NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年06月12日 (木) | 編集 |
第64回

一命は取りとめた周造だったが、医師の診断によると心臓がかなり弱っていて、次に発作が起きた時は覚悟するようにと宣告されてしまった。

「おらのせいだ ~

あの女のことに気取られて、お父やんひとりに畑仕事押し付けちまって … 」


ふじは自分を責めて、嘆き悲しんでいる。

「ふじ、俺で手伝えるこんあったら、何でも言ってくりょう」

「おまんにふじちゃんが素直に頼める訳ねえら!」


リンから叱責された吉平は、反論することもできずに「医者を送ってくる」と出て行ってしまった。

* * * * * * * * * *

症状は安定しているものの、夜になっても周造の意識は戻らなかった。

「お母、おらが見てるから少し休めし」

「おまんは明日も学校があるじゃんけ」


ふじは、思いつめた顔で周造の傍から離れようとはしない。

「 … 寒くねえかな?」

空気が大分冷えてきたので、周造の襟元を気にした。

「お祖父やんの掻巻取ってくる」

納屋へ入ったはなは、たたまれた掻巻の上に『たんぽぽの目』が置かれているのを見つけた。

* * * * * * * * * *

ふじが周造に掻巻を掛けると、はなは枕元に本を置いた。

「はなの本、どっから持ってきたでえ?」

「お祖父やんの寝床に置いてあったさ」

「て、お父やん字が読めねえのに … 」


孫のはなが初めて書いた本だから大事に持っていたのだろう。

「明日、学校から帰って来たら、読んであげてくりょう … きっと、元気でるら」

微笑んでうなずいたはなは、心の中で自分の気の利かなさを後悔していた。

もっと早く読んで聞かせてあげればよかった … 本を出したことで満足してしまっていたのかもしれない。

忙しさにかまけて、家族のことをないがしろにしていたのではないのか?

そう思ったら、両親のことが気になりだした。

「 … お母、お父のことこのままでいいの?」

思い切って訊いてみたが、ふじは黙ってはなの顔を見つめただけだった。

このままでいいと思っているはずはない … しかし今は周造のことでいっぱいいっぱいだ。

そして、お父の方は … 今自分が何をするべきなのか?

薄寒い教会の図書室で毛布にくるまりながら必死に考えていた。

< 吉平もその夜は、一睡もできませんでした >

* * * * * * * * * *

「はな、大丈夫け?」

休み時間、廊下でぼんやりしていたはなに朝市が声をかけてきた。

「おらは大丈夫ら … ふんだけんど、お母は寝なんでお祖父やんの看病をして、ほのまま畑へ行った」

「ほうか … おばさんまで倒れんきゃいいけんどな」


はなも、周造が倒れたことに責任を感じて無理をしているふじのことが心配だった。

「おらにできることがあったら、何でも言ってくりょう」

はなは素直にうなずいた。

「 … うちのお母もお節介やきた焼きたがってるけんど、あのおしゃべりが行っちゃあ、周造祖父やんもやかましくておちおち寝てられんら」

少しでも和ませようとして言った冗談にも、今のはなには応える余裕がないことに朝市は気づいた。

「大丈夫、きっと元気になるさ」

その言葉にようやく力なく笑ってみせた。

「ありがとう … 」

* * * * * * * * * *

「おまん、商売している場合け?」

店先に商品を受け取りに顔を出した吉平を見て、甚之介は不審な顔をした。

「周造さん倒れて、大変だったらしいじゃん」

「ああ … 」


吉平は気のない返事をした。

「まさか、まだうちに帰っていんだけ?」

「ふじが許しちゃくれんら … 」


甚之介は人払いをすると、吉平の傍にしゃがみ込んだ。

「おまん、本当にふじちゃんを裏切るようなことしてないだけ?」

「いや … 俺は、やってねえ … と思う」


このはっきりしない態度がふじを怒らせたのだ。

「ふんだったら、してねえだ!

… ほういう時こそ、ふじちゃんの傍にいてやるべきずら」

「ふんだけんど ~ やっぱし、俺にできるこんちゅうのは、行商で金稼いで早く借金返すぐれえで … 」


すると、甚之介は声を荒げた。

「おまんはバカけ?

金貸してるわしが、行商なんやめてうち帰れってんだ!」


吉平をひと晩しか泊めなかったのもそんな思惑があってのことだった。

「今、ふじちゃんが心っから頼れるのは誰でもねえ … 亭主のおまんずら?」

* * * * * * * * * *

安東家。

周造が意識を取り戻した時、はなは学校、ふじは畑仕事に出かけている最中だった。

ふと顔を傾けると、傍らにはなの本が見えた。

周造は蒲団の中から腕を伸ばして本を手に取った。

ページを開いてみたが、文盲の周造には何が書いてあるかさっぱり分からない。

周造は『たんぽぽの目』がどんな物語か未だに知らないのだ。

本を閉じて、ぽつりとつぶやいた。

「ああ、字が読めたらなあ … 」

今ほどそう願ったことはなかった。

「あの … 俺でよかったら読みますけど … 」

襖からおそるおそる顔を覗かせた吉平が遠慮がちにそう申し出た。

甚之介に諭されて、周造の様子を見に来ていたのだ。

周造は吉平のことをにらみつけた。

「 … 失礼しました」

吉平は出過ぎた真似だと思い直して、頭を下げて立ち去ろうとすると … 

「待て … 」

周造が呼び止めた。

「おまんしか居ねえだから、しょうがねえら」

* * * * * * * * * *

吉平は本を手にすると、周造の横に正座をした。

「ふんじゃあ、読ましていただきます …

『たんぽぽの目』

百合子はひとりっ子でしたからお友達が遊びに来ない時は、寂しくてたまりませんでした … 」


読みはじめてから、しばらくして周造の顔を見ると、目を閉じていてまるで眠ってしまったみたいだった。

「あれっ … お祖父やん、つまらんですか?」

すると、周造は目を開けて吉平を見上げた。

「はなの話がつまらん訳ねえら!」

そう言って、また元のように目を閉じてみせた。

「こうして目をつぶった方が景色が浮かぶだ」

それは、幼い頃のはなから教わった、『空想のツバサ』の使い方だった。

「さっさと続きを読めし」

周造から急かされて吉平は物語の続きを読みだした。

* * * * * * * * * *

「 … 私、大きくなったらお歌を作る人になりたいの ~ なれるでしょうか、どうでしょうか … 

お父さんもこれからは、たんぽぽを邪魔だなんて言わないようにしようね ~ お父さんは優しく百合子の頭をなでました。

… おしまい」


吉平が物語を読み終えると、目を開けた周造は手を出して本を受け取った。

「はなは本当に面白いボコだったな ~ 」

「ええ、神童ですから」

「おまんが、東京の女学校へ入れるって言い出したときゃあ、とんでもねえこんになったと思ったけんど …

はながこうして本を出すようになるとはな」


本の表紙をじっと見つめている。

「婿殿が変わり者だったお蔭かも知れねえな」

吉平は笑って聞いている。

* * * * * * * * * *

「はっきり言って、おまんのことは、ふじが結婚してえって連れて来た時っから … ずっと好かなんだ」

「 … 知ってました」

「こっちから見る富士山が『裏富士』だなんて言い腐って … 」


何気なく口にしたひと言、それが嫌われるきっかけになっていたのだ。

「ひとつ屋根の下に居て、目も合してくれなんだ … 」

「そうさな ~ 」


周造は苦笑いした。

我ながら子供じみているとは思うが、富士の表裏はどうしても譲れないことであり、頭に血が上ってしまうのだ。

* * * * * * * * * *

「お義父さん、このたびはいろいろ、ご心労をおかけして … すまなんだです」

吉平は突然頭を下げた。

周造が倒れたのは、ふじのせいではない、自分のせいなのだ。

「あのサダとかいう女とは何もなかったずら?

よう考えてみりゃ、おまんはほんな甲斐性のある男じゃねえら」


周造には分かっていたのだ。

「ふんだけんど、ふじはほう簡単には許さねえど ~

あいつは、噴火すっとおっかねえからなあ」

「 … 名前が『ふじ』ですから」

「ああ」


周造が笑い、吉平も笑った。

長い間、お互いを避け続けてきた舅と婿のふたりがはじめて心が通い合った瞬間だった。

「婿殿 … 」

「はい」

「わしゃもう、そう長くはねえ … ふじのこと、こぴっと頼むぞ。

子供たちのことも頼んだぞ」


吉平はしっかりとうなずいてみせた。

その姿を見て、周造は満足そうに微笑んだ。

そしてまた目を閉じた。

「 … もう一遍、読んでくりょう」

< その日、吉平は周造にせがまれ、何べんも何べんも、はなの小説を読みました >

吉平は目頭が熱くなるのを感じながら本を読み続けた。

< … ごきげんよう、さようなら >

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