NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
  • 07«
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • »09
--年--月--日 (--) | 編集 |
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


朝ドラ関連のブログ一覧はこちらです。よろしくお願いします!

にほんブログ村 テレビブログ 朝ドラ・昼ドラへ
2014年04月07日 (月) | 編集 |
第7回

1945年(昭和20年)

戦時下の東京。

ほの暗い書斎で、村岡花子は翻訳途中の原稿を読み返していた。

「 … 『名前は何て言うの?』

子供はちょっとためらってから、『私をコーデリアと呼んでくださらない?』と、熱心に頼んだ。

『私の名前ってわけじゃないんですけど、素晴らしく優美な名前なんですもの』

『コーデリアというんでないなら、何ていう名前なの?』

『アン・シャーリー。アンなんて、とても現実的な名前なんですもの』 … 」


花子は、主人公の少女のセリフを読んで可笑しくて吹き出してしまった。

「私みたい … 」

自分も少女の頃、親がつけてくれた『はな』という名前ではなく『花子』と呼ぶように、誰彼かまわず言っていたことを思い出したのだ。

花子は、記憶のページをめくっていった。

* * * * * * * * * *

1903年(明治36年)

< はなは、10歳で故郷の甲府を旅立ちました。

汽車に乗るのも東京へ行くのも、生まれて初めてのことばかり … はなの小さな胸は緊張と不安で、今にも破裂しそうでした >

目の前の席に座っている父、吉平は行商でどちらも慣れっこだった。

平然とした顔でおむすびを頬ばっている。

「お父、おら … 」

はなの強張った顔を見て、吉平は言った。

「心配するな ~

秀和女学校は、そりゃあ素晴らしい学校じゃ。

はなの大好きな本が山ほど読めるし、海の向こうのカナダっちゅう国から来た先生たちが英語で授業してくださるんじゃ」

「 … エーゴ?」


はなは首を傾げた。

「うん、グッドモーニング、グッドアフタヌーン、グッドイブニングじゃ」

「なんでえ、ほれ? … 何かの呪文け?」


吉平は、笑いながら、英語の挨拶だと教えた。

「お父もこれしか英語は知らんが、これさえ覚えとけば大丈夫 ~ なんとかなる!

朝はグッドモーニング、昼はグッドアフタヌーン、夜はグッドイブニングじゃ」


今度は身振りを交えて教えた。

そんな話に夢中になっていたふたりは、汽車がトンネルに入っていくのに気づかずに、窓を開けたままだった。

「ああ、大事な日なのに、すすだらけになっちまった」

咳き込みながら衣服についたすすを払っている吉平の顔を見て、はなが笑い出した。

「ははは、お父、鼻!」

鼻の穴の周りがすすで真っ黒だ。

そう言うはなも同じだった。

「やっと笑ったな」

ようやく笑顔を見せた、はなの顔を吉平は手拭いで拭った。

* * * * * * * * * *

「はな、着いたぞ ~ ここじゃ」

「てっ … 」


< そこは、はなが生まれ育った甲府の村とは、まるで別世界でした >

頑丈な門に守られ、そびえ立つ洋館の校舎を前にして、はなはすっかり委縮していた。

「いいけ? はな … 華族のお嬢様なんかに負けるな。

しっかり精進して、見返してやるだぞ」


父の言葉にうなずくのが精一杯だった。

* * * * * * * * * *

はなは、吉平に手を引かれて、校舎に足を踏み入れた。

し~んと静まり返っていて、誰の姿も見えない。

「ごめんくださいませ!」

吉平が大声で挨拶をしたが、返事はない。

「今日は日曜日じゃから、学校は休みずらか?」

二三歩、歩みを進めた時、頭の上から怒号が飛んで来た。

振り向くと階段から外国人の女性が怖い顔でにらんでいた。

『男は立ち入り禁止です!』

「あの ~ 今日から、こちらでお世話になる娘のはなです。

私は父親の … グッドアフタヌーン」


傍らに控えていたふたりの和服姿の日本女性のひとりが前に出て言った。

「 … 安東はなさん、ようこそ秀和女学校へ」

< 秀和女学校は、明治時代の初めにカナダの宣教師によって作られたミッションスクールです。

生徒の多くは、華族や富豪といった特権階級のご令嬢でしたが … はなは、吉平の奔走で特別に入学を許されたのでした。

学費免除の給費生として … >

* * * * * * * * * *

はなと吉平は校長室へと案内された。

「校長のミス・ブラックバーン先生です」

もうひとりの女性が外国人女性のことを紹介した。

「私は、校長の通訳を担当する英語教師の富山です」

「寄宿舎の寮母とお裁縫の教師をしております茂木でございます」


ふたりともこの学校の教師だった。

「娘がお世話になります」

ポカンとしたままでいたはなは、吉平から挨拶するよう促された。

「ぐ、ぐっど … 」

汽車の中で教わった英語でしようすると、日本語でいいと言われた。

「 … 安東はなでごいす … よ、よろしくお願えしやす」

ブラックバーンと富山タキは、ニコリともせず返事もしない。

「よろしくね、はなさん」

茂木のり子の優しい声を聞いて、はなの緊張が少しだけ溶けた。

「本当の名前は、『はな』だけんど、おらのことは『花子』って呼んでくりょ」

「『はな』で結構でございます」


吉平が慌てて取り消すと、はなが不満そうな顔をした。

* * * * * * * * * *

学校に荷物を預けると、吉平は、はなに向かって言い聞かせるように言った。

「はな、今日からここがはなの家じゃ」

「そうですよ、はなさん ~ 神様の御前では、人は平等、身分なんて関係ありません。

寄宿生は皆、姉妹同然ですからね」


茂木の言葉は、はなや吉平にとってありがたい内容だったが、対照的に富山の話は厳しいものだった。

「ただし、あなたは給費生です … その自覚だけは忘れないように。

ここでは、徹底した英語教育をしています。

特に給費生は、他の生徒よりも一層、勉強に励まねばなりません。

一回でも落第点を取ったら、学校をやめてもらいます」

「てっ?!」


思わず発してしまったはなのひと言に富山は怪訝な顔をした。

「あっ、すいません … あの、甲府の訛りです。

… あの、はなの他にも給費生がいると伺ってるんですが?」


吉平の質問に富山は表情ひとつ変えずに答えた。

「落第して、学校を去りました」

「てっ?!」

「 … 以上です。

お父様は、もうお引き取り下さい」


吉平は、もう一度頭を下げてから、後ろ髪を引かれる思いで学校を後にした。

* * * * * * * * * *

その後、茂木がはなを連れて寄宿舎を案内した。

「ここが、今日からお友達と生活するお部屋です」

部屋の中には、畳が敷かれていて、きれいな着物を着た3名の女学生が居た。

< 寄宿舎では、予科、本科、高等科の生徒が一緒に暮らしていて、少女から成人した生徒まで年齢はまちまちでした >

女学生たちは、横一列に並んで、ニッコリ笑ってはなのことを迎えた。

「ごきげんよう」

「 … ごき?」

「編入生の安東はなさんです」


茂木から紹介されて、はなは3人にお辞儀をした。

同室になったのは、高等科の白鳥かをる子、本科の一条高子、そして、はなと同じ編入生の醍醐亜矢子だった。

「私もここへ来たばかりなんです」

「本当け?」


亜矢子の父親は貿易会社の社長で、母親と共にイギリスで暮らしているそうだ。

「でも、大きい方たちが、それは親切にしてくださいますわ」

「大きい方?」


はなは思わず、白鳥かをる子のことを見上げた。

他のふたりに比べて、かをる子は体格がよく、ずんぐりむっくりとしていた。

< 『大きい方』というのは、目方のことではなく … ここでは、上級生は『大きい方』、下級生は『小さい人』と呼ばれていました >

そんなことは知らないはなは、かをる子を見て妙に納得していた。

「はなさん、私とお友達になって下さらない?」

「いいずら ~ おらこそ、友達になってくれっちゃ!」

「まあ、うれしい!」


亜矢子は、はなの手を取って喜んだ。

「おらのことは、『花子』と呼んで … 」

「小さい人たち、ちょっとお待ちになって!」


さっきから、はなが甲府訛りで何か言う度に、眉をひそめていたかをる子がふたりの会話を遮った。

「今の言葉遣いは感心いたしません!

『私こそ、お友達になっていただきとう存じます』と言うべきです」


はなのことを見下ろして注意を与えた。

「えっ?」

「白鳥さんは『言語強制会』の会長ですから、言葉遣いには厳しいんですよ」


茂木に説明されたが、はなにはよく理解できなかった。

「言葉の乱れは、精神の乱れです。

美しく正しい日本語を話せるように、努力なさってください」


何となくうなずいたはな。

「まあ、急には無理だから、ゆっくりと直して行きましょう」

茂木が、しゃちほこばるかをる子のことを執成した。

* * * * * * * * * *

その時、夕食の時間を知らせる予鈴が聞こえてきた。

「 … 食堂へ参りましょう」

部屋を出て行く茂木の後を白鳥、一条と続いた。

「はなさん、おリボンはどうなさったの?」

「はっ、おリボン?」

「髪におリボンをつけないのは、着物に帯を締めないのと同じなんですって」


はなが持っていないと知ると、亜矢子は自分がつけていたリボンを取ってはなの髪につけてくれた。

* * * * * * * * * *

その頃、甲府では …

一日の野良仕事を終えた、周造、ふじ、吉太郎が家に戻って来たところだった。

「くたびれた … はな、水をくりょう」

土間に道具を下ろした吉太郎がいつものクセではなの名を呼んでいた。

「はなは居ねえだ」

「てっ、ほうじゃんけ … 」


ふじの顔を見ると、ももが走ってきた。

「お姉やんが居ないと、ももが言うこときかんし … つまらんじゃん」

その後から出てきたかよはふくれっ面だ。

はなが居なくなって、安東家の皆は少し調子がくるってしまったようだ。

「はなは、どうしてるだかね ~ 」

「そうさな ~ 華族のお嬢様なんかと上手くやっていけるずらか?」

「大丈夫大丈夫、きっと今頃、目キラキラさして、大好きな本、思いっきし読んでるら」


ふじは自分自身を安心させるかのようにそう言ってうなずいた。

* * * * * * * * * *

はなは、食堂へと向かう廊下を亜矢子の後をついて歩いていた。

歩きながら、何かを探していているのか、しきりにキョロキョロと落ち着かない。

はなは、その部屋の前で立ち止まった。

「ちょっと待ってくりょう!」

「 … はなさん?」


亜矢子に声をかけると、部屋の扉を開けて中に入って行ってしまった。

* * * * * * * * * *

「本じゃん、本の部屋じゃんけ!」

そこは、図書室だった。

はなが女学校へ行きたいと思った一番の目的の場所だった。

村の教会とは規模が違う広い部屋中に並んだ本棚、部屋の中央に階段があり中二階にもまた本棚があった。

「これ、全部読んでいいずらか?」

はなは興奮して声を上げていた。

「読んでもよろしいのですか … と、聞くものですよ」

どこからか返事が返ってきた。

部屋に入った時は気づかなかったのだが、富山が机に座って仕事をしていた。

「読んでも、よ … 」

「もちろん読んでもいいのです … ただし、読めればですけど」


はなは、富山の妙な言い回しまでは気づかずに、喜んで近くにあった本棚から本を一冊手に取った。

頁をめくったはなはまた驚きの声を上げることになる。

「て ~ なんでえ、こりゃ??」

本を棚に返して、別の本を取り出した。

同じだった。

はなが見たこともない文字で書かれた本ばかりだった。

「ここは全部、英語の本です」

はなは富山の顔を見つめた。

「 … エーゴ?」

「明日からの授業について来られるかしら?

… まあ、頑張ってください。

落第して退学になった他の給費生のようにならないように」


富山は、冷めた声でそう言い放つと、サッサと出ていってしまった。

< 『おら、こんなとこでやってけるんだろうか?』

はなは、心の底から不安になりました。

… ごきげんよう、さようなら >

連続テレビ小説 花子とアン Part1 (NHKドラマ・ガイド)

新品価格
¥1,188から
(2014/4/8 00:09時点)



連続テレビ小説 花子とアン オリジナル・サウンドトラック

新品価格
¥3,146から
(2014/4/8 00:10時点)


関連記事
スポンサーサイト

朝ドラ関連のブログ一覧はこちらです。よろしくお願いします!

にほんブログ村 テレビブログ 朝ドラ・昼ドラへ
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。