NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年03月07日 (金) | 編集 |
第131回

和枝は早速、何処からか鯛や鯖など、食材を調達し、柿の葉寿司の仕込みを始めました。

このご時世にこれだけ揃えるのは至難の業です。

め以子は目を丸くして和枝に尋ねました。

「これどないしたんですか?」

「面倒なんですけど、しゃべらんとあきまへんか?」


和枝は調理の手を休めることなく言いました。

さすがの和枝でも面倒な手順を踏まなければ、揃えられなかったのかもしれません。

ハナは鍋でい草を煮ていました。

「後で分かりますさかい、ご飯炊いてくれまっか?」

め以子も慌てて、作業に加わったのです。

… … … … …

出征を翌日に控えた日。

夕飯は約束通り、柿の葉寿司が振舞われました。

ふたりとも、いつもの部屋でなく、茶の間で食事することを許され、ハナも一緒に泰介の出征を祝ったのです。

うれしそうな顔をして席に着いた泰介が目の前の皿に盛られた柿の葉寿司を見て首をかしげました。

「あれ … これ、柿の葉寿司やないですよね?」

「柿の葉はまだ若すぎてな ~ どうにも包めんから、笹の葉寿司で堪忍や」


寿司を笹の葉で包んでい草で巻いて結わいてありました。

「笹の葉にい草て、ちまきみたいですね」

「お義姉さんが縁起担いでくれはったんよ」

「教えたったやろ ~ あんさん言いなはれ」


和枝は、め以子に花を持たせて説明する役を任せました。

「ああ、あれや … 昔、大陸に物書きが居ってな … 事情があって、川に身投げしたんよ」

「 … 詩人な」


頼りのないめ以子の説明、口を出さないと決めた和枝でしたが、思わず口をついて出てしまいました。

「でな、慕うとった人らが『これ食べ ~ 』って、笹の葉で包んだちまきを川に流してん」

頭を抱える和枝。

「ほしたら、しばらくして、その人の幽霊が出てきてな。

『食べたいけど、これではばらけてもうて、わてのとこまで届きまへんねん』って …

で、皆で知恵絞って、ちまきい草で巻いてな … ほしたら、『食えたで ~ 』って」


話し終えてニコニコしているめ以子を見て、和枝はイライラ。

「何や、あんさんが話すと有難味の薄い話に聞こえますけど …

要するに、い草は『邪気を払ってくれる』転じて『難を逃れる』いうことだす」

「 … 屈原の故事ですよね」


泰介の方が心得ていました。

「伯母さん、お母さん、ハナちゃん … ありがとうございます。

いただきます!」


… … … … …

泰介は3人に礼を言うと、笹の葉寿司を頬張りました。

そんな息子を見ながら、目じりを拭っため以子。

そして、そんなふたりを黙って見つめている和枝。

… … … … …

「美味しかったな ~ お寿司」

寝床に入っても泰介は和枝の笹の葉寿司のことを思い出していました。

あの味こそ西門家の味なのです。

「ホンマ、いつまで経ってもかなわんわ … 料理の腕も、才覚も気遣いも」

め以子ひとりだったら、とても泰介の望みを叶えてあげることは出来ませんでした。

「ホンマは会うときたい人とか居ったんちゃうの?」

「 … お母さん、僕な ~ 遅かれ早かれ、こうなるやろなって思うてて … もし死ぬとしたら、最後に誰を守りたいやろって思うたら …

それは、お母さんやった … 残念ながら、今のところはな」


だから、母がひとりになってしまう前に居場所を見つけてあげたかったのです。

め以子は起き上がって、布団の上に正座しました。

「お母ちゃん … あんたに何かしてやれたんかいな?

何や、何も … 何もしてやれへんかった気がするわ。

お母ちゃんらしいこと、何も … 」


送り出す日を明日にして、そんな気持に苛まれているめ以子でした。

「お母さんは、一番大事なこと教えてくれたで」

泰介も体を起こしました。

「生きてるいうことは、生かされてきとるいうことなんやて … 僕は命の犠牲の上に成り立った『命の塊』なんやて。

せやから、僕の命はすり切れるまで使いたいて、思てた。


… … … … …

僕やりたいこといっぱいあるんや。

もういっぺん野球したいし、お酒とかも飲んでみたいし、くだらへんことでケンカして殴り合いのケンカとかもしてみたいし …

お父さんみたいに、自分を賭けて仕事してみたいし … 」


そして、泰介は振り返ってめ以子の顔を見ました。

「お母さんみたいに …

誰かをアホみたいに好きになってみたい」


うなずいため以子。

… … … … …

「 … 僕は、僕にそれを許さんかったこの時代を … 絶対に許さへん!

僕は … この国を変えてやりたい!

せやから、這ってでも帰ってくるさかい …

生き返らせてや!」


暗がりで泰介は顔をそむけてはいましたが、涙を流しているのが分かりました。

泰介が初めて見せた怒り、そして弱さでした。

「あそこでまた皆でご飯食べさせてな」

め以子は泰介の頭を撫でて、そして抱きしめ、繰り返し言いました。

「任せとき … 任せとき」

… … … … …

あくる朝、泰介を気丈に送り出しため以子は、和枝に感謝の意を伝えました。

「お義姉さん、この度はありがとうございました。

無事、送り出すことができました」

「ま、日本中の女がやってるこっちゃ … 」

「 … 畑行ってきます。

あの子の植えた二十日大根の芽が出るころなんで」


そう言って、休む間もなく農作業に出かけていきました。

それと入れ替わりにハナが入って来ました。

「今日は西の山下の方で不祝儀出たらしいんで、遅うなります」

「 … うちはどないしましょう?」


ハナもやはりめ以子のことを気にかけていたのです。

「いつも通りでええよ ~ 思たよりしっかりしてるし」

… … … … …

夕方、作業を終えため以子が家に戻ると、上がり框に封書が置いてありました。

め以子宛ての手紙 … 差出人は希子です。

腰かけて封を開けるめ以子。

中に入っていた便箋に挟まれていたものは、悠太郎とめ以子の祝言の時に写した家族写真でした。

回りが少し焼けてしまっていますが、皆の表情はよく分かります。

『 … 瓦礫の処分をしていたら、奇跡的に1枚無事でした。

何はなくとも、これだけは残るなんて、何だか救われました』

「ホンマにね … 」

泰介が出征した日に届くなんて、幸先がいいのかもしれない … そんな気がして微笑んでいると、誰かが家に入ってくる気配がしました。

… … … … …

「ごめんください」

「はい、山下は今出かけておりまして … 」


しかし、その役人と思われる男は和枝に用があってきた訳ではありませんでした。

「こちらに西門さんはいらっしゃいますか?」

「私ですけど?」


め以子が本人だと知ると、男は帽子を脱いで頭を下げました。

「公報が届いています」

男が差し出した封筒を受け取るめ以子。

… … … … …

「 … どないしはったんですか?」

紙切れを手にしたまま、土間に佇んでいるめ以子に気づいたハナが声をかけました。

『海軍上等兵 西門活男

右 昭和二十年三月十八日 沖縄西方海域方面ノ戦闘ニ於テ 戦死 セラレ候 … 』

届いたのは、活男の死亡告知書だったのです。

ハナの問いかけも応えず … しばらく微動だにしなかっため以子ですが、突然。家を飛び出して行ってしまいました。

… … … … …

「これ、これホンマなんかいな?

希子ちゃん、分からへんよな ~ そんなん、こんな紙切れ1枚送られてきたかて … 」


め以子は、ラジオ局の希子の元へ電話をかけていました。

「 … 間違いいうこともありますから、信じることない思います」

すぐに駆けつける訳にもいかない希子は、まずはめ以子を落ち着かせようとそう伝えました。

「そうやんね ~ そうやんね ~ ごめんね」

… … … … …

家に戻った時は、もう辺りは暗く、ハナの姿はありませんでした。

鍋のふたを取ると、ハナが用意してくれた茶かいが入っています。

明りも点けず、部屋で食事をとるめ以子 … うつろな顔 … ずるずるばりばり、ずるずるばりばり。

空しく響くだけの夕食でした。

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