NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2013年12月16日 (月) | 編集 |
第67回

大正12年9月1日。

正午少し前に発生した地震の揺れは、しばらくして収まりました。

「結構揺れたな ~ 」

土間の上り口に伏せていたお静が体を起こしながら言いました。

「大丈夫ですかね?」

台所に立っていため以子は棚から物が落ちてこないように支えることで精一杯でしたが、特に被害もなく、調理台から包丁が滑り落ちた程度のことで済みました。

… … … … …

「今、揺れましたね … 何処ですかね?」

悠太郎は、テーブル一面に崩れてしまった本を積み直しています。

「うん、何処か …

じゃあ、頼んだぞ!」


自分の用事が済んだ竹元は、サッサと席を立って出口に向かいました。

「あっ、竹元さん!」

悠太郎は、まだ竹元の依頼を引受けた訳ではありません。

「私に相応しい知的かつ華麗な抜き書きをな!」

「僕は僕で仕事が … 」

「君も興味があるところだろう?

… 大いに期待している」


そう言われると、悠太郎も引き受けざるを得ませんでした。

… … … … …

「 … 沼津?」

「うん、何かそっちの方が震源みたいですよ」


夕食の配膳をしながら、希子が昼の地震の話題に触れました。

「ああ、新聞出とったな ~ 」

まだこの時点では、その程度の認識だったのです。

「悠太郎さん、ご飯にしましょう」

竹元から預かった何冊もの専門書を抱えて帰って来た悠太郎は、奥の座敷に座り込んで真剣に読み込んでいました。

ああ言っていたものの、竹元の言葉通り、興味がある内容だったのと生来の気真面目さで … すっかり嵌ってしまっていました。

「悠太郎さん?」

一度や二度声をかけたくらいでは通じません。

… … … … …

< その翌日 … >

せっかくの日曜日だというのに、悠太郎は朝から専門書に掛かり切りでした。

ひと通り熟読した後、次に『竹元が読んだ方がいいところ』の抜き書きを始めていました。

しかし、この一連の作業は、悠太郎に取っても有意義なことには間違いはありませんでした。

案外、竹元はそのことを意識して、悠太郎に依頼したのかも知れません。

「大変ですね、抜き書き」

め以子がお茶を運んできても、薄ら返事するだけで作業に没頭しています。

… … … … …

「西門君、おるか?!」

突然、玄関の戸が開く音がして、藤井のひどく慌てたような声が聞こえて来ました。

悠太郎が応対に出ると、日曜だというのに背広姿の藤井が立っていました。

「すぐ、役所の方へ来てくれって!」

「えっ、どうしたんですか?」

「東京が、東京が全滅やって!」


… … … … …

呆然としている悠太郎とめ以子。

「 … どうも、東京神奈川の方の地震らしいわ。

至急応援を頼むて、神奈川県警から無線電信があったらしゅうて … 」

「あの … 東京が全滅って … あの、全部ですか?」


め以子は尋ねましたが、藤井にも招集がかかっただけで、詳しいことはまだ分からないのです。

「なんせ、電話も電報も全然繋がらんみたいで … とにかく行こう、西門君」

「行って状況聞いてきます」


そう言って、悠太郎は藤井と市役所へ出かけて行きました。

… … … … …

ふたりが市役所に着くと、同じように緊急招集された職員たちが慌ただしく動き回っていました。

大村の姿を見つけた悠太郎は、すかさずに状況を尋ねました。

「今、上の人間が集まって、緊急会議開いとるとこや」

情報は相当混乱しているようです。

「鉄道は? 交通はどうなってるんですか?」

「 … それもよう分からんのや」


そこへ、会議に出ていた職員が戻って来ました。

「救援の船を出すことになった!

… わしらは、手分けして救援物資の手配するようにて」


それを聞いて、建築課の部屋を飛び出した悠太郎。

「おい赤門、何処行くんや?!」

… … … … …

向かった先は、『緊急対策本部』と書かれた部屋です。

「失礼します!

建築課の西門悠太郎です。

救援物資を手配するということは、届ける人間がいるということですよね?

僕にその役割をさせてもらえないでしょうか?」


お偉いさんたちの前にいきなり名乗り出たのです。

しかし、公安部の管轄なので、建築課の悠太郎は部外者でした。

「僕、東京の地理には詳しいです。

きっとお役に立てると … 」


それでも食い下がっていると、助役の新条が尋ねました。

「君は向こうに身内が居るんですか?」

「 … そうです」

「さっきからそういう職員が何人も来ていてね … 察してもらえないでしょうか?」

「身内の安否確認を最優先にするつもりはありません!

お願いします!」


… … … … …

め以子と希子も駅まで行ってはみたのですが、そこでも電話も電報も繋がらないということで、何の情報得られずに消沈して家に戻って来ていました。

「ホンマに?

そんなに酷いことになってんの … 」


め以子は玄関の上り框に座り込んでしまいました。

希子は、そんなめ以子をお静に任せると、桜子に様子を聞きにうま介へと出かけて行きました。

うつむいたままのめ以子の隣に腰掛けて、そっと肩を抱いたお静。

… … … … …

「どうやって行くつもりよ?

鉄道だってどうなってるか分かんないわよ!」


希子がうま介の前まで来ると、旅支度をした室井のことを桜子が必死に止めている最中でした。

「歩けばいいじゃない … 弥次喜多だってさ」

「私が見に行かなくていいって言ってるの!

駆け落ちしてきたんだから … 家を捨てるって、そういうことなんだから」


室井は、桜子の家族の安否を確認するために東京へ行こうとしているのです。

「 … うん、そうか … 分かった」

諭された室井は店に戻ろうとして … 油断した桜子の横をすり抜けると、走って行ってしまいました。

… … … … …

結局、桜子も何も分からないようで … 仕方なく希子は市場を覗いてみました。

荷物を運び出す人々が忙しく行き来する中、牛楽商店に行ってみると、ここでも源太たちが大八車に荷物を積み込んでいるところでした。

「あの … な、何してはるんですか?」

「食いもんやら何やら向こう送るんやて、役人が買いにまわっとるわ」

「食べ物も足りないんですか?」

「さあ、よう分からんけど … ああ、あいつは?」


源太はめ以子の様子を尋ねました。

「どうしてええか分からんみたいで … 」

「せやろな …

ああ、今日糠床持って帰ったり ~ 何かあったら、かきまわしとるさかい … あったら落ち着くやろ?」


… … … … …

部屋で休むように言われため以子ですが、横になる気にもなれずに実家から持ってきていたアルバムを開いていました。

女学校の卒業謝恩会の写真、家族で店の前で写した写真 … 

ふと、厨房で働いている父母や照夫のことを思い浮かべました。

「揺れたの、お昼頃 … 」

あの時間帯に火の気がないはずがありません。

不安は募るばかり … 思わずアルバムを閉じて、胸に抱きしめました。

「め以子さん、入るで ~ 」

ろくに食事をとっていないめ以子を心配したお静がお茶と饅頭を持ってきてくれました。

「とにかく何かお腹に入れ」

「 … いいです」


とても食べる気になれないめ以子でした。

「ほな、ここ置いとくな」

気を利かせて出て行きました。

… … … … …

「ただいま ~ 」

部屋に入ったままのめ以子に代わって、お静が台所仕事を始めた頃、糠ツボを抱えた希子が戻ってきました。

「 … で、何や分かった?」

ただ大変らしいということしか分かりませんでした。

お静も希子も、余り期待はしていなかったのですが、それでもやはり落胆は隠せません。

… … … … …

ふたりが話していると、お盆を手にしため以子が2階から下りてきました。

心なしか先ほどよりも、元気がありません。

「ちい姉ちゃん、大丈夫?」

うなずいため以子が持っているお盆には空の皿が載っているだけです。

「食べた?」

お静が喜んでいると、め以子は何故か情けなさそうな顔をしました。

「お腹空いて … こんな時にお腹空くなんて、何か嫌になっちゃって。

お饅頭5つも私、バッカなんじゃないのって … 」

「あんたそれは、お腹の子が食べたがってんで、なあ?」

「あ … そう、お腹の子は分からへんから。

ちい姉ちゃん、関係ないから」

「 … そうかな?」


しかし、まだ浮かない表情です。

「大体な ~ あんた、食べるのはお母ちゃんとしての仕事やで!

あんたが食べんと、その子生きてかれへんねんで、なあ?」


ふたりがかりで宥められて、ようやく何とか納得したようです。

… … … … …

そこへ、慌ただしく悠太郎が帰って来ました。

玄関からそのまま台所へ入ってくると、流しでコップに水を汲みました。

「どうやった? 何か分かった?」

「 … 救援隊として、東京へ行けることになりました」

息を切らしながらそう言いました。

「悠太郎さんが?」

「竹元さんの口添えで … 」


… … … … …

管轄外の上、東京に身内がいる職員は悠太郎だけでないと、救援隊に加わることを許さなかった新条助役に掛け合ってくれたのは、偶然に会議室に現れた竹元でした。

「大阪の都市計画のためにも、迅速かつ的確な調査が必要です。

そのためには、コンクリート造や木造の建築、また東京の地理にも詳しい、動き回れる体力のある若者の派遣を … お願いに上がりました」

… … … … …

「 … 救援活動が終わったら、残って建築物の被害状況を下調べするという条件で … 雑用係として加えてもらいました。

まあ、状態を見ながらなんで … 確認に行ける保証もないし、向こうからの電報が届く方が早いということもあり得るんですけど。

合間をみて、何とか安否確認できればと … 」


そう言ったあと、悠太郎はコップの水を一気に飲み干しました。

「救援物資、集めてる最中なんで … 戻ります!」

このことをめ以子に伝えるために忙しい中、抜け出してきたのでした。

職場に戻ろうとする悠太郎をめ以子は呼び止めました。

「悠太郎さん、ありがとう … ありがとうございます」

深くお辞儀しました。

「僕も気になるから行くんです」

悠太郎の優しさでした。

… … … … …

それでも、まだ家族に対する不安が消えた訳ではありません。

ただ、源太が言ったように、糠床をかき回していると、少しは気が落ち着くような気がしました。

「ちい姉ちゃん、その糠床どのくらい前のなん?」

「 … 50年か、60年かくらい?」


あまり深く考えたことがなかったので、不確かでした。

「わあ、そんなに?!」

希子は、それでも十分驚いていましたが …

< ホントは、100年超えてるけどね >

「運がいいんやね、その糠床」

「?」

「だって、そんだけ長い間、生き延びてきた ~ いうことでしょ?」

「うん、そうだけど … 」


やはり、気を落ち着けても … 何かにつけ、不安に苛まれ … その度、胸が押しつぶされそうになってしまうめ以子でした。

… … … … …

悠太郎が乗る救援船が発つ日、め以子は差し入れを持って市役所を訪れました。

カゴ一杯に詰め込んだおむすびです。

「 … これ、船の中で皆さんで」

「今日、何ですか?」


受け取りながら、悠太郎はいつものように尋ねました。

「な~んでしょう?」

いつものようにおどけて教えません。

微笑む悠太郎 … ふたりだけが分かる儀式でした。

「お~い西門早う、荷物まとめるで!」

「ほな、行ってきます」


先輩職員にうながされて悠太郎は歩き出しました。

「いってらっしゃい、気をつけてね!」

その声に振り向き、小さくうなずいた悠太郎。

悠太郎の背中が見えなくなった頃 … め以子の笑顔は消えていました。

< 大丈夫、きっと大丈夫だ … お父ちゃんもお母ちゃんも民子も女学校の皆も …

不安を押し殺すしかないめ以子でございました >

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