NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年05月05日 (月) | 編集 |
第31回

「ねえ、蓮子さん … 私の腹心の友になってくれて?」

「ええ」

< 大文学会をきっかけに生まれも育ちも全く違う蓮子と『腹心の友』になったはな。

… それから半年が経ちました >

1909年(明治42年)・11月。

学校の廊下を滑るように走って中庭に出たはなはベンチで読書している蓮子を大声で呼んだ。

「蓮様!」

本から顔を上げた蓮子は、はなの姿を見てにっこりとほほ笑んだ。

はなは隣に座り込むと、大事そうに抱えていた蓮子にノートを差し出した。

「これ、蓮様が読みたがっていたテニスンの詩集です」

少しでも早く蓮子の喜ぶ顔が見たくて走ってきたのだ。

「はなちゃん、もう翻訳してくれたの?」

ふたりは、お互いに『蓮様』『はなちゃん』と呼び合うほど仲良くなっていた。

「ええ、私ね、蓮様と出会ってから今までよりも一層英語のお勉強に張り合いが出て楽しみになったの」

早速、はなが翻訳してくれたノートに目を通す蓮子。

* * * * * * * * * *

「あと半年もしないうちに本科もお終いですわね」

亜矢子や鶴子、級友たち数名も中庭にやってきて、反対側のベンチに陣取った。

< 級友たちはそろそろ、卒業後のことを真剣に考え始めていました >

「私は、本科の卒業までに必ず結婚相手を見つけますわ」

亜矢子が皆の前で宣言した。

< 醍醐は寄宿舎を出て、自宅から通う通学生になりました >

元々、結婚願望が強い亜矢子だったが、はなと蓮子の友情が深まるにつれ、自分との距離を感じて … 寂しさを紛らわすかのように、両親のもとに帰ってお見合い三昧の週末を過ごしていた。

* * * * * * * * * *

「はなちゃんは、本科を卒業したらどうするの?」

蓮子の質問にはなは表情を少し曇らせた。

「まだ考えてるの …

勉強は続けたいけれど、兄も妹もうちのために働いているのに、私だけ好きなこと続けていいのかしら?」


小さなため息をついた。

* * * * * * * * * *

その日、はなは突然、校長室に呼び出された。

心当たりはないこともない … しかし、呼び出されるような大きなしくじりはなかったはずだった。

ドキドキしているはなにブラックバーン校長は尋ねた。

「(はな、学校の外で働いてみませんか?)」

「( … 今、何と?)」


思わず聞き返したはなに茂木が詳細を説明した。

「うちの学校とご縁のある出版社に頼まれたのです。

事務員が辞めてしまったそうで、臨時に放課後だけでも働いてくれる生徒はいないかと …

特に英語が優秀な人に来てほしいそうです」

「是非やらして下さい、お願いします!」


願ってもない話にはなはふたつ返事で飛びついた。

「(何事も経験です … 頑張りなさい)」

< という訳で、はなは学生アルバイトとして働くことになりました >

* * * * * * * * * *

ブラックバーン校長から渡されたメモを手に、はなは向学館という出版社の編集部を訪ねた。

「御機嫌よう … 」

入口で声をかけたが、皆忙しそうに働いていて誰ひとり気づいてくれない。

気を取り直して、もう一度大きい声で言うと、付近の席の職員が数名振り返った。

「 … 秀和女学校から参りました。

安東と申します」

「ああ、君か?」


体格のいい、いかにも学生時代スポーツで鳴らしたといった感じの男性がにこやかな顔で応対に出た。

編集長の梶原聡一郎と名乗った。

「 … 君、小間使いじゃないか?」

梶原ははなの顔を覗き込んだ。

「えっ?」

「ほら、あのジュリエットに薬のビンを渡す時にすっ転びそうになった小間使いだろう?」


梶原は大文学会の舞台を客席から観ていたのだ。

「いやあ、あのロミオとジュリエットはよかったよ」

ワンシーンしか出ていない自分のことを覚えているなんて、余程あの失敗の印象が強かったのか … 。

はなは知らない … 舞台の後、講堂の外で富山が呆然と見つめていた、何やらいわくがありそうな男性こそが彼だった。

「ああ、紹介しとこう」

梶原がその大きな手をパンパンと叩くと、部屋中の職員が注目した。

「今日からひと月、臨時で働いてもらうことになった『小間使い』さんだ」

「はじめまして、安東花子と申します ~ 花子と呼んでください」

「よろしく、小間使いさん!」


毎度のことながら、『花子』とは呼んでくれなさそうだ。

しかも、こともあろうに『小間使い』だ。

* * * * * * * * * *

取りあえずということで、お茶を淹れていると、編集部の電話がけたたましく鳴った。

「小間使いさん、電話に出て!」

そう言われても、はなは電話に出た経験などなく、どうやって出たらいいのかも分からなかった。

「早く出て、切れちゃうよ!」

仕方なく、電話の前に行き、横のハンドルを回してみた。

その反動で受話器が外れてしまう。

机の上の受話器を慌てて手にすると、そこから声が聞こえてきた。

『そちら麹町2525番ですか?』

「はっ、ごきげん … ごきげんよう!」


受話器に向かって返事をしたが、仕組みが全く理解できない。

『もしもし? ~ もしもし? ~ 』

「 … 何か言ってますよ!!」


< ふふふ … 何しろ電話に出るのも、生まれて初めてなので、お許しくださいませ >

『もしもし、お繋ぎしますか?』

交換手が尋ねているが、取り乱したはなは『ごきげんよう』を繰り返すだけだ。

ようやく梶原が、はなの手から受話器を受け取った。

「はい、もしもし、向学館編集部でございます … 」

* * * * * * * * * *

梶原は電話の相手に礼を言って、受話器を置いた。

「よしっ、中村教授の翻訳終わったぞ!」

梶原の号令と共に職員たちが一斉に上着を手にして立ち上がった。

全員で出かけるようだ。

「小間使い君、留守番を頼む」

はなは留守の間の指示を仰いだが、まだ何もできないということで、本棚に備えてある本を読んでいていいと許可された。

「はいっ、いってらっしゃいませ!」

はなは、俄然わくわくして皆を送り出した。

* * * * * * * * * *

皆が出払うのを待ちきれなかったように、はなは本棚の前に立った。

棚を見上げて、一冊の分厚い本が目に留まった。

「EDWARD'S THIRD NEW INTERNATIONAL DICTIONARY … 」

それは、英英辞典だった。

「 … こんなの学校の図書室にもないわ!」

嬉々として手を伸ばしたが、一番上の棚にあるため、はなの身長では手が届かない。

背伸びをしても僅かにまだ上にある … 飛んでも跳ねてもダメだ。

すると、はなの頭の上からヒョイと手が伸びて、その辞典をつかんで本棚から引き抜いた。

「てっ?!」

振り向くと、背広姿の背の高い青年が手にした辞典をはなに差し出した。

「はい」

青年の顔を見て、はなは一瞬固まった。

「えっ?」

「 … どうも、ありがとうございます」


お辞儀したはなに青年は笑顔で会釈すると出口に向かって歩き出した。

青年は扉の前でふと足を止めて振り返った。

はなはもう彼のことなど忘れたかのように辞典に見入っていた。

それでも視線を感じたのか、顔を上げて青年の方を見た。

「 … あっ、何か?」

「あ、いや … じゃあ」


今度こそ青年は編集部を後にした。

「 … 今の誰?」

* * * * * * * * * *

同じ頃、蓮子は兄の葉山伯爵から屋敷に呼び出されていた。

「お待ちしてたんですのよ、さあどうぞお入りになって」

義姉の園子がやけに愛想よく蓮子のことを迎えた。

「お兄様、ご無沙汰しております」

挨拶もそこそこ、蓮子が椅子に腰かけるや否や、伯爵はいきなり切り出した。

「実はお前に縁談がある」

「いいお話なんですのよ ~

久保山の叔父様からのご紹介で、相手は九州の石炭王で、炭鉱の他にもいろいろな事業をなさっていて、地元では大変な名士なんですって」


伯爵の隣に腰かけた園子が相手の嘉納伝助の身上書を蓮子の前に置いた。

「歳は大分離れているが、出戻りのお前でもいいと言って下さっている」

むすっとした顔で伯爵が言った。

身上書に書かれた生年月日は蓮子と親子ほどの差があった。

「見合いは来週だ、分かったか?」

一方的に告げた伯爵だったが、蓮子はほんの一瞬も考えることさえせずに即答した。

「お断りします」

「何?」


葉山夫妻の顔色が変わった。

「 … 私はやっと自分の居場所を見つけたのです。

あの学校に入って、学ぶことの本当の楽しさを知りました。

今後は高等科に進み、ひとりで生きていく術を身につけます」

「何を言ってるんだ?!」


伯爵の動揺は大きかった。

「そんな身勝手な真似が許されると思ってるのか?」

「私は、お兄様たちの操り人形ではございません」


* * * * * * * * * *

重苦しい気分で寄宿舎に戻った蓮子は、ちょうど仕事を終えて帰ってきたはなの姿を目にしてホッとした。

「はなちゃん、おかえりなさい!」

駆け寄って来る蓮子に、はなも笑顔を見せた。

「ただいま ~

あら、蓮様も何処かにいらしてたの?」

「ええ、ちょっと … ねえ、出版社のお仕事どうだった?」


* * * * * * * * * *

「 … 小間使い?」

蓮子の部屋で蓮子が淹れてくれた紅茶を口にしながら、はなはアルバイト初日の出来事を話して聞かせていた。

「そうなんですよ ~

誰も名前を呼んでくれなくて … 『小間使い君、お茶入れて』『小間使いさん、電話出て』って」

「はなちゃんの得意の英語は生かせなかったの?」

「ええ … でも、ひと月、小間使いとしてこぴっと頑張ります!

自分で働いたお金で、自分の好きなものを買えるなんて夢みたいだもの」


蓮子はそんなはなの前向きさが好きだった。

「はなちゃんの一番欲しい物って何?」

「英語の辞書」


はなは迷うことなく答えた。

「 … 自分の辞書があったら、どんなに幸せかしら?」

「はなちゃん、いつも図書室まで辞書引きに走ってるものね」


* * * * * * * * * *

「蓮様の欲しいものは?」

はなは反対に蓮子に質問した。

「私は物じゃなくて …

燃えるような心が欲しい。

一度でいいから、本気で誰かを愛したいの」


時として少女のように見える蓮子だったが、彼女が語った夢は16歳のはながまだ知らない大人の匂いがした。

こんな時、はなはやはり蓮子は24歳の女性なのだと実感してしまう。

「 … それなのに兄は、今度はお金持ちと再婚させようとしているの」

「えっ?」


はなが眉をひそめた。

「父親みたいに歳の離れた人とお見合いをしろって」

「それで?!」

「もちろん、きっぱり断ったわ」

「ひどいお兄様だこと!

蓮様の人生を何だと思ってるの?! … 信じられない!」


まるで我がことのように腹を立てているはなを見て、蓮子はうれしそうに笑った。

「はなちゃん、何でも打ち明けられる友達がいるって … 幸せね」

「蓮様 … 」


蓮子は生涯初めて無二の親友を得た喜びをかみしめていたのだ。

* * * * * * * * * *

「はなちゃんに訳してもらった詩集、読んだわ」

蓮子は、傍らからノートを取り出した。

「 … 素敵ね」

「ね、ドラマティックでしょ?」

「人の世に背くくらい激しく誰かを愛するって、どんな気持ちなのかしら?」


そう口にした蓮子は先ほどとは打って変わって夢みる乙女のようだった。

< ふたりはこれからどんな男の人に出会い、どんな恋愛をするのでしょうか?

… それはまだ、神様しかご存じありません >

* * * * * * * * * *

< そんなある日のことでございました >

出版社での仕事を終えたはなが公園の橋のたもとを通りかかった時、身を屈めるようにして対岸を見つめている亜矢子たちに出くわした。

「ごきげんよう、醍醐さん」

「はなさん、大変大変!」


亜矢子ははなに気づくと、慌てて手招きした。

「 … どうしたの?」

はなは亜矢子が指さした先、対岸に架かっている橋の上に視線を合わせた。

並んで立っている男女の姿があった。

「あ、富山先生?」

女性の方は富山だった … 俯いているようにも見える。

「どう見ても逢引きですわね」

何故かしら亜矢子はうれしそうだ。

その時、背を向けて欄干に寄りかかっていた男性が体の向きを変えて … こちらから顔が見えた。

「てっ?!」

はなが驚いたのも無理はない … よく知っている人物だった。

「 … 編集長?!」

富山の相手は梶原聡一郎に間違いなかった。

< はなにとっては、あまりにも衝撃的なツーショットでございました。

… ごきげんよう、さようなら >

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