 … 懐かしい?」

ようやくユイが口を開きました。

「えっ? … ああ、んだな、4ヶ月しか経ってねえのに … もっと長く行ってた気がする」

「ここでイベントやったよね … 何だっけ?」


何だか気だるそうに話すユイ。

「海女~ソニックだ」

「そうそう … テレビで生中継もされたよね」


ユイが鼻で笑ったように聞こえました。

「んだんだ、楽しかったよね?」

「全然 … 楽しくなかった、私は全然 … あんなの消したい過去」


出鼻を挫かれたような、思ってもみなかったユイの言葉 … アキはどう反応したらいいのか分からずに、少し離れた位置に背中を向けて腰かけました。

「忙しくて、帰って来れないって聞いたけど … 」

「ああ、何かヒマになっちゃって … ひとりで正月迎えるのも寂しいし … お父さん、退院したんでしょ?」

「うん? … ああ、そうみたいだね」


ユイは他人事のように言いました。

… … … … …

梨明日では、久しぶりに顔を見せた功を囲んで、和やかな宴が続いていました。

「それでは、死の淵から見事生還した足立先生から新年のご挨拶ば」

保に指名されて功はビールを注がれたグラスを手に挨拶を始めました。

「え~ ご心配をおかけして、なんかすみません」

死の淵から生還した割には軽い挨拶だとヒロシがつっこむと、功は笑いながら言いました。

「ピンとこないんだよ、意識なかったからさ」

「危なかったんだぞ、もしユイがリビングに下りてこなかったら今頃 … 」

「ま、もう大丈夫 … とにかく皆さんね、健康にはくれぐれも気をつけて … 」


拍手、そして乾杯 … 

… … … … …

「家帰ってないの、最近。

友達んちとか泊まり歩いてるから … 」


アクビまじりに話すユイ。

「じゃあ、来れば? … 東京おいでよ、皆待ってるよ」

「皆って誰?」


振り向いたユイは薄笑いを浮かべていました。

「水口さんとか、太巻さんとか … あとメンバーも会いてえって」

「メンバア?」


アキは噛み合わなくなっているユイとの歯車を元に戻そうと、懸命に話し続けました。

「沖縄の子は駅で会ったべ? … あと宮城の子もいるし」

「もういいわっ!」


ユイは携帯の待ち受けにしている集合写真を見せようとしたアキの手を叩きました。

… … … … …

「もういい、やめた … 行かない、やりたくない」

フラフラと立ち上がるユイ。

アキは我が耳を疑いました。

「えっ?」

「もうアイドルとかどうでもいい、関わりたくない」


アキはそれでも気を取り直し、携帯を拾うとユイに言いました。

「大丈夫だよ、皆性格いい子だし、ユイちゃんのことセンターに相応しいって言ってるよ」

ユイはアキの顔をじっと見てから答えました。

「 … あきらめたんじゃなくて、冷めたの完全に。

だって、ダサいじゃん」

「ダサい?」

「ダサいよ、あんなの … オタク相手に生足出して、媚び売って、真ん中に立って、それがなんなの?」


笑いながらカフェの中を歩き出しました。

「『暦の上ではディセンバー』、だから何? … 絶滅危惧種、下町アイドル … 知らねえよ」

… ダサいと言う割には結構くわしいユイ、ディスプレイされているアメ女のCDを手で弄びました。

「その下でしょ、ようするに … ダサいアメ女のダサい妹分がGMTなわけでしょ? ウケル!!

今となっては、あんなものに夢中になってた自分が恥ずかしいっていうか … もう汚点だよ」


ユイは帰り支度を始めました。

「昔の自分を知ってる人に会うのが本当に嫌。

… ミス北鉄とかホント無理、勘弁してほしい!」


ユイは思い切り言い捨てました。

… … … … …

「そりゃねえべ?」

黙って聞いていたアキですが、我慢ができなくなりました。

「せいぜい頑張ってよ、応援してますんで」

軽くお辞儀してカフェを出て行こうとするユイの腕をつかんでアキは引き留めました。

「そらねえべ、ユイちゃん、あんまりだ!」

アキとユイは今日初めてまともにお互いの顔を見つめ合いました。

「 … ずっと待ってたんだぞ、ユイちゃんのこと。

必ず行ぐって、すぐ行ぐって言うから待ってたんだぞ」


『アキちゃんは行って … 大丈夫、すぐ良くなるから、必ずすぐ行くからね … 

すぐ行くからね!』

「 … その言葉だけを、ずっと信じてたんだぞ。

それなのに何だよ、冷めたって、やめたって … おら何のために東京で奈落で、風呂もねえ合宿所で … 」

「知らねえし … 」


笑い飛ばしたユイ。

「ダサい? … そんなの知ってるよ、やる前からダサいって思ってた … ユイちゃんがアイドルなるって言いだした時から」

『東京行って、アイドルになるの』

「ダサいから聞こえねえ振りしたんだぞ … そしたら、ユイちゃん、もう1回言ったんだぞ」

『アイドルになりた~い!』

「 … 私のせいだって言いたいの?」

「違う!」

「じゃあ、何? アキちゃんは何でやってたの?」


ユイは声を荒げました。

「楽しいからに決まってるべ! … ダサいけど、楽しいから、ユイちゃんと一緒だと楽しいからやってたんだべ …

ダサいぐらいなんだよ、我慢しろよ!」


負けじと大声をあげたアキ。

ユイはうつむいてしまいました。

… … … … …

「東京でおら、嫌というほど思い知らされた … 皆が待ってたのは、おらじゃねくて、ユイちゃんだって … 」

アキがひとりで来たと知った時の水口の落胆ぶり、会う人会う人に「可愛い方」かと聞かれ、そのたびに「訛ってる方」だと訂正され …

「初日から、その調子だった … いくら、おらだって傷ついた。

逆だったら、いがったのにって」

「はっ、逆?」

「おらじゃなくて、ユイちゃんが東京さ来ればよかったのにって … そしたら、皆喜ぶし、ユイちゃんの夢も叶う … 」

「そんなこと軽々しく言わないでよ!」


食って掛かってきたユイ、何かを破り捨てアキに投げつけました。

「母さん蒸発して、病気の父さん置いて行ける訳ないでしょ?!」

… ユイは泣いていました。

破り捨てたのは、あの日アキから手渡されていた、東京行きの乗車券でした … 期限が切れても捨てずに持っていたのです。

… … … … …

「美味い … 」

グラスのビールを飲み干す功。

数ヶ月ぶり、知人と過ごす酒の席にご機嫌でした。

店にいる常連たちも、功の回復を心から喜んでいます。

「まさかね、自分が要介護状態になるとはねえ … まあ、本当に家族には迷惑かけた。

特にユイはなあ … 」

「奥さんからまだ連絡ないんですか?」


皆がわざと避けていた話題を磯野が見事に口にしました。

「ダメダメ先生、それは私まだ知らないことになってるんだから!」

父の言葉に驚くヒロシ。

一同が功に注目します。

功は一瞬「しまった」という顔をしましたが、続けました。

「 … まあ知ってるんだけどね」

「えっ?」


隣に座っているヒロシを指差して功は言いました。

「言わないんですよ、こいつがなかなか …

『母さんどうしたの?』って聞いてね、『いや、リフレッシュしに温泉行ってる』とか『同窓会』だとか、そんなバカなって話ですよ。

それまで毎日来てたんだから、いくら死にかけてても分かりますよ ははは」


朗らかに笑う功を見て、何と言っていいか分からずに静まる一同。

「言えねえだろ、バレてると分かっててもさ」

お互いに気づかっていた訳です。

「倒れる前からね、その兆候があったような気もするんだ」

今にして思えばということでしょう。

「最後にここさ来たんだべ?」

弥生が春子に尋ねました。

「そう、お財布だけ持って、駅の所にいたから … だから、中入ってお茶でもどうぞって」

「そうか、そうだったのか … バカだなあ、何もできなくても全然いいのに、バカだよ」


功は、よしえを責めるというより、自分のことを責めるように「バカ」と繰り返しました。

「心配するなよ親父、そのうちフラッと帰ってくるよ」

… … … … …

「退院したからって、安心できない … 再発の恐れもあるし、母さんいないし、兄貴ひとりには任せるわけにはいかないでしょ?」

アキの脳裏にまた、男性と歩いていたよしえの姿がよぎりました。

「わかる? … アキちゃんみたいな気楽な身分じゃないの。

代わってほしいのはこっちだよ」


ユイは毒づき、カフェを出て行こうとしました。

「お母さん、帰って来ないよ … 」

無意識にアキの口からこぼた言葉。

「えっ?」

足を停めて、振り向いたユイ。

ごめん!」

我に戻ったアキ。

「帰ってくるよ、必ず」

叫んだユイ。

「 … だけど、おらだって、おらだって必死に踏ん張って這い上がろうとしてんだ!

気楽な身分だなんて言われたくねえ!」

「40位の繰り上げ当選のくせに自慢しないで!」


忘れたいと言いながら、ユイは情報をくまなく把握していました。

「自慢じゃねえ、それがおらの現実だ!」

お互いに涙が止まりません。

「ダサいなんて、そんなの自分が一番分かってる。

… どんだけ不幸か知らねえが、ここで過ごした思い出まで否定されたら、おらやってらんねえ!」


アキは逃げるようにカフェを飛び出して行きました。

悲しげな顔で見つめるユイ …

… … … … …

足立父子が帰った後の梨明日。

春子は見送りに出ていて、気が抜けたような男衆だけが残されていました。

… 磯野がポツリとつぶやきました。

「結局、おらたちはどうしたいんでしょうかね … 」

「どうした、いっそん? … 切ねえ顔して」


吉田に尋ねられて磯野は答えました。

「ユイちゃんを … おらたちはどうしたいんでしょうね … 」

「おい、変なこと言ったらぶっ飛ばすぞ!」


大吉にたしなめられましたが、磯野は決して不純なことを言っている訳ではありませんでした。

「だって、東京さ行ぐって言ったら切なくなるし、行けなくなっても切なくなるし … 何とかしてあげたいけど、おらたちにはどうしてあげることもできねえ。

… ただここで、切なくなってるだけなんですよね」

「わかる … この距離は永遠に縮まらねえんだ」


勉さんが琥珀も磨かずに、いつになく真剣な眼差しでそう言いました。

「おらたちにとって、ユイちゃんって … 結局何なんでしょうね?」

磯野の問いかけに大吉は言い切りました。

「アイドルだべ」

「んだ、アイドルに決まってるっぺ」


吉田もうなずきました。

しかし、どこか無理をしているようにもみえます。

「う~ん、アイドルかあ?」

「アイドルなんでしょうね … 」


… … … … …

ユイは …

この時間に海女カフェからどうやってここまで来たのか、駅舎の待合室のベンチに腰かけていました。

「うう、寒っ … 」

足立父子を見送って戻ってきた春子がユイを見つけました。

「あ、ユイちゃん?

お父さん、今タクシーに乗って帰ったよ」


振り向きもせずにうつむいているユイ。

「 … どうした、ユイちゃん? … 中入れば?」

ようやく顔を上げたユイ、目に涙をいっぱい溜めて、か細い声で言いました。

「アキちゃんを傷つけちゃった … 」

「 … うん?」

「私、アキちゃん傷つけちゃった」


立ち上がって、春子の胸に寄りかかってきました。

「どうした? … 大丈夫大丈夫、どうした?」

春子は幼子をあやすようにユイを抱いて、背中を叩きました。

… 春子の腕の中でただただ泣くユイ。

… … … … …

アキは …

家の前まで帰ってきましたが、今の自分の顔を家族に見られたくない … 誰にも会いたくない … 離れの戸を開けました。

ユイはあんなことを言うためにわざわざ自分を呼び出したのだろうか?

何故、ユイを傷つけるようなことを言ってしまったのだろう?

… ふたりとも同じくらいに傷つき、そして後悔していました。

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