NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2013年10月18日 (金) | 編集 |
第17話

「これは、あなたの砥石だったのではありませんか?」

宮本の言葉で、忘れかけていた気持ちを思い出しため以子は、家に帰ると、早速台所に立ちました。

まな板の上に納豆をあけて … 包丁を持って、うなずくと細かく刻み始めました。

< 刻んで、形をなくしてね ~ 何かに混ぜ込むのかね? >

刻んだ納豆を器に移して、そこに砂糖を入れ、味見しました。

「うん、いけるかも … 

そこへ今度は味噌を加えました。

< お砂糖と味噌、甘辛い味にするんだね? >

油を少々 …

< 油で包むと、匂いも和らぐね … えっ、そんなもんも入れんのかい? >

め以子は南京豆を包丁で砕きはじめました。

… … … … …

その頃、悠太郎は、ひとりの客を連れて、店の前まで帰って来ていました。

客というのは、大学の講師でもある建築家の竹元勇三です。

「おい、君が下宿している洋食屋というのは、この開明軒という店かね?」

竹元は不機嫌そうにステッキで店のことを指しました。

「 … ご存知ですか?」

知っていて、わざと悠太郎は尋ねました。

「最低な店だということは知ってるね」

忌々しそうに吐き捨てた竹元。

「食べはったんですか?」

「食べずともわかるね」

「 … さっきの講義で何事も試してみるべきだと、おっしゃってませんでしたか?」


悠太郎にそう言われた竹元、少し考えた後 … 店の入り口をにらみました。

何か確認でもするかのように階段や手すりをステッキで叩いていたかと思うと、ゆっくりと店に入って行きました。

… … … … …

「先日は、申し訳ありませんでした」

イクは、店の不手際に腹を立てて帰ったはずの竹元が再び店を訪れたこと … それも、悠太郎の大学の講師だったことを知り、驚いた上に恐縮してただ頭を下げました。

「足の方はいかがでしたか?」

メニューから目を上げた竹元。

「 … 足?

私の足は治ったが、この子の傷は一生治らんよ」


白い靴についた傷をイクに見せました。

「申し訳ありませんっ」

… … … … …

一方、台所のめ以子が、次に持ち出したのは、山芋でした。

皮を剥きたいのですが、ぬるぬると滑って中々思うようにいきません。

… … … … …

竹元は、テーブル一杯に並んだ料理を黙々と食べています。

「お口に合いますでしょうか?」

空いた食器を下げに来たイクが尋ねると、トンカツをひと切れフォークで刺して答えました。

「この豚は真珠だな … 豚に飾られた真珠だ」

そう言った後、口に頬張りました。

「はあ … 」

… … … … …

厨房に戻ってきたイクを待ち構えていた大五。

「美味えって、美味くねえって?」

「分かんないわよ … 言ってることが、訳わかんないのよ」


… … … … …

「あの階段、誰が造った?」

不意に竹元が悠太郎に尋ねました。

「 … 僕です」

悠太郎がひとりで造ったことを知って、舌打ちをしました。

… … … … …

め以子は、何とか皮が剥けた山芋を、すり鉢で卸していました。

しかし、ぬるぬるは相変わらず …

「もうっ!」

山芋のついた手で顔をこすっため以子。

< あ、ああ あ ~ 痒い手でかくと、どんどんかいかいが … >

手や顔を水で洗っても、痒みは中々収まりません。

… … … … …

食事を終えて、店を出てきた竹元は、改めて入口の階段を見ながら、悠太郎に言いました。

「コンクリートは、むき出しかね?」

「 … 余りよくはないですよね」


しかし、それが学生で素人の悠太郎の限界でした。

「コンクリートも劣化するし、第一似合わない!

一見よくありそうな料理に、バカみたいに手をかけてるだろう、ここの大将は?

あんなに手が込んでるとは、ほとんどの奴らは気づかん。

あんなに柔らかく豚を仕上げても ~ 美味い、美味い ~ そういうことしか伝わらん。

そういうことを言っているんだ、俺は … 」


竹元はステッキの先を悠太郎の肩に置きました。

「この店で未熟なのは、お前が造ったこの階段だけだ」

ハッとする悠太郎。

「仕方がないから手を貸してやる … 」

… … … … …

「め以子、今日ご飯 … 」

忙しい上に竹元の来店、め以子も何も言ってこないのですっかり夕食のことを忘れていたイクでした。

母屋に戻って、台所で奮闘しているめ以子に気づきました。

「… 何やってるの?」

山芋に手こずりながら、め以子は言いました。

「皆、お節介だって言ってたけど … 私、やりたいことって、他になくて …

もっと、工夫したら、お節介じゃなくなるかもって … だけど、山芋ひとつ卸すのも、まともに出来なくて … 」


自分を情けなく思うめ以子でした。

「酢水に漬けんだよ … 芋は酢水に漬けると痒みも抑えられるし、色も変わんないからね」

… … … … …

竹元が去った後の店の前、悠太郎はひとり階段に腰かけて、眺めていました。

手すりに汚れを見つけて、手拭で拭いていると、中から大五が顔を出しました。

「おうっ、悠さん、どうだった? 竹元さん」

そのことが気になって、待ちきれずに出てきたのです。

「大将の料理にふさわしい階段になるように、タイルを送ってくださるらしいです」

「えっ?」

「大将の手の込んだ暖かい料理に、この階段は似合わないって … 」

「 … そんなこと言ってくれたのかよ?」


大五は感激していました。

「悠さん、入って入って、ビール飲もう!」

… … … … …

色々な具を混ぜた納豆は油揚げの袋に詰めました。

それを鍋で油を熱しているイクの元に運ぶめ以子。

「いいかい? よく見てるんだよ」

イクは小麦粉を水で溶いたタネを箸の先で少しつまんで油の中に落としました。

「これだと、まだ温度が低すぎるんだよ … タネが沈んでるだろ?」

「うん」

「逆に温度が高すぎると、表面だけ揚がって中に火が通らない …

ま、でもいろいろあってね、サツマイモなんかは低めで揚げる方がいいし、エビやイカなんかは高めの方がカラッと揚がる」

「へ ~ 」


め以子の知らないことばかりでした。

… … … … …

「ごめんね ~ め以子」

突然、母に謝られて、め以子は戸惑いました。

「あんたが何も出来ないのは、私のせいだよ ~ 忙しい忙しいで、何も教えもしなかったから … 」

「私も覚えなかったし … 」


照れくさそうにそう言った娘の顔をイクは見つめました。

… … … … …

「もういいかな?」

もう一度、油の中にタネを落としたイク。

「うん、このくらいがちょうどいい … タネが一旦沈んで、すぐ浮き上がる」

「ホントだ ~ 」

「じゃあ、やってみて」


揚げる準備が整ったら、あとはめ以子が任されました。

め以子は鍋の前に立ち、皿の上に盛られた油揚げの袋を手でひとつつまむとそのまま油の中に落とそうと構えました。

「えっ、た、高すぎるって! もっと、ほら、鍋肌からそ~っと入れて」

身振り手振りで教えました。

言われた通り静かに入れるとジュと揚がる音が聞こえてきました。

「わあっ!」

軽く声を上げて、次々に油揚げの袋を入れていくめ以子。

その様子を優しく見守るイク。

… … … … …

店の厨房では、照生が大五と悠太郎のために酒の肴をこしらえていました。

「よし、こんなもんか」

皿に盛って運ぼうとする照生。

そこへ、母屋から戻ってきたイクがめ以子が揚げたばかりの料理が乗った皿を差し出しました。

「照、これも一緒に持って行って」

「何だよ、これ?」

「いいから、持ってって」


イクの後からついて来ため以子も小声で頼みました。

め以子の目を見て何かあると察した照生は、うなずいてそのまま運んで行きました。

… … … … …

「お待たせしました ~ 」

「お、お前は仕事が遅いね ~ 」


大五はすでにご機嫌です。

「さあ、悠さん、食って食って」

め以子の料理は悠太郎の目の前に置かれています。

「 … これは何ですか?」

「何だそれ?」


大五も見たこともない料理だと気づきました。

「これは … 照は作ってねえな」

厨房から慌てて出ていくイク。

「ああ、ちょいと聞いて作ってみたんだよ ~ 美味しいよ、食べてごらん」

悠太郎に勧めました。

「うん、どれどれ … 」

まずは大五が箸を伸ばしました。

悠太郎も箸ではつかみましたが、匂いを嗅いだりして警戒しているようです。

… … … … …

「 … どうですか?」

ひと口で食べた大五に悠太郎は尋ねました。

「ん? … うん、美味いよ ~ 俺はね」

「俺は?」

「これよ、多分 … 」


ここで、大五に余計なことを言われたら、すべてが水の泡です。

厨房から覗いているめ以子は気が気ではありません。

「中にはさ ~ いろんなものが入ってるから、何が出てくるか分かんないんだよ」

「へえ ~ 」


大五の言葉を遮って、上手く取り繕ったイクの話にうなずいてる悠太郎。

「 … 面白いですね ~ じゃあ、いただきます」

悠太郎も大五と同じようにひと口で放り込みました。

心配そうに見つめるめ以子。

口を動かしながら、悠太郎は考えています。

そのうちに飲みこみました。

… … … … …

「美味しいですよ、これ … 甘いんか、辛いんか、不思議な味で … 」

その言葉に、パッと笑顔になり … そして、泣きそうになるめ以子。

「 … これ、何入ってるんですか?」

悠太郎に聞かれて、イクは厨房の奥に声を掛けました。

「め以子、何入ってるんだっけ?」

微笑み、悠太郎の前に姿を現しため以子。

「 … 納豆です」

笑いながら、イクの背中に抱きついて、そしてもう一度言いました。

「納豆です!」

… … … … …

目を見開き、愕然とする悠太郎。

「やっぱそうだよな ~ 」

大五にも分かっていました。

「うん!

納豆に砂糖と味噌とごま油と辛子、あと南京豆を砕いて入れて、それに山芋を混ぜて、油揚げの袋に入れて揚げたの」


種明かしをしため以子。

キツネにつままれたような顔の悠太郎はもうひとつ箸でつまんでまじまじと見つめています。

「西門さん」

「あ、はい」

「美味しかったですか?」


め以子は悠太郎の顔を覗きこんで聞きました。

「はい … ごちそうさん … でした」

め以子、イク、大五から笑い声が上がりました。

「お母ちゃん、ありがとう ~ 」

泣き笑いのめ以子、涙を拭いました。

… … … … …

なんか久しぶりに心が晴れて笑うことができた気がするめ以子。

台所で糠床をかき混ぜていても笑顔が止まりません。

自分が作った納豆の料理を悠太郎が食べた場面を思い浮かべました。

「 … ごちそうさん … でした」

あの時の悠太郎の顔ときたら …

< そうだろ? め以子 … 楽しいだろ? 作るのは >

め以子は両掌を見つめて、握りしめました。

< 自分の手で、もぎ取った、『ごちそうさん』は、とびきりだろ?

この味を、ゆっくり、しっかり、育てていくんだよ >

… … … … …

悠太郎は、自分の部屋で上半身裸になって、座ったままで竹刀の素振りをしていました。

竹刀を置いてつぶやく …

「食えてもた … 22年、食われへんかったのに … 」

悠太郎にとっては結構、衝撃的な出来事だったようです。

その時、廊下を誰かが走ってくる音がして、部屋の障子が思い切り開かれました。

「西門さんっ!」

… 満面の笑みをたたえた、め以子でした。

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