NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
  • 09«
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • »11
--年--月--日 (--) | 編集 |
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


朝ドラ関連のブログ一覧はこちらです。よろしくお願いします!

にほんブログ村 テレビブログ 朝ドラ・昼ドラへ
2014年05月03日 (土) | 編集 |
第30回

家の名を守るためだけに仕組まれた結婚、16歳での出産 … そして、その子を取り上げられてしまったこと。

蓮子はすべてはなに告白した。

「はなさんとは住む世界が違うの。

友達なんかなれっこないでしょ、これ以上、私に近づかないで … 」

「嫌です、そんなの!

何故だか分からないけれど … 放っておけないんです、蓮子さんのこと … あなたは空っぽなんかじゃない!」

観客席からのひときわ大きい拍手に迎えられて舞台へ上がって行く蓮子、はなはその背中を見送った。

< さあ、ロミオとジュリエットの幕が開きました >

* * * * * * * * * *

< 皆様にロミオとジュリエットのストーリーをざっとご紹介しておきましょう。

この物語は互いに憎しみ合うふたつの家に生まれたロミオとジュリエットが深く愛し合いながらも、その運命に引き裂かれる悲劇でございます >

舞台へ上がった蓮子はすっかりと落ち着きを取り戻して、ジュリエットを演じていた。

芝居は第一幕が終わり、第二幕、三幕と順調に進んでいった。

「おお、ロミオ様 … どうしてあなたはロミオなのでしょう?

ロミオ・モンタギュー、あなたの家と私の家は互いに憎しみ合う宿命 … その忌まわしいモンタギューの名前をあなたが捨ててくださるなら、私も今すぐキャピレットの名をお捨てしますわ」


< ロミオはケンカを仲裁しようとして、ジュリエットの従兄弟のティボルトを殺してしまい、追われる身となります >

* * * * * * * * * *

< 一方、ジュリエットは父親が決めた侯爵との結婚を迫られ、何とかそこから逃げようとするのです >

舞台は、ロミオがジュリエットには父親が決めた許婚のパリス侯爵が居ることを咎める場面だった。

「 … それは、父が勝手に決めたこと。

父が考えているのは、私のことではなく、キャピレットという家のことだけですわ」


ジュリエットと自分の境遇を重ねた蓮子の迫真の演技に客席は息を飲んだ。

「私は … 私は父の操り人形ではありません!」

蓮子は舞台の上から憮然とした表情の葉山伯爵を鋭い視線で見据えた。

* * * * * * * * * *

客席の片隅には、あれだけ頑なにこの芝居を拒絶していた富山の姿があった。

* * * * * * * * * *

第四幕、いよいよはなの出番が来た。

小さな役だが、ジュリエットに睡眠薬を渡すという重要な役だった。

はなは舞台のそでで心臓が口から出そうなほど緊張していた。

「頑張って!」

亜矢子に励まされて、はなは舞台に上がった。

「ジュ、ジュリエットお嬢様 … 」

蓮子に向かって一歩踏み出そうとした時、スカートのすそを踏んでしまって前のめりに転倒してしまった。

「てっ … すいません!」

客席はどよめき、大爆笑。

蓮子ははなを抱き起しながら、セリフを続けるように小声で促した。

「ジュリエットお嬢様、ご神父様より秘密のお薬を預かって参りました … さあ、お飲みください」

蓮子は、手渡されるはずだった薬のビンを足元から拾った。

「そのお薬を飲めば、42時間眠ったままになり … 死んだと思われて … お墓に埋められます」

はなのセリフのぎこちなさに、また客席から失笑が起こった。

「そこにロミオ様が助けに来て … 参ります」

はなは過度の緊張のあまり胃が痛くなってきた。

「 … どうかお幸せに」

* * * * * * * * * *

「ごめんなさい、失敗しました!」

何とか自分のセリフを終え、半泣きで舞台そでに駆け込んできたはなを亜矢子と鶴子は慰めた。

「大丈夫よ」

「気にしないで … さあ、最後の幕よ」


鶴子は亜矢子に向かってそう指示した。

* * * * * * * * * *

第五幕。

舞台中央、棺に横たわるジュリエットの蓮子。

ロミオの亜矢子がやって来る。

「おお、私のジュリエット!

私も今すぐ行く … 二度とこの暗黒の宮殿は去ることはない!」


取り出したビンの中の液体を飲み干したロミオ。

「ジュリエット、いつまでも愛するそなたのそばに … 」

ジュリエットの横に並ぶように倒れこんだ。

< ジュリエットが42時間の眠りから覚めた時、ロミオはすでに息絶えていました >

* * * * * * * * * *

ロミオの傍らに転がっていた空のビンを手に取るジュリエット。

「可哀そうなロミオ様。

私が本当に死んだと思い、毒薬を飲んでしまわれるなんて … 」


嘆き悲しむジュリエット。

「ロミオ様と私が出会った時から、こうなることは定められていたのでしょうか?」

その演技に魅了され、客席のあちらこちらで涙をぬぐう仕草が見受けられた。

富山もその中のひとりだった。

彼女が怒り以外の感情を露わにするのは珍しいことだ。

* * * * * * * * * *

客席は水を打ったように静まり、蓮子の演技に惹きこまれていた。

「 … 結局、私たちは家の名前に負けてしまったのですね。

このまま運命を呪って生きていくことに何の意味がありましょう?

家に閉じ込められたまま生涯を送ることなど、私には耐えられません!」


はなには、まるで蓮子自身の心からの叫びのように聞こえた。

「それよりは、家の名前などない天上の国でロミオ様とふたり、永遠の愛を手にしとうございます」

富山はまるで祈りを捧げる少女のように手を合して、舞台の蓮子のセリフにうなずいていた。

* * * * * * * * * *

ジュリエットはロミオの懐刀を引き抜くと自らの胸に突き刺した。

「ロミオさま … 」

ロミオの上に覆いかぶさるように倒れ、こと切れるジュリエット。

大団円、幕が閉まる。

そして、真っ先に拍手を始めたのは、富山だった。

割れんばかりの拍手が瞬く間に広がっていった。

立ち上がるブラックバーン校長、くしゃくしゃの顔で泣いているかをる子。

感動に包まれた客席の中、葉山伯爵夫妻だけが蚊帳の外にいた。

* * * * * * * * * *

幕が下りた舞台では、演技を終えて起き上がった蓮子と亜矢子が目と目を合わせて微笑んだ。

すると、仲間たちがふたりの名前を呼びながら駆け寄ってきて周りを取り囲んだ。

はなは笑顔で蓮子の手を握った。

少し戸惑いの表情を見せた蓮子だったが、もう拒むようなことはしなかった。

蓮子もすでに紛れもなくクラスの一員だった。

* * * * * * * * * *

廊下のイスに座って富山が舞台の余韻に浸っていると、茂木がそっとハンカチを差し出した。

「いいお芝居でしたね」

涙をぬぐいながら、富山は茂木の言葉に素直にうなずいた。

「あなたが演じたジュリエットも素敵でしたけど … 」

富山の顔から笑みがこぼれた。

「でも、私を舞台で見初めたあの人は、ロミオのように愛を貫く人ではありませんでした。

あんな人のためにロミオとジュリエットを避けていたなんて、バカみたいですね … 」

「富山先生 … 」


茂木は富山の膝に手を置くと静かに立ち去った。

ひと息ついて席を立った富山は、講堂から出てきたひとりの男性と目が合った。

果たして … 富山は呆然と立ち尽くした。

* * * * * * * * * *

舞台終演後、校庭では生徒たちと招待客の懇親会が開かれた。

「(どうです?

蓮子のジュリエットは最高でしょう)」


ブラックバーン校長に尋ねられたが、葉山伯爵は不機嫌な顔で返事さえしなかった。

嫌味だとでも勘ぐっているのかも知れない。

「伯爵様、何故か虫の居所がお悪いようですわね」

伯爵のことなど、綾小路の他には気にかける者はいなかった。

* * * * * * * * * *

「醍醐様のロミオ様、本当に素敵でしたわ」

「私のお姉さまになってください」


ロミオを演じた亜矢子は、その凛々しい演技が大好評で、下級生たちからの黄色い声援に囲まれて、持ちきれないほどのプレゼントや手紙を抱えていた。

* * * * * * * * * *

「はなさんが言ってた通りね ~ 思いきりやってよかったわ」

舞台前とは別人のように晴れやかな顔をしていた蓮子だったが、兄夫妻の姿を目にすると笑みが消えた。

蓮子の視線の先に目をやったはなは、悪戯っぽく笑いながら耳打ちした。

「蓮子さん、私いいこと思いついたんですけど …

復讐してやりましょう」

「えっ?!」


* * * * * * * * * *

一向に自分たちの前に姿を見せない蓮子に葉山伯爵のイライラは募るばかりだった。

ここに居れば居るだけ不愉快になってくる。

「 … 帰るぞ」

園子に告げると、伯爵は席を立った。

「失礼!」

見計らっていたように、はなが背中にぶつかって追い越して行った。

憤慨して歩き出した伯爵だったが、何故か周りの人たちが自分のことを笑っているような気がしてならない。

「皆、どうしたのかしら?」

並んで歩いている園子も怪訝な顔をした。

ふたりは気づいていないが、伯爵の背中に貼り紙がしてあった。

『我輩は伯爵様なるぞ、エッヘン』

* * * * * * * * * *

「誰ですか、こんな悪戯したのは?!」

慌てて駆け寄る綾小路。

「まあ、伯爵様 ~ 申し訳ございません」

貼り紙をはがすとその下からもう一枚現れた。

『家の名は大事だぞ、エッヘン』

きょとんとしている伯爵、ようやく気づいたのは園子だった。

「申し訳ございません!

もう ~ 誰ですか?!」


金切り声をあげた綾小路の目に懇親会の会場からこそこそと抜け出そうとしているはなと蓮子の姿が見えた。

「待ちなさいっ!!」

ビクっとして足を止めたふたりだったが、次の瞬間はなは蓮子の手を取ると、横幕をくぐって走り出していた。

笑いながら校門の外まで来ると、ちょうど目の前の停留所に路面電車が停車していた。

「すいません、乗ります!」

* * * * * * * * * *

「ああ、面白かった」

こんなに笑ったのはいつ以来だろう … あの気取った兄のうろたえた顔ときたら!

… 悪戯に加えて脱走だ。

学校に戻ったら、ふたりを待っているのは「Go to bed」だろう。

はなとならそれも悪くないかな … そう思ったら、蓮子は何故かまたおかしくなってきた。

しばらくすると、はなと蓮子は乗客の視線が自分たちに集中しているのを感じた。

ふたりが舞台衣装のままだったからだ。

顔を見合わせてまた吹き出した。

お腹の皮がよじれるほどおかしくて仕方ない。

人の目など構わずひと笑いした後、ふいにはなが口にした。

「ねえ、蓮子さん … 私の腹心の友になってくれて?」

「ええ」


< この日はふたりにとって、生涯忘れられない記念日になりました。

… ではまた来週。ごきげんよう、さようなら >

連続テレビ小説 花子とアン Part1 (NHKドラマ・ガイド)

新品価格
¥1,188から
(2014/5/3 14:49時点)



村岡花子エッセイ集 腹心の友たちへ

中古価格
¥2,120から
(2014/5/3 14:50時点)


関連記事
スポンサーサイト

朝ドラ関連のブログ一覧はこちらです。よろしくお願いします!

にほんブログ村 テレビブログ 朝ドラ・昼ドラへ
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。