NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年06月25日 (水) | 編集 |
第75話

「結婚? … 英治さん、結婚なさってたですか?!」

かよは郁弥との話の中で、英治が既婚者であることを知ってしまった。

はなの恋は道ならぬ恋だったのだ。

* * * * * * * * * *

次の朝。

かよは昨夜からずっと、はなに英治のことを告げるべきか迷っていた。

傷つけることにはならないか、却って寝た子を起こすようなことにはならないか …

「何?」

じっと見つめていると、はなが怪訝な顔をした。

かよは肚を決め、膝を正した。

「お姉やん、村岡さんのお兄さんの方どう思う?」

「 … どうって?」

「お姉やん、あの人のこと好きずら?」

「てっ、何言うで ~ ほんなこん … 」


いきなり確信をつかれ、はなは狼狽えてしまった。

「 … おら、あの人は止めた方がいいと思う」

理由は言わないで、先ずはそれだけを告げた。

「かよ … 」

はなは思った。 … かよがそんなことを言い出すには何か訳があるのだろうと。

「止めるも何も、言われただよ」

「何て?」


かよは心配そうな顔で訊いた。

「『忘れてください』って … 」

「てっ、本当け?

… お姉やん、振られたのけ?」


はながうなずいたのを見て、かよの顔に安堵の色がみえた。

「何だ ~ ほうか、よかったよかった」

思わず笑顔になって、口に出して喜んでしまったが … 慌ててはなに謝った。

「 … ごめん」

「ううん、もういいの」


かぶりを振ったはなはさばさばとした顔で笑いはじめた。

「本当にお父の言う通りさ ~

まったく、東京の男は何を考えてるだか分からん」

「ほうだよ … おらたちみてえな田舎もんはこぴっと気つけんと」


振られた後遺症もそれほど感じられず、改めて胸をなで下ろしたかよだった。

* * * * * * * * * *

昼下がりのカフェー・ドミンゴ。

件の老紳士がコーヒーを飲みながらくつろいでいる。

ポケットの懐中時計を確認して、勘定に立った。

「ごちそうさま」

「もうお帰りですか?」


いつもより随分早い時間に退店するので、かよは気になった。

「今日のコーヒー、お口に合いませんでした?」

「いやあ、大変美味しかったよ ~ ちょっと約束があってね」

「てっ … 逢引きですか?」

「てっ … だといいんだけどね」


老紳士は、口調をまねて微笑んだ。

かよの子供のような素直な反応が気に入ったみたいだ。

* * * * * * * * * *

ドミンゴを後にした老紳士が向かった建物は村岡印刷だった。

重役室のドアを開けると、仕事中の英治と郁弥が出迎えた。

「おはようございます、社長」

英治が老紳士のことを『社長』と呼んだ … 彼は、村岡印刷の経営者であり、英治と郁弥の父親、村岡平祐その人だった。

「またドミンゴでコーヒー飲んできたんですか?」

郁弥がうらやましそうに訊ねた。

「可愛い女給さんの友だちができてね ~ てっ!」

そう言うと、愉快に笑った。

「て? … かよさんだ!

父さんずるいですよ、僕だって行きたいの我慢してここで働いてるのに … 」


ふくれっ面の郁弥の相手はせずに席に着いた。

* * * * * * * * * *

「じゃあ、はじめようか?」

かよに話した約束というのは、息子ふたりからの営業報告を兼ねた経営会議だった。

「郁弥の挨拶回りは済んだのか?」

「はい、兄さんの打ち合わせにも同行させてもらっています」

「梶原君の立ち上げた聡文堂の新しい雑誌はどうなってる?」

「目玉となる作家先生の原稿の目途が立っていないようで … 校了までにはまだしばらくかかるかと」


矢継ぎ早に訊ねる平祐に村岡兄弟はテキパキと答えた。

「それで … よりよい割り付けを思いついた頁があるので、今日その提案に行ってきます」

「へえ ~ 兄さんが割り付けするなんて珍しいね」

「そんなことないさ」


英治は否定したが、かなり思い入れがある頁なのだろう。

「 … 引き続き、しっかり頼む」

「はい」


* * * * * * * * * *

打ち合わせが終わり、仕事に戻ろうとした英治を平祐は呼び止めた。

「昨日また、香澄さんの見舞いに行ったそうだな?」

「はい」

「向こうの父親から連絡があった。

こんなに頻繁に病院に来てもらっては申し訳ない … いつ治るのか分からないのだから、英治君のためにも離縁を考えて欲しいと言ってた」


英治が表情を曇らせた。

「あちらもそう言ってることだし、お前もそろそろ … 」

「父さん」


平祐の言葉を遮った。

「病気の義姉さんを見捨てろと言うんですか?」

横で聞いていた郁弥も口を挟んできた。

「英治。

お前はまだ若い … 健康な人と一緒になって子供を育てる、そういう家庭を持つことだってできるはずだ。

お前のためにも、この会社のためにも … 考えてみなさい」


諭すように平祐は話した。

「そんなこと考えられません」

しかし、英治はきっぱりと拒否したのだった。

* * * * * * * * * *

英治は、仕上げた割り付け案を収めた封筒を郁弥に差し出した。

「これ聡文堂に届けてくれないか?」

「何で兄さんが行かないの?

… 今、手が離せないよ」


当然、郁弥には郁弥でしなければならない仕事があるのだ。

「 … 分かった」

気が進まない顔をしながら、英治は出かけていった。

* * * * * * * * * *

聡文堂の入口の前までやって来たが、その先へと足が動かない。

ドアを開ける勇気が出てこないのだ。

考えあぐねていると、外出先から亜矢子が戻って来た。

「まあ、英治さん ごきげんよう」

亜矢子はドアを開けて、英治を促した。

言われるがまま部屋に入ると、入口のすぐ横は、はなの席だ。

「昨日はいらっしゃらなかったから、どうされたのかと思いました」

英治は、はなを避けるように素通りしてそのまま梶原の元へと行ってしまった。

「お茶は私が!」

亜矢子は、はなを出し抜いたはずだったが、運悪く担当している作家の岡田から電話が入ってしまって、仕方なくその役を明け渡した。

ただ、はなも決してうれしい訳ではなかった。

* * * * * * * * * *

「こういう感じはどうかと思いまして」

英治から新しい割り付け案を見せられた梶原は唸ってしまった。

「ちょっとな、他のページと違いすぎるな … 」

「だからこそ目を引いていいと思うんですよ」


英治はそう勧めるが、藤原の感性にはない提案だった。

「違いすぎますね」

意見を求められた三田も同意見だ。

「安東君、これどう思う?」

英治にお茶を入れただけで席に戻ろうとしていたはなを梶原が呼び止めた。

「君が翻訳してくれた頁の新しい割り付け案だ」

梶原ははなに英治が書いた割り付けのラフを見せた。

頁が飾罫で囲んであり、左上と右下に挿絵のスペースが設けられて … それは、今まで見たことのない斬新な割り付けだった。

ひと目見てはなは気に入ってしまった。

「物語の世界に合っていて、素敵だと思います」

目をキラキラと輝かせながらそう言った。

「そう?」

はなの意見を聞いても、梶原と三田にはピンと来ないらしい。

* * * * * * * * * *

「村岡君が新たに考えてくれたんだ」

はなは英治の顔を見たが、英治の方は目を合わせずに梶原に向かって説明した。

「この方が読者により物語が伝わると思いまして … 」

「そうかな ~ ? 」

「あの、翻訳ものの連載はまだどこもやっていませんし、せっかく新しい児童雑誌を作るんだったら、これぐらい遊び心があった方がいいと思うんです」


英治は、いつになく熱心で引き下がらない。

すると、電話を終えた亜矢子が割って入ってきた。

「編集長、絶対にこの方がいいと思います!

… 上品で洗練されていて、まるで村岡さんみたい」


歯が浮くような言葉も臆面もなく言えるのは亜矢子の持ち味だった。

「醍醐君の感想は私情が入り過ぎてます」

三田に見透かされても亜矢子は心外という顔でとぼけている。

「 … 分かった!

この割り付けで、一度組み版してみて」


梶原は英治の熱意と、女性陣の感覚に試しに乗ってみることにしたのだ。

「はい、すぐに!」

割り付け案を封筒にしまって、一刻も早く社に戻ろうとする英治を亜矢子があざとく引き留めた。

「村岡さん、他の割り付けも少し変更したいんですけど」

「ええ」


英治は、はなを一瞥もせずに亜矢子に着いていってしまった。

* * * * * * * * * *

打ち合わせを終え、聡文堂から出て行く英治。

はなが慌てて後を追うように飛び出してきた。

「あっ、村岡印刷さん!」

立ち止まり振り向く英治。

「 … 僕また何か忘れ物しましたか?」

「いえ、お礼が言いたくて」


はなの言葉に英治は戸惑いの顔をした。

「あの … 素敵な割り付け考えてくださって、ありがとうございました」

お辞儀したはな、英治もホッとした顔になって頭を下げた。

「では、よろしくお願いします」

部屋に戻ろうとしたはなの背中に英治は声をかけた。

「花子さん」

「 … はい」

「続き、楽しみにしてます。

あなたの翻訳する言葉は、本当に素直で美しい … そのよさが読者にも伝わるような誌面にしますから」


* * * * * * * * * *

「 … どうして急にそんな優しいこと言うんですか?

いつもみたいにバカでも分かるでいいのに … そんなこと言われたら、また勘違いしちゃうじゃないですか?」


はなは笑顔を繕っている。

「これでも … こぴっと頑張ってるんです。

あなたを忘れなきゃって … 」


今にも泣きだしそうな気持ちを一歩手前で我慢しているのだ。

「 … もう優しくしないでください」

「すみません」


英治は力なくうなずいた。

* * * * * * * * * *

「どういうつもりかしら?

こないだ私を振り切るようにして帰ってから謝罪の言葉もないなんて … 」


あの日以来、数日ぶりに、はなはドミンゴで執筆する満代の前に顔を出したのだ。

「申し訳ありません!」

平謝りのはな。

「私、面白い恋愛の題材をずっと待ってるんだけど」

満代は煙草をふかしながら、はなの顔をじっと覗き込んだ。

それが聡文堂の新雑誌に執筆する条件なのだ。

はなはまるで蛇ににらまれた蛙だった。

「あの … 友達の話なんですけど … 」

「つまらなそうだけど聞くわ」


友だち? … まさか蓮子の話?

はなは訥々と話しはじめた。

「友達が、ある男性と再会して … ひょんなことから、その人のことが好きだと気づいてしまって … 思わず思いを告げてしまったんです」

蓮子よりもっと身近な人物の話だった。

「咄嗟に後悔して、彼の前から立ち去ったんですけど … 何故か彼は土砂降りの雨の中、追いかけてきて …

そして、傘を差し出してくれて … 」

「 … それで?」

「抱きしめて … 」

「それで?」

「あっ、あくまでも友達の話です」


はなは今更ながら念を押した。

「それで?」

満代は語気を強めた。

「 … 翌日、彼はこう言ったんです。

『昨夜のことは忘れてください』と」


* * * * * * * * * *

そこまで話して、はなは黙り込んでしまった。

「それでお終い?」

「はい」


まずいことに、満代に事の成り行きを話していたら、今までのことを思い返してしまって … だんだん腹が立ってきた。

「 … そもそも、『忘れてください』って、何なんですかね?

わざわざ追いかけてきて、それから … だ、抱きしめて、それなのに『忘れてください』って!!

しかも『忘れろ』とか言っときながら、仕事では助けてくれたり、急に優しいこと言ってきたり、あの人はどういうつもりなんですか?!」


気づけば、満代に向かって一気にまくしたてていた。

「あなた、大丈夫?」

そう言われて我に返ったはな。

「 … と、友達が怒ってました」

喉がカラカラで目の前にあったサイダーをごくごくと一気に飲み干してしまった。

そんな、はなの様子を無表情のままじっと見ていた満代は、さっさと帰り支度を始めた。

「あの、先生?」

「何か進展があったら、また教えてちょうだい」


席を立ち、店から出て行ってしまった。

… 今のはなの話に少なからず興味は持ったようだ。

* * * * * * * * * *

「あの … うちの原稿は?」

はなは立ち尽くし、ため息をついた。

「お姉やん、編集者の仕事って本当に大変だな … 」

近寄ってきたかよがはなを見てしみじみと口にした。

自分の生々しい失恋話さえ、場合によっては提供しないといけないのだ。

* * * * * * * * * *

満代と入れ替わりに店に入ってきたのは、宮本龍一だった。

「いつもの頼む」

そうかよに注文すると、指定席に陣取っている仲間たちの元へ向かった。

すると、まるで後を追ってきたかのように、鳥打帽をかぶった男がひとり店に入ってきた。

「いらっしゃいませ ~ て?!」

男の顔を見て、かよは仰天した。

なんと兄の吉太郎ではないか?!

吉太郎の方も目を丸くしている。

「てっ?!」

はなも気がついた。

しかし、吉太郎は何も言わずに、ふたりのことをまるで無視して、カウンター席に腰かけてしまった。

* * * * * * * * * *

「兄やんだよね?」

はなとかよは顔を見合わせた。

兄の顔を見間違う訳もない … 背広にネクタイ姿だが、確かに吉太郎だ。

「兄やん」

「本物の兄やんじゃん」


すると、吉太郎は振り向かず声を潜めて話してきた。

「 … 任務中だ。

悪いが知らねえふりをしてくりょう」


吉太郎は肩越しに龍一たちの一団を鋭い目で盗み見た。

< 憲兵になった吉太郎の任務とは、一体何なのでしょう?

… ごきげんよう、さようなら >

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