NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2013年11月02日 (土) | 編集 |
第30回

夜も大分更けましたが、大五とめ以子のフォン作りは続いていました。

「沸騰したら、フツフツになるぐらいに弱火にする」

「フツフツ?」

「ボコボコでやると、フォンが濁っちまうんだよ ~

で、そのまま3、4時間くらい灰汁をすくいながら煮ると … 」

「3、4時間も?」

「家でやる時は、ストーブにでもかけときゃいいよ」


… … … … …

「父ちゃん、姉ちゃんにフォンの作り方教えたいだけなんだよ ~ 何か俺、だしに使われたみたい」

照夫が苦笑いしながら、ふたりだけにするために母屋に引き上げて来ました。

「お母ちゃん、俺、子供持つなら娘がいいな」

「何で?」

「だって、可愛くて仕方ないんだろう? 娘って」


軽い嫉妬でも感じているのでしょう。

「息子もいいもんよ」

母にそう言われて、はにかんだ照夫でした。

… … … … …

こまめにスープの灰汁をすくっているめ以子、ふと大五の視線に気づきました。

「あっ、灰汁すくい過ぎ?」

「あ、いや … お前、やっぱでけえなと思ってよ」

「もう ~ お父ちゃんが、美味しいもんばっか作るからだよ …

お父ちゃんの料理が美味しいから、こんなに育っちゃったの」


話しているうちに昔のことを思い出しました。

「昔は特に豪華だったし … 朝から大きなオムレツ出てさ」

「客来なかったからな ~ 材料、余っちまってな」

「お母ちゃん、早く普通の賄い出せるようになりたい … って、ブ~ブ~言ってたよね」

「 … お前が、オムレットライス美味いって教えてくれたお蔭で、何とかなったようなもんだ」


『だって、お父ちゃんの料理、温かいし美味しいんだもん!』

大五は幼い頃のめ以子を思い浮かべて、目を細めていました。

「まあ、お前は美味い美味いって、言ってただけだけどな … 」

… … … … …

「ねえ、フォンって、どうやって使うの?」

「何でも使えるぞ …

野菜を煮てこせば、ポタージュになるし、米煮て使えば、雑炊にもなるし … 何だかんだ入れて煮詰めりゃ、ソースにもなる」

「 … フランスのお出汁?」

「そうそうそう」


このフォンは、開明軒の料理の味の基本でした。

… … … … …

「覚えといてくれよな、め以子 …

俺よ、お前に何もいいもんやれなかったからよ ~ 上出来のお頭も、男好きのする見かけも、何もよ。

俺がやれたのは、食い気と丈夫な体くらいのもんでよ …

人に自慢できるようなもんは、何もやれなかった。

だから、せめて、最高の旦那をと思ってたんだけど … お前、勝手に見つけてきたしよ」


大五は寂しそうに笑いました。

「俺がお前にやれるもんは、もう … こんなもんくれえのもんでよ」

大五を見つめため以子。

その眼は涙で潤んでいました。

「お父ちゃん …

私さ、小さい頃から本当に、毎日毎日、朝起きるのが楽しみだったの … 今日何が出るんだろう?って。

寝てる間にね、食べる夢見るの … で、夢から起きたら、そのご飯が本当にあるの …

お弁当も、おやつも本当に美味しくてさ … 『こんなの食べたい』って言ったら、それが本当になって出てきて、こんな子他にいるのかなって思う。

私みたいに幸せな子、そうそういないと思うよ」


悠太郎の言葉を今改めて実感しているめ以子でした。

「いないと … 」

涙で言葉に詰まるめ以子。

大五も唇を真一文字に結んで、涙をこらえていました。

「今度は、ガキにお前がそうしてやってくれ … 」

ようやく、それだけ言葉にした大五でした。

うなずくめ以子。

… … … … …

いつの間にか、外は朝が訪れていました。

厨房でうたた寝をしている大五をイクがそっと起こしました。

「お疲れ様 … 」

「何だ、お前も寝てなかったのかよ?」


熱いお茶をすするふたり。

「め以子は?」

「散歩行くって … うれしくて、眠れそうにねえからってよ」


… … … … …

め以子は、早朝の人気の少ない公園、橋の上で朝の風景を眺めていました。

見上げれば青空、心地よい風、自然と笑顔になります。

ふと近づいてくる足音、そちらに目をやると … 悠太郎が歩いて来るのが見えました。

め以子は意外そうな顔をして、悠太郎に駆け寄りました。

「何してるんですか? こんな時間に」

「 … あなたこそ?」

「散歩です


自分も散歩だと悠太郎は答えました。

「えっ、新しい下宿も、この近くなんですか?」

悠太郎は一度うなずきかけましたが、頭を振って言い直しました。

「本当は、その … 」

次の言葉が、なかなか言い出せずに迷っているようでしたが …

「 … あなたをさらいに行こうと思たんです」

… … … … …

思い切って口にした悠太郎。

「 … さ、さらう?」

「そうです」


一瞬戸惑ったような顔をしため以子でしたが、次第にこみあげてくる喜びの感情を抑えきれずに、悠太郎に抱きついていました。

そして、耳元でささやきました。

「もういいんです … そんなことしなくたって …

お父ちゃん、許してくれたんで」


今度は悠太郎が戸惑いの表情を見せる番です。

「あっ … 」

何を思ったのか、体を離しため以子。

「けど … せっかくなんで、もう一度言ってもらえますか?」

め以子の図々しいおねだりを聞いて、思わず悠太郎の頬が緩みました。

そして、お返しに自分からめ以子を抱きしめました。

「お断りします」

… … … … …

月日は流れて、大正12(1923)年春。

め以子は、女学校の卒業式の日を迎えていました。

「これから、あなたたちは、様々な道を歩いて行かれることと思います。

色々な人と出会うことでしょう ~ 暖かい人も、冷たい人も、幸せな人も、さびしい人も … どうしても馬が合わないということもあるかも知れません。

ですが、そんな時にはどうか思い出していただきたいんです。

食べなければ、人は生きていけないんです。

あなたと私は、どこがどれほど違っていようと、そこだけは同じです … 同じなんです」


卒業式の後、教室で宮本がくれた言葉でした。

… … … … …

め以子たちのクラスの謝恩会の会場となった開明軒。

貸し切りの店内に溢れんばかりのクラスメート、大人数分の料理を用意するために厨房は大わらわです。

「もう ~ 何だって、うちで謝恩会なんてやるんだよ!」

そこにめ以子がチキンフライの追加を受けてきました。

「皆が食べたいって、お父ちゃんの料理は世界一だって!」

「バカ野郎 … 」


口ではそう言いながら、悪い気はしない大五、可愛い娘のために惜しまず腕を振るっています。

… … … … …

「わあっ!」

民子から、目の前に大きなハート形のクッキーを差し出されて、め以子は思わず声をあげました。

『ご結婚 おめでたう。 め以ちゃん』

「宮本先生に習って、皆で焼いたの」

「ご結婚、おめでとう」


宮本の祝辞に続いてクラスメートから拍手が起こりました。

「ありがとう!」

… … … … …

そして、大阪に旅立つ日がやって来ました。

駅には、め以子たちを見送るために卯野家、開明軒の一同が全員集まりました。

< かくして、私は無事、め以子と一緒に西門の家へ参ることとなりました >

め以子の腕には、糠床を分けた小さなツボが抱かれています。

「本当にお世話になりました」

皆に向かって悠太郎は頭を下げました。

「こんな娘なんで、いろいろとご迷惑かけると思いますんで、よろしくお願いします」

イクの言葉にうなずいた悠太郎は、大五に向かって誓いました。

「お父さん、絶対にお嬢さんを幸せにしますから」

「まあ、その何だ … 食うだけは、たらふく食わせてやってくれよ。

そんで、ほとんど大丈夫だからよ」


照れ隠しか、寂しさを紛らわすためか … 大五のそんな言葉に皆から笑いがこぼれました。

「もうちょっと、いいこと言ってよ」

「言ったじゃないかよ、一番大事なことをよ」


汽笛が発車の合図を知らせました。

… … … … …

汽車に乗り込んだふたりは、デッキに立って別れを惜しんでいます。

走り始めた汽車 …

涙ぐんだめ以子は、手を振る皆に向かって、ひとりひとりの名前を叫びました。

「お父ちゃん、お母ちゃん、テル、クマさん、山本さん、タマちゃん …

18年間、ごちそうさまでした!」
 

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