NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年06月26日 (木) | 編集 |
第76話

カフェー・ドミンゴに突然現れた吉太郎。

「兄やん」

「本物の兄やんじゃん」

思いがけない再会に喜ぶはなとかよに対して、吉太郎は声を潜めて言った。

「 … 任務中だ。

悪いが知らねえふりをしてくりょう」

< なんと5年ぶりの兄妹の再会でしたが、吉太郎の様子が変です >

* * * * * * * * * *

「あんなブルジョアに脚本を頼むなんて、お前どうかしてるぞ!」

演劇かぶれの帝大生たちの席、田中が声を荒げて龍一のことを非難した。

「あの女は俺たちの敵そのものだろ?!」

荒井も憤慨している。

「 … もっともな意見だ。俺もそう思ってた。

でも、これを読んで気持ちが変わった」


龍一はテーブルの上に蓮子の歌集『踏繪』を置いた。

「それにあの人に会いに行って、よく分かった。

あの人はまるで『籠の中の鳥』だ … 本当の自由を知らない。

あの人こそ、俺たちが救う被害者だ!」

「お前、ただあの人の色香に当てられただけじゃないのか?」


田中が嘲るような口調で言った。

「 … 確かに美人だ。

だが、俺は彼女の文学的な才能の方にはるかに惹かれる」


龍一は店中に聞こえるような声で熱く語った。

しかし、はなたちはまさか龍一の話に出てくる女性が蓮子だとは夢にも思わなかった。

「あの人は不思議な人だ。

強さと弱さと共存している … その落差によって、彼女の文学は光を増しているんだ」


龍一は出会った時のことがウソのように、すっかり蓮子に心酔していた。

「彼女は脚本を書くと約束してくれた。

それを読めば、きっと皆にも分かる!」


* * * * * * * * * *

長屋の朝。

「兄やんの任務って何ずらね?」

朝食を取りながら、はなが尋ねると、かよは不安げな顔をして言った。

「おら、何だか怖かった … 兄やんがおらの知らねえ人みたいになってて」

はなも同じ気持ちだった。

その時、誰か戸を叩く者がいた。

「てっ、こんな朝っぱらから誰ずら?」

応対に出たかよが驚きの声を上げた。

早朝の訪問者は、今話題にしていた兄の吉太郎だった。

「て ~ 兄やん?!」

昨日の背広とは打って変わって、軍服を着た吉太郎が立っていた。

「何でえ、ふたりとも … 幽霊でも見たような顔をして」

目をまん丸くして棒立ちのふたりを見て、吉太郎はフッと頬を緩めた。

憲兵の姿をしているが、それは以前と変わらない優しい兄の笑顔だった。

「昨夜はゆっくり話もできなんで悪かったな」

その言葉にふたりの緊張が一瞬で解けた。

「兄やん、立派になったね ~ 」

はなは玄関から出て吉太郎を見上げた。

「会いたかったよ ~ 」

かよが言うと、吉太郎はまた笑った。

「昨日も会ったじゃん」

「こんなとこに立ってねえで、早く入って入って」


ふたりは、大はしゃぎで兄を家の中へと招き入れた。

* * * * * * * * * *

「ほれにしても兄やん、昨日は驚いたじゃん」

「おらの方が驚いただ ~ 偶然入ったカフェーにおまんらがいるなんて」


はなとかよは顔を見合わせて笑った。

「かよ、おまんあんな店で働いてるだけ?」

「大丈夫、心配しんで」


兄として妹が水商売の店で働いてることを知ったら、心配するのは当然だろう。

「あそこ、夜は酒も出すずら?」

「ほうだけんど … 」


かよははなを助け舟を求めるような目で見た。

「初めはおらも心配したけんど、かよは真面目に頑張ってるだよ

… ほれより兄やん、お店に来たのは憲兵の仕事け?」


はなはそれとなく話題を変えた。

「 … いや、コーヒー飲みに入っただけじゃん。

仕事中にカフェーで休んでるのが見つかったら、体裁悪いから話しかけんなって言っただけだ」


とてもサボタージュしている雰囲気ではなかったが、はなとかよはすっかり信じて、取り越し苦労していたことを笑い合った。

* * * * * * * * * *

「かよ、あの店いつから働いてるだ?」

「半年ぐらいかな?」

「昨日、奥の席で小難しい話をしていた帝大生たちはよく来るだけ?」

「ああ、あの人らならよく来るよ ~

不平等な世の中を変えねばとか、いっつもお父みてえなこと言ってるさ」

「親しいのか?」

「世間話くらいはするけど、特に親しいって訳でもねえ … どうして?」

「兄やん、 ほの人たちがどうかしたの?」


吉太郎が余りにも根掘り葉掘り訊ねるので、はなは何かあるのかと不安になった。

「いや … かよにちょっかい出してねえか、気になっただけじゃん」

かよは笑っているが、はなは何となく違和感を感じて、吉太郎の顔をまじまじと見てしまった。

「何だ?」

はなの視線に気づいた吉太郎は、変な顔をした。

「ううん … あ、兄やん、当分東京にいるの?」

「ああ、おまんら何か困ってることねえけ?

兄妹なんだ ~ 何かあったら、遠慮しんでいつでもおらのこと頼ってこうし」

「兄やんが傍にいると思うと、心強いじゃんね」


東京でひとりきりだったかよは、はなに続いて吉太郎までやって来たので、とてもうれしそうだ。

「本当だね」

それは、はなも同じだった。

* * * * * * * * * *

「ほれじゃあ、朝の忙しい時に悪かったな」

名残惜しそうな顔をした妹たちに吉太郎は言った。

「ふたりの元気な顔見られて、安心しただよ」

「兄やん、今度はゆっくりご飯でも食べよう」


うなずく吉太郎。

「約束じゃん」

「ああ、ふたりとも気つけてやれし」


ふたりには、立ち去る吉太郎の背中が甲府に居た時に比べると何倍も頼もしく見えた。

「兄やん、また来てくりょう!」

吉太郎は振り返って微笑んでみせた。

* * * * * * * * * *

「お先に … 」

就業時間を終え、郁弥は事務所を後にした。

英治は『王子と乞食』の割り付けを取り出すと、入念に見直し始めた。

「あなたの翻訳する言葉は、本当に素直で美しい … そのよさが読書にも伝わるような誌面にしますから」

今の英治が、それだけがはなのためにできることだった。

鉛筆を持つと、割り付けに合わせた位置に挿絵の下描きをはじめた。

はなの翻訳を読んで湧いてきたイメージを表現する … 英治は無我夢中で鉛筆を動かした。

* * * * * * * * * *

そして、ひと晩かかって、その挿絵を描き上げた。

「へえ、兄さんが描いたのか?

… いいじゃないか」


出社してきた郁弥がその描き上げたばかりの絵を褒めた。

「その頁、随分拘ってるね」

「児童雑誌ではじめての翻訳ものだからな」

「それだけじゃないだろ?

兄さん、本当に好きだよな ~ 」


挿絵を封筒に収めようとしている英治の手が止まった。

「 … 何が?」

「だから、安東さんの翻訳だよ」


郁弥のことだから、ひねりもなにもなく本心から言っているのだろう。

ホッと、ひと息ついた英治は、手に持った封筒を郁弥の前に差し出した。

「今日から、聡文堂の担当はお前が代われ」

「 … 兄さん、そこまで思い入れがあるのになんで?」

「父さんもお前に早く独り立ちして欲しいと思ってるし … 創刊号が刷り上がるまでは俺も手伝うから」


英治は、郁弥が引き受けやすいようにもっともらしい理由を付け加えたのだ。

「わかった、しっかりやるよ!」

「うん、頼んだぞ」


郁弥はやる気満々で聡文堂へ出かけていった。

* * * * * * * * * *

「村岡印刷さんの打ち合わせ、何時からですか?」

「もう来るはずだけど … 」


打ち合わせの準備中の須藤から聞いた亜矢子は慌てて手鏡を出して髪を整えている。

はなはどこか浮かない顔で仕事を続けた。

すると、ドアが開いて、郁弥が入ってきた。

「こんにちは、村岡印刷です」

迎えに出た亜矢子は、郁弥ひとりだと知ると怪訝な顔をした。

はなも郁弥の後ろを気にしたが、英治の姿は見えなかった。

「この度、聡文堂さんの担当を引き継ぐことになりました。

弊社の都合で申し訳ないんですが … 今後は、兄の代わりに僕が伺いますんで、よろしくお願いします」


郁弥は梶原に担当変更の挨拶をした。

「兄は印刷所の方で、責任を持ってやりますから」

梶原としても新雑誌立ち上げの途中で英治が居なくなるのは予定外であり残念だった。

しかし、会社の都合だったら仕方がない。

「分かった、よろしくね」

* * * * * * * * * *

亜矢子の顔にひどい落胆の色が見えた。

「 … ということはもう、お兄様はここにはいらっしゃらないのね」

平然を装っているが、はなにとっても寝耳に水の話だった。

「これ見てください … 『王子と乞食』の頁にどうでしょうか?」

郁弥は梶原たちに早速、英治が描いた挿絵を見せた。

目にした途端に満足そうな顔をした梶原は、すぐさまはなを呼んだ。

そして、その挿絵をはなに手渡した。

はなの顔が見る見るうちに輝き始めた。

「わあ、なんて素敵な挿絵なんでしょう … 」

王子と少年が描かれたそのペン画は、はながイメージした物語の景色そのものだった。

< その挿絵が英治が描いたものとは知らず、心惹かれるはなでした >

* * * * * * * * * *

夕方、はなが帰宅する仕度をしていると、息を切らしたかよが飛び込んできた。

「お姉やん、大変!」

「てっ、かよ … どうしたでえ?」

「お店に髭を生やしたおっかねえおじさんが来て、お姉やんのこと呼べって」

「てっ?」

「こ、こんなにチップくれただよ」


かよはその『おっかねえおじさん』からもらった紙幣をはなに見せた。

「誰、おっかねえおじさんて??」

はなにはまったく心当たりがないのだ。

「とにかく来て ~ 」

* * * * * * * * * *

「 … あの人じゃん」

ドミンゴに駆けつけたはな、かよは店の中央の広い席にどかっと座った紋付袴姿の男を指さした。

その傍らにはお付の者らしきおとこがひとり控えている。

紋付の男はグラスに注がれたサイダーを一気に飲み干した。

「知ってる人け?」

はなは首を傾げた。

その男の顔にどこか見覚えがあるのだが、すぐに思い出せない。

はなは分からないままに恐る恐る男の前に立った。

正面で改めて見ると、かよの言う通り、髭を生やしたいかにもおっかねえおじさんだ。

「あ … あの … 安東はなです」

「あんたが、はなちゃん?」

「はい … はなちゃんです」


やはり、この男の顔何処かで見たことがある … はなは記憶の糸を懸命に手繰っていた。

「まあ、座りんしゃい」

 … はなは言われるがまま、男の向かいの席に腰を下ろした。

「何でん好きなもん食べんしゃい」

男ははなにそう言うと手を叩いてかよを呼びつけた。

「 … 同じものを」

はながおどおどと注文すると、男は大きな声を出した。

「遠慮せんでよか!

酒でん、飯でん … 好きなもん頼め!」


顔は怖く、口調もきつかったが、どこか憎めない大らかさがあった。

「あ、いえ … 見ず知らずの方にごちそうになる訳には!」

「嘉納伝助ばい!」


口にしたその名を聞いて、はなは仰天した。

「てっ?!

… 蓮子さんのご主人の?」


道理で見たことがあるはずだ … 新聞に載っていたふたりの結婚の記事でその顔を目にしていたのだ。

* * * * * * * * * *

「こないだは、うちのが泊めてもろうて世話んなったね。

これはそのお礼たい」


伝助がテーブルの上の包みを指さすと、お付の者がはなの前にそれを置き、風呂敷を解いて中のものを見せた。

海苔やスルメ、福岡の特産物が入っていて … ひと目見て、値が張る物ばかりだとはなにも分かった。

「こんなにいただけません!」

「よかとちゃあ ~

うちのがものすごう楽しかったっち、話しよったばい」


伝助は余程、サイダーが気に入っているのか、話ながら何杯もがぶ飲みしている。

「あげん、機嫌のよか蓮子ははじめてみたき、そのお礼たい」

* * * * * * * * * *

「それに … どうせ今日もまた世話んなるきね」

「 … 今日?」


はなはポカンとした。

「いや、あんたと会うっち聞いて、こっちへ来るついでがあったき、迎えに来たとばい」

「 … 蓮子さんがそうおっしゃったんですか?」

「今日、こん店で『はなちゃん』と会うち … 」

「あっ」


はなの様子がおかしいことに気づいた伝助は訝しげな顔で見ている。

< はなは頭の中が真っ白になってしまいました。

蓮子はご主人に何故そんなウソをついたのでしょう? >

* * * * * * * * * *

一方、蓮子は龍一とふたりで路地裏の屋台の飲み屋の止まり木に腰かけていた。

< 蓮子が会っていたのは、はなではなかったのです >

「乾杯 … 」

ふたりは安酒を注いだグラスのふちを合わせた。

そんなふたりを、柱の陰からじっと監視するかのように見つめる目が合った。

吉太郎だ。

< 危険な香りが致します。

… ごきげんよう、さようなら >

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