NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2013年10月20日 (日) | 編集 |
第18話

「食えてもた … 22年、食われへんかったのに … 」

知らなかったとはいえ、納豆を食べられたということは、悠太郎にとっては結構、衝撃的な出来事でした。

その時、廊下を誰かが走ってくる音がして、部屋の障子が思い切り開かれました。

「西門さんっ!」

… 満面の笑みをたたえた、め以子でした。

… … … … …

「あなたの普通は開けてから声をかけるなんですね」

浴衣の袖に手を通しながら、悠太郎はあきれたように言いました。

しかし、め以子は全く悪びれることなく悠太郎の目の前に正座しました。

「好きな食べ物は思いつきましたか?」

「えっ?」

「考えてみるって言ってたじゃないですか?」


そういえば、そんなことがあったような …

「明日から私、自分の分とついでに西門さんの分、お弁当作ることにしたんで」

「ああ、そうですか … 」


悠太郎は、しばらく考えるポーズを取りました。

「 … じゃあ、おむすびを」

考えた割には、在り来たりの注文だったので、め以子は少し不満でした。

「馬鹿にしてます? 私のこと、どうせおむすびくらいしか作れないだろうって」

「そういう言い方はおむすびを馬鹿にしてませんか?」

「そうじゃないですけど … 」


口を尖らせため以子。

「けど … なんですか?」

「 … 分かりました。

明日からは、世界で一番美味しいおむすびを目指して、精進いたします」


力まかせに障子を閉めて出て行きました。

… … … … …

「はい … 」

朝、大学へ出かける悠太郎にめ以子は蚊の鳴くような声で弁当箱を差し出しました。

昨日の勢いはどこへ行ったのやら …

「ありがとうございます」

礼を言う悠太郎の顔もまともに見ずにうつむいたまま、逃げるように先に出て行ってしまいました。

「どないしたんや?」

その答えは、弁当の時間になれば分かるでしょう …

… … … … …

「うわっ、どうしたの? これ」

め以子が開けた弁当箱の中身を見た桜子は思わず口に出してしまいました。

途中で落としたのか … ぐちゃぐちゃのおむすびに焦げたサケ … 見るも無残な状態です。

民子も目を丸くしています。

「自分で作ったの … 」

今にも泣きだしそうなめ以子。

「ええっ!」

声を揃えて驚きました。

「め以子が自分でお弁当作ったの?」

「どういう風の吹き回し?」


ふたりとも信じられないといった顔をしています。

「うん、難しいんだね ~ 料理って … 」

火の加減が分からずサケは焦がすし、その間に煮物は吹きこぼれるし …

炊き立てのご飯は熱すぎて、しっかり握ることができませんでした。

それでも、肝心の味がよければ … ポロポロと崩れそうなおむすびを取って、ひと口食べため以子。

「 … 何これ?」

… … … … …

帝大の研究室。

「いただきます」

弁当箱を開けて、一瞬固まった悠太郎でしたが …

何事もなかったかのように食べ始めました。

… … … … …

お役目の糠床をかき混ぜながらも出てくるのは、ため息ばかりのめ以子でした。

< 明日もあれじゃあね ~ >

そこへ、イクが慌ただしく母屋に入ってきました。

「め以子、それ終わったら、ご飯炊くよ」

「えっ?」

「いい機会だからさ、あんたもご飯炊くの覚えといた方がいいだろう?」


このくらいの時間、店の準備があるイクはそんな暇はないはずでした。

「だから、忙しくなるまでだよ ~ さっさとやるよ!」

… … … … …

イクは、先ず米のとぎ方から教えました。

「米をさっと洗って、すぐ水を捨てる … この時もグズグズしないでさっさとやること」

「は~い」

「水を捨てたら、米をとぐ。

この時のコツは強くとぎ過ぎないこと、強いと米が割れちゃうからね」

「強さって?」


イクは「やってみな」と言って、め以子と代わりました。

そして、何故か目を閉じました。

め以子は見様見真似で、米をとぎはじめました。

「わあ、強い強い」

力を弱めて調子をゆるめた、め以子。

「まだ強いね」

め以子がもう少しだけ弱めると、イクはうなずきました。

「そのくらい」

「えっ?」


… 目を閉じている母が何故、力の具合が分かるんだろう?

不思議に思っため以子にイクは言いました。

「その音くらいがいいね ~ 」

「音?」


イクは米をとぐ音で力の具合を判断していたのでした。

… … … … …

米をとぎ終わって、釜を火にかけると、イクは腰かけてまた目を閉じました。

「音、聞いてみな」

そう言われて、め以子は釜に耳を近づけました。

チリチリと聞こえます。

「その音に変わったら、水が無くなったってこと」

目を開けて立ち上がったイク。

「この音に変わったら、30秒くらい強火にする」

ガスの栓を今よりも開けました。

「米は音が大事なんだ … 」

「そう、音でといで、音で炊く」


… またひとつ勉強になりました。

… … … … …

「蒸らして、15分 … 炊きあがり」

イクは釜のフタを取り、しゃもじでご飯をほぐしました。

「じゃあ、これをお櫃に移して、少し冷ましてから、おむすび握ろうか」

「あ、待って … おむすびは、熱々で握った方が美味しいんでしょ?」

「 … でもあんた、今朝無理だったろう?」


心配そうな顔をしたイク。

「熱々が美味しいんでしょ … 」

イクの顔をじっと見つめて、もう一度め以子は尋ねました。

「 … やる?」

「 … やる」


うなずき合った、イクとめ以子でした。

… … … … …

やると決めため以子は、手を水で濡らして、塩をつけました。

そして、しゃもじでご飯を取って、手のひらに載せました。

「あっ、熱熱熱、つつつ … 」

力を入れて握れずに、まるで手のひらの上で転がしているようです。

「代わろうか?」

イクにそう言われても、め以子は断りました。意地でも、出来るようにならなければ …

「握る時のコツは、力を入れ過ぎないこと。

米と米の間に空気を含むように … 優しく握るんだよ」


手本を見せながら、イクは言いました。

熱いのを我慢して、懸命にイクの手つきを真似るめ以子。

… … … … …

何個か握るうちに、どうにか様になっては来ました。

「いただきま~す」

自分が握ったおむすびの試食です。

「う~ん、これこれ … 食べるとご飯が、ほろ~ってほぐれて」

「だから、おむすびって言うのかね?」

「?」

「結んだものが、ほろっとほぐれるように … 」


母はうまいことを言うなと、め以子は思いました。

「おむすびひとつにも出来るにはいろいろあるんだね ~

炊き方だけでもコツが … 」


指折り数えるめ以子。

「そうだね ~ 他にも色々あるよ。

新米を炊く時は、水を少なめにするとか、梅干を入れる時には、梅酢も一緒に入れて炊くとか … 固めが好き、柔らか目が好き、海苔は乾いた状態で巻きたい、巻き上げて慣らしといた方がいい … とかね」


イクの話を感心して聞きながら、め以子は、手にしていたおむすびを見つめました。

「奥が深いんだね … おむすびって」

「じゃあ、後は片付けといて」


そろそろイクは店に戻らなければなりません。

「 … あっ、お母ちゃん」

「うん?」

「忙しいのに、ありがとう」

「そう思ってるんなら、1回で覚えてよ」


笑いながら言ったイクにめ以子はうなずきました。

… … … … …

「ただいま戻りました」

いつもより少し帰るのが遅くなった悠太郎が、居間を覗くと …

「 … 何やこれ?」

ちゃぶ台の上にいくつもおむすびが並んでいました。

「あっ、お帰んなさい!」

台所からお茶を運んで来ため以子に悠太郎は尋ねました。

「何ですか? これは … 」

「おむすびってね、塩とかご飯とか海苔とか … そういうことで色々変わるらしいんですよ。

どれがどうなるのか、考えてたら、やってみたくなっちゃって」


嬉しそうに答えため以子、悠太郎に座るよう促しました。

「で … こうなった訳ですか?」

「西門さんも食べてみてくださいね」


ちゃぶ台についた悠太郎にめ以子はひとつひとつ説明し始めました。

「これがうちの台所で使っているお塩、これがお店で使っているお塩、こっちが社長からいただいた外国のお塩で、こっちが糠床に使ってるお塩 …

で、こっちの列が固めに炊いたご飯で、こっちの列が柔らかめに炊いたご飯。

それぞれに海苔ありと海苔なし!」


全部で8種類×4個ずつで32個のおむすびが並んでいます。

… … … … …

「これ、全部塩むすびですか?」

「はい」


当然のように返事しため以子。

「梅干とか、かつお節とか無しですか?」

「おむすび本来の味の違いを確かめるには、邪魔だと思うんです。

一緒に西門さんにとっての、世界一の塩むすびを探求しましょう!」


め以子はまず端のおむすびを取って、悠太郎に手渡しました。

「そんな、微妙な味 … 」

… 分かるのだろうか?

悠太郎は、ひと口食べて、おむすびを見ました。

「 … どうですか?」

「あの弁当を作った人とは思えないです」

「それ … 不味かったって言ってますよね?」

「いや ~ 心配しましたよ。

あなたの舌が壊れたんか、僕に対する嫌がらせかって … ど下手なだけやったんですね?」


褒めているのか、貶しているのか … め以子には、どちらかというと、後者に聞こえました。

「 … また、あのおむすびにしますよ」

口を尖らせました。

… … … … …

「あなたは、そんなことしませんよ」

怪訝な顔をしため以子。

「 … あなたは、愛してますから」

め以子の顔を見て悠太郎は言いました。

面と向かって、そんなことを … 絶句するめ以子。

「食べることを愛してるでしょ?」

「あっ … ああ、ああ」


… そういうことですか。

「食材をわざとダメにするなんてできませんよ」

「はいっ」


今度は笑顔でうなずきました。

それから、ふたりは黙々とおむずびの食べ比べを続けました。

… … … … …

自分の部屋に戻っため以子は、母に教わったことや、おむすびの作り方など、今日覚えたことを真新しい帳面に書き留めていました。

そして、表紙には、『め以子料理ノォト』という題字とおむすびの絵を描き入れました。

… … … … …

次の朝の食卓。

悠太郎が皆を驚かせました。

あれほど頑として手を出さなかった納豆を目一杯ご飯に載せて美味しそうに食べはじめたのです。

注目して見ていた一同、誰からとなく拍手と歓声が上がりました。

「悠さん、やる ~ 」

「子供やないんですから … 」


照夫にからかわれて、真っ赤になって照れている悠太郎。

手を取り合って喜ぶめ以子とイク。

… … … … …

「はい、お弁当です!」

め以子は、いつものように出かける悠太郎に縁側で弁当を渡しました。

「ありがとうございます」

「ついでですから」


今日は割と自信ありげな表情です。

… … … … …

道を行く悠太郎が、足を止めて、後ろを歩いていため以子のことを見ました。

「 … どうしたんですか?」

「あの ~ 今日も塩むすびですか?」


弁当のことが気になったようです。

「嫌ですか?」

め以子は悠太郎を追い越しました。

「別にそんなことないですけど … 」

昨晩、あれだけ塩にぎりばかり食べたので … さすがに、少し飽きました。

後に続く悠太郎。

め以子は振り返りました。

「違いますよ」

「 … 何ですか? 今日は」


ちょっと期待しているようにも聞こえました。

「何でしょう ~ 」

勿体ぶっため以子です。

いつの間にか、ふたりは並んで歩いていました。

< 兎にも角にも、足並みが揃ったようでございます >

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