NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年05月17日 (土) | 編集 |
第42回

1913年(大正2年)・3月。

< はなたちの卒業の日が近づいておりました >

『はな、この間の依頼の件 … 我らが母校に代用教員の口があったので、お願いしときました。

幸い、今日採用の返事をもらいました。

はな、おらと一緒に母校で働くじゃん』


仕事の当てもなく甲府に帰ることを決めてしまったはなだったが、朝市の奔走で、ようやく就職先が決まった。

4月から故郷甲府の母校、阿母尋常小学校の代用教員として教壇に立つのだ。

< という訳で、卒業後の職場も決まり、ひと安心なはなでしたが … >

「安東さん!」

このことを亜矢子たちに少しでも早く知らせたくて廊下を走ってしまったはなを、見咎めたのはかをる子だった。

「 … あなたは、最初から最後まで!」

仁王立ちでにらんでいるかをる子を見ても、はなは就職が決まった喜びで自然と顔がほころんでしまう。

「笑って誤魔化さないっ!!」

* * * * * * * * * *

「はなさん、本当に甲府へ帰ってしまうの?」

亜矢子にとって、はなの就職が決まった喜びより、離れる寂しさの方が大きいようだった。

「ええ、やっと代用教員の仕事も見つかったし」

「それはよかったわね … 私は家に帰って花嫁修業させられますの」


鶴子もどこか浮かない顔をしている。

「もうすぐ皆バラバラになるなんて寂しいわ」

卒業式を数日後に控えて、亜矢子も鶴子もセンチメンタルになっているのだろう。

取り分け亜矢子はいつもと様子が違って見えた。

「どうしたの ~ 幸せいっぱいの醍醐さんが?」

「 … 結婚やめたの」

「ええっ?!」


はなたちばかりか、談話室にいた生徒が皆驚いて亜矢子の周りを取り囲んだ。

「大変いい方でしたけど、白紙に戻させていただいたわ」

「ど、どうして?」

「その方と一緒に居てもちっとも『パルピテーション』を感じないんですもの」


< パルピテーションとは、ビビビビっと胸がときめくことでございます。

そんなものは、結婚が現実になれば、たいがい消えてしまうものなのに … >

* * * * * * * * * *

一方、福岡で孤軍奮闘している蓮子。

夫や娘との距離はなかなか埋まらず、女中たちからも疎まれ … 孤独な日々を過ごしていた。

『キリストのむすめとよばれほこりもて 学びの庭にありしいくとせ』

彼女が気を紛らすことができるのは歌を詠む時間だけだった。

< 蓮子は、はなと過ごしたあの頃を思い出さない日はありませんでした >

* * * * * * * * * *

< そして … >

はなが、亜矢子を連れて訪れたのは … 向学館の編集部だった。

「編集長、その節は大変ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」

平身低頭、謝罪するはな。

あの後、お偉いさんから嫌味を言われたり、散々な目にあった梶原だったが、さほど気にはしていないようだ。

「 … で、今日はどうしたの?」

「実は、私の代わりに紹介したい人がいるんです」


亜矢子は前に出て自己紹介をした。

「今、醍醐さんは人生の曲がり角にいるんです」

「そうなんです!

予定していた結婚を破談にしてしまい、両親を怒らせ、自活しなければならないのです。

この際、小間使いでも何でもいたします … どうかよろしく願いいたします!」


切羽詰まった顔で、頭を下げる亜矢子の勢いに飲まれて、あ然としている梶原に職員のひとりが口を挟んだ。

「編集長、こういう押しの強い人、入れた方がいいですよ」

「 … そうだな」


* * * * * * * * * *

梶原の計らいで、面接を受けた亜矢子は、ほどなく向学館編集部への就職を認められた。

「おめでとう!」

「はなさんのお蔭よ!」


手を取って喜び合うふたり。

そんな亜矢子を見て、下級生のひとりが意外な顔をして言った。

「醍醐様がまさか、職業婦人になられるとは思いませんでしたわ … 」

「あら ~ 私、結婚をあきらめた訳じゃなくってよ。

出版社で働きながら、パルピテーションを感じる方との出会いを待つの!」

「パルピテーション?」

「ときめきよ、ときめき … ねっ、はなさん」


* * * * * * * * * *

亜矢子の就職に沸く談話室に茂木と富山がやって来た。

「毎年卒業式で、ブラックバーン校長がスピーチをなさいます。

その通訳ですが … あなたやってみませんか?」


はなは、校長の通訳を務めてきた富山本人から思いもかけない大役を仰せつかった。

「 … やらせていただけるんですか?」

「すごいわ、はなさん ~ 有終の美を飾ってね!」

「有終の美になるとは限りませんよ。

皆にとって、一生に一度の卒業式を、あなたの通訳でぶち壊さないように … 」


重圧をかけるような言葉を残して富山は談話室から出て行った。

「 … これは、富山先生からはなさんへの餞別なんですよ」

茂木から富山の真意を聞かされたはなは、しっかりとうなずいてみせた。

「どうしよう … もう緊張してきた」

< プレッシャーで早くも心臓がバクバク … パルピテーションを起こすはなでございました >

* * * * * * * * * *

『お母、お元気ですか … かよも私も元気にしています。

茂木先生が、かよの奉公先を見つけて下さいました。

奉公先は、西洋人の先生たちの服を縫う洋服店です。かよはお針子さんの見習いとして、一生懸命頑張っています』


ただひとつの心配のタネだったかよの奉公先も無事に決まったことを、はなのハガキで知って、ふじは胸をなでおろした。

「 … 私も安心して、甲府に帰れます。

卒業式では、ブラックバーン校長の通訳を仰せつかりました。責任重大です。

こぴっとやるじゃん!」


ハガキを読み終えたももと顔を見合わせたふじは空を見上げて、はなへと声援を送った。

「こぴっと、はな頑張れし!」

* * * * * * * * * *

卒業式当日。

「ブラックバーン校長はじめ、先生方。長い間のお導きに、感謝申し上げます … 」

卒業生を代表して答辞を読む鶴子、いつも冷静沈着な彼女の声が震えていた。

涙を堪えているのだろう。

「 … ここで過ごした女学生時代ほど楽しい時代は、二度と来ないと思います。

私たちの生涯のうちで、一番幸せな時代は、この学校で過ごした日々です」


はなは校長の隣に座って、鶴子の答辞を通訳していた。

「 … 本当にありがとうございました」

鶴子がそう締めくくると、拍手が起こった。

式場内のあちらこちらではハンカチで涙をぬぐう卒業生の姿が見える。

* * * * * * * * * *

ブラックバーン校長は厳かに立ち上がり、はなはそれに従って壇上へと上がった。

「My girls.
Grow old along with me. The best is yet to be.」

「私の愛する生徒たちよ。

我と共に老いよ … 最上なものは、なお後に来る」

「If some decades later you look back on your time with us here and you feel that these were the happiest days of your life, then
I must say your education will have been a failure.」

「今から何十年後かに、あなた方がこの学校生活を思い出して … あの時代が一番幸せだった、楽しかったと、心の底から感じるのなら …

私はこの学校の教育が失敗だったと言わなければなりません」


はなは、校長の言葉に感銘を受けながら、そのメッセージを一字一句漏らさないように伝えようと必死だった。

「Life must improve as it takes its course.
Your youth you spend in preparation because the best things are never in the past, but in the future.」

「人生は進歩です。

若い時代は準備の時であり、最上なものは過去にあるのではなく … 将来にあります」


いつしか緊張と重圧は昇華され … 校長の言葉は、はなという口寄せを通して皆の心に伝わっていた。

「I hope that you pursue life, and hold onto your hope and your dream until the end of the journey. 」

「旅路の最後まで、希望と理想を持ち続け、進んでいくものでありますように」


はなが秀和女学校最後の大舞台で見事に大役を果たし有終の美を飾った瞬間だった。

* * * * * * * * * *

「(はなの通訳はどうでしたか?)」

ブラックバーン校長の問いに富山は迷うことなく答えた。

「(何も言うことはありません … 完璧でした)」

「(はな、私は心からあなたを誇りに思っています)」

「(ブラックバーン校長 … )」


無我夢中で努めた通訳を認められて、はなは感極まっていた。

「はなさん、立派でしたよ。

卒業しても、お励みあそばせ … 」

「茂木先生 … 」


はなのことを東京の母のように目をかけてくれていた茂木が微笑みうなずいている。

すると、富山ははなの前に歩み出てきた。

「あなたをこの学校の教師として迎えられなかったことは残念ですが … 」

「 … すいません」

「Every woman is the architect of her own fortune.

… 自分の運命を決めるのは、自分自身です」


はなのことを疎んじ、そして恐れ … ついには認めた富山からのはなむけの言葉だった。

* * * * * * * * * *

「安東はなさん!」

はなは今まで何百、いや何千回と数えきれないほど叱られ続けたその声に名前を呼ばれて身をすくめた。

「 … はい」

振り返ると、相も変わらずに鬼瓦の様な顔でかをる子が仁王立ちしていた。

しかし、今日は叱られるようなことはしていないはずだ。

思いを巡らせていると、かをる子は近づいてきた。

「私、ずっと黙っておりましたが、実は …

山梨の勝沼の出身でございます」

「てっ?!」


はなは仰天した … 勝沼といえば、甲府の隣りの町だ。

「おまんが最初に寄宿舎に来て、挨拶した時ゃあ、おらも『て』って思ったさ ~

訛りが懐かしくてたまらんで」


こてこての甲州訛り。

開いた口が塞がらないとはこのことだった … よくぞ10年間も隠し通したものだ。

茂木を始め、教師の皆も知っていたのに違いない。

「おらのしごきにも、華族のお嬢様たちにも負けんで、よく頑張ったじゃんね … 」

かをる子もはなと同じ給費生だったのだろうか?

「 … 甲府帰っても、こぴっとやれし!」

「はい」


ふいにはなは両腕を掴まれた。

「おまんは … 山梨の誇りじゃあ!」

力いっぱい抱きしめられて、はなは息がつまりそうだった。

「卒業おめでとう ~ 本当におめでとう!

本当におまんはよく頑張ったじゃんけ … 」


抱きしめながらも、かをる子はおいおいと泣きはじめた。

「白鳥様 … 」

彼女とも長いつきあいだった … はなも目頭が熱くなるのを覚えたが … とにかく苦しかった。

* * * * * * * * * *

皆に別れを告げて、はなは校門の外から改めて十年間過ごした学び舎を仰ぎ見た。

突然、鐘が鳴り始めた。

かをる子が去りゆくはなに手向けるために鳴らしているのかも知れない。

はなは前を向き、ゆっくりと長い坂を下り始めた。

< 卒業おめでとう、はな … ごきげんよう、さようなら >
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