NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年06月07日 (土) | 編集 |
第60回

< はなは書き上げた新作をかつて働いたことのある出版社、向学館に持ち込むことにしました >

「あれ、安東君じゃない?」

「梶原さん、ごきげんよう」


編集長の梶原は、はなを笑顔で迎えてはくれたが、先約との打ち合わせが入っていて忙しそうだ。

取り合う暇もないようで、はなはその場で待たされた。

「ちょっと邪魔、どいて」

邪見な物言いで、はなを避けさせて偉そうに編集部に入ってきたのは、どこか見覚えのある女性 … 化粧も濃くなり、着物も上等なものに変わっているが、かつてはなと同時期に『児童の友』賞を受賞した宇田川満代だった。

「宇田川先生、お待ちしておりました」

梶原が待っていた打ち合わせの相手の満代は職員たちに丁重に扱われれながらソファーに腰かけた。

そんな満代を見て、はなは明らかに気おくれしていた。

< どうした、はな ~ こぴっと売り込むんじゃなかったの? >

* * * * * * * * * *

「いやあ、面白いですね」

梶原は満代の原稿に目を通しながら絶賛している。

「 … 売れっ子の小説家にすぐになってみせます!」

< 宇田川満代は、あの言葉通り人気作家になっていました。

それに引き換え … >

「あら、どっかで見た顔だと思ったら、『みみずの女王』の … ?」

満代は、はなのことに気づいたが、名前までは出てこないようだ。

「そうです、一緒に『児童の友』賞を受賞した安東さんです」

梶原ははなに満代に挨拶するよう促した。

「 … どうもご無沙汰しております」

梶原からはなも新作を書いたことを聞くと、満代は少しだけ興味を示した。

「ふ~ん … あなた、もう書くのは辞めて田舎で教師やるとか言ってなかった?」

「ええ、でも … 」

「ちょっと見せて」


満代は、はなが手のしていた封筒をサッと奪うと、承諾も得ずに原稿を取り出してしまった。

「『たんぽぽの目』 … 相変わらず、ぬるい作文みたいな題ね」

パラパラとめくっただけで、はなのことをにらみつけた。

「こっちは命がけで書いてんのよ …  田舎教師の趣味と違うの」

無碍もなく、原稿を突き返してきた。

* * * * * * * * * *

気迫負けしたはなはふと梶原の机の上に目をやった。

送られてきた原稿らしき封筒が山積みになっている。

< これでは、いつ読んでもらえるか分かりません >

はなは意気込んでいた気持ちがみるみるうちにしぼんでいった。

「はなさん、お久しぶり」

そこに声をかけてきたのは醍醐亜矢子だった。

「醍醐さん?!」

以前よりまたいちだんと華やかな洋装姿の亜矢子にはなは目を見張った。

「編集長、今日はずっと打ち合わせだから … 明日、出直した方がいいわ。

必ず読ませるから」


亜矢子はそう言って、はなの原稿を預かった。

* * * * * * * * * *

その晩、はなはかよの部屋に泊まった。

「ちっくいけど、ここがおらのお城」

こじんまりとして小奇麗に片付いた部屋に裁縫の道具の他、ミシンまで置いてある。

「うん、洋服店の旦那さんも女将さんもいい人でよかったね」

店の様子やこの部屋を見ただけでも、かよが大事にしてもらっているのがよく分かって、はなは安心していた。

* * * * * * * * * *

久しぶりに会った姉妹は積もる話に花を咲かせた。

「かよに話したいことがいっぱいあるさ ~ 手紙に書ききれんかったこともたくさんあっただよ」

「おら、いっとうびっくりしたのは、もものことじゃん。

あの子がこんなに早くお嫁に行くとはね … ほれも北海道なんて」


話がもものことに及ぶと、はなは不機嫌な顔になった。

「おら、まだ納得できんことがある。

ももは、朝市のことが好きだったのに …

もも、こぴっと朝市に気持ちを伝えただよ」


うなずくかよ。

「ほれなのに … 」

「朝市の方から断っただね?」

「 … うん」

「ほれで、ももは北海道なんて遠い所へお嫁に行っただけ?」

「おら、朝市のことが許せなくて …

もも、一生分の勇気を振り絞って朝市に気持ちを伝えただと思う。

ほれを断るなんて … 男の風上にも置けねえ!」


憤るはなにかよは神妙な顔で訊いた。

「お姉やん、何で朝市がもものこと断ったか本当に分からんの?」

「分からんから怒ってるだよ ~ もも、あんなにいい子なのに」


* * * * * * * * * *

「お姉やんは誰かを本気で好きになったことねえの?」

唐突な問いかけに、はなは答えることができなかった。

「本当に好きになったら、他の人と取り換えなんて利かないさ。

朝市が本当に好きなのは … 」


かよははなをまじまじと見つめた。

「 … きっと、ほういう取り換えの利かねえ相手なんだよ」

かよはお茶と一緒にその相手の名前を飲み込んだ。

「かよ … 知らんうちに大人になっただね」

しきりに感心してニヤニヤしているはな。

ここまで言っても、まったく気がつかない姉の鈍感さに半ば呆れているかよ。

「お姉やんは、ちっとも変わらんねえ」

「てっ、ほんなあ … 」


< 確かに、3人姉妹の中で恋愛問題に一番疎いのは、はなかも知れません >

* * * * * * * * * *

一方、甲府の安東家。

聞こえてくるのは、ふじが生糸を紡ぐ音と周造が草鞋を編む音だけだ。

「静かじゃんね ~ 」

「そうさな … 」


その静けさを破るかのように、となりのリンが顔を出した。

「やだよ ~ ここんちは、お通夜みてえじゃん」

「リンさん、お出でになって」

「はなちゃん、東京行っただと?」


自分が書いた作品を出版社に持ち込んだと知って、困惑顔になった。

「本当に小説家になる気ずらか?

… 困ったねえ」

「何でおまんが困るで?」


訝しがる周造。

「うちの朝市だけんど … 縁談があっても断ってばっかしだからおかしいと思って、おらこぴっと考えただ」

リンは腕を組んで首をかしげる仕草をした。

「ひょっとしたら ~ 心に決めた人がいるずらかって」

ここにもひとり、はな級の鈍感がいた … いや、そのことに気づいただけ、はなよりは少しましかも知れない。

ふじも周造も黙って聞いている。

「 … ほりゃあ、はなちゃんじゃねえかって!」

リンは確信した顔をしてみせた。

「リンさん、お母のくせに今っ頃気づいただけ?」

「そうさな ~ 」


顔を見合わせて笑ったふたりを見て、仰天するリン。

「てっ、やっぱしほうけ?!

何でふたりとも言ってくれなんだで ~ 」


* * * * * * * * * *

かよと枕を並べて寝床に入ったはなは、はじめて弱音を口にした。

「勢いで出版社に持ち込んでみたけんど、宇田川満代さんに会って圧倒された。

小説一本でやってく人は、やっぱり違うさ」

「本当に小説家になりてえなら、何だってできるはずじゃん。

お姉やんが本当に本気なら … 」

「かよの言う通りかも知れねえ … 本当は自信がないの」


はなは自嘲気味に笑うとスタンドの灯りの中、かよの顔を見た。

「 … かよは何でも自分で決めて、いっつも前に進んで偉いじゃんね」

かよはにっこり笑ってスタンドを消した。

「おやすみ ~ 」

あっという間に目を閉じてしまった。

はなも暗がりの中、天井を見つめて考え込んでいるうちに眠りに落ちていった。

* * * * * * * * * *

翌日、はなが向学館を再び訪れると、梶原はちょうどはなの原稿に目を通している最中だった。

亜矢子の案内で梶原の前のソファーに座らされたはなは目一杯緊張しながら待った。

読み終えた梶原は、難しい顔をして腕を組み、そして口を開いた。

「君は小説家になるには普通すぎる … と言ったよね?」

「はい、あきらめた方がいいと言われました」

「君の新作は、ひどく普通だ」


ある程度予想していた評価だった。

「 … 平凡すぎる私が本を出したいなんて、やっぱり無理ですよね」

傍らの亜矢子も梶原の言葉に表情を曇らせている。

「分かりました … あきらめます。

お時間取らせて申し訳ありませんでした」


しかし、面と向かって言われると、さすがにショックは大きく動揺を隠すことができなかった。

「はなさん … 」

「 … 安東君」


梶原が何かを言いかけたのを制して、はなは立ち上がった。

「あ、あ … 大丈夫です。

慰めとかそういうのは一切いりませんから … これでこぴっとあきらめがつきました」


顔をひきつらせながらそう答えた。

「ありがとうございます … ごきげんよう、さようなら」

頭を下げると、慌ただしく出口に向かおうとした。

一秒でも早くここから逃げ出して、甲府に飛んで帰りたかった。

* * * * * * * * * *

「話は最後まで聞きたまえ!」

梶原は少し怒ったような口調で呼び止めた。

「この作品は何気ないありふれた日常を切り取っている。

ささやかな暮らしの断片に光を当て、奇をてらったところが少しもない」


はなの作品の平凡な点をあげつらった後、梶原はひと言つけ加えた。

「 … そこが実にいい」

はなは少し混乱しながら、梶原の言葉に耳を傾けた。

「君は平凡さを逆手にとって、素晴らしい作品を書き上げた。

洗練された平凡、それは直ちに非凡さに通じるものだ」


梶原は、自分の作品を褒めていることをようやくはなは理解した。

「是非、出版させてくれ」

はなは俄かに信じることができず、梶原に聞き直していた。

「 … 本にしていただけるんですか?」

すると、梶原は立ち上がって右手を差し出してきた。

「よろしく」

はながおどおどと差し出した手で握手をすると、亜矢子が飛びついてきた。

「おめでとう、はなさん … じゃなかった。

安東花子先生、おめでとう!」


< はなは、ふわふわと、何処かへ飛んで行きそうな気分でした。

遂に、『花子』の名前で本が出版されるのです >

* * * * * * * * * *

< その頃、朝市は … >

「朝市さんも … こぴっと伝えんきゃダメだよ」

教会の図書室で、旅立っていったももが残した言葉を思い返していた。

「よしっ」

< 朝市は決意していました。

はなが東京から帰って来たら、今度こそ気持ちを打ち明けようと … >

「安東はな様 … 」

それでは、少し堅苦しいかと思い直し、呼吸を整えてもう一度、はじめから言い直した。

「はな … おら、ずっとはなのことが好きだっただ。

結婚してくりょう!」


* * * * * * * * * *

原稿を預けて甲府へ戻るはなを梶原と亜矢子が見送りに出てきた。

「今度こそ、安東花子の名前で出していただけるんですよね」

「もちろん。

ただし出版社はここじゃない」


そう言いながら、梶原は亜矢子と目くばせをした。

「 … 実は近々、出版社を作ることになったんだ」

「私も編集長についていくの」

「醍醐さんも?!」


梶原は一冊の雑誌をはなに見せた。

「この『赤い鳥』のような児童向けの本を作りたいと思ってる」

独立後の第一作目として『たんぽぽの目』を出版したいという。

「 … どうかな?」

「ありがとうございます」

「もし君が本気で執筆を続けていく気があるなら、東京に来ないか?

新しい会社で一緒に働いてほしい。

きっといろんな出会いがあるだろうし、君にとってもいい勉強になると思う」


思いもかけない梶原の提案。

「はなさん、一緒に頑張りましょう!」

「て … 」


ただただ驚くばかりのはなだった

< この続きは、また来週。

… ごきげんよう、さようなら >

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