NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2013年08月30日 (金) | 編集 |
第131話

その日、アキ、春子、水口の3人は、レコーディングスタジオを訪れました。

「おはようございます、よろしくお願いします」

準備万端、待ち構えていたのは太巻です。

「来て早々悪いけど、1回聴いてくれる?」

河島から歌詞カードを渡されたアキ、タイトルはもちろん『潮騒のメモリー』です。

< 2010年の暮れ、主題歌のレコーディングに呼ばれました >

… … … … …

ミキシングルームに流れた『潮騒のメモリー』のオケは、前作の雰囲気を踏襲しながらも新しいアレンジを加えたものでした。

「どうですか?」

ミキサーの前に座っている太巻が振り向いて感想を聞きました。

「いいんじゃないかしら」

「社長じゃなくて、本人に聞いたんです」

「大したもんだと思います」

「 … す、すみません、今風なアレンジにしていただいて」


慌ててフォローした水口でした。

取りあえず、1回歌ってみることになりました。

… … … … …

「あ~ テステス」

アキはブースの中から、OKサインを出しました。

ほぼ前作のままの印象的なイントロが流れ始めました。

♪来てよ その火を 飛び越えて 砂に書いた アイ ミス ユー

目を閉じて聴いていた春子、ふと目を開けてブースの中のアキを見ました。

その瞬間、歌っているアキが若かりし頃の自分の姿と重なったのです。

♪北へ帰るの 誰にも会わずに 低気圧に乗って 北へ向かうわ

しかし、それは幻のように、瞬く間に消えてしまいました。

「お疲れ様でした … ちょっと待ってね」

河島が指示を出し、レコーディングは進んでいきました。

太巻といえば、ほとんど任せっきりで携帯をいじっているだけです。

… … … … …

1時間後 … テイク5 …

< これだけ大人がいても、やっぱり一番気なるのは、この人の反応なんですが … >

アキは春子の顔色を窺いました。

難しい顔をして、再生されているアキの歌を聴いています。

< はあ ~ 聞くまでもねえ感じです >

「 … どうですかね?」


河島が感想を尋ねましたが、携帯に気を取られているのか、太巻からは何も返ってきません。

「今のところ、テイク3の前半と中盤はテイク4がよかったかなと思うんですが … 」

「うん、いいんじゃないですか?」


そう言いながらも、一向に携帯を手放さない太巻は時計を確認しました。

黙って控えていた春子がおもむろに立ち上がって、太巻の横に行きました。

「ちょっと、何なのよ? さっきから …

どうでもいいの? 早く帰りたいの? 次に何か入ってるの?

ふざけないで!」


水口が、一回座らせようとしましたが、春子は構わずに続けました。

「初主演映画の主題歌なのよ、一生に一度のことなのよ。

アキにとっても人生を左右する大事な曲なんです … 真面目にやって」


それは、いつものように怒り散らすスケバン春子ではなく、母の顔でした。

… … … … …

「それじゃあ、もう一遍、歌ってみましょうか?」

太巻の言葉にうなずくアキ。

「アキちゃんじゃなくて、社長」

「えっ?」


春子は眉をひそめました。

「この歌、歌えるでしょ?」

吹き出しながら、春子は答えました。

「冗談じゃない? 何で私が … 」

「冗談じゃないですよ、本気ですよ。

歌唱指導は、我々もできますけど … この歌のお手本示せるのは、あなただけでしょ?」


太巻は平然とした顔でそう言いました。

「いやいやいや、太巻さん、さすがにそれは … 」

事情を全く知らない河島が口を挟んだ時、アキが立ち上がりました。

「おらも聴ぎでえ!

元々おらの原点は、ママが歌った『潮騒のメモリー』だ。

… ママの歌聞けば、何かつかめるかしんねえべ?」


アキの言葉に春子は黙り込んでしまいました。

太巻は「どうぞ」というように掌をブースの方へ翻しました。

春子を見つめる水口。

決心した春子は、ブースの中へと入って行きました …

そして、ヘッドフォンをつけてマイクの前に立ちました。

「アキ、1回だけだからね … 失敗してもやり直さないから」

うなずくアキ。

「 … お願いします」

春子の合図でオケが流れ始めました。

♪来てよ その火を 飛び越えて 砂に書いた アイ ミス ユー

… … … … …

時を同じくして、スタジオにとある人物が到着しました。

エレベーターから降りてきたのは … 鈴鹿ひろ美でした。

… … … … …

♪北へ帰るの 誰にも会わずに 低気圧に乗って 北へ向かうわ

春子の歌から何かを得ようと真剣なまなざしのアキ。

「似てるな ~ 鈴鹿ひろ美、そっくり!」

一番驚いているのは河島でした。

「えっ、河島さん、ご存じなかったんですか?」

ハートフルでもこの事実を知っているのは太巻の他は元社員の水口だけだったのです。

♪潮騒のメモリー 17才は寄せては返す 波のように激しく

… … … … …

「おはよう!」

「じぇじぇっ!」


水口は慌てました … ミキシングルームに突然、鈴鹿ひろ美が入ってきたからです。

「ど、どうしよう … やばいっ」

ミキサーを操作しようとする水口を止めたのは、太巻でした。

「いいんだ、水口 … 俺が呼んだんだ」

「えっ?」


春子の怒りを買ったメールの相手は、ひろみだったのでしょうか …

ひろ美は、ブース内で歌っているのが春子だと気づくと驚いた顔をしてサングラスを外しました。

♪来てよ その火を 飛び越えて 砂に書いた アイ ミス ユー

「 … ずっと打ち明けられないまま、時間が経ってしまいました。

もう、もうとっくにご存じだと思うんですが …

歌 … 歌を差し替えてしまいました」


20年経ったあとの告白 … 無言のままのひろ美。

ブースの中の春子へと目をやる一同。

… 春子の歌が途中で止まりました。

ひろ美がいることに気づいたのです。

… … … … …

オケを止める太巻。

ブースの中と外で見つめ合う春子とひろ美。

ひろ美は目をそらしてソファーに腰を下ろしました。

「 … どうして今更?」

太巻に尋ねる、ひろ美。

「分かりません … ダマし通すこともできましたし、鈴鹿さんがダマされ続けることを覚悟してたことも知っています。

だから、墓場まで持って行こうと思っていました。

… この子に会うまでは」


アキの顔を見た太巻。

「じぇっ … お、おらが?」

「そうだよ。

お前が天野をスカウトして、俺に会わせるからこういうことになったんだ」

「あ、すいません … 」


太巻にそう言われた水口は頭を下げました。

「っていうか、鈴鹿さんは知ってたんですか?」

「 … 知ってましたよね?」


アキは、ひろ美が春子と初めて会った日のことを思い出していました。

『素敵な声だわ … 私と似ている気がする、声が …

ねえ、天野さん似てるわよね?』

… あの日、ひろ美は執拗に自分と春子の声が似ていると拘っていました …

「いつからですか?」

「いつ?

はあ … いつかしら?

ずうっと、前のような気もするし … 今のようなきもするし … 」


後は言葉にならない、ひろ美でした。

… … … … …

外で話を聞いていた春子がミキシングルームに戻ってきました。

「あ、私だ … 」

無邪気におどけたひろ美は春子のことを指差しました。

うつむく太巻。

ひろ美は真顔に戻って、ドアの前に佇む春子に、ゆっくりと近づきました。

「ごめんなさいね … 私のせいで表舞台に出られなかったんですよね。

… ごめんなさい」


ひろ美は女優のプライドをかなぐり捨てて、春子に向かって頭を下げました。

「やめてください … そんなんじゃないですから」

困惑している春子。

「俺が君に声を掛けなければ … 申し訳ない、春ちゃん」

「春ちゃん」、あの頃のようにそう呼んだ太巻 … 立ち上がって頭を下げました。

春子の頭の中をひろ美の影武者を務めた日々がフラッシュバックしながら消えていきました。

涙がこみ上げそうになるのを何とか止めて、アキに言いました。

「歌いなさい、アキ … ママ歌ったよ、今度はあんたの番でしょ?

早くっ!」

「 … うん」


一同に見守られ、アキはブースに入って行きました。

… … … … …

ソファーに座った春子、その隣にひろ美 … ふたりは軽く微笑みあって … ブースの中のアキに視線を移しました。

イントロが流れ始めます …

♪来てよ その火を 飛び越えて 砂に書いた アイ ミス ユー

今までのアキの歌とは明らかにどこか違いました。

その歌を目を細めて聴いていた春子がふとつぶやくように言いました。

「 … 感謝しなくちゃ」

「え?」


聞き返すひろ美。

「アキのおかげで … 鈴鹿さんに会えました」

「ふふふ、いい娘さんね」


もう一度微笑みあったふたり。

♪ … マーメイド マーメイド 好きよ …

… … … … …

そして、映画は完成、試写会にこぎつけました。

… ラストシーン。

母に別れを告げ、連絡船に乗ったあきが振り返ると海は朝陽に染まっていました。

島を出て行くあきの希望に満ちた旅立ち …

アキが歌う主題歌、エンドロールが流れ始めました。

ひろ美はアキの隣に座り、そして少し離れた席には太巻 … ハンカチを取り出して涙を拭っています。

春子は、アキの後で、その背中を見つめていました。

『潮騒のメモリー~母娘の島~』の完成。

3人が、長い間それぞれが背負ってきた重い何かから解放された瞬間でした。

それは、春子が言ったように … アキのおかげだったのかも知れません。

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