NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年05月02日 (金) | 編集 |
第29回

< ロミオとジュリエットの公演はいよいよ明日に迫っておりました。

はなは、脚本家と演出助手に加えて、風邪をひいてしまった小間使い役の梅田の代役も急遽務めることになり、目の回る忙しさです >

衣装を梅田の部屋へ取りに行ったはなが稽古場に戻ると、入口から中の様子を窺っている富山がいた。

舞台稽古は佳境に入り、衣装も着て本番さながらの通し稽古が行われている。

ロミオの亜矢子の熱がこもったセリフに続き、ジュリエットの蓮子の番だ。

すると … 富山が何やら小声でつぶやき出した。

「ロミオ様、それはなりませぬ … 満ち欠けを繰り返す月のごとく、あなた様のお心も変わってしまうではありませんか」

聞き覚えのあるセリフだった。

「 … 富山先生?」

はなに声をかけられ、富山はハッとして振り向いた。

「今のジュリエットのセリフですよね?」

まずいものを見られたというような顔をした富山は、動揺を隠して、その場から足早に立ち去ってしまった。

< そんな富山先生を見たのは、はじめてでした >

* * * * * * * * * *

はなが稽古場に戻って来たのを知ると、蓮子が近づいてきた。

「はなさん、セリフの言い回しを少し変えてもよろしいかしら?」

「どこですか?」


ふたりは並んで腰を下ろした。

舞台の上では、亜矢子がティボルト役の大倉澄子と剣を交えた決闘の場面を演じている。

「『私は、父の決めた通りになど生きたくありません』のところ、こうしたいの …

『私は、父の操り人形ではありません』」


はなが断然そちらの方がよいと口にすると、蓮子はうれしそうに微笑んだ。

* * * * * * * * * *

亜矢子はふと舞台の上からふたりの話し込んでいる様子が目に入った。

「醍醐さん、集中してください!」

そちらに気が取られて、鶴子から注意を受けてしまった。

稽古は再開したが、亜矢子はふたりのことが気になって仕方がない … 次第にイライラし始めた。

カッときて容赦なく振るった剣が澄子の衣装の袖を切り裂いてしまった。

転倒する澄子、周りの生徒たちから悲鳴が上がった。

「ごめんなさい、つい力が入ってしまって … 」

* * * * * * * * * *

幸い誰にもケガはなかったが、はなに衣装の直しという仕事が増えてしまった。

夕食後、談話室で茂木の手を借りて、その他の衣装と合わせて繕った。

「明日、お父様はいらっしゃらないの?」

「ええ、仕事でまた遠くに行ってしまって … ご家族を招待して、見てもらえる皆がうらやましいです」


茂木とふたりきりだと、本音が漏らせるはなだった。

はなは気になっていた富山のことを思い切って茂木に尋ねてみた。

「あの、富山先生のことなんですけど …

もしかして、ジュリエットを演じたことがおありなのではないでしょうか?」


茂木は少し驚いた顔をして理由を聞き返した。

「今日お稽古見にいらっしゃった時に、ジュリエットのセリフを完璧につぶやいていらっしゃったんです」

「 … 彼女がここの学生だった頃、ジュリエットを演じたことがあったの。

今のあなたたちと同じように、元気でよく笑う明るいお嬢さんだったわ」


茂木は微笑ましい昔話のように語った。

しかし、それなら何故、演目を決めた時にあんなに反対したのかはなは不思議に思った。

「何かつらい思い出でもあるんでしょうか?」

はなの疑問に茂木は答えを何となくはぐらかしてしまった。

「 … 相変わらずお裁縫が苦手ね、私が代わりましょう」

はなのおぼつかない手元を見てそう言うと、縫いかけの衣装を引き取った。

* * * * * * * * * *

屋敷でくつろいでいた葉山伯爵は、夫人の園子に蓮子から届いた封書を渡された。

「何だこれは?」

秀和女学校で開催される大文学会への招待状だ。

園子は、怪訝な顔をする夫から手紙を受け取ると声を出して読み上げた。

「まさか蓮子さん、お芝居に出たりなさらないわよね?」

「 … 何?」

「あそこの大文学会には、華族のご父兄も大勢いらっしゃりますわ。

… また悪い噂でも立ったら」


不安をあおるようなことを言われた葉山伯爵は手紙を取り上げて確認した。

「5月16日 … 明日じゃないか?!」

* * * * * * * * * *

< ついに本番の日を迎えました >

翌日、大文学会の当日は気持がいいほどの五月晴れだった。

生徒たちは楽屋代わりの食堂で衣装に着替えて準備をしている。

亜矢子と蓮子は、髪を結ってもらいながら最後のセリフ合わせをしていた。

「 … そなたには父上が決めた許婚のパリス侯爵というお方がいるではないか?」

「それは、兄が勝手に決めたこと … 兄が考えているのは … 」

「違う!

兄なんて、台本の何処にも書いてありません」


亜矢子からセリフの誤りを厳しく指摘された蓮子。

「 … ごめんなさい」

はなは、どこかいつもの蓮子ではない、彼女の微妙な変化を感じていた。

* * * * * * * * * *

開演の時間が刻々と近づき、楽屋から消えた蓮子の姿をはなは中庭で見つけた。

そっと近寄ると、ベンチに座った彼女は緊張のためか呼吸も荒く、子犬のように小刻みに震えていた。

「 … 蓮子さんも人並みに緊張するんですね」

蓮子は、強張った顔ではなのことをチラッと見ただけだった。

「練習通りやれば、きっと大丈夫ですよ … って、私すごくあがり症でさっきから足がガタガタ震えてるんですけど」

隣に腰かけながら、はなは人のことを言えた義理ではないなと思った。

顔を見合わせたふたり。

はなはどこか引きつったような笑顔を見せたあと切り出した。

「あの ~ 

例の復讐の件、私でよければつきあいます」

「えっ?」

「舞台に上がって家の人たちに復讐するって言ってたじゃないですか?

どうせやるなら、本気でとことんやりましょうよ」


* * * * * * * * * *

「それで … その復讐の相手は、今日はいらっしゃるんですか?」

「招待状は送ったわ … 」


ぎこちなくうなずいた蓮子。

「よし、負けるもんか ~

客席から怖い顔でにらんで来てても、絶対に怯まないで頑張りましょうね」


そんなはなに蓮子は不安そうな顔をして尋ねた。

「 … どうして、私の復讐につきあってくれるの?」

「それは … 」


理由なんて考えてはいなかったはなだったが、答えはすぐに出た。

「 … 友達だから」

ニッコリ笑ったはなの顔を蓮子は大きな目で見つめていた。

* * * * * * * * * *

「一時はどうなることかと思いましたが、無事にこの日を迎えることができましたね。

お客様も大勢いらしています」


校長室に控えている茂木と富山。

朗らかに話す茂木、対照的に富山はやはり浮かない顔をしたままだ。

「(では行きましょう)」

ブラックバーン校長が席を立ったが、富山は仕事が残っていると、後には従わずに講堂とは反対方向へ行ってしまった。

* * * * * * * * * *

生徒の家族や招待客で客席は埋まっていった。

当然、ジュリエットになり損ねたかをる子の姿もあった。

オペラグラスを片手に客席を物色しているように見える … お眼鏡にかかる殿方を捜しているのだろうか?

はなと蓮子は舞台の上、幕の隙間から様子を窺った。

「 … 来たわ!」

蓮子の視線の先に目を向けたはな、葉山伯爵が妻の園子と連れ立って講堂に入ってくるのが見えた。

仏頂面で辺りを見回した葉山伯爵は一番後ろの席に陣取った。

配役の書かれた栞を開いて、愕然としている。

「 … ジュリエットだと?」

「あなた、どんな役なんですか?」


呑気に尋ねた園子に葉山伯爵は目を剥いた。

「主役だ!

あの恥さらしが … 」


* * * * * * * * * *

「(お隣、空いてますか?)」

声をかけてきたのは、ブラックバーン校長だった。

苦虫を噛み潰したような顔をしていた葉山伯爵だったが、咄嗟に笑顔を装った。

「(ブラックバーン校長、どうぞお座りください)」

伯爵は、傍らにいた茂木に「品行方正であるべき生徒に相応しくない」演目だとそれとなく抗議したが … 茂木は答えずに向かいの席に腰かけてしまった。

何としても、蓮子を人目にさらしたくない伯爵。

「(舞台、中止にしませんか?)」

今度は校長に談判しようとしたが、一瞥されただけだった。

* * * * * * * * * *

開演を報せるベルが鳴り響いた。

「何故、私がこの役をやりたかったか分かりますか?」

幕が上がる寸前のことだ … 舞台のそでで蓮子がふいにはなに尋ねた。

「えっ?」

「私もジュリエットのように、家に縛られて不幸になったから …

兄が決めた人と、無理やり結婚させられたの。

その時、私はまだ14で、右も左も分からなかった」

「14歳 … 」


はなは絶句した。

自分の年齢よりも2歳も若い頃のことだ。

そればかりか同じ16歳の時には、出産をしたと蓮子は打ち明けた。

「でも、その子も奪われて …

元々、家の名を守るためだけに仕組まれた結婚だったの」


彼女の表情を見れば、その結婚が決して幸せなものではなかったことはすでに明白だった。

「今の私は、空っぽ … 生きていてもしょうがないの」

「そんな … 」


はなは胸が締め付けられるような思いだった。

「はなさんとは住む世界が違うの。

… 友達なんかなれっこないでしょ」


* * * * * * * * * *

その時、もう一度ベルが鳴り出した。

「これ以上、私に近づかないで … 」

はなは蓮子の腕をつかんだ。

「嫌です、そんなの!

何故だか分からないけれど … 放っておけないんです、蓮子さんのこと」


ベルが鳴りやむと、静かに幕が開いて、客席から拍手が起こった。

「 … あなたは空っぽなんかじゃない!」

しっかりと見据えたはなは蓮子の言葉を否定した。

すでに芝居が始まっている。

蓮子ははなの手を解いた。

はなは心痛な顔で蓮子を舞台へと送り出した。

* * * * * * * * * *

観客席からのひときわ大きい拍手に迎えられて、ジュリエットの蓮子は舞台の中央に立った。

< さあ、幕が開きました >

「ああ、どうすればいいの ~ パリス侯爵の愛を受け入れることなど、私には到底できませんわ」

すっかりと落ち着きを取り戻した蓮子はもう震えてなどいなかった。

< … ごきげんよう、さようなら >

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