NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年05月13日 (火) | 編集 |
第38回

自分にひと言も話さずに、嘉納伝助との結婚を決めてしまったことを責めるはなに蓮子は言った。

「この結婚は私が望んだんです」

「 … 蓮様が?!」

「あの方と結婚すれば何不自由なく暮らせるわ … もう、兄たちの世話にならなくて済むわ。

これでやっと、私も自由の身になれるのよ」

「お金のために結婚するの? … そんなの自由って言える?

蓮様、私に言ったじゃないですか?!

これからは男の人に寄りかからずに自分の足で歩ける時代がくるって、蓮様が教えてくれたのよ!」


必死に訴えるはなに蓮子は冷たく言い放った。

「はなちゃんは、頑張ってそっちの道へ行けばいいでしょ?

私はもう24だし、出戻りよ … もう頑張ったってしょうがないわ」


はなはその手で蓮子の両腕を掴んで自分の方へ向き直させた。

「本気で言ってるの?!」

すると、蓮子は微笑みながらはなの手を解いた。

「これからは石炭王の妻として、新しい土地で楽しくやっていくつもりよ」

* * * * * * * * * *

「 … お金があるって素敵ね。

あの方は福岡に女学校を建てようとしてるの。

きっとここよりも立派な学校になるわ … そういう人の妻になるのよ。

どこが恥ずかしいのかしら?」


はなは平然と口にする蓮子のことが情けなかった。

「それじゃあ、お金で買われていくのと同じじゃない!」

はなの口から放たれた言葉は蓮子の心を激しく揺さぶった … それは彼女自身が兄のことをなじった言葉だった。

蓮子は心の内の動揺を悟られないように背を向けた。

「世間の誰もがそう思ってるのは知ってるわ。

新興成金の石炭王が、莫大な結納金で伯爵家の娘を妻に迎えようとしている … お金で買われた花嫁だって、三面記事にも書いてあるもの。

でも、それがどうかして?!」


* * * * * * * * * *

「やっぱりおかしい … 蓮様、何か大事なこと誤魔化そうとしている。

だって、ちっとも蓮様らしくないもの」


はなの知っている蓮子だったら、決して口に出さない … それどころか、本人が一番忌み嫌い軽蔑する様なことを婚約の理由に挙げている。

余りの豹変ぶりは、何か特別な理由があると考えなければ、到底納得できるものではなかった。

「あら、はなちゃんは私のこと、そんなによく知っているの?

… 私はずっとこうよ」


しかし、蓮子は悲しい演技を続けるしかなかった。

「純情で世間知らずなはなちゃんに、これまで合わせてただけ」

それがはなのためであると信じているからだった。

「 … よく分かったでしょう?

これは私が望んだ結婚なの ~ 今の私には、この結婚しかないのよ。

私は上手くやったのよ」


* * * * * * * * * *

「だからはなちゃんも祝福して」

蓮子は鞄から一通の封筒を取り出した。

「東京で盛大に披露宴をやるから是非いらしてね」

「いやよ!」


差し出された招待状を叩き落として、今度ははなが背を向けた。

「披露宴なんか行かないわ … おめでとうも絶対に言わないからっ!」

はなの肩が小刻みに震えている。

「はなちゃん … 怒るか泣くか、どっちかにしたら?」

「泣いてなんかないわ!

寒くて、鼻水が出てきただけ … 蓮様、どうしてそんな冷静でいられるの?

もう会えなくなるかもしれないのに」


この時、もしはなが振り向いてさえいたら、蓮子の悲しげな顔を見て、彼女の本心に気づくことができたかもしれない。

涙を堪えて、帰り支度を始めた蓮子は、はなが叩き落とした招待状を拾ってテーブルの上に置いた。

「 … ごきげんよう」

背を向けたままのはなに挨拶すると部屋をあとにした。

* * * * * * * * * *

部屋を出た蓮子は唇をかみしめて歩き出した。

気を抜くとその場に泣き崩れてしまいそうだった。

「蓮様、待って!」

ハッとして振り向くと、はなが後を追いかけてきた。

「やっぱり、そんな結婚間違ってるわ。

結婚式なんてすっぽかして、どっかに逃げましょう ~ ねえ、私もつき合うから!」


はなは蓮子の鞄に手をやった。

「しばらくどっかに隠れるの … そうだ、山梨のうちはどうかしら?」

蓮子が一番恐れていたことだった。

はなが真実を知ったら、自分のためにどんなことも厭わずに行動を起こすだろう … それが分かっていたから、ひと言も相談しなかったのだ。

兄の許しを得てこうしてやって来たのだ。

「はなちゃん何言ってるの … 私がいつそんなこと頼んだの?」

「蓮様が夢をあきらめてしまうの私どうしても嫌なんです。

… 言ってたじゃないですか?

一度でいいから、誰かを心から愛したいって … 蓮様、まだその方と巡り合ってないじゃない!」


涙ながらに訴えるはな。

「今結婚したら、きっと後悔する。

… 今ならまだ引き返せるわ」


* * * * * * * * * *

はなの言うように、今この場所からふたりで逃げ出せたらどんなにかいいだろう … しかし、それははなの人生も巻き込んでしまうことになるのだ。

そんな葛藤を断つために、蓮子ははなの手を振り切った。

「いい加減にしてくださらない!

子供じみた友情ごっこはもうあきあきしました」

「友情ごっこ?!」

「 … まさか本当に私と腹心の友となれたと思った訳じゃないでしょうに!

そもそも、伯爵家で育った私と山梨の貧しい農家で育ったあなたでは、住む世界が違いすぎるんです!

… さようなら!」


* * * * * * * * * *

「蓮様 … 」

はなは、もう蓮子の後を追うようなことはしなかった。

早足で廊下を去って行く彼女の後姿をただ茫然と見送るだけだった。

* * * * * * * * * *

数日後、蓮子からクラスメートたちに披露宴の招待状が届いた。

「さぞかし盛大なご披露宴でしょうね」

「きっとご招待者は、政界や財界のお偉い方ばかりよ」


< おやおや ~ ついこの間、怖そうなおじさまだとか新郎の悪口を言っていたのに、随分な変わりようですこと。

いつの時代も女性は、パーティがお好きですからね >

皆の話の輪に加わらず、ひとり蚊帳の外で沈み込んでいるはな。

「はなさん、もちろんいらっしゃるわよね?」

「お気持ちは分かるけど、皆でお祝いして差し上げましょうよ」


亜矢子たちが気にして声をかけてきたが、はなはとてもそんな気持にはなれなかった。

「 … 私は着ていく着物もないから」

そんな口実で、浮かれた雰囲気の教室を出て行ってしまった。

* * * * * * * * * *

< そして、結婚式の日がやって参りました >

「まあ、きれい」

「お美しいわ ~ 」


控室を訪れた茂木、亜矢子と鶴子の3名は、文金高島田を結い、豪華な花嫁衣装を身にまとった蓮子のあまりの美しさに目を見はった。

「蓮子さん、ご結婚おめでとうございます … 心からお祝い申し上げます」

茂木の祝辞に会釈をした蓮子の目がはなの姿を探していることを亜矢子は察していた。

「はなさん、今日は来られなくなってしまったんです」

「 … そうですか」


蓮子は、あんな風に別れたのだからと、期待はしていなかった … しかし、平静を装っても心のうちはひどく落胆していた …

「蓮子さんの花嫁姿、眩しいくらい美しかったと伝えておきます」

茂木たちが出て行った後、蓮子は改めて鏡に映る自分の顔を見つめた。

これほど悲しい顔の花嫁がいるだろうか …

< その時、蓮子は思い知ったのです。

掛けがえのない親友を得た喜びと、それを失うことの悲しみがどんなに大きいか … >

* * * * * * * * * *

はなは誰もいない女学校の中庭に立ち、蓮子がいた寄宿舎の部屋を見上げていた。

そっと目を閉じると …

初めて蓮子と出会った日のことが鮮明に浮かんできた。

あれは春、桜吹雪の中、校門の前に停まった自動車から下りてきた蓮子。

その気品ある美しさにしばし目を奪われてしまったはな。

「ごきげんよう … 校長室は何処かしら?」

* * * * * * * * * *

「ご案内し … 」

思わず口走って、ハッと現に戻ったはなだった。

… 蓮子はもういないのだ。

部屋に戻ったはなは、読みかけの本に挟んである栞をそっと引き抜いて見つめた。

* * * * * * * * * *

「はなちゃんは、花子と呼ばれたいって言ってたわよね?

世に自分の作品を出す時に、その名前を使えばいいじゃないの」

『翻訳者 安東花子』と蓮子は栞に書いた。

「蓮様の夢は燃えるような本物の恋 … ですよね?」

「ええ … そして、恋の歌をたくさん作るの」

『歌人 白蓮』とはなのペンネームの隣に書き添えた。

決してもう戻ることのない幸せな日々。

… 栞はそんな思い出深い大切なものだった。

* * * * * * * * * *

ひとりの控室、蓮子の目にあふれる涙。

「はなちゃん … ごめんなさい」

はなを傷つけてしまった。

悲しそうな顔をして泣いていた …

大切な友だから、こんな別れ方を選ぶことしかできなかった蓮子だった。

* * * * * * * * * *

ふたりは離れた場所でお互いのことを思ってただただ涙を流していた。

* * * * * * * * * *

控室の外で披露宴が始まることを報せる声がした。

蓮子は涙を堪え、顔を上げて席を立った。

* * * * * * * * * *

『筑豊の炭鉱王嘉納伝助氏 葉山伯爵令妹と挙式』

< 新聞はこぞって、婚礼の記事をかきたてました。

ふたりの結婚式は東京で200余名の客を招き、盛大に執り行われました。

… 式の後、福岡での祝宴は三日三晩続きました >

目の前で繰り広げられる饗宴、蓮子はただ虚ろな顔でじっと宴が終わることを待ち続けるだけだった。

< そこは、蓮子がこれまで見てきた世界とは、余りにもかけ離れていました。

… ごきげんよう、さようなら >

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