NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2013年09月21日 (土) | 編集 |
第150話

吉田が忠兵衛から取り上げたウニ丼を美味しそうに頬ばるひろ美。

「すずが、すろみ、女優の … 」

吉田は荒い息遣いで、そう口にしました。

「女優?」

怪訝な顔をする忠兵衛。

「美味しい ~ 」

満足そうな顔をしているひろ美に吉田は確認しました。

「 … ですよね?」

うなずきながら箸が止まらないひろ美です。

< なんの前触れもなく、鈴鹿ひろ美が北三陸に現れました >

「ニヤニヤしてねえで、返せおらのウニ丼!」


取り返そうとする忠兵衛を思いっきり引き離した吉田。

… … … … …

「じぇっ、鈴鹿さんが?!」

海から上がって、髪を乾かしていたアキの元に吉田から電話で連絡が入りました。

「そうなの、今ちょうどウニ丼完食して … 忠兵衛さんの方は冷酒で黙らせた」

「黙ってねえど、このウニ丼泥棒! 何が女優だ!」


悪態をつかれても、ひろ美は涼しい顔でお茶をすすっています。

そこへ、大吉、種市、保の3人が店に入って来てカウンター席に着きました。

「ウーロン茶、ロック!

… じぇじぇじぇっ、鈴鹿さん?」


思わず立ち上がる3人。

「あっ、種市君、駅長さん … 誰かしら?」

ひろ美は初対面の保に尋ねました。

「観光協会の菅原です … ファンです、大ファンです」

「またまた … ジャガー横田のファンだったくせに!」

「おう、帰って来たぞ、大吉」


忠兵衛は誰も気づいてくれないので、自分の方から大吉の肩を叩きました。

「あ、忠兵衛さん、ちょっと待ってね」

後回しにされました。

「遠いところをわざわざ … 」

「いいえ ~ 」

「こっちのが遠いぞ、2年ぶりだぞ!」


せっかく帰って来たというのに、面白くありません。

「でも、あれですよね … リサイタル、30日ですよね?」

今日はまだ6月18日です。

「来てくれたのは、うれしいんですけど … 言っていいですか?

早すぎ ~ 」


保がそう言うと、ひろ美は笑いながら答えました。

「本番に向けて、気持ち作りたいから … 前乗り」

… … … … …

「天野さんは?」

「アキちゃん、今こっちさ向かってます」

「あんた、アキ知ってんのか?」


ひろ美に尋ねた忠兵衛。

「ええ、まあ、付き人だったんです … 昔」

そう言われて、改めてまじまじとひろ美の顔を見た忠兵衛が、指差しながら立ち上がりました。

「おめでた弁護士?!

おめえ、さては女優か ~ 」

「だから、なんべんも言ったでしょ?」


あきれる吉田。

「 … おばあちゃまもよく知ってますよ」

「おばあちゃま?」

「ふふふ、夏さんと橋幸夫さんの仲を取り持ったのも私です」


忠兵衛が夏の亭主だとは知らないひろ美が余計なことを口走りました。

大吉と種市が慌てて誤魔化そうとしました … すでに遅かりし。

… … … … …

天野家では、いつもの顔ぶれが集まって、ひろ美と忠兵衛の歓迎会が始まりました。

しかし、へそを曲げている忠兵衛は、ひとり離れて座っています。

リアスでの話を聞いて大笑いする一同。

「笑いごとじゃねえべ!

… 亭主の留守中にだど、しかも橋幸夫? ~

今すぐ出て行け!」

「ああ? おらが出てったら、この家ほとんど空き家だぞ?」

「こら1本取られたな! 忠兵衛さん」


組合長に言われて、すごすごと引き下がって行く忠兵衛でした。

… … … … …

「夏さん、皆さん、お変わりなくて安心しました」

ひろ美は改まって、皆の無事を喜びました。

「周りが変わりましたからね ~ ここら辺りでも何人かは死んでしまったし、こいつらの家も流されたし」

うなずく長内夫妻。

「でも、せめて無事だった奴らだけでも、変わらず笑ってるべえって … 」

深刻な顔で聞いていたひろ美ですが、夏だけでなく長内夫妻までが笑っているのを見て、精一杯の笑顔を作りました。

「祖父ちゃん、地震あったのに、なすて帰って来ねがった?」

アキは、ずっと気になっていたことを忠兵衛に尋ねました。

「なすて帰えんねばなんねえ?」

忠兵衛の答えは素っ気ないものでした。

「夏ばっぱ、心配でねがったか?」

同じように思っていたのか、かつ枝も尋ねました。

「無線で確認できたべ ~ 」

当の夏はそう言いましたが、かつ枝は少し不満な顔をしています。

「陸が大変な時に、陸さ上がってどうする?

むしろ、海さ出たおらたちがよ … 海で銭こ稼いで、陸の連中さ助けねばなんねえべ ~

だから、帰って来ねがった」

「かっけえ … 」


忠兵衛の話に感動したひろ美がそう口にすると、帰って来てからはじめて忠兵衛の頬が緩みました。

… … … … …

「あ、ユイちゃん?!」

玄関の戸を少し開けて、ユイが覗いていました。

「ユイちゃん、おらの親友で、一緒に『潮騒のメモリー』歌ってた子だ」

迎えに出たアキがひろ美にユイを紹介しました。

皆は上がるようにユイに勧めましたが、遠慮して中々上がってきません。

… … … … …

「はあっ?! 何で鈴鹿さんが実家にいんのよ?」

アキから電話を受けた春子 … 驚いているということは、ひろ美はやはり無断で北三陸へ向かったようです。

「 … 前乗り? 前過ぎるでしょうが!!」

「それ、散々聞いてる … 今、なんかユイちゃんと熱く語り合ってるよ」


… … … … …

「 … いや、おめでた弁護士シリーズもパート5までは、よかったですけどね。

助手が柳沢慎吾さんに代わってから、数字は上がりましたけど、コアなファンは離れたじゃないですか?

… ひかる一平さんの方がよかったですね ~ 」

「やっぱり? … そうなのよ」


ディープな会話で意気投合しているようです。

… … … … …

「 … という訳で、鈴鹿さん、うちにいますんで、ご心配ねぐ。

以上、北三陸から、天野アキがお送りしました ~ 」

「あんた、酔っぱらってんの?!

アキ、アキ!!」


しかし、すでに電話は切れていました。

イスに腰を下ろした春子、ため息をついてひとこと。

「またひとり、飛べない鳥が、北三陸に逃げて行った … 」

… … … … …

歓迎会もお開き … すでに皆、寝静まった天野家。

「天野さん ~ 起きてる?」

アキを探して、ひろ美が2階へ上がって来ました。

「加湿器があったら、出していただける?」

薄暗い上に勝手が分からない、ひろ美 … よろけた拍子にアキの部屋のドアを押してしまって、中へ転がり込みました。

「痛っ … 」

顔を上げたひろ美、部屋の様子を見て目を見張りました。

「やだ、やだやだ、懐かしったら、ありゃしない」

< でしょうね … だって、その部屋は1984年で時間が止まっているんですもの >


立ち上がって、部屋中を見渡すひろ美 … 1枚のLPレコードを手に取りました。

「 … ひかる一平!」

懐かしそうに見つめています。

「ああ、鈴鹿さん?」

ひろ美は目を覚ましたアキに尋ねました。

「何なの? この部屋」

「ママが高3の夏まで使ってた部屋だ。

アイドルを夢見て、そこで履歴書書いたり、音楽聴いてキュンキュンしてたんだと」


ひろ美は、その机の上のスタンドを点けました。

「おらも高3の夏まで使ってたんだ」

「天野さんも?」

「んだ、ママとガールズトークしたり、ユイちゃんと将来の夢語り合ったり、アイドルさあこがれたり、懐かしい …

こういう部屋で見た夢を鈴鹿さんみたく叶えられる人って、ひと握りなんだよな ~ 」


アキは自分もそのひとりだということをスッカリ忘れているようです。

ひろ美は机の上に置いてあった、アキが海女カフェから拾ってきた『潮騒のメモリー』のCDジャケットを手にしていました。

… … … … …

写真館でわざわざ撮ったポートレイトを履歴書に同封する春子。

「岩手県から来ました … 趣味はアイドル鑑賞で、テレビを見ることです。

好きなアイドルは、松田聖子ちゃんです」

頭の中で思い浮かべる、オーディションを受けている自分のこと。

「 … あなたの色に染めてください。天野春子、18歳」

ベッドに倒れ込む春子。

「かあ ~ これ、合格、合格!」

… そんな一部始終を見続けてきた部屋 …

… … … … …

「 … ねえ、明日からこの部屋使っていいかしら?」

ひろ美は、ふいにアキに聞きました。

「じぇっ、鈴鹿さんが?」

「うん … 気持ち作るには持って来いだわ」


なんだかワクワクしているように見えます。

「いいけど、狭いでしょ? ホテルさでも泊まったら?」

「いいの、ここでいいの!」


ベッドに座り込んだひろ美。

「 … ううん、ここがいいの!」

… … … … …

次の朝。

アキが居間に下りると、パジャマ姿の忠兵衛と夏が困ったような顔をして台所を眺めていました。

何だかモーターが回転するような音がずっとしています … それは、アキが思い出したくない音でもありました。

「ご飯は?」

アキが尋ねると、ふたりは台所を指差しました。

「おはよう、天野さん!」

バッチリ身支度を整えたひろ美が台所に立っています。

あの音はやはり、ひろ美のジューサーミキサーの音でした。

忠兵衛と夏は、早朝から聞こえ始めたこの音で起こされたのです。

「出た! 鈴鹿スペシャル … 」

「そうよ ~ 鈴鹿のいるところに、鈴鹿スペシャルありよ」


恐る恐るひろ美に声を掛けた夏。

「鈴鹿さん、おら、67年間、朝はご飯と … 」

「その習慣、今日から変えましょう ~ ほいっ!」


鈴鹿スペシャルをなみなみ注いだコップを夏に渡しました。

「 … 飲まなきゃダメか?」

「声出るから ~ ほいっ!」


アキにも同じように渡しました。

「あんた、魔女なのか?」

「いいから、ほいっ!」


渋々受け取った忠兵衛。

「ほいっほいっ!」

顔を見合わした3人は、観念して … 鈴鹿スペシャルを一気に飲み干しました。

う”わ” ~ ~ ~

… … … … …

< 朝食の後、アキと鈴鹿さんは、会場の下見に行きました >

「わっ、鈴鹿ひろ美!」


心の準備なく、ひろ美の姿を見たヒロシは思わず声を上げてしまいました。

「この人、ストーブさん、観光協会の海女カフェ担当で、ユイちゃんのお兄ちゃん」

「足立です … 当日は舞台監督的なことをさせていただきます」


アキに紹介されてヒロシは緊張しながら挨拶しました。

「勉さん、水口さん今日来てねえの?」

「ああ、さっきまでそこでペンキ … 」


ペンキ塗りに夢中になっていて気づいていなかった勉さん、ひろ美を見て直立不動になりました。

「す、鈴鹿、ひ、ひろ美!!」

笑って会釈した拍子に、ひろ美は身を屈めて水槽越しに様子を窺がっていた水口と目が合いました。

「あ … ご、ご無沙汰してます」

「何してんの? こんなとこで … 」

「あれ、あれあれ?」

「 … バックれて、すいませんでした!」


頭を下げた水口を放っておいて、ひろ美はステージに上がりました。

「水口君、円満退社じゃなかったのか?」

問いただした勉さん。

「いや、なんか、面倒くさくて … あ、メールはしました」

… ダメじゃん、水口。

ステージに立ったひろ美はフロアを見渡しながら言いました。

「売り上げは、地域復興に役立ててください」

「はいっ」


… … … … …

リアス。

ひろ美を囲んで盛り上がっています。

「こいつなんかね、春ちゃんと交換日記してたんですから!」

保の春子がらみの過去を暴露する大吉。

「あらまあ」

「読みます? これ貸出自由ですから」


吉田が棚から取り出してひろ美に手渡しました。

「やめてよ ~ ああ、読まれでまう ~

先輩も人のこと言えねえべ、春子さんに何回も告白して、何回も振られて」

「あはははは … 最終的に何だか分かんねくなって、安部ちゃんと結婚して」


カウンター内の小百合がうなずきました。

「安部ちゃんも同級生なんですよね」

「同級生たって、春子さんは学園のマドンナで、私なんか給食のスパゲッティミートソースの中に何故か迷い込んだ輪ゴムですもの … 」


一同、大笑い。

… … … … …

「 … でも、あれねえ ~ 天野家は昔からずっと話題の中心だったのね」

春子と保の交換日記をめくりながら、ひろ美がしみじみと言いました。

「そりゃそうだべ、夏ばっぱは海女クラブの初代会長で、春ちゃんは北三陸一のスケバンだもの」

大吉は、北の海女のパネルを取ってひろ美に見せました。

「その娘のアキちゃんは『潮騒のメモリーズ』だもんね」

ポーズを取りながら、そう付け加えたのは勉さんです。

「三者三様だけど、代々北三陸のアイドルだったんですね ~ 」

… … … … …

「どれ、北三陸名物、駅長の『ゴーストバスターズ』聞いてください」

大吉がマイクとリモコンを持つと、皆からブーイングの声が上がりました。

「鈴鹿さんのカラオケも聴きたいな ~ なんてね」

「吉田君、それはいくら何でも図々しいべ?」


また始まった吉田と保の猿芝居 … ひろ美を見る一同。

「 … 構いませんよ」

「本当ですか?!」

「リサイタルの予行練習も兼ねて!」


ひろ美は積極的にステージに上がりました。

流れ出す『潮騒のメモリー』のイントロ。

「来た ~ 生きててよかった!!」

「本物だ!!」


ひろ美が歌い出そうとしたその時、もの凄い勢いで飛び込んできたアキがマイクを奪いました。

「きゃっ!!」

「 … 危ねえ、ダメだべ!」


ひろ美をにらみつけたアキ。

「ごめんなさい … あ、そうか」

すごすごとステージを下りるひろ美。

「何やってるんだ?! 水口さんもいながら!」

怒りが収まらないアキ。

「 … あっ、そうか … ごめん」

… ダメじゃん、水口。

キツネにつままれたような顔の一同。

… … … … …

「もしもし、正宗君? ハイハイ、今着きました北三陸駅です」

駅舎に入ってきたのは、太巻です。

「 … ハイハイ、リアスね?」

辺りを見回す太巻。

「ええ、軽食喫茶リアスとスナック梨明日、ふたつあるんだけど、どっちのリアス?」

タブレットで確認しながら電話の向こうの正宗に尋ねました。

「 … 中で繋がってる? 意味わかんない」

ちょうど、喫茶リアスの方の出入り口からユイが出てきて、看板をしまい始めました。

その容貌にしばし見惚れる太巻。

「 … ごめん、今ボーっとしてた … うん、何何?」

その場を立ち去る太巻。

リアスのドアが開いて、顔を出したユイ。

今、ここにいた人、見おぼえがある顔 … 確か …

辺りを見渡しましたが、すでに太巻の姿はありませんでした。

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