NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2013年11月30日 (土) | 編集 |
第54回

残り少ない氷を削って、め以子は本日最後の『焼氷』を悠太郎が座っているテーブルに置きました。

マッチを擦ってメレンゲに火を灯します。

「ブランデーですか?」

炎を見つめながら、つぶやくように尋ねた悠太郎。

「火が消えたら、メレンゲを潰してお召し上がりください」

め以子は不愛想に他人行儀な口調で答えると、下がってしまいました。

フロアにひとり残された悠太郎は焼氷を食べ始めます。

「コーヒーのシロップなんですね」

独り言のようにまたつぶやきました。

「途中からは、梅シロップが加わっている … 」

しばらく、眉間にしわを寄せながら見ていため以子が突然声を荒げました。

「焼氷の話に来たの?」

氷を食べるスプーンを持つ手が止まった悠太郎。

「大きな声でする話じゃないんで … 」

そう返されて、め以子は悠太郎の前の席に座りました。

向かい合ってはいますが、お互いに目を合わせず顔をそむけたままです。

… … … … …

室井と希子、馬介の姉が市場から引き揚げてくると、店の前には馬介をはじめ、桜子、源太たちが集まっていました。

め以子たちをふたりきりにしようと気を利かせて外に出ていたのです。

しかし、店内があまりにも静かなので、一同はそっと中の様子を覗いました。

… … … … …

め以子を前にして、悠太郎は静かに話し始めました。

「僕が父を許せなかったのは … 僕も逃げ出したかったからです。

仕事を辞めて戻って来たんも、お静さんを落籍せたんも、皆僕たちのためやのに … よかれと思うてやったことが全て裏目裏目に出てしまう。

… そんな父に僕は同情してました」


ところが、正蔵はひと言もなく姿を消してしまったのです。

「首でも括るつもりなのではないか、本気でそう思いました」

とにかく、皆で手を尽くして探して …

「せやけど、見つかった先は、別の女性のところでした」

… … … … …

「愕然としましたよ。」

その事実に怒り、お互いを罵り合う和枝とお静 … 自分の後ろで怯えて震えている幼い希子を見て、悠太郎は宣言したのでした。

『僕がこの家を守る』 

「 … 僕がこの家を守る、これからはあの人は死んだと思ってやっていこうって」

ただひとりの男である悠太郎は無理をしてでも、そう言うしかなかったのです。

「せやけど … その気持ちだけで生活が変わる訳やありません」

傷ついた和枝とお静は、その矛先を前にも増して相手に向けたのです。

「僕は、迂闊なことを言わないように、何か言う前に口に手を当てて考えるクセがつきました」

あのポーズにそんな秘密があったのです。

わずか13歳だった悠太郎の気持ちを考えると、胸がしめつけられるように痛むめ以子でした。

… … … … …

「姉さんの料理をほめれば、お静さんの料理は不味いと言うてることになる … お静さんの料理をほめれば、姉さんたちの総攻撃が始まる。

僕にできることは … 何も表情に出さず、食べるということでした」


そう言われると、下宿し始めた頃の悠太郎の食事する姿はまさにそんな感じだったことをめ以子は思い出しました。

「そんな中で、僕がすがったのは … 安全な街を造るんだという志と、父への憎しみでした。

いつか立派になって、この家を建て直して、見返してやるんやと」


そうやって、悠太郎はずっと生きてきたのでした。

… … … … …

「せやけど …

あなたに会えて、あなたの家族に出会って、ゴールは少し違うんやないかって、思い出したんです。

こんな食卓が欲しい、こんな家庭が欲しいと思い始めました」


… それもまた、父親を見返すひとつの形だと考えたのです。

… … … … …

「相手の幸せを考えることが愛情やと言うならば … 僕は、あなたの手を離すべきやと思います」

いつしかめ以子は目にいっぱいの涙をためて聞いていました。

「それは、何度も何度も考えて …

せやけど、それをしないのは、僕は …

嫌だからです。

あなたは僕が手に入れた、たったひとつの宝ものですから。

… せやから、他の人に取られやしないかと、いつもひやひやしています。

『私はこんな掃き溜めにいる人間ではない』と、言い出しはしないかと不安で …

くだらん、ホンマにくだらん人間やと思います」


そう言いながら、悠太郎も泣いていました。

「せやけど、僕を … 僕を見捨てないでください」

泣きながら、め以子に向かって、手をつき頭を下げました。

… … … … …

「 … 悠太郎さんって、バカだったのね。

私のこと『宝物』だなんて思う人、他にいないし …

バカで、子供で … 分かろうと思えば、合図はいくらでも出てたのにね」


め以子は悠太郎の傍に行くと、その手を握りました。

顔を上げてめ以子を見つめた悠太郎。

「私もバカで … ごめんね」

め以子の目から涙がぼろぼろとこぼれています。

「ひとりにして、ごめんね」

立ち上がり、そして抱擁し合うふたり。

テーブルの上の食べかけの焼氷はすでにほとんど溶けていました …

… … … … …

「元のさやだね ~ 」

「本当、ごちそうさまって感じ」


入り口のガラス越しに見ていた室井と桜子も胸をなでおろしました。

涙もろい室井はもらい泣きしています。

希子も安堵してホッと微笑みました。

… … … … …

「源ちゃん」

ひと足先に自分の職場 ~ 牛楽商店に戻っていた源太の元にめ以子が顔を出しました。

「一番いいお肉ちょうだい」

「あ?」

「悠太郎さんが、今日はビフテキにしようって」


源太が店の外に出ると、市場の入り口に悠太郎が立っていて、こちらに向かって頭を下げました。

源太も染丸まで連れ出して、ひと芝居打った甲斐があります。

「ホンマにいっちゃんええのにするからな?」

「うんっ!」


… … … … …

「せやけど、よう歌えたな、希子」

つい何時間か前、希子はここで大勢の前に立って歌ったのです。

「ちい姉ちゃんのこと考えたら、歌えた。

ちい姉ちゃんの焼氷、食べてもらうんや ~ って思ったら …

お兄ちゃんもいつか変わるよ … お父さんのこと許せる日が来ると思う」


あの引っ込み思案で人の顔色ばかり窺っていたような希子が、こんなにもしっかりと自分にものを言っている … 悠太郎は何だかうれしいような複雑な気分でした。

「生意気言うて … 」

いつ以来でしょうか、兄妹が顔を見合わせて笑いました。

< そうだよね ~ 希子ちゃん、氷はいつか溶けるもんね >

… … … … …

そんな希子も家に近づくほどに不安になっていました。

「お姉ちゃん、怒ってるよね … きっと」

「希子ちゃんは大丈夫でしょう?」

「あなたも意外に大丈夫かも知れませんよ」


意味深な悠太郎の言葉に首をかしげため以子でしたが、その理由はすぐに分かりました。

家の前まで来ると、3人の気配を感じたのか、門を開けてお静が飛び出して来ました。

「おかえり ~ よお、帰ってきてくれたな ~ 」

待ち構えていたように諸手を広げ迎えてくれました。

め以子が恐る恐る玄関を覗くと、和枝がこちらをにらんでいます。

「あ、あの … 」

「蚊も出てきたさかい、早う閉めて … 」


そう言っただけで、特に咎めることもせずに奥に引っ込んでしまいました。

「せやせや、早う早う入って!」

そんな姿を見て、おかしそうに悠太郎が話しました。

「ふたりだけ残ったら、もう殺し合わん勢いでして … もう疲れ切ったんやと思います」

… … … … …

その晩の西門家の食卓には、牛楽商店の最上級の肉を焼いたビフテキが並びました。

一切れ食べた希子が幸せそうな笑顔になり、お静も口にした途端 …

「このお肉、ホンマ美味しいな ~ 」

肉も美味しいけれど、和枝とふたりきりの食事から解放されたことが何よりうれしい … そんな感じです。

「悠太郎さんが奮発してくれました ~ お替りあるんでどんどん食べてくださいね」

「希子の記念でもありますし … 」


め以子が希子の歌のことを話すと、お静は感心していましたが、和枝は不愉快な顔をしました。

「芸人やあるまいし、はしたない」

希子も今までならここで、言葉に詰まっておどおどしてしまったのでしょうが、「ごめんなさい」ときちんと謝ることができるようになっていました。

… … … … …

「あ、あの、お義姉さん、お口に合いませんか?」

め以子は和枝の顔色を覗いました。

「な~んも聞いてまへんさかいな …

別れる言うてはったんが、いきなり戻って来はって、肉出されても、ノド通りまへんわ」


悠太郎の顔を見ため以子。

「親父のことは、皆の気持ちが揃うのを待つってことに話がつきました。

僕も姉さんもお静さんも、皆がその気になったら、縁を復活させることも考える。

そうならなくても、め以子は無理強いはしない … 自然に任せようってことで」

「 … 時々、様子を見に行くってことで … 」


異論は出ませんでした。

和枝はため息をついて、あきれたような顔をしていましたが … 取りあえず一件落着のようです。

… … … … …

翌日、建設課の部屋では、糠床のツボがなくなっていることに気づいた藤井が途方に暮れていました。

「ない … ない、ない?!」

「あ、糠床か ~ さっき、赤門の嫁さんが来て、持って帰りよったで」

「べにこ ~~ !!」


< トラですよ >

「べにこって、名前までつけとったんか?」

… … … … …

糠床の帰る場所は … 牛楽商店でした。

源太のことを信頼した悠太郎から許可が下りたのです。

「トマト?!」

久しぶりに再会した大切な糠床の中にトマトを見つけため以子は驚きの声を上げました。

思った以上にきちんと世話をしてくれていたことを知り、め以子は悠太郎のことを見直していました。

「悠太郎さん、結構やるな ~ 」

< 悠太郎さんじゃないからね … 藤井さんだからねっ >

「め以子、上手いこといってるのか、最近は?」

源太に尋ねられて、め以子は答えました。

「あちらを立てれば、こちらが立たず … でもまあ、気長にやるわよ」

< そうそう、糠床だってね、美味しくなるまで時間がかかるんだから >

「氷はいつか、溶けるもの … 」

糠床をかき混ぜながら、そうつぶやきました。

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