NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年05月30日 (金) | 編集 |
第53回

家族皆が寝静まった夜。

紡いだ生糸を束ねているふじ、その後ろに吉平がむすっとした顔で座っている。

「おまんは知ってただけ?

吉太郎が軍隊入って、もうここには戻らんてこと」


吉平がふじに尋ねた。

「 … ちっとも知らなんだ。

吉太郎は誰にも相談しなんで、全部自分ひとりで決めただよ」

「いいだか、ふじは?」

「今まであの子はずっと、家族のために頑張ってきただから … やりてえようにさしてやりてえさ」


うなだれて黙り込んだ吉平に今度はふじの方から尋ねた。

「あんた、本当は寂しいずら?」

「ああ?」

「はなの縁談も、頭ごなしに反対するのは、嫁に行かれたら寂しいからじゃねえだけ?」


図星だったのか、ばつが悪そうな顔をした吉平は、思い出したように行商の荷物の中から小さな赤い袋を取り出した。

「ずっとバタバタしてて渡しそびれてたけんど、これおまんに土産だ」

袋の中の櫛をふじに差し出した。

「てっ?! … いらん」

突き返されてしまった吉平は肩を落とした。

「まだ怒ってるだけ?

ほりゃほうだな … 4年もほったらかしで、本当にすまなんだ」

「 … ほうじゃなくて、櫛はいらん」


ふじは棚の引き出しに入っていた小箱を開けて吉平に見せた。

「おらにはこれがあるさ」

ふじが手に取ったのはふたりがまだ所帯を持つ前に吉平が贈った櫛だった。

「てっ、まだほんな古い櫛持ってただけ?」

「当り前さ ~ これはあんたからもらったたったひとつの贈り物じゃん」


ふじはにっこりと笑った。

「ふじ … 」

吉平がその手で髪にさして、よく似合うと褒めてくれたことをふじは決して忘れてはいなかった。

吉平はふじの手から櫛を取ると、あの時のように髪にさしてやった。

「やっぱし、ふじによく似合う」

ふじの肩に手を置いてセリフまで同じに言うと、ふじは吹き出した。

「これは、はなかももにあげてくりょう」

* * * * * * * * * *

土産の櫛を手にしてそう言った時、突然障子が開いてはなが入ってきた。

「おらはいいから、ももにあげてくれちゃ」

慌ててふじから離れる吉平。

「はな、まだ起きてただけ?」

「 … おらは今の話聞けただけで十分だ」


悪いとは思いながら、両親の会話をすべて聞いてしまったはなだった。

「てっ、聞いてただけ?」

「 … ああ、今日はくたびれた ~ もう寝るだ … 」


きまりが悪くなった吉平は、そそくさと寝床に入っていってしまった。

* * * * * * * * * *

ふじが頭から櫛を外して大事そうに箱にしまうのをはなは微笑みながら見ていた。

「お母はお父と結婚して、幸せだった?」

「ええ?

ほうだね ~ うん、お父と結婚したお蔭で吉太郎も、はなも、かよも、ももも生まれてきただし … 時々いなくなるお父だけんど …

うん、お母はこれでよかった ~ 幸せだ」


母の言葉を聞いてはなはうなずいていた。

「おらやっと分かった気がする …

おらもパルピテーションのある結婚がしてえ!」

「ぱ、ぱる、ぱ、ぱ … ?」


胸がどきどきときめくことだと、はなは説明した。

「ああ、よく分かんないけんど … 見っかるといいね、はなのぱ、ぱ、ぱ … 」

「お母は見っけたじゃん!

お父はお母のパルピテーションだよ」


< さて、はなのパルピテーションの人は一体、誰なのでしょう? >

* * * * * * * * * *

はなは想像のツバサを広げてみた。

目の前に望月啓太郎が現れた。

「あい・らぶ・ゆう」

「てっ、ありがとうございます」

思わず礼を言うはな。

< さて、次は誰でしょう? >

「アイ・ラブ・ユー、はなたれ」

徳丸武が現れた。

「ないないないっ!」

思いきりかぶりを振るはな。

< はいっ、次! >

生徒たちを背にした朝市だった。

「はな … あ、あい、あ … 」

「朝市、無理して言わんでいいから」

< さて … 次は? >

「アイ・ラブ・ユー」

ナマケモノの絵を手に持った、村岡英治だった。

「てっ … 何で、村岡印刷さんが?!」

「花子さん、こっちが聞きたいです」

< どうして、ここで彼の顔が浮かんだのか … はなは不思議でした >

空想の中、はなの身の回りにいる男性たちが次々に求愛しては消えていった。

しかし、その中の誰にも特別パルピテーションを感じることがなかった。

「武じゃないってことだけは分かったけんど … 」

* * * * * * * * * *

夏休みに入って、はなは教会の図書室で新たな童話の執筆にかかっていた。

しかし、なかなか筆は進まず、何かにつけまだ見ぬパルピテーションの人のことばかりに思いを巡らせてしまうのだ。

そこへ朝市が数名の生徒を引き連れてやって来た。

「はな先生、また想像のツバサ広げてるみてえだな … 」

朝市は生徒たちに静かにするように合図して、忍び足ではなに近づいて行った。

はなはまったく皆に気づかない。

「ごきげんよう!」

耳元でキヨシに声をかけられて、ようやく現実の世界に戻って来た。

「てっ、皆どうしたで?」

大笑いする生徒たちを見て目を丸くした。

「はな先生は本の部屋に居るって言ったら、皆ついてきただ」

「はな先生、お話聞かしてくりょう」

「みみずの女王みてえな面白れえ話が聞きてえ!」

「ええっ? ほうだね … 」


はなが考えていると、キヨシが机の上の原稿用紙を手に取った。

「新しい話、書えてるじゃんけ」

「ああ、そりゃあまだだめ!」


取り上げようとしたが、生徒たちは「読んで、読んで」とせがんできた。

* * * * * * * * * *

「 … では、安東先生が新作の童話を読みます」

「朝い … じゃなくて、木場先生?!」


はなは朝市を咎めたが、生徒たちはすでに机の周りを取り囲んで、期待満々はなのことを見つめている。

仕方なく肚をくくったはなは、書きかけの童話を読み始めた。

* * * * * * * * * *

「それじゃあ、読みます。

『お日さまとつゆ』

夏の朝でした。

青い草の葉の上につゆの玉が休んでおりました。

お日さまがつゆの玉の上に照りましたから、つゆはぴかぴか光りました。

青い草の葉とつゆの玉は、大層仲良しのお友達でした … 」


そこまで読み終えた時、朝市は人の気配を感じて入口を見た。

「ああ」

はなは会釈した朝市の視線の先を見て仰天した。

立っていたのは、望月啓太郎だった。

< 望月さんはしびれを切らして、はなの返事を聞きにきたのでした >

* * * * * * * * * *

「お返事遅くなって本当にすみません」

はなは啓太郎に頭を下げた。

先日も、街で甚之介に会ったももから、早く返事をするようにと催促されたと伝えられてはいたのだが … そのままになっていた。

「こちらこそ、こんなところまで押しかけて」

気を利かせて出て行ったはずの朝市と生徒たちだったが、やはり気になって、入口に近い本棚の陰で様子をうかがっていた。

「望月さん。

私は望月さんと結婚したら、幸せになれると思います。

私だけじゃなくて、うちの家族も幸せにしてくれると思います。

… こんなにいい縁談断ったら、罰が当たります」


はなは言葉を選んで話していた。

「ほれから、あの … 私、結婚にはパルピテーションが大切だと思うんです。

つまり、胸がときめくことです」


啓太郎も納得して笑いながらうなずいた。

「お会いするのはまだ二回目ですけんど、これからもっともっと色々お話をして、お互いのことをもっと知っていくうちに … そういう瞬間があるかも知れません。

その時が来たら、こぴっと決断したいんです」


はなは啓太郎の表情の変化に気づかなかったのか …

「 … そんな訳であの、もう少し考える時間をいただけますか?」

* * * * * * * * * *

「ほれは考えるものではなく、感じるものではねえでしょうか?」

「えっ?」


啓太郎は黙って何かを考えている。

「あの、望月さん?」

「はなさん。

この話は白紙に戻させてくりょうし」


予想しなかった啓太郎の言葉に驚くはな。

「てっ … どうして?」

「先日あなたにお会いした時、僕はときめきました。

だけんど、あなたの方はほうじゃなかった。

… 残念だけんど、ご縁がなかったようです」

「望月さん … 」


啓太郎は席を立って一礼すると出口に向かって歩き出した。

「ごきげんよう、さようなら … 」

はなはそう言うだけで精いっぱいだった。

* * * * * * * * * *

啓太郎は、本棚の陰にいた朝市たちに気づいて軽く会釈をして部屋を出て行った。

すると、はなが慌ててその本棚の前に飛んできた。

「てっ!

皆、ほんなところで何してるで?!」

「は、はな … お、落ち込むことねえじゃんけ」


そう言いながら朝市は顔がにやけるのを止められなかった。

生徒たちも一斉に笑い出した。

「何笑ってるで?!」

「てっ、はな先生振られちまった!」


子供は正直だ ~ キヨシが、そのものズバリを口にした。

「行き遅れても知らんよ!」

「こらああ ~ !!」


はなが声を上げると、クモの子を散らすように逃げ出した。

笑いながら、追いまわすはな。

ひとりきりだったら、本当に落ち込んでしまったかもしれない … 生徒たちがいたお蔭で、はなはきれいさっぱりとあきらめることができた気がした。

< こうして、はなの縁談は終わったのでした。

… ごきげんよう、さようなら >

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