NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年03月06日 (木) | 編集 |
第130回

め以子が庭に回ってみると、和枝は縁側に座っていました。

「後ろ向いて屈んで」

言われたように、和枝の前に背を向けて屈んだめ以子。

「ちょっと乗るさかいな」

「え、えっ?」


肩に手をかけてきました。

「足首やったんや、村の寄合出なあかんさかい ~ 早う」

猫のタイチと遊んでいて足首をひねってしまったのでした。

おぶって行けということのようです。

「ええんですか?

私、わざと落とすかもしれませんよ」

「何や?

わてのこと好きや言い続ける言いはった、あれは反古でっかいな?」


人が昔、口にしたことを決して忘れず、持ち出す和枝の得意技でした。

「僕やりましょうか?」

泰介が代わろうとしましたが、め以子も意地になりました。

「どうぞ、お義姉様」

め以子が背中を差し出すと、当然のような顔をして乗って来ました。

「あんた、大きいだけで、乗り心地悪おますな ~ 」

め以子はよろよろと歩き出しました。

… … … … …

寄り合いが終わって、再び和枝を背負って帰って来ため以子、さすがに往復はきつく、腰にきました。

「ちょっと、あんさん ~ おかいさん作ってくれはる?」

休む間もなく言いつける和枝。

「私がやるんですか?」

「いや … 足悪い婆さんに飯炊け言わはるんでっか?

あんさん、鬼だすな ~ 」

「 … 分かりました」


… … … … …

「そのお魚使うんですか?!」

ハナが顔色を変えたのも無理はありません。

め以子は何処で見つけたのか、とっておきの魚を持ち出してきたのです。

「ちょっと、そんなええのん使わんとって!」

「お義姉さんのお身体にええもん、お作りしますんで … 」


板の間から和枝に文句を言われても、め以子は涼しい顔で答えました。

和枝はハナに取り上げるよう命じましたが、め以子は魚の乗った皿をハナの背では届かない高い棚の上に置いてしまいました。

「台や、台持っといで! … 痛っ!」

足首のことを忘れて、思わず立ち上がろうとした和枝は引っくり返ってしまいました。

ハナが台を取りに行っている間にさっさと調理し始めるめ以子。

「 … 結構、気力あるやんか?」

こっそりと見ていた泰介は可笑しくて仕方がありませんでした。

… … … … …

次の日、め以子はハナと一緒にジャガイモの仕分けを手伝わされました。

「それはこっち … ホンマにあんさんはトロ臭い!」

板の間に座って指示を与えるだけの和枝。

め以子の慣れない手つきを見てイライラしています。

「 … 何で、わざわざこんなことせなあかんのですか?」

「供出分と自分とこで売りさばく分に分けるんや ~

目方が同じいうとこが穴や」


供出分の方があきらかに粒が小さく、売りさばく分は大きく出来がいい物でした。

「こっちが私らの配給に回ってくるんですか … 」

「文句あるんやったら、自分で作りはったらええがにゃ … にゃ ~ 」


抱いているタイチに話しかけ、足を引きずりながら奥へと行ってしまいました。

… … … … …

め以子は昨日泰介から聞いた話を思い出していました。

「えらい身勝手な仏さんやな … 」

ぼそっとつぶやくと、横で作業していたハナがふっと笑いました。

「配給にええもん出しても、営団の小役人に抜かれたり、横流しされますから … それがお嫌いらしゅうて。

それやったら、困って買い出しに来る人にええもん売りたいて」


意外な事実でした。

和枝は、このハナという少女には本音を漏らしているようです。

… … … … …

それから数日が経ちました。

「伯母さん、足だいぶようなりはったな ~ 」

「明日から、もう私はお役御免やて。

… あんさんのトロ臭い手つき見んで済むと思うと、ホッとしますわ ~

イライラして、心臓止まるかと思うとったさかいやて」


和枝の世話をしないで済むようになったら、また例の土地が待っています。

め以子が和枝にかかりきりの間は泰介がひとりで耕し続けていたのです。

「 … あんな、お母さん。

僕、そろそろ今日と戻ろうかな思うんやけど」


泰介はまだ学生の身分でした。

最初は、め以子を和枝の元に預けたら、すぐに帰るつもりだったのですが … 母が心配で今日まで長居をしてしまったのです。

「あ … あ、そうやね。

そろそろ学校始まるもんね … 」

「 … もうちょっとおろか?」


泰介にはめ以子が一瞬心細そうな表情をしたように見えました。

「いや、そんなん … ちゃんと帰り。

学校なんやから、帰らなあかんよ ~ 大丈夫、だいぶ昔の感じ思い出してきたし … 」

「明日の昼までは、居るさかい」


… … … … …

「そうでっか ~ 明日帰りはるんでっか?」

「はい、ホンマにお世話になりました」


泰介は和枝に学校へ戻る報告と今までの感謝の意を伝えました。

「畑、もうちょっと仕上げてから行ってほしかったですけどな」

「 … あの、ひとつお願いがあるんですが」


泰介はダメもとで口にしてみました。

「時々、母と一緒に食事をとってやっていただけないでしょうか?

母は食卓を囲むことにすべてを賭けてきたような人ですから、とうとうひとりになってしもうて … かなり堪える思うんです」

「女はひとりでご飯食べられるようならんと … 」


ポツリと和枝がつぶやきました。

「えっ?」

「まっ、考えときますわ」


断られなかっただけでも、よしと泰介は思いました。

… … … … …

「あ、ついでにそれ持ってって」

和枝の指さした先、箕の上にジャガイモの種芋と二十日大根の種が入っていました。

「明日、植えてから行きはったら、どないだす?

可愛い息子と植えた思たら、あの人も大事に世話しはりますやろ?」


泰介が植え方を尋ねると、和枝はあきれ返った口調で言いました。

「京都帝大はそんなことも知らんのかいな?」

… … … … …

翌日、泰介はめ以子と一緒に自分たちが耕してきた畑に、和枝から教わったやり方で種芋を植え、二十日大根の種をまきました。

「お母さん、これできたら送ってな」

「ああ、ほな、がんばって育てんとな」


和枝の思惑通り、母がこの畑にやりがいを感じてくれたら、それはそれで安心できることでした。

… … … … …

「西門さ~ん!」

ハナの呼ぶ声に振り向くふたり。

「追いかけ茶かな?」

そう思いましたが、今日は何も手に持っていません。

息を切らせて走って来たハナ、いつもと少し様子が違います。

「奥様が、すぐに家に戻って来いて!」

そう告げられた泰介の顔からサーっと血の気が引いていくのがめ以子には分かって …

思わず、腕をつかんでいました。

「何か用事で呼んでるだけかもしれへんし … 取りあえず、行ってくるわ」

努めて平静を装い、母の手を解くと、ハナと共に走って帰って行きました。

自分を言い聞かせるようにうなずいため以子は畑仕事を再開しました。

… … … … …

畑に水を撒いていましたが、め以子の心の中の暗雲は一向に消えません。

泰介も戻っては来ません。

居てもたってもいられなくなって、め以子は家に戻りました。

… … … … …

「 … 何やった?」

泰介は部屋にこもっていました。

襖の外から、め以子が恐る恐る尋ねても返事はありません。

意を決して部屋に入ると、泰介は静かに机の前に座っていました。

「うん … 来てしもうたわ、お母さん」

机の上には赤紙が置かれています。

「そう … 」

へなへなとしゃがみ込んだめ以子。

「 … そうか」

ついに泰介まで行ってしまう ~ 体中の力が抜けていくようです。

「 … 逃げ切れへんかった」

寂しく笑った泰介。

… … … … …

め以子は気を取り直して、泰介に尋ねました。

「何 … 食べたい?

泰介、何食べたい?」


自分が泰介にしてあげられることを考えたのです。

「 … 何でもええの?」

「うん … 何でも、何でもええよ」


その時、泰介の頭に浮かんだのは …

子供の頃に食べた柿の葉寿司でした。

祖父の正蔵の大好物、家族が全員揃っていた … 西門家が一番幸せだったころの思い出 …

… … … … …

「 … それで、あの、泰介が、お義姉様の作ってくれはった柿の葉寿司をもう一度食べたいと申しておりまして … お教え願えないかと … 」

泰介の希望を叶えたい一心で、め以子は和枝に頭を下げました。

「教えたって、あんさん … 米も魚も手配できゃしませんやろ?」

「はい … 」


和枝はひとつため息をつきました。

「素直にお願いします言うたらええもんを …

材料は、わてが揃えますさかい」

「ホンマですか?」

「行かはるんやったら、もう、あんさんの息子やないさかいな。

… 御国の人になるいうことやろ?」

「 … はい」


め以子は消え入るような声で返事をしました。

和枝に言われて、出征させるというのは、そういうことだと思い知らされたのです。

それから、和枝は隣の部屋から風呂敷包みを持ってきて渡しました。

「仕度もありますやろ … 」

赤紙が来たことを知って、急きょ揃えてくれていたのでしょう。

「ホンマに … ホンマにありがとうございます」

心遣いがありがたくて、深く頭を垂れているめ以子に向かって、和枝は厳しく言いました。

「あと5日や、頭上げてなはれ

… … … … …

部屋に戻って、風呂敷包みを開けると、布と裁縫道具、便箋に切手と封筒、筆記用具にインク、それに付近の地図まで入っていました。

「 … さすが、非の打ちどころがないわ。

仕度に入りそうなもん、全部入ってる」


感謝するとともに改めて和枝のすごさに感服した次第でした。

「これ使うてええ?」

泰介は便箋と筆記用具を手に取りました。

「友達とか会いにいかんでええの?」

「何処に居るかわからんし … 5日ないのに会うてる間ないよ」


以心伝心の人もいないようですし …

「希子叔母ちゃんと啓司叔父ちゃんには知らせてみるな」

「ええよ ~ 来るのもひと苦労やろうし、忙しいやろし … 僕から手紙出しとくから」


… … … … …

夜も更けて、め以子は夜なべして、和枝が用意してくれた布で泰介の下着を縫っていました。

傍らで寝息を立てている泰介に目をやると、目頭が熱くなってきます。

ふと先ほどの和枝の言葉を思い出しました。

涙を拭って、頬を叩きました。

「しっかりせい … 」

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