NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年05月16日 (金) | 編集 |
第41回

< 製糸工場から逃げてきたかよのお蔭で、はなは思いがけず、親子水入らずで一夜を過ごすことになりました >

ふじとかよが布団に入ってもはなはまだ机に向かっていた。

「毎晩こんなに遅くまで勉強してるだけ?

えれえじゃんね ~ お父が言ってた通りだ、おまんは家族の希望の光じゃって」

「あっ、たまにハガキが … 」


はなは時々届く差出人不明のハガキを畳の上に並べてみせた。

筆跡は明らかに吉平のものだった。

「生きてただけ?!」

目を丸くするふじ。

音信不通になってから、甲府の家には2年と10か月も帰っていないのだ。

『はなグッドモーニング 勉強がんばれし こぴっと精進するだよ』

勉強のことばかり書いてあるハガキを見てかよは笑った。

「やっぱし、お姉やんはお父に似ただね」

「 … ほう言うかよだって、製糸工場逃げ出して、東京まで逃げちもうなんて、そんな無鉄砲なのお父にそっくりじゃんけ」

「ほうか?」

「はなもかよもお父の娘だね ~ 」


ふたりの会話を聞きながらふじはしみじみと語りはじめた。

「甲府に連れて帰ろうなんて、無理な話じゃん。

おまんらもお父みてえに、甲府に居ちゃあ見られんもんをいっぺえ見て … いつかおらに話してくりょう」

「お母 … 」

「はな、かよのこと頼むね ~ あとは、お前に任せたじゃん。

… ふんだから、はなも帰ってこなんでいい。

東京で頑張れし」


ふたりの娘たちに好きにするようことを許したふじだった。

* * * * * * * * * *

次の日、ふじは茂木に案内されて、授業するはなの姿を教室の外から窺った。

下級生たちを前にして、はなは活き活きと英語を教えている。

「はなさんがここに来た頃は、英語で話しかけられるのを怖がって、西洋人の先生たちから逃げ回ってたんですよ」

茂木は、自分自身も懐かしむように、そんな昔話をふじに話して聞かせた。

「それが、ある時から猛勉強初めて …

私も大勢の生徒を見てきましたが、秀和女学校ではなさんは一番の頑張り屋さんです」


母親のふじを前にしたお世辞ではなく、茂木の偽らざる本心だった。

ふじは茂木に向かってお辞儀をすると、はなのことを誇らしげに見つめた。

生徒に『はな先生』と呼ばれて、『花子先生』と言い直さているところなどは甲府に居た頃のままだった。

生徒たちもはなのことを慕っているようだ。

< ふじには、自分の娘とは思えないほど、はなが立派に輝いて見えました >

はなが輝ける場所はここなんだ … 甲府に連れて帰っちゃならない …

ふじはそう己に言い聞かせ、涙を隠して微笑んでみせた。

< ふじは本当の胸の内をはなには言わず、ひとり甲府へ帰っていきました >

* * * * * * * * * *

「ほうけ … はな、東京で働くだけ … 」

ふじの話を聞いて、朝市も落胆しているのが分かった。

「お母、本当にいいだけ?」

ももが尋ねてもふじは寂しくうなずくだけだった。

そんな母の後姿を見ているうちに、ももは何だか腹が立ってきた。

「お母の気持ち、お姉やんは分かっちゃいん!」

彼女が手にしていたのは、以前ふじがはなに出そうと書いたが、誤って湯をこぼして文字が滲んでしまったハガキだった。

* * * * * * * * * *

< 茂木先生のご厚意で、かよは取りあえず、学校の仕事を手伝うことになりました >

ももに出来ることといったら、掃除や雑用だった。

廊下の雑巾がけをするももの横を同じような年頃の生徒たちが授業を受けるために教室に急いでいく。

それでも、ももはまったく気にならずに一生懸命に働いた。

製糸工場に居た時に比べたら、ここは天国の様な場所だった。

* * * * * * * * * *

数日後、学校に一本の電話がかかってきた。

電話の主は、向学館の梶原で偶然受けたのは富山だった。

富山は、求婚を断って以来、久しぶりに聞く梶原の声に動揺を隠せなかった。

「 … ご用件をおっしゃってください」

「富山先生ですか?」


電話の相手が富山だと知った梶原の声も緊張しているように聞こえた。

「どうぞご用件をおっしゃってください」

努めて冷静を装う富山。

「 … はい、安東はなさんのことで」

* * * * * * * * * *

梶原からもたされたのは、はなの就職面接をしたいという吉報だった。

「はなさん、よかったわね ~ 

面接してくださるなんて、脈があるわよ、その出版社」

「はなさんなら、きっと選んでいただけるわ」


はなが鶴子や亜矢子と喜びあいながら、談話室に顔を出すと、かよがソファー席でスコットの隣に腰かけて彼女が焼いたクッキーを選んでいるのが見えた。

「かよ ~ また、スコット先生にクッキーご馳走になりに来たの?」

はなの帰郷土産だったクッキーの味をずっと忘れることができなかったかよは、この学校でその味に再会して飛び上がるほど喜んだ。

「召し上がれ」

「さんきゅうです!」


ひと口かじって、また幸せそうな顔をした。

* * * * * * * * * *

そんな時、はなは茂木から一通のハガキを渡された。

ふじが出し損ねていた件のハガキが届いたのだ。

ひらがなだけで書かれた拙い文章だったが、はなが卒業後に甲府に帰ってくることを信じて待ちわびているふじの気持ちが痛いほどよく分かった。

『このはがき おかあは出さなかったけんど おらが代わりに送ります』

そんなもものひと言が書き添えてあった。

はなは今やっと、母の真意を知ったのだった。

* * * * * * * * * *

「おらも、お姉やんに言おうかどうしっか、ずっと迷ってただよ」

ハガキを読んだかよが、少し後ろめたそうに打ち明けた。

「 … お母、お姉やんが帰ってくるもんだと思い込んでた。

ほれでも、おらは東京に居てもらいてえ!」


ももの気持ちも分かるはなは何も言えなかった。

「そうよ、はなさんは東京で夢を追いかけるべきよ!」

「せっかくここまで来たんだから … 面接頑張って」


亜矢子や鶴子もはなが夢をあきらめないようにと背中を押した。

「ありがとう … 頑張るわ」

そう答えたはなだったが、表情は冴えなかった。

* * * * * * * * * *

面接の日はやって来た。

はなの前には、面接官の向学館のお偉方がふたり並び、梶原がまず口を開いた。

「君は、この会社に入ったら、どんな本を作りたいの?」

「それは …

大人からも子供からも愛されて、読んだ人が思いっきり想像の翼を広げられるような … そんな素敵な物語の本を作りたいんです」


常日頃口にしていたことだった。

はなの答えは、どうやら面接官に好印象を与えたようだ。

「親御さんは、あなたが働くことに賛成ですか?」

面接官のひとりが尋ねた。

はなは一瞬ふじの顔が思い浮かんだ。

「はい」

しかし、躊躇なく答えてしまった。

「安東はなさん、卒業したらこの編集部で働いてください」

余りにもあっけなく採用を言い渡されて、俄かに信じられない心地だった。

* * * * * * * * * *

喜びは、じわじわと込み上げてきた。

梶原もうれしそうな顔をしている。

「おめでとう ~ 君はついてたね」

はなは満面の笑顔でうなずいた。

「これからは女性の意見を積極的に受け入れるべきだと、僕が提案して … 編集部に女性社員を入れることになったんだ。

安東君なら、ぴったりだと思うよ」


時代を読んで、いち早く女性にも目を向けた社の方針とはなの才能が上手く適合したのだろう。

「親御さんもお喜びになるでしょう?」

「おうちは山梨の甲府ですか?」

「ええ」


面接官はどんな場所だか尋ねた。

「 … ブドウ畑と田んぼしかない所ですが、うちの庭からは富士山が見えます」

「へえ、富士山が?!」

「盆地なので、冬は寒くて、空っ風が冷たくて … 母の手はいつもあかぎれだらけです。

いつも私たちの心配ばっかりしてます」


何故か口をついて出てくるのは、ふじのことばかりだった。

「風邪ひいてねえか? 腹空かしてねえか? こぴっとやってるかって … 」

* * * * * * * * * *

「母は字の読み書きができなかったのに、私の知らない間に一生懸命、字の練習して … 私に初めてハガキを書いてくれました」

『はなの帰りを楽しみに待っています … 』

はなの耳にふじの声が聞こえた。

ふいに黙り込んで、俯いてしまったはなを見て、面接側の3名が不審な顔になった。

「 … 安東君、どうかしましたか?」

「ごめんなさい … 」


梶原に声をかけられても、はなは顔を上げることができず、泣き声だった。

ますます首をかしげる梶原たち。

「 … ウソなんです」

涙をぬぐいながらようやく顔を上げた。

「両親が賛成してくれているなんてウソなんです。

母はずっと私の帰りを待っています … この10年間、ずっと待っててくれたんです。

なのに、お母の気持ち全然分かってなくて … ああ、ほうじゃねえ … 本当は心のどっかで分かってたはずなのに、自分の都合のいいように気づかんふりしてただけずら」


また涙が溢れてきて止まらなくなってしまった。

* * * * * * * * * *

面接官のふたりは顔を見合わせている。

突然、はなは立ち上がって … そして、深く頭を下げた。

「ごめんなさいっ、私 … やっぱり、ここで働けません。

甲府に帰ります。

本当に申し訳ありません!」


あ然としている梶原たちを残して、部屋を飛び出してしまった。

* * * * * * * * * *

< はなはどうするつもりでしょう?

甲府に帰ったところで、仕事の当てもないのに … >

廊下をとぼとぼと歩いていると、向かいからきた男性とすれ違った。

「安東はなさん」

ぼんやりしていて気がつかなかったが、声をかけてきたのは村岡英治だった。

「あ … 村岡印刷さん」

「どうしたんですか?」


余りにもはなが沈んでいるので英治は心配そうに顔を覗き込んできた。

「 … まるで樹から落ちたナマケモノみたいな顔をしてますよ」

はなは抗議する気力もなかった。

落ちた? … そう、私は落ちたんだ …

「落ちたんです …

今日、面接をしていただいたんですけど」


はながそれしか話さなかったので、英治は面接官に落とされたものと勘違いしたようだ。

「ああ … そうでしたか … 」

はなのことを気の毒そうな顔で見つめた。

「いつぞやは、英英辞典ありがとうございました」

はなはそんなことを口走っていた。

あれ以来、会う機会に恵まれず、そのままになっていたことを不意に思い出したのだった。

本来ならば、このような場でついでのように礼を言うのは失礼なことなのだが …

「あの辞書を持って甲府に帰ります」

甲府に帰れば、英治とはもう二度と会うこともないだろうと思ったのだ。

「えっ、甲府に帰ってしまわれるんですか?」

意外そうな顔をした英治に言葉もなくうなずいて別れを告げ歩き出したはな。

* * * * * * * * * *

「 … ナマケモノは、樹にぶら下がりながら、夢を見てるんだろうと思います」

はなは首を傾げながら、振り向いて英治のことを見た。

「だから、あなたも夢を忘れないでください」

英治は、真剣なまなざしではなのことをじっと見つめていた。

< つくづくトンチンカンな人だとはなは思いました。

でも、どういう訳か … 少しだけ、はなの心は明るくなりました >

自分でも何を言っているのか自信がなくなったのだろう … 英治は照れ笑いしはじめた。

しかし、はなが吹き出して笑顔になると、ホッとしたように、今度はひときわさわやかな笑顔を見せた。

「ごきげんよう … さようなら」

はながお辞儀すると、英治も同じように頭を下げて返した。

< … ごきげんよう、さようなら >

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