NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年01月26日 (日) | 編集 |
第96回

「 … お父上をここにお招きしろ」

「えっ?」

「開業までは恐らく無理なんだろう?

だったら、お前が案内して、中をお見せしろ」

「 … 何でですか?」


自分の言っていることの意図を即座に理解できない悠太郎に短気な竹元は苛立ち、声を荒げてしまいました。

「図体ばかりでかい息子が … きちんとやってるかどうか心配されていた。

貴様のような凡庸な人間にとって、仏に近い人間の言うことは、ありがた味があるはずや」


口では罵りながらも、余命幾ばくも無い父親に自分の仕事を見せて安心させてやれ … という思いやりでした。

… … … … …

「ほな、行ってきます」

数日後、工事が休みの日を見計らって、悠太郎は正蔵を建築途中の地下鉄の工事現場に案内しました。

父子だけで出かけるなんて、初めてのことかも知れません。

め以子は、正蔵を乗せた車いすを押しながら、出かけていく悠太郎を見送りました。

… … … … …

薄暗い建築途中の駅舎の中を進んでいくふたり。

「 … 複雑や、ありませんか?」

「うん?」

「こういう所へ来るのは?

… 地下鉄の開発かて、銅山と似たようなところありますし … 」


そういうことを考えて、ここへ正蔵を連れて来ていいものかと、迷っていたのです。

「将来的には、崩落かて、地盤沈下かて起こらんとも限りませんから … 」

今もまだ迷っているのでしょう ~ 冴えない表情の悠太郎。

「わしがこんなこと言えた義理やないんやけど …

どっちへ転ぶや分からんからこそ、開発やら技術なんちゅうもんの裏には、『良心』が貼りついててほしいと思うんや」


悠太郎はひざを折って正蔵の話に耳を傾けました。

「わしゃその剥がれてしもうたもんを、自分の食う方に貼りつけてしもうた …

別に開発やら技術を嫌うておるんやないんやで ~ むしろ技術ってなもんは、技術でしか救えんもんやろうと、そう思ってる」


正蔵は振り向き、悠太郎の顔を見ながら言いました。

「期待してるで ~ 」

その言葉で悠太郎は、ためらいを忘れることにして、胸を張って父に自分の仕事を見てもらう決心をしたのです。

… … … … …

しばらく行くと更に地下へと続く長い階段が現れました。

車いすはここまでです。

「足元、気つけてください」

正蔵は悠太郎に手を引かれながら、おぼつかない足取りでゆっくりと1歩1歩階段を下りていきました。

「気つけてくださいね」

自分のことを気遣う悠太郎の顔を見た正蔵は、昔のことをふと思い出しました。

『誰よりも頑丈なもん造る … あんたが壊してまわった分、皆を守る建物を造る。

せやから、逃げんと隣で見とけ思う!』

熱いものが胸にこみ上げてきます。

正蔵の顔に自然と笑みが浮かび … その視線の先には地下鉄のホームが広がりました。

… … … … …

「天井がこう高うて、丸うなってんのや ~ そこにエスカレーターってなもんがつくらしいで」

夕食の時、正蔵は興奮しながら家族に今日見てきた地下鉄の駅舎の話を身振り手振りを使いながら話て聞かせました。

「すご~い!」

「ええな ~ お祖父ちゃんだけ」


正蔵の話を目を輝かせながら聞いている子供たち、活男と泰介がしきりに羨ましがりました。

「ホーム、あの電車が着くホームがこんな長いんやわ … 」

「将来を見越してああなってて」

「そうかいな ~ はっはっはっは」

「張り切って大丈夫かいな?」


少しはしゃぎ過ぎではないかと、お静が心配するほど、今日の正蔵は生き生きしています。

「もうあんなもん見せてもうたら、地下鉄乗るまでは死んでも死に切れん気分になる … 元気が出るのや ~ 」

… … … … …

「これ何や、色々入ってるな ~ 」

め以子から受け取ったおついの椀を見て正蔵は尋ねました。

「源ちゃんが持って来てくれたもん使うて、で、希子ちゃんが貸してくれた本に載っての作ってみたんです … どうですか?」

ありがたそうに、おついに口をつけた正蔵。

その満足そうな顔を見てお静が笑いながら言いました。

「聞かんでもええんちゃう?」

正蔵はおついを何回も何回もじっくりと味わっていました。

… … … … …

「お義父さん、元気になってましたね」

台所で後片付けしながら、め以子は傍らに座ってお茶を飲んでいる悠太郎を振り返りました。

「なあ、よう食べとったな」

今夜の正蔵は、よく食べ、よくしゃべり … 愉快な時間を過ごしたのです。

「連れていって正解でしたね」

迷っていた悠太郎に気づいていため以子でした。

照れくさそうに笑うと、お茶をすすった悠太郎。

竹元の粋な計らいに感謝していました。

… … … … …

「 … こんな幸せでええんやろか?

わしみたいなあかんたれな、おっさんが … ここんとこ、ず~っとええことばっかりや」


布団に横たわった正蔵はお静にそう尋ねました。

「悪いこともぎょうさんあったから ~ とんとんやな」

「ははっ、せやな ~ 」


お静は母親が子供をあやすかのように正蔵の手を取ってポンポンと叩きました。

「ええことも悪いことも、腹いっぱいの人やね、あんさんは」

「せや … ごちそうさんな人生やな」


しみじみと笑いあったふたり。

… … … … …

翌朝。

朝食の支度をしているめ以子。

「おはようございます」

2階から下りてきた悠太郎が台所を覗き込みました。

「おついですか?」

「うん、さっぱりと」


め以子に頼まれて希子が子供たちを起こしに行こうとした時、ふ久が自ら下りてきました。

「おはよう、今日は自分で起きられたん?」

「おはようさん」


しかし、様子が少し変です。

挨拶も返さず、無言でめ以子の前まで行くと …

「お母ちゃん … お祖父ちゃん、まだ寝てる」

… … … … …

何気なく聞いていた悠太郎でしたが、突然衝撃が走ったかのように、2階へと駆け上がっていきました。

後に続く希子とめ以子。

… … … … …

お静が枕元で見守る中、正蔵は、ふ久が言った通り、まるで眠っているかのようでした。

悠太郎はゆっくりと布団の横に座って、静かに声をかけました。

「お父さん … 」

希子も隣から正蔵の顔を覗き込んで同じように声をかけました。

「お父さん … 」

め以子は傍らにいた子供たちの手を握って、正蔵の顔を茫然と見つめていました。

涙が頬をつたわります。

「 … 今日、朝ご飯何やったん?」

おもむろにお静に尋ねられて、め以子はうろたえながらも答えました。

「白和えと … お漬物と … あと、鮭昆布のおついです」

「 … せやねんって」


お静は正蔵に話しかけました。

「昨夜な … 」

… … … … …

「なあ、今日美味しかったな ~ 明日何やろな?」

布団の中から尋ねた正蔵。

「何やろね ~ ?」

そのお静の口調がまた母親のようで … 正蔵は、本当にうれしそうに笑いました。

… … … … …

「 … 朝起きたら、おらへんようになってはった」

お静は涙を堪えて笑顔を作ると、家族ひとりひとりに感謝の思いを伝え始めました。

「希子ちゃん、ええ祝言見せてくれて、おおきに … 」

正蔵にとって、まさに夢のような1日でした。

… … … … …

「活っちゃん、干し柿、おおきに。

泰ちゃん、100点、おおきに。

ふ久、お膳、おおきに … 」


正蔵にしてみれば、この子たちの存在がどれだけ心を和ませていたことでしょう。

… … … … …

「悠太郎さん、どえらいもん見せてくれて、おおきに」

お静の顔は我慢していたはずの涙でくしゃくしゃでした。

「め以子はん … 毎日毎日ご飯、ほんまにおおきに」

泣きながら、首を横に振っため以子。

「皆のお蔭で … お腹いっぱいで、逝きはった … ごちそうさんやて、逝きはった。

大往生や、これ以上ない大往生やった」


… … … … …

家族に囲まれて安らかに眠る正蔵。

悠太郎と希子、兄妹にとって心残りは幾らでもありますが、最後の最後に親孝行らしきことができたのがせめてもの救いでした。

初めて身近な人の死に接して涙する子供たち、優しかったお祖父ちゃんはもう二度と目を覚まさないのです。

「おおきにな、おおきにな ~ 」

お静は感謝の言葉を繰り返しました。

独りぼっちの彼女が温かい家庭を手に入れられたのも正蔵のお蔭でした。

め以子は … 大阪に来たばかりで右も左も分からなかった頃から今日までずっと、蔭になり助けてもらったこと … 正蔵からもらった数えきれないほどの恩義、そして教え …

悲しみがあまりにも大きくて、今はただただ泣くことしかできませんでした。

… … … … …

ちょうどその頃。

庭の柿の樹に残っていた最後のひと葉が音もなく落ちるところを目にした和枝。

全てを悟ったように秋の空を見上げました。

… … … … …

正蔵の葬儀もあっけなく終わり、悠太郎は気が抜けたように縁側で、あの日の和枝と同じように空を見上げていました。

「 … どうぞ」

お茶を運んできため以子が傍らに座りました。

「干し柿?」

盆の上にお茶と一緒に並んでいます。

「お義父さん、作ってくれはったの」

ふたりは、それぞれに正蔵の干し柿を手に取りました。

一礼して、干し柿を口に入れため以子。

手にした干し柿をじっと見つめていた悠太郎が突然言いました。

「あの … ありがとうございます」

め以子は、勘違いしてお茶の入った湯呑を手渡そうとしましたが …

「せやのうて ~ 親父のこと。

最高の送り方してもろうた気がします」

「私やのうて … それ言うなら、希子ちゃんとか、お義母さんとか、お義姉さんとか … 」


しかし、悠太郎はかぶりを振りました。

「最高ですよ ~

明日のご飯考えながら、逝ったなんて … 僕の時もそうしてくださいね」


そう言って、雄太郎は干し柿を食べ始めました。

め以子は眉をひそめ、顎に手を当てて考え込んでしまいました。

… … … … …

「 … 嫌ですね」

め以子の出した答えでした。

「私より長生きしてくださいよ」

今度は悠太郎が考えるポーズを取りました。

「 … 自信ないですね。

あなた、長生きしそうですから」


振り返って笑った悠太郎。

否定はせずに顔をほころばせため以子。

そして、ふたりは秋の高い空を見上げ、旅立った正蔵を見送ったのです。

仏壇の前には、ふたりの祝言の写真が飾られ、干し柿が供えられていました。

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