NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年05月28日 (水) | 編集 |
第51回

「お父なんか … こんなお父なんか … おらたち家族に必要ねえ!!」

突然、4年ぶりに帰って来た父に、吉太郎は溜まりに溜まっていた怒りをぶつけ …

何ひとつとして知らなかった吉平は言葉を失って、ただただ涙するだけだった。

< いつの時代も父と息子は対立するものなのでしょうか … >

その晩、蒲団に入ってもなかなか寝付けなかったはなは、何だか胸騒ぎがして家の外に出た。

縁側に回ると、吉平がしょんぼりとして腰かけていた。

そっと近づくはな。

「お父、グッドイブニング」

「びっくりした … こんな夜中にどうしただ?」


それはお互い様だろう。

「お父こそ、またどっか行っちもうのかと思ったさ」

「 … もう、何処にも行くあてなんてねえ … まあ、このうちにもお父は必要ねえだろうけんどな」


吉太郎から叱責されて、吉平は何ひとつとして言い返すことができなかった。

知らなかったこととはいえ、家族にどれだけ辛い思いをさせてきたかを考えるといたたまれなかった。

自分自身が情けなかった。

「ほんなこんねえよ ~

お父はこのうちのこと何も知らなんだから、大急ぎで勉強してもろうさ … 宿題だって出すよ」

「宿題もけ?

… ありがとな、はな」


吉平は、こんな自分でも家族の一員として扱ってくれるはながありがたかった。

* * * * * * * * * *

「ねえ、お父 … 4年も何処で何してたで?」

はなは少し躊躇したが、思い切って吉平に尋ねた。

「 … どうして一度も帰ってこなんだの?」

すると、吉平は訥々と話しはじめた。

「お父は、東京である人の演説を聴いて、心をつかまれてな ~ 行商しながら、社会主義っちゅう思想を広げる伝道行商ちゅうのをしてただ」

「てっ、社会主義って … 警察が取り締まってるあの?」


吉平はうなずいた。

「今の社会は、苦労して働いてる労働者が報われねえで、金持ちばっかがどんどん裕福になる仕組みだ。

ふんだから、世の中変えるために、日本中あっちこっち駆けずり回ってただ」


しかし、心酔していた社会運動家の浅野たちが逮捕されるのを目の当たりにして … 仲間の国松と共に逃げ出した。

「 … お父が警察に手配でもされたら、家族皆に迷惑がかかる。

ほう思って必死で身を隠してただ」


連絡も入れず、家に戻らなかったのも、吉平なりに家族のことを思ってのことだったのだ。

* * * * * * * * * *

「お父、まだ隠れなきゃならんだけ?」

はなの質問に吉平は複雑な表情を見せた。

「いや … 全部お父の思い過ごしだった」

それは、最近になってのことだ … 秘かに東京に戻った吉平は、街で偶然に浅野と出くわしたのだ。

「浅野先生 … よかった、出所なさったんですか?」

「ええ、一ヶ月ほど前にやっと出られました」

「じゃあ、もう安全なんですか?」

しかし、浅野は完全に自由になった訳ではなく、今も見張りがついていることを吉平に告げた。

「安心してください ~ 心配しなくてもあなたは捕まったりしませんよ。

連中が追っているのは、小説家や出版社の人間、それに我々新聞社のような世間に影響力を持つ人間です。

ですから、あなたが逃亡する必要はないんです」

浅野の言葉で吉平は目が覚めた … そして、思い知った。

「 … 所詮お父は警察に追われるような大物でも何でもねえ、ただの行商じゃ … 家族の苦労なんかこれっぽっちも知らんで … 自分が恥ずかしい」

うなだれた吉平にはなは言った。

「お父 … Go to bed.

今日は取りあえず、ゆっくり寝るさ」

「ああ、この話は … お母には黙っててくれちゃあ」


はなは怪訝な顔をした。

「自分の亭主がこんなあほうだって知ったら、お母も悲しくなるら?」

* * * * * * * * * *

その時、はなの背後から手が伸びてきて肩をつかんだ。

「てっ!!」

飛び上がって驚き振り向くと、そこにはふじが立っていた。

「ほんなに驚くことねえら?」

「 … 全部聞いてただか?」


吉平は恐る恐るふじに尋ねた。

「あんたの情けねえ話は全部聞いたさ ~ 」

気まずい空気が流れて …

耐えられなくなったはなは縁側から腰を上げた。

「おら、明日早いから … おやすみなさい」

逃げるように家の中に戻ってしまった。

* * * * * * * * * *

ふたりきりになると、ふじは吉平のことを見つめた。

目をそらす吉平。

ふじはため息をつくと、二三歩前に出て、黙って月を見上げた。

「 … ふじ、長えことすまなんだ」

吉平は、知らん顔をしているふじの横にひざまずくと土下座した。

「この通りだ … 」

「まったく、世の中変える前に … 自分の頭ん中、変えた方がいいずらよ」

「 … はい」


何を言われようが、返す言葉も見つからない吉平。

「ふんだけんど …

あんたが大物じゃなくってよかった ~ あんたが小物なお蔭で、こうして無事に帰って来られたずら?」

「ふじ … 」


ふじもしゃがみ込むと吉平の手を取った。

「 … お帰りなさい」

吉平もふじの手を握り返した。

「 … ただいま」

… 月だけが見ていた。

* * * * * * * * * *

< その頃、福岡の嘉納伝助の屋敷では、有名な演奏家を呼んで演奏会が催されていました。

嘉納家の教育改革のために蓮子が企画したのです >

伝助と冬子だけでなく使用人たちも広間に集められ、演奏のために呼ばれたのは著名なバイオリニストの面々だった。

蓮子が演奏に聞き入っていると、隣りから雑音が聞こえてきた。

目をやると、伝助が煎餅をかじっているではないか … 咳払いをしても知らん顔で、冬子にまで与えている。

何回目かの咳払いでようやく気づいたが、何を勘違いしたのか蓮子にまで勧めてきた。

蓮子は煎餅の入った器ごと取り上げた。

「おっ、何しようとか?」

「演奏中はものを食べないでください」


伝助は不満そうな顔をしたが、蓮子の言うことに従って、冬子からも煎餅を取り上げた。

しばらくすると今度は、湯呑を手に取って音を立てながら茶を飲み始めてしまった。

* * * * * * * * * *

演奏が終わり、蓮子は演奏家たちに平に謝罪していた。

「本当に申し訳ございませんでした。

… この家の者たちは、教養も礼儀もわきまえていなくて、本当にお恥ずかしい限りです」


その様子を襖の外で聞いていたのは、女中頭のタミだった。

* * * * * * * * * *

「一体何なのですか ~ あの振舞は?

美しい演奏の最中に煎餅は食べるは、大あくびはするわ … おまけにお酒まで持ってこさせて … 失礼にもほどがあります!」


厳しく咎め、なじる蓮子に伝助はうんざりした顔で反論した。

「金を出しちょるとは俺ぞ ~

俺が好きなごと聞いてなんが悪いとね?」

「演奏会には、演奏会のマナーというものがあります」

「そげなこつ俺は知らん!」


聞く耳を持たない伝助は盃の酒を一気に呷った。

「では覚えていただきます … 学んでいただきます!」

「もうよかっ!」


声を荒げて立ち上がった伝助、待ち構えていたようにタミが顔を出した。

「旦那様、お出かけですか?」

伝助の肩に羽織をかけながら、聞こえよがしに先ほどのことを言いつけた。

「お客しゃんに旦那様んこつを恥かしいとか言う方が、妻としてよっぽど、どげんかしちょるち思いますばいうちは」

腹に据えかねた蓮子も負けてはいなかった。

「どげんかしてるのはどなたでしょう?

毎日そうやって蔭口ばっかり叩いていらっしゃるの、私が知らないとでも思っているんですか?!」

「もうよかっ、せからしか … 俺は出て来る!」


伝助は一喝すると、出かけて行ってしまった。

* * * * * * * * * *

『寂しさの ありのすさびに 唯ひとり 狂乱を舞ふ 冷たき部屋に 白蓮』

その夜、蓮子が孤独な気持ちを詠んだ歌だ。

< … ごきげんよう、さようなら >

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