NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
  • 07«
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • »09
--年--月--日 (--) | 編集 |
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


朝ドラ関連のブログ一覧はこちらです。よろしくお願いします!

にほんブログ村 テレビブログ 朝ドラ・昼ドラへ
2014年05月06日 (火) | 編集 |
第32回

< はなは臨時雇いの小間使いとして、出版社で働くこととなりました。

そんなある日のこと、編集長と富山先生の逢引きを目撃してしまったのです >

「あの真面目な富山先生が編集長と … 」

はなにとっては、あまりにも衝撃的なツーショットだった。

「白昼堂々と逢引きなさってたそうね?」

次の日、教室で顔を合わせた蓮子は、どういう訳か昨日のことを知っていた。

「えっ、蓮様どうしてそれを?!」

「とっくに皆さんご存知よ」


そう言って、蓮子は前の方の席でクラスメートに囲まれておしゃべりをしている亜矢子を見た。

『富山の逢引き』は彼女を通じてクラス中に広まっていたのだ。

* * * * * * * * * *

「それでね、富山先生の逢引きの相手に心当たりないか、富山先生と同級生だった従姉妹に聞いてみましたの」

亜矢子が仕入れてきた新たな情報に級友たちは興味津々だ。

「富山先生は、高等科の学生時代、ある青年と大恋愛をなさって、ふたりは永遠の愛を誓い合ったの。

… だけど、家同士の複雑なご事情から、その恋は実らなかったの」


ロミオとジュリエットを地で行くような話だった。

「まさか、富山先生のロミオ様も毒をあおって死んでしまった訳じゃ … 」

鶴子の推測に亜矢子は首を振った。

「いいえ、彼は何と富山先生を捨てて、親が決めた裕福な財閥のお嬢様と結婚してしまったのよ」

昨日、逢引きしていた人物こそ、その『ひどいロミオ』だと亜矢子は言い切った。

「 … 富山先生の昔の恋人に間違いないわ。

彼の方も財閥の娘とはとっくに離婚されたそうだし、富山先生と再会して、再び燃え上ったのよ!」

「ちょ、ちょっと待って醍醐さん … そこまで決めつけなくても」


はなが慌てて嗜めたが、亜矢子には確信があった。

「従姉妹の話だと、彼は昔から文学青年で出版の仕事をされてるって … ねっ、間違いないでしょ?」

* * * * * * * * * *

ちょうどその時、教室の扉が開いて、富山が顔を出した。

「始業のベルが聞こえなかったんですか?」

ざわついている生徒たちに席に着くよう促した。

ところが、授業が始まっても、クラス中どこか浮き足立っていた。

あちらこちらからこそこそと話声が聞こえ … 授業に集中していない。

黒板に向かっていた富山が、キッとなって振り返った。

「(静かに、私語は止めなさい!)」

注意しても、一向に納まる様子がない。

「そんなに騒ぐことかしら?」

意外にも級友たちを諌めたのは、富山とは折り合いがあまりよくない蓮子だった。

「富山先生は教師である前に、ひとりの女性なんですから」

ただ、当の富山は何故凛子がそのようなことを口にしたのか理解できなかった。

「 … 何のことですか?」

「逢引きぐらいなさって当然ですよね」


蓮子の言葉に富山は顔色を変えたが、その件について否定も肯定もしなかった。

しかし、動揺しているのは誰の目からも明白だった。

* * * * * * * * * *

編集部に働きに出ても、はなは梶原のことが気になって落ち着かなかった。

< はなは、ついよからぬ想像の翼を広げてしまいました >

想像の中、はなはひとり芝居をはじめた。

互いに向かい合う梶原と富山。

「僕がバカだった … 君のいない人生なんて、何の意味もない!

まるで香りのないバラと同じだ」

「そんなことおっしゃっても、もう遅いわ」

「もう一度、僕を信じてくれ! … 二度と君を離さない!」

* * * * * * * * * *

「梶原さん … 」

はなは思わず言葉を漏らしてしまった。

「何、小間使い君?」

「てっ、てっ … 編集長」


我に返ってうろたえるはな。

「どうしたのよ ~ 大丈夫?」

梶原は心配そうな顔をして近づいてきた。

説明できるようなことではない … 曖昧な返事をしていると、背後で人の気配がした。

「おはようございます」

聞き覚えのある声にはなは振り向いた。

「編集長、原稿いただきに参りました」

編集部に入ってきたのは、はなが仕事初日にひとりで留守番をしていた時に見かけたあの背の高い青年だった。

* * * * * * * * * *

応接席にはながお茶を運んでいくと、原稿を前にして梶原と青年が難しい顔をしていた。

「ここ、百科事典とはいえ、分かりにくいですよね … 」

「偉い学者に翻訳頼んだんだが、この先生、文体が固すぎるんだよな」


湯呑を置くはなを見て、青年はようやく先日のことを思い出したのか、軽く微笑んで会釈した。

「小間使い君、これ読んでみて」

梶原は件の原稿をはなに読むように指示した。

「ラクダの体構造は乾荒原に適合せり、すなわち背部の大瘤には脂質を蓄蔵し … 」

「意味分かる?」


はなは首を横に振った。

「さっぱり分かりません … 」

ふたりは考え込んでしまった。

「 … 君、英語できるんだよね?」

「はあ … 」


梶原は自分の隣にはなを座らせ、今度は原文を取り出して、はなに読ませた。

英文を流暢に読み上げるはなの発音を聞いて、ふたりは軽く驚きを見せた。

「ああ、こっちはよく分かります」

* * * * * * * * * *

「あの、試しにこのお嬢さんに訳してもらったらどうでしょう?」

青年の提案に梶原もうなずいた。

「そうだな ~

君、このページ訳してみてくれるかな?」

「私がですか?!」


突然のことにはなは目を丸くした。

「急いで!」

早速、机を与えられて、はなは翻訳に取り掛かった。

すると、青年は気を利かせて、英英辞典を本棚から取り出して、何も言わずに机の上に置いた。

「あの方って、どなたなんですか?」

「村岡英治、村岡印刷の二代目だ … 昔からうちに出入りしている印刷屋だよ」


* * * * * * * * * *

梶原と会っていたことが生徒たちの知るところとなってしまった富山は、ことのほか沈んでいた。

「あの方が離婚なさっていたなんて … 分からないものね」

「今更そんなこと言われてもどうしたらいいのか … 」


こんなことを相談できるのも、当時のことを知っている茂木ぐらいしか富山にはいなかった。

「私は富山先生を見直しました」

生徒たちの姿が消えた放課後の談話室、突然現れたのは蓮子だった。

「いつぞやは恋愛経験が乏しいなどと、失礼なことを申し上げて … すみませんでした」

「あなたは失礼なことしか言わないじゃありませんか」


そう返した富山だったが、大文学会以降、生徒たちに対する態度がどこか丸くなっていた。

以前の富山なら、蓮子のことを怒鳴って追い返していたに違いない。

「蓮子さんもお茶をいかが?

スコット先生の焼いたクッキーもありますのよ」


茂木に勧められて、蓮子もテーブルについた。

* * * * * * * * * *

「富山先生 …

私は、愛のない結婚をして、こんなにひねくれた女になってしまいました。

… ですから、失礼ながら言わせていただきます」


ふいに話し始めた蓮子、富山は黙って聞いている。

「本当にその方が好きなら、過去に拘らず愛を貫くべきです」

立場は教師と生徒だが、年齢も近い蓮子の言葉は富山の心に強く響いていた。

* * * * * * * * * *

「 … できました!」

はなが懸命に書き上げた翻訳を梶原は真っ先に村岡英治に渡した。

「拝読します」

彼が目を通している間、緊張気味のはなに梶原は、翻訳する際の心構えのようなものを語り始めた。

「あのね、翻訳とは原文との距離感が大事なんだ。

原文に引きずられて、直訳や不自然な日本語になってもいかんし … 読みやすさを重視して、端折り過ぎてもいかん。

その制約の中の勝負なんだ」


はなはうなずいたが、英治の反応の方が気になってほとんど耳に入っていなかった。

「で、君の翻訳だけど … 」

梶原は英治に感想を尋ねた。

「これは … バカが読んでも分かりますね」

* * * * * * * * * *

「 … バ、バカ?」

酷評されたと思ったはなは絶句してしまった。

「いや、あなたがバカだと言ってる訳じゃないんです」

英治が慌てて取り繕った。

「 … 褒めたんです」

「最上級のほめ言葉だね」


梶原も満足そうに笑っている。

「言い換えると … とても素直できれいで読みやすい翻訳だと思います」

どこか他人事のようにポカンとしているはなに梶原からうれしい提案がされた。

「小間使い君、本気でやってみないか?」

「えっ?」


はなは我が耳を疑った。

「これを叩き台にして手を入れれば、使い物になりそうだ」

どうやら、梶原は本気で言っているらしい。

途端に喜びが込み上げてきた。

「 … こぴっと頑張ります!」

「こぴっと?」

「それ、どこの国の言葉?」


* * * * * * * * * *

寄宿舎に戻ったはなは誰よりも先に蓮子に報告した。

「小間使いから翻訳者に昇格ね ~ おめでとう!」

それは蓮子にとっても、この上なくうれしい報せだった。

お互いの喜びも悲しみも我がことのように共有できる腹心の友なのだ。

「ありがとう!」

「でも、忘れないで … 最初にあなたの才能を認めたのは私よ」


蓮子の得意げな顔。

「ええ、もちろん! … 忘れませんとも」

ふたりは顔を見合わせて、愉快そうに笑った。

* * * * * * * * * *

「これからは、女も自分の才能を伸ばして、仕事をして …

男の人や権力に寄りかからずに、自分の足で歩いて行ける時代が来ると思うの」


そう生き生きと話す蓮子は輝いて見えたが、はなは少し不安だった。

「それって、仕事一筋で生きるってこと?

ブラックバーン校長や富山先生のように … 」


自分は仕事はしたいけれど、ひとりで生きていく覚悟はない。

結婚して、子供も欲しい … 故郷の母のように。

はなの疑問に対して、蓮子の返事は単純だった。

「両方やればいいじゃない ~ 」

「えっ?」

「与謝野晶子をご覧なさい。

鉄幹と結婚をして、精力的に仕事続けながら、子供を何人も産んでるのよ」

「へえ ~ 」


蓮子は、はなの知らないことをたくさん知っている。

はなの不安は一瞬で払しょくされた。

* * * * * * * * * *

「そう言えば … はなちゃんは『花子』と呼ばれたいって言ってたわよね?」

「ええ」

「世に自分の作品を出す時に、その名前を使えばいいじゃないの」

「ペンネームね!」


素敵なアイディアだった。

蓮子は本に挟んでいた栞に『翻訳者 安東花子』とペンで書いてみせた。

「うん、悪くないわ」

はなはそのしおりを受け取ってうなずいた。

「こぴっと、やる気が出てきたわ」

蓮子は吹き出しながら言った。

「頑張って」

「 … 蓮様の夢は燃えるような本物の恋 … ですよね?」

「ええ、そして … 恋の歌をたくさん作るの」


そう話したあと、蓮子は先ほどのはなのペンネームに並べて『歌人 白蓮』と書き加えてみせた。

「これが、私のペンネーム」

「白蓮! 素敵 ~ 」


< 蓮子は、はなと過ごしながら、失われた青春の時間を取り戻していました。

そして、このキラキラした時間がず~っと続いてほしいと、蓮子もはなも思っておりました >

* * * * * * * * * *

はなと別れて、自分の部屋に戻った蓮子は、ドアの隙間に書置きが挟まっているのを見つけた。

何やらよからぬ予感がしながら開いた。

『至急、面談室へ

葉山伯爵様がお待ちです』

* * * * * * * * * *

面談室を訪れると、いつになく沈痛な面持ちの葉山伯爵が待っていた。

「蓮子 … 」

蓮子の姿を見ると、どういう風の吹き回しか直立して迎えた。

「お兄様どうなさったんですか?」

「例の縁談のことで … 」


前置きもなく切り出したが、蓮子はきっぱりと拒否した。

「それはお断りしたはずです」

すると、蓮子の目の前であり得ないことが起こった。

姿勢を正した伯爵が、蓮子に向かってゆっくりと頭を下げたのだ。

「頼む、助けてくれ … 」

「 … お兄様??」


訝しがる蓮子に伯爵は続けた。

「この縁談を受けて、葉山の家を救ってくれ」

< 運命の歯車は、蓮子の知らないうちに回り始めていたのです。

… ごきげんよう、さようなら >

連続テレビ小説 花子とアン Part1 (NHKドラマ・ガイド)

新品価格
¥1,188から
(2014/5/6 20:15時点)



花子とアンへの道: 本が好き、仕事が好き、ひとが好き

新品価格
¥1,512から
(2014/5/6 20:16時点)


関連記事
スポンサーサイト

朝ドラ関連のブログ一覧はこちらです。よろしくお願いします!

にほんブログ村 テレビブログ 朝ドラ・昼ドラへ
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。