NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年03月01日 (土) | 編集 |
第126回

ふたりを残して皆が出かけると、め以子は猛然と家の中の掃除を始めました。

「それ終わったら、どっか行きましょか?」

悠太郎はせっかく家族が用意してくれた時間を有意義に使おうと思ったのですが、め以子から返って来た言葉は素っ気ないものでした。

「ああ ~ 今日、やることいっぱいなんで … すいません」

「そうなんですか?」


… … … … …

掃除が終わっため以子がうま介に手伝いに行くと言うので、せめて一緒にいようと悠太郎も着いていきました。

うま介は例の『よしだ汁』が評判で、ありがたいことにこんなご時世でも客が絶えないのです。

「これに何故、需要が?」

悠太郎もご相伴にあずかりましたが、理解に苦しむところでした。

「おい、何やねん ~ 話して?」

ちょうど店にいた源太は悠太郎から話があると言われ、この寒い時期に外に連れ出されていました。

「この間は、ありがとうございました」

「 … ホンマ、ええ加減にしたってや ~ あいつも大変やってんで」

「明日、満洲に行きます」


いきなり切り出しました。

「 … この先、あの人のこと、助けたってくれますか?

お願いします」


深く深く頭を下げました。

突然のことに源太はしばし言葉をなくしていました。

「そんなん、頼まれんかてやってきてるやろがっ!」

声を荒げて言うと、悠太郎はハッとして顔を上げました。

「ええか?

お前がどうでも、わしには関係ないんじゃ ~

あいつは、表向きはお前の嫁はんやけど、わしにとっては … たったひとりの人生の相方なんや」


悠太郎は確信しました … 源太なら何があってもめ以子の力になってくれると。

店の中に戻ろうとした源太でしたが、扉を開けようとしたところで足を止めました。

「 … 食わしとくから、まあ、ちゃちゃっと行って、戻って来いや」

源太らしい励まし方でした。

… … … … …

用事を済ませため以子は、家に戻ると、夕食に出す卵を使った料理を考え始めました。

< さて、何作るかね? >

卵を手にしてずっと考えていため以子ですが、ようやく何を作るか思いついたようで、卵を置いて腕まくりしました。

そして、大豆粉でしょうか … 生地にして懸命にこねています。

しばらくして、視線を感じて振り向くと、板の間から悠太郎がニヤニヤしながら見ていました。

「 … 何ですか?」

「楽しそうやなと思って … 」


実際、楽しかったのです。

生地を見覚えがある楕円形に成形して、黄色い粉にまぶしたら、それを油で揚げました。

… … … … …

食卓に運ばれた料理を見て、悠太郎は目を丸くしました。

「これは、もしかして?」

「そうです ~ スコッチ・エッグです」


それは、ふたりにとって思い出深い料理でした。

「 … いうても、お肉は大豆やし、衣はトウモロコシ粉やから、正しくいうとちゃいますけど …

上手くいってるかな?」


不安そうに箸で半分に割ると、中から半熟の黄身がトロ~っと溢れてきました。

料理は大成功、ふたりにとって、これは紛れもなくスコッチ・エッグでした。

… … … … …

「ほな、いただきましょうか」

スコッチ・エッグにかぶりつき、唸り声をあげため以子。

悠太郎は、女学校時代のめ以子のことを思い出していました。

納豆を食べ、おやつを食べ、おむすびを頬張り …

「食べてばっかりでしたよね ~ あなた」

思い出し笑いするめ以子。

「 … 誰かさんに何の魅力もないって言われましたよね」

「覚えてるんですか?」

「忘れられる訳ないやないですか ~ あれで、私の人生変わったんですから」


食べる喜びだけの人生から、食べさせる喜びを知ったきっかけでした。

「結局、悠太郎さんの夢が叶うことが、私の夢になりましたけど」

悠太郎の胸に熱いものがこみ上げてきました。

「 … 楽しかったですか、そういう生き方は?」

「私は厚かましいですから ~ 」


め以子は悪戯っぽく笑いました。

「私の作ったご飯食べてる人が、何や夢を叶えてるやないですか?

その何百億分の一かは、私の作ったご飯のお蔭やしって … ひとりでええ気持になってるとこあるんです」

「へえ ~ 」


悠太郎には思いもつかないめ以子独特の思考でした。

「悠太郎さんのお仕事なんて、もう鼻こ~んななってますよ」

自分の鼻の前で握り拳を作って見せました。

「それこそ、大阪の街の何万分の一かは、私が造ってるくらいに思うてますよ

… … … … …

「 … 次は何作るんですか?」

め以子に尋ねられて、悠太郎は咄嗟に答えることができませんでした。

「ほな、何作りたいですか?」

「 … ホテルやビル、アパートメント、とにかく上に伸びるもんやってみたいですね」

「ふ久や泰介や活っちゃん、希子ちゃんとこも皆一緒のアパートメント住めたらええですね ~

皆、近所に住んで、孫預かって、地下鉄乗って、ホテル行って美味しいもん食べて … これ皆、お祖父ちゃんが造ったんよって … 」


め以子が幸せそうに語る夢のような未来を聞いていたら、悠太郎は目頭が熱くなってきました。

「うん?」

そんな悠太郎に気づいたのか、め以子は顔を覗き込みました。

「 … いけませんね、歳取るといろんなとこが緩なってしもうて」

笑って誤魔化しながら、スコッチ・エッグにかぶりつきました。

… … … … …

悠太郎は、これで最後になるかも知れない … め以子の寝顔を目に焼き付けるかのようにじっと見つめていました。

… … … … …

そして、次の朝が訪れました。

「これ、お願いします」

悠太郎は、め以子宛ての手紙をお静に託しました。

昨夜、め以子が眠った後で秘かにしたためておいたものです。

無言でうなずき合うと、奥から何も知らないめ以子がいつものように弁当を持って玄関まで出てきました。

「はい、悠太郎さん」

「今日、何ですか?」

「な~んでしょ?」


思えば、何千回と繰り返して来たやり取りでした。

悠太郎はめ以子の顔をじっと見つめています。

「 … ごちそうさんでした」

「うん?」


いつもと違う受け答えにに少し戸惑うめ以子。

「昨夜、言い忘れた気がします」

「ああ、そうでしたっけ?」

「 … ほな、行ってきます」

「いってらっしゃい!」


変わらぬ笑顔で見送るめ以子。

表に出た悠太郎は、万感の思いを込めて、改めて我が家を見上げました。

そして、深いため息をひとつつき、歩き始めました。

… … … … …

悠太郎を見送って、台所へ戻っため以子は洗い物を始めました。

「あ、お義母さん、今日 ~ 」

「やっぱり … 」

「??」


足袋のままで土間に駆け下りてくるお静。

「やっぱり、あんた追いかけ!!」

お静に腕をつかまれて、何が何だか分からないめ以子。

「悠太郎さんな、軍属で満洲行きはんねん!

結局、下ったんは、そういう処分やったんや!

最後は、あんたの笑った顔見て、笑った顔見せて行きたいからって … 黙ってはったんや」


夫が急にいなくなる悲しみや寂しさを身に染みて知っているお静は、耐えきれずに、め以子に全て話してしまいました。

「やっぱり、ちゃんとお別れしてきっ!」

よろよろと歩き出しため以子は、お静に向かって頭を下げると、外へ向かって走り出しました。

… … … … …

『め以子へ

こんな大きなことを黙っていて、ほんまにすみません。

どうしても、あなたの笑った顔を見て行きたかったんです。

最後まで、わがまま放題な夫ですみません。

… … … … …

始末で作った鯛せんべい、希子が歌った焼き氷、勇気をもらったおせちのフグ、魔性のすじカレー、杉玉、粕漬、柿の葉寿司、薄いカツ …

人生を変えた納豆巾着。

どれもこれも、昨日のことのように思い出されます。

… … … … …

僕はいつの間にか、とてもとても幸せな夫になっていました。

自分がこんなに幸せな人間になるとは、僕は夢にも … 』

… … … … …

「悠太郎さん!!」


振り向くと、息を切らしため以子が立っていました。

悠太郎は我が目を疑いました。

『 … あなたと出会うまでは、夢にも … 』

「 … あのね、もうひとつ食べたいものあった。

悠太郎さんの手料理」


気がつけば、ふたりの上に雪が舞い始めていました。

「言い忘れた気がするから … それだけ」

涙を堪えため以子がにっこりと笑いました。

「行ってっらしゃい」

「出来るだけ早く戻ります」


め以子の笑顔に悠太郎も笑顔で応えました。

「待ってます」

やがて悠太郎の背中は見えなくなりましたが、め以子はその場所にじっと佇んでいました。

< 年の瀬も間近い日の出来事でございました >

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