NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年05月10日 (土) | 編集 |
第36回

1945年(昭和20年)東京。

「 … アンは涙ながらに言った。

『ああ、ダイアナ、汝の若かりし頃の友を忘れないと固く約束してくださる?』

『しますとも』

ダイアナはすすり泣いた。

『それに、またと腹心の友を持たないわ。

どんな人だって、あんたを愛したようには愛せないもの』」


村岡花子が今、翻訳のペンを走らせていたのは、アンと腹心の友、ダイアナの別離の件だった。

ひと息ついた花子は、原書に挟んである栞を引き抜いてまじまじと眺めた。

『翻訳者 安東花子

歌人 白蓮』

花子と葉山蓮子、ふたりのペンネームが並べて書いてある … 遠い日に蓮子から手渡された思い出深いものだった。

< はなにとって、『腹心の友』蓮子さんとの思い出は楽しいだけでなく、辛いものもあったのでございます >

* * * * * * * * * *

話を1909年(明治42年)の甲府に戻そう …

「私にも何かお手伝いさせてください!」

翌日、はなの実家で朝を迎えた蓮子は野良仕事に出かけようとするふじに強くねだった。

「え ~ こんなきれいな着物で野良仕事なん、させられっこねえら」

着物など脱いでくるという蓮子にふじは何もしなくていいと笑っている。

「無理しないで ~ 蓮様はついこの間まで、お掃除も何もできなかったんだから」

水汲みを終えて帰ってきたはながそう諭しても蓮子は言うことを聞かない。

「今はそんなことなくってよ!」

口を尖らせていたと思ったら、今度は周造の顔を見た。

「お祖父様、私にも何かさせてください」

「そうさな … 蓮子さんに頼めそうなこんったら …

ああ!」


* * * * * * * * * *

周造が思いついたのは、魚釣りだった。

釣竿を担いで、近所の池に繰り出したはなと蓮子は切株に並んで腰かけて、垂らした糸の先の浮きをぼんやりと眺めていた。

暖かい日差しが降り注ぎ、鳥のさえずりが聞こえる穏やかな陽気だった。

「この時間が永遠に続けばいいのに … 」

キラキラと輝く水面に目を細めながら蓮子が言った。

「何言ってるんですか ~ 永遠に1匹も釣れなくていいの?」

「私、はなちゃんとこうして一緒に居られることが、たまらなくうれしいの」

「蓮様 … 」


そんなふうに改めて口に出されると何だか照れくさかったが、はなも同じ気持ちだった。

「私には青春なんて一生ないと思ってたわ。

でも、はなちゃんと出会って、失われた時間を取り戻したの。

この半年間、本当に楽しかったわ。

このキラキラした時間を私決して忘れない … 遠く離れても」

「 … 遠く離れても?」


はなは眉をひそめた、それは別れる時に言うセリフではないか …

「今日の蓮様、おかしい」

「そんなことないわよ ~

いくら生涯の友情を誓い合っても、お婆さんになるまで、ず~っとくっついてる訳にはいかないでしょ?」

「それはそうだけど … 」


蓮子は屈託なく笑った。

「何があっても、今日のことは絶対に忘れない … はなちゃんも忘れないで」

そう言ってじっと見つめている。

「じゃあ、私も忘れない。

… 釣りに来たのに1匹も釣れないで、お尻が痛くなったこと!」


顔をしかめたはなに蓮子は吹き出した。

「私もさっきから痛かったの ~ 」

ふたりは顔を見合わせて、笑いながら立ち上がった。

* * * * * * * * * *

「はな ~ !」

吉太郎が朝市を連れ立ってやって来た。

蓮子ははなの話から、朝市ははなの手紙を代読しているせいでお互いに初対面の気がしないふたりだった。

「1匹も釣れんだけ?

ほんなこんだろうと思って、手伝いにきただよ」


空のびくを覗いた吉太郎が呆れたように言った。

「兄やんは釣りの名人なのよ」

「へえ」


感心して見た蓮子の眼差しにまたも吉太郎の胸は高鳴った。

* * * * * * * * * *

はなと朝市、蓮子と吉太郎に分かれ、改めてそれぞれに釣り糸を垂らした。

「 … 朝市は師範学校に行って、先生になるの?]

[うん、お母と大喧嘩したけんど … どうしてもあきらめられなんで」


笑いながら話しているが、あのリンを説得するのは並大抵のことではないだろう。

「はなも上の学校に行くら?」

はながいまだ迷っていることを知ると、吉太郎の方を気にしながら小声で話した。

「吉太郎さんやかよちゃんに気兼ねしてるだけ?」

「 … 正直言うと、自信がないの。

家族に苦労かけて、私だけ好きなこんさせてもろうて … もし期待に応えられなかったらどうしようって」


幼なじみの朝市だからつい本音を漏らしたはなだった。

「おらだって師範学校の試験受かる自信なんねえだ。

ふんだけんど、一生懸命やるしかねえじゃん。

一生懸命やって勝つことの次にいいことは、一生懸命やって負けることだ」


朝市の言葉は、進路に迷い立ち止まっているはなの背中を大きく押してくれた。

* * * * * * * * * *

「あっ、蓮子さん、引いてるじゃん!」

「えっ?」


吉太郎が指さした先、蓮子の浮きが大きく揺れ、波紋を起こして水中に沈んだ。

「早く、魚が逃げちもうら!」

「どうしましょう ~ 」


釣竿から手応えは伝わっているが、蓮子にはどう処理したらいいのか分からなかった。

「引っ張れ、引っ張れ!」

はなと朝市も駆け寄ってきた。

「兄やん、兄やん、手伝って!」

「おうっ!」


吉太郎は蓮子と一緒に釣竿をつかんだ。

「引けし、引けし!」

ふたりがかりで竿を引いているのだがなかなか水面に姿を現さない … 手ごわい相手だ。

吉太郎は歯を食いしばって釣竿を高く起こした。

「おおっ!」

皆の歓声とともに釣り上げられたのは、見事なウナギだった。

「釣れたわ、釣れたわ ~ 」

大はしゃぎする蓮子。

「てっ、こんなにでっけえのおらも釣ったことねえ」

目を丸くする吉太郎。

「て、本当に? うれしい ~ 」

「蓮様、すご~い!」


< 蓮子にとって、それが青春の最後の一頁になりました >

* * * * * * * * * *

その頃、福岡に帰郷した嘉納伝助は …
 
まるで宮殿のように巨大な建築物、嘉納鉱業の本社に戻って来た。

「お帰りなさいませ!」

社長の帰りを社員は総出で整列して出迎えた。

「東京はどげんやったですな?」

「別に … 変わったことはなかった」


伝助は、番頭の問いにも素っ気なく答えた。

彼の帰る時間を見計らっていたかのように、久保山から電話が入った。

* * * * * * * * * *

電話は、先日の縁談の返事を報せるものだった。

結果は聴くまでもないと伝助はあきらめていた。しかし、電話を受けて我が耳を疑った。

「はあ? あん娘が … 何かの間違いやないと?」

「本当だ … 蓮子さんご自身が、是非お受けしたいと言ってきたそうだ」


* * * * * * * * * *

「ああ、楽しかった ~ 」

甲府での休日を終えて、寄宿舎に戻ったはなと蓮子を出迎えたかをる子はその手に分厚い紙包みを手にしていた。

「あなたの留守中に先日の闖入者がこれを」

ずっしりと重い包みを受け取って、その場で開封すると、中から向学館にあったのと同じ英英辞典が出てきた。

「これ、私が一番欲しかった辞書よ!」

思わず声を上げたはな。

頁を開くとメッセージカードが挟まっていた。

『安東はな様

先日の翻訳のお礼です

英語の勉強 こぴっと頑張ってください

村岡英治』

短い礼文が書かれてあった。

微笑んではなを見ていた蓮子だったが、やはり留守中に彼女宛てに届いていたという封書を受け取ると顔を曇らせた。

「蓮様、私こんな高価な辞書いただいてもいいのかしら?」

蓮子は笑顔を繕ってはなに言った。

「その辞書の送り主も、はなちゃんの才能を認めたのね」

思いもよらない贈り物に有頂天になっているはなは、蓮子の表情の変化を見落としてしまった。

「やっぱり、はなちゃんは高等科へ行って、翻訳の才能を磨くべきだわ」

「 … 蓮様はどうするの?」


不安げに尋ねたはなに蓮子は微笑んで答えた。

「もちろん、行くわ … 」

「ありがとう ~ 私、やっと心が決まったわ!」


* * * * * * * * * *

ひとり、部屋で蓮子は、先ほどの封書を取り出した。

差出人は、兄の葉山伯爵だった。

ためらいがちに封を開けて、便箋を広げた。

蓮子の目に『結納』『挙式』『嘉納家嫁入』の文字が飛び込んできた。

日取りは、十二月 … もうひと月もないではないか?!

* * * * * * * * * *

ようやく自分の進路を決めたはなは、報告するために校長室のドアを叩いた。

「はなさん、気持ちは固まりましたか?」

ブラックバーン校長の前に立ったはなは、茂木の質問にうなずいた。

「はい、私は高等科へ進みたいと思います。

家族に仕送りをしながら、勉強を続けたいんです。

そしていつか、翻訳の仕事をしたいんです。」


並大抵の努力では敵わないという茂木にはなはきっぱりと言い切った。

「覚悟してます」

その返事を聞いたブラックバーン校長は立ち上がった。

「(はな、やってみなさい … 力を尽くして)」

「(ありがとうございます、ブラックバーン校長)」


校長の瞳がうるんでいるように見えた。

チビで問題児だったあのはなが、よくぞここまで … 教育者冥利に尽きる思いだった。

「あなたならきっとできるでしょう … 」

富山からの予想もしなかった言葉がはなを驚かせた。

「 … 富山先生」

「安東さんの唯一いいところは、根拠がない自信があるところです。

… まあ、無謀な自信ともいえますが、それだけは認めます」

「ありがとうございます!」

「褒めてません!」


礼を言ったはなをすかさず突き放した富山のことが可笑しくて、茂木は隣で笑いを堪えている。

富山はそんな茂木の態度が不満なようだ。

「一生懸命頑張ります!」

はなは3人に向かってお辞儀をして校長室を後にした。

3人三様、はなの成長の過程を見守ってきた彼女たちは、その背中を感無量で見つめていた。

* * * * * * * * * *

教室へ向かうはなを見つけて、新聞を手にした亜矢子たちが血相を変えて廊下を駆け寄ってきた。

「はなさん、大変大変!」

「 … どうしたの?」

「これをお読みになって!」


はなは亜矢子から渡された新聞に目をやった。

そこには …

『筑豊の炭鉱王嘉納伝助氏 葉山伯爵令妹と婚約』の文字が躍り、ふたりの顔写真が並んで載っていたのだ。

「あっ、蓮様?!」

愕然とするはな。

「25歳も年上の石炭王ですって、葉山様どうしてそんなまた年配の方と … 」

にわかに信じられないはな、きっと何かの間違いだと思いながら、その目は新聞の記事に釘づけだった。

* * * * * * * * * *

その時、すでに蓮子は婚礼の準備のために葉山の屋敷に居た。

園子が呉服屋を呼びつけ、高価な反物を部屋中に広げさせて物色している最中だった。

「お色直しは何回でも、多ければ多いほどいいそうよ ~ お金に糸目はつけない方だから」

「はい、そのように嘉納様より仰せつかっております」


呉服屋の亭主はにこやかにそう言うと蓮子に似合いそうな反物を取替えひっかえ肩に合わせてみせた。

しかし、蓮子はひと言も発せず無表情、まるで魂のないマネキンのようにただされるがまま立っているだけだった。

* * * * * * * * * *

「蓮様、どうして?」

< これほどの裏切りがあるでしょうか?

腹心の友と思っていた蓮子は、はなに結婚のことはひと言も打ち明けてくれなかったのです。

… ごきげんよう、さようなら >

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