NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年04月18日 (金) | 編集 |
第17回

「はなには、黙ってろって、口止めされたけんど …

かよちゃん … 年明けたらすぐ、製糸工場の女工になるだ」

「女工?!」


はなにしてみれば、寝耳に水の話だった。

「今年は台風のせいで米がさっぱり取れんで、皆ろくすっぽ寝ないで内職してたけんど … ほんでも大変らしくて、かよちゃん自分で働き口探してきただよ。

昔のはなみてえに」

「 … 知らなんだ」


はなはしゃがみ込んでしまった。

「おら、恥ずかしい … 皆の苦労も知らんで。

おらのために、皆無理してご馳走こせえてくれただな …

朝市、おら、穴があったら入りてえ ~ 今すぐここに穴掘って入りてえだ!」


知らなかったこととはいえ、かよも給費生になれなんて、何てひどいことを言ってしまったのだろう … かよが言った通り、呑気な自分が情けなくて涙が出てくる。

* * * * * * * * * *

「モグラみてえじゃん」

すると、朝市もはなの横にしゃがみ込みながら笑った。

「サナギがチョウになって帰ってきたと思ったら ~ なんでえ、モグラけ?」

はなは口を尖らせたが、ハッとして立ち上がった。

「てっ、油売ってる場合じゃねえ … 」

水汲みの途中だったことを思い出したのだった。

* * * * * * * * * *

1909年(明治42年)・元旦。

安東家の人々は、揃って家の外へ出て、富士山のご来光を拝んでいた。(吉平だけは正月を迎えるのを待たずにまた行商に出てしまっていたが)

「明けましておめでとうごいす ~

今年は、天候が荒れねえで、お米がうんとこさ取れますようお願えしやす」


一家を代表して周造が祈ると、一同も手を合わせた。

目をつぶって一心に祈っているかよ。

その横顔を見つめたはなも胸中にある決意を固めていた。

* * * * * * * * * *

正月早々、はなは頼みごとをするために徳丸甚之介を訪ねて行った。

美しく成長したはなを見て、甚之介は誰か分からずに怪訝な顔をしてみせた。

「ご無沙汰しております。安東花子です」

「ああ、ふじちゃんの娘の」


その声を聞いて、家の奥から武が飛び出してきた。

「てっ、おまん、はなたれのはなけ?」

「 … 武」

「こないだ汽車で会ったときゃ、きれいな着物着てたから、どっかのお嬢様と思ったじゃんけ」


武から捜し出すように言いつけられていた女性が実ははなだったと知って、三郎が驚いている。

「 … 地主様、お願いがあって参りました」

「何ずら?」

「私に働き口を世話してください、お願いします!」


* * * * * * * * * *

「私は本当によく働きます。

こないだはひとりで学校中の大掃除をしました。

… 英語も少しならできます」


はなは必死に自分を売り込んだ。

「おまん、確か東京の女学校へ行ったんじゃなかっただけ?」

「はい … でも、働き口があれば、女学校はいつでも辞めます」


本気かと甚之介は訝しがっていたが、はなは頭を下げて頼み込んだ。

「こりゃあ、ふじちゃんとこ相当困ってるだな … 」

甚之介は三郎たちと顔を見合わせた。

「 … だけんど、この不景気に簡単に稼ぎ口が見つかる訳ねえずら」

「そこを何とか!」

「ねえと言ったらねえ!

商売の邪魔だ、帰ってくれじゃ」


けんもほろろの甚之介、それでもはなは土間に土下座までした。

「地主様、何でもしますから、お願いします!

お願いします、お願いします … 」


* * * * * * * * * *

野良仕事に出ていたかよが戻ると、ふじが朝市に字を習っている最中だった。

「何をしてるで?」

「ははは、かよが製糸工場行ったら、自分でハガキぐれえ書けるようになりたいと思って … 」


石盤に書いた「カヨ」という文字を見せた。

「お母 … 」

かよは母の気持ちがうれしかった。

そこへ、リンが息を切らせて駆け込んできた。

新年の挨拶もそこそこにリンはふじに尋ねた。

「はな、女学校辞めて働くだと?」

「えっ、はなが?」


ふじもかよも狐につままれたような顔をしている。

「知らんだけ?

徳丸さんとこで、働き口世話してくりょって、頭下げてただと」


いつものことながら、リンの情報を仕入れる速さは神がかりしていた。

「あ … おばさん、おらのせいずら」

朝市には思い当たる節があった。

「おらが … はなにかよちゃんの話しなんしたから … 」

「朝市、黙っててって言ったじゃん!」

「ごめん!」


申し訳なさそうに謝った朝市を見て、かよもそれ以上責めることは出来なかった。

* * * * * * * * * *

日が傾きかけた頃、はなは戻って来た。

「はな、ちょこっとこけえ座れし」

「 … 何で?」


ただならぬ雰囲気の母に、はなは何事かと腰を下ろした。

「女学校辞めて働きてえって、徳丸さんに頼みに行ったそうじゃんけ?」

「てっ?!」


驚きの声を上げたのは、囲炉裏端に座っていた周造だ。

「 … はい」

「おら、許せねえ … 」


真っ先に口を開いたのはかよだった。

「女学校を辞めるなんて … お姉やんがほんな簡単に勉強を投げ出しちまうなんて」

「かよ … 」

「情けなくって、悔しくって、力が抜けた。

何のために働きに出るだか、おらまで分からんくなっただ」


かよは唇をかみしめた。

「はな、皆心の中で応援してるだよ ~ かよも吉太郎も」

ふじは優しく言い聞かすように話し始めた。

「東京の立派な学校で頑張ってるはなのこんを思うと、誇らしい気持ちになって、皆 … 力が湧くだよ。

ここいらで惨めなこんがあっても、おれたちにははなみてえな家族がいるっちゅうだけで勇気が出るだ」

「ふんだけんど … おらだって、家族の役に立ちてえ!

皆が苦労してるだに、おらだけ勉強さしてもろうなんて … 」

「分からん奴じゃ!」


今まで黙っていた吉太郎が声を荒げた。

「 … はなが今辞めたら、お母たちのこれまでの苦労が全部水の泡じゃんけ!」

それだけ言うと、吉太郎は席を立った。

「兄やん!」

「畑見てくる」

「畑行くならおらも!

地主さんに働き口なんかねえって断られただ … 畑なら、おらも手伝えるから」


野良仕事の用意をしている吉太郎の背中にはなは訴えた。

「さっさと東京帰っちめえ、ここに居られても食いぶちが増えるだけずら」

ぶっきらぼうに言うと家から出て行ってしまった。

「吉!」

後に続く周造とはな。

* * * * * * * * * *

「な~んだ、地主さんに断られただけ?」

かよがホッとした顔でふじのことを見た。

すでに働き口を決めてきてしまったと早とちりしていたのだろう。

「ああ ~ 」

ふじも胸をなでおろしたのだった。

* * * * * * * * * *

「兄やん!」

籠を担いで吉太郎を追おうとするはなのことを周造が制した。

「はな、自分の手、見てみろし」

周造からゆっくりと諭すように言われて、はなは両掌を胸の前で広げてみた。

白魚の様な、すらっと伸びた指だった。

周造はその手を取って、裏返して手のひらを見せた。

「 … ほの手はもう百姓の手じゃねえ」

はなは、ハッとして周造の顔を見た。

「ほの手は … 米を作るより、わしらが作れんもんを作るのに使えし。

皆、ほう思っとるだ」


吉太郎の一見冷たい態度もはなに対する思いやりなのだ。

周造は微笑み、はなの頭を子供の頃のようになでると畑へと下りて行った。

「お祖父やん … 」

はなは自分の手を握りしめた。

もうおらの進む道はひとつしかない …

はなの顔を夕日が染めていた。

* * * * * * * * * *

ほどなくして、はなが東京へ戻る日がやってきた。

女性ばかりの見送りだった。

「ほいじゃあね」

「お姉やん、お嬢様たちに負けるじゃねえだよ。

一番取らんと承知しんよ」


かよの言葉にはなは笑ってうなずいた。

「かよも体に気をつけて頑張るだよ」

「うん」

「じゃあ、行ってきます」

「はな、こぴっとするだよ!」


はなが歩き出すと、畦道から転げるように朝市が現れて、はなの手から鞄を受け取った。

「お姉やん、元気で」

皆笑顔ではなを見送った。

* * * * * * * * * *

「へえ、武に会っただけ?」

「小学校の時とちょっこも変わってなんださ」


帰省した時と違って、ふたりは談笑しながら並んで歩いた。

見えない壁が取り払われたようだ。

「あいつは隣町の商業学校に行っただ」

「朝市の方がうんと勉強好きだったのにね」


その言葉に朝市が足を止めた。

「学校行かんでも勉強はできる」

「え?」

「はな、おら勉強続けるじゃん。

… 学校行かんでも、本が思いっきし読めるとこ、はなが教えてくれたじゃんけ」

「てっ、あすこ?」

「うん、教会の本の部屋!」


ふたりは腹を抱えて笑い出した。

「夜中に忍び込んだじゃんね!」

「牧師さんに見っかって、池に落っこったら!」

「ほんで、朝市だけ捕まってさ ~ 」


今となっては、懐かしくて、おかしくて涙が出るような思い出だった。

* * * * * * * * * *

ふと、はなが真顔に戻った。

「 … ここでいい」

朝市は少し寂しそうな顔を見せたが、うなずいて、鞄をはなに返した。

朝市にとって至福の時間はあっという間に過ぎたのだ。

「ふんだけんど、朝市、何で急に勉強始めようと思ったで?」

「ほれは … はなにまた会えたからじゃん」


朝市は迷いながら答えた。

「 … 会えてよかったさ」

「おらも … 皆に会えてよかったさ」


はなにしてみれば深い意味はないのだろうが、「皆」というのが朝市には少し不満のようだ。

「あっ、皆に食べてもろうの忘れた」

「忘れもんけ?」


はなは鞄を広げて、しまい込んで忘れていたクッキーの缶を取り出した。

「これ、お土産のクッキー」

「 … くっきい?」

「西洋のお菓子だ ~ おらが焼いたの。

これ、皆に渡してくれちゃ」

「分かった」

「朝市も食べていいだよ」


はなにしてみたら、自分は皆の中のひとりだということを朝市は分かっていた。

「ほんじゃあ、さいなら」

「 … さいなら」


今度こそ本当の「さいなら」だ。

歩き出したはなに朝市はもう1回大きな声で言った。

「さいなら!」

はなも振り向き手を振っている。

去りゆくはなの後姿を切なく見送った朝市だった。

< … ごきげんよう、さようなら >

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