NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年03月04日 (火) | 編集 |
第128回

「ふ久、ふ久?!」

「姉ちゃん!」


ふ久は大破したリヤカーから放り出されながらも、しっかりと赤ん坊を抱きしめていました。

「ふ久、ふ久、大丈夫か?」

少し離れた場所へ飛ばされていため以子も這いずるようにして、ふ久に駆け寄りました。

何とか赤ん坊ともども無事なようです。

しかし、辺りは、燃え盛る火の海、逃げ惑う人々、叫び声、建物が崩れる音 … 

「死んでしまう … 死んでしまう

呆然と立ち尽くしため以子は、ふと懐に手を当てました、

「はっ?!」

悠太郎の手紙がありません。

慌てて、見回すと、幸い足元に落ちていました。

手紙を拾って、祈るようにそれを胸元に押し当てました。

顔を上げた時、頭上の百貨店の看板に書かれた『地下鉄心斎橋駅』の文字が目に飛び込んできました。

「 … 悠太郎さん」

「お母さん、大丈夫?」


しゃがみ込んだままのめ以子を心配して泰介が声をかけました。

「地下や … 」

「えっ?」


すくっと立ち上がっため以子は叫びました。

「地下鉄や!」

… … … … …

先陣を切って駆けてきため以子。

ふ久は泰介が背負って、赤ん坊はキヨが抱き、お静と産婆が後に続いてきました。

そこは、地下鉄心斎橋駅の入口でした。

しかし、鍵がかかっていて中に入ることができません。

「すいません ~ すいません、開けてください!」

門を揺すって、大声をあげましたが、誰も出てきません。

「開けろ、開けろ ~ !!」

思いきり蹴飛ばしても、びくともしません。

業を煮やしため以子は、立札を手に取ると、その柄の部分で門を壊しにかかりました。

「開けろ、開けろ ~ !!」

… … … … …

「おい、やめんかい! 何やってんねん?!」

ようやく駅員が門の向こうから飛び出して来て、め以子を止めました。

「空襲時は、駅は開けられへんのや ~ 危険なんや!

防空法で、そう決まっとるんや」

「この地下鉄造ったんはうちの人や!

何かあったら、地下鉄に逃げ込めって、ここに書いてある!」


め以子は悠太郎の手紙を突きつけました。

「 … ここが一番、安全なんや!

造った人がそう言ってるんや ~ 何の、何の信じられんことがあるんや?

ホンマに、ホンマにお願いします」


め以子が門の向こうの駅員に頭を下げると、ふくを背負った泰介も同じように頭を下げました。

… … … … …

め以子の気迫に負けた駅員は鍵を開け、門を開きました。

「皆、早う中へ!」

め以子に促され、辺りにいた人々が口々に礼を言いながら、ホームへと続く階段を下って行きます。

悠太郎の手紙に頭を下げて感謝した後、め以子も皆に続きました。

… … … … …

薄暗いホームへなだれ込む人々。

悠太郎の手紙に書いてあった通り、頑丈な建築物で守られたこの場所は地上のどんな場所よりも安全でした。

ホッとひと息ついため以子たち。

「大丈夫か、ふ久?」

ふ久はうなずいて、キヨから赤ん坊を受け取りました。

… … … … …

しばらくすると、警笛が聞こえ、暗闇の向こうから電車が走ってくるのが見えました。

人々が不思議そうな顔で見つめる中、ゆっくりとホームに停車しました。

「梅田方面は火が回ってませんから、取りあえずそちらへ走らせます」

先程の駅員でした。

「おおきに、おおきに」

この駅員がめ以子の言葉を信じて、門を開けてくれたお蔭でここにいる人たちは命拾いできたのです。

… … … … …

電車の中は、すし詰め状態でした。

「 … お母ちゃん、おおきに」

ふ久に礼を言われた時、め以子は改めて、生まれたての命を守ることができたことを実感したのでした。

「抱っこさせてもろうてええ?」

始めて抱いた我が孫は、すやすやと眠っていました。

「 … 悠太郎さん、お祖父ちゃんになったで」

< 守ってくれたね、悠太郎さん … 守ってくれたね … よかったね、め以子 … >

… … … … …

次の日。

残り火がくすぶる中、家に戻って来ため以子たちは、信じられない光景を目の当たりにしました。

空襲は、一夜にして街を焼き尽くし … 西門家も蔵だけ残して、家屋は全て焼け落ちてしまっていたのです。

しばし呆然と立ち尽くしていため以子ですが、赤ん坊の泣き声で我に返りました。

「とにかく、落ち着けるとこどっか探さんと … 」

出産したばかりのふ久の体調も心配です。

「め以子!」

瓦礫をよけながら、現れたのは源太でした。

「よかった、皆無事か?」

ホッとした後、め以子の腕の中で泣いている赤ん坊を見て驚いた顔をしました。

「 … その子?」

「空襲の中で生まれたんや ~

源ちゃん、取りあえず、ふ久とこの子、どっか避難できるとこってある?」

「うま介は焼けてへんから、あっこやったら」


… … … … …

源太にふ久やお静のことを頼み、め以子と泰介は、焼け跡に残りました。

敷地内を回っていると、瓦礫に埋もれたかまどの残骸が目に入りました。

泣いたり笑ったりしながら、料理を作った … 嫁いで以来ずっとそこはめ以子の城だったのです。

その傍らには、焦げて壊れたちゃぶ台が転がっていました。

家族そろって食事した日々 … 遠い昔のことのようです。

… … … … …

台所だった場所でめぼしい物を探していると、瓦礫の間に割れた陶器の破片が見えました。

ハッとして手に取るめ以子。

糠床のツボでした。

底の部分に焦げてこびりついた糠床の亡骸 …

「半分、地下室に移しといてやったらよかったわ … 」

… … … … …

町内の様子も昨日とは一変していました。

見渡す限りの焼野原で、め以子たちと同じように、多くの人たちが自分の家があった場所で探し物をしているのが見えます。

め以子と泰介は、蔵の前に『うま介にいます』という立札を立てて、その場を後にしました。

… … … … …

「め以子ちゃん、泰ちゃんも大丈夫やったか?」

奇跡的に無事だったうま介は多くの焼け出された人たちを受け入れて、避難所のようになっていました。

「子供抱えているお母ちゃんらに2階使うてもらうさかい … ふ久ちゃんも一緒に」

め以子は馬介に頭を下げました。

ふ久たちさえ落ち着ける場所があれば、取りあえずは安心できます。

… … … … …

「ふ久、食べるか? 中は大丈夫や思うねんけど」

焼け跡で見つけてきた焦げた芋を割ってふ久に食べさせていると、傍らに座っていた同じように赤ん坊を抱いた女性の視線を感じました。

「 … どうぞ」

割った半分を渡すとその女性はありがたそうに受け取りました。

… … … … …

その晩は、立札を見て駆けつけた希子も加わって、め以子と泰介が焼け跡から掘り出して来た芋や野菜を食べながら、皆で食卓を囲みました。

「これからどないすんねん?」

源太が西門家の女性たちに尋ねました。

「ああ、うちは桜子さんとこに」

ひ孫の顔を拝んだお静は予定通りの疎開です。

「私と啓司さんは、取りあえず放送局に寝泊まりして、そばにアパートでも探そうか思うてる」

放送に携わっている希子たちは大阪を離れる訳には行かないのです。

ふ久もキヨが迎えに来たら、疎開先に向かうことになっていました。

… … … … …

「お前はどないすんのや?」

ひとり、行先が決まっていないめ以子でした。

「お静さんと一緒に行く訳には行かんのか?」

「遠いし、活っちゃんも悠太郎さんも戻って来るとしたら、こっちやろうし … ふ久かて、あんな無茶して、この後大丈夫かどうかも分からへんし … 」


何だか理由をつけて、この場所を離れたくないような口ぶりです。

「和枝さんのとこは受け入れてもらわれへんの?」

来るのなら家屋敷を渡すように言われていることをお静が説明しました。

建物は蔵を残して、焼けてはしまいましたが、土地の権利はまだ残っているのです。

「そんなん渡してでも、行った方がええと思うけどな」

「私の一存で渡すなんて、ありえへんわ …

ちょっと、ふ久の様子見てくるな」


そう断ると、まるでこの話題から逃げるかのように2階へと上がって行ってしまいました。

「 … あそこあきらめてしもうたら、皆戻って来えへんような気してるちゃうかな?」

お静は2階を見上げながらそう言いました。

… … … … …

『14日、ふ久に子供が生まれました。元気な男の子です』

いつの間にか、め以子は外に出ていました。

木箱を机代わりにして、月の明かりを頼りに悠太郎の手紙の裏に出来事を書いていると、店の中から泰介が出てきました。

「何やってるの?」

泰介は、お静の言葉が気になって、母の姿を捜していたのです。

「お父さんにな、戻って来たら話したいこと書き留めてるの」

泰介が覗き込んで見ると、配給のこと、酒の特配があったこと、押し入れの隅からクッキーが出てきたこと … 取りとめなく書き記してありました。

「いいことしか書いてへんやん」

笑うと、少し寂しそうに答えました。

「悪いこと考え出したら、気力のうなってしまうさかい … 」

それで心のバランスを保っているかのかもしれません。

泰介が改まって、母に身の振り方を尋ねようとした時でした。

「空襲の時、地下鉄走ったのって … ええこと? 悪いこと?」

反対に尋ねられた泰介は、昨晩のことを思い返しました。

『この地下鉄造ったんはうちの人や!

何かあったら、地下鉄に逃げ込めって、ここに書いてある!

… ここが一番、安全なんや!』

「ええ悪いは別にして … お父さん、喜ぶと思うけどな」

泰介の答えに満足そうに笑っため以子。

「そっか ~ ほな、書いとこう」

せっせと鉛筆を走らせる、そんな母を微笑みながら見ていた泰介でした。

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