NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年07月02日 (水) | 編集 |
第81回

< から元気で仕事を請け負ったはなでしたが … >

明朝までに仕上げなければならない大量の校正を引き受けたまではよかったが、ひとりで残業しているうちにいつのまにか机に突っ伏したまま眠ってしまった。

最近、眠れぬ夜が続いていたからだとしても、どれほど熟睡してしまったのだろう … 窓から射し込む朝陽で目を覚ました時、時計はすでに翌朝の6時を大きく回っていた。

「てっ、校正 … わあ、どうしよう?!」

山の様な校正が目の前に残っていた。

今から始めても始業時間までにはとても終わりそうもないが、慌てて作業を再開した。

* * * * * * * * * *

「おはよう、昨夜は助かったよ ~ かみさんがすき焼き用意して待ってて … 」

始業時間になり、須藤が機嫌よく出社してきた。

「あれ以上待たせたら、離婚されるところだった」

挨拶を返す暇も惜しみ必死の形相で作業しているはなを見て、須藤の顔色が変わった。

「 … 安東君、まだ終わってないの?」

「すいません、私つい眠ってしまって … 」

「ああもう言い訳はいい、半分貸せ!」


同じく出社してきたばかりの三田がテーブルに積まれた校正が済んでいない原稿を須藤から受け取った。

三人がかりで作業していると、亜矢子が出社してきた。

「ああ、いいところに来た ~ 醍醐君も校正、手伝ってくれ!

9時までに頼む!」

「9時までに?!」


亜矢子が驚いたのも無理はない、あと30分しかないのだ。

「すいません、私 … 」

「言い訳は後で、とにかく終わらせましょう!」


* * * * * * * * * *

それから、出社してきた職員たちが総がかりで、9時を少し回った頃に何とか校正は終わった。

「行ってきます!」

須藤は仕上がったばかりの原稿を抱えて、社を飛び出して行った。

「申し訳ありませんでした」

須藤を見送った後、はなは手伝ってくれた一同に謝罪したが、男性職員たちは冷めた顔で自分たちの席に戻っていった。

微妙な空気にはなは居たたまれない気持ちでいっぱいになって、すっかり沈み込んでしまった。

「 … ちょっと、昼休みに私から話してみます」

亜矢子の申し出に梶原はうなずいて、すべてを彼女に任せた。

* * * * * * * * * *

昼休み、亜矢子ははなのことをカフェー・ドミンゴへと連れ出した。

「醍醐さん、今朝は本当にごめんなさい」

席に着くなり、はなは亜矢子に頭を下げて謝罪した。

「いいのよ ~ ああいうことはたまにあるし、助け合うのは当然でしょ?」

そう慰めた後、亜矢子は改めて切り出した。

「ねえ、はなさん、村岡さんのことで傷ついてるのは分かるわ。

英治さんに奥様が … 私も何と言うか、裏切られた気持ちになったわ。

でもね、そのことと仕事が別よ。

なるべく早く気持ちの整理をつけた方がいいわ」


はなは黙って、亜矢子の話を聞いている。

「思い出してみて、秀和女学校の先生方は、どんな時も教師という自覚をもって、生徒ひとりひとりに真摯に向き合ってくださっていたでしょ?」

はなは、ブラックバーン校長や茂木、富山、スコット、懐かしい恩師たちの姿を思い浮かべてみた。

「ええ … 」

「そんな先生方のお姿こそ、仕事に向き合う時のお手本だと思ってるのよ」


はなが見失いかけていた大事なことを、亜矢子は思い出させてくれたのだ。

「醍醐さんの言う通りだわ。

私、本当に自分で恥ずかしい … 」

「愚痴でもお買い物でも、ヤケ酒でも … 何でもおつきあいするわ。

明るくてへこたれないはなさんに早く戻って」

「醍醐さん … 本当にありがとう」


亜矢子の言葉、存在にどれだけ救われたことだろうか。

話がひと段落した頃、かよがカレーライスを運んできた。

「さあ、こぴっと召し上がれ」

昨晩は帰って来ない姉のことを心配してひと晩明かしたかよだったが、亜矢子との話を耳にして少しだけ安堵していた。

「いただきます」

これがきっかけではなが立ち直ってくれることを祈るふたりだった。

* * * * * * * * * *

その時、扉を開けて店に入ってきたのはミスター・ドミンゴこと村岡平祐だった。

「いらっしゃいませ」

食事の途中だったが、はなは思わず立ち上がってしまった。

「どうも昨日は … 」

「やあ ~ 」

「昨日?」


ミスター・ドミンゴの正体を知らないかよは怪訝な顔をした。

「 … 村岡さんのお父様」

「てっ、郁弥さんのお父さん?!」


はなに耳打ちされて仰天するかよ。

「 … てことは、英治さんのお父様?!」

亜矢子も目を丸くして席から立ち上がった。

3人の若い女性に見つめられ、平祐は決まり悪そうな顔をみせた。

常連になりながら素性を明かさずに楽しんでいた節がある。

「この店もだんだん居心地が悪くなってきたな … 帰ろうかな?」

「そんなことおっしゃらずにどうぞ」


かよが笑いながらいつもの席へと案内した。

* * * * * * * * * *

相変わらず、店の一画に龍一たち演劇かぶれの帝大生が陣取っていた。

「だめだな、所詮ブルジョアが暇つぶしに書いた脚本(ほん)だ」

荒井がテーブルの上に放り出したのは、蓮子が書いた脚本『音楽家の妻』だった。

ただし『第弐稿』とある。

龍一に諭されて、信念を曲げて推敲したのだ。

「でもまあ、これを叩き台にして、俺たちで書きなおせばいいか、そろそろ稽古に入りたい」

田中の言葉に荒井も仕方なくうなずいていたが、龍一は異を唱えた。

「いや、今回は全部このままいく」

「本気か?」

「こんな惚れたはれただけの芝居、男は見ないぞ」


荒井は笑い、田中は食って掛かった。

「十分だ。

この脚本には、白蓮の反逆の叫びがしっかりと刻み込まれている。

世の女たちに立ち上がって声を発するきっかけを与えられる!」


龍一があまりにも白蓮の脚本に入れ込んでいるので、田中がからかった。

「さてはお前 … あの女に惚れたな?」

すると、龍一は否定するどころか、黙ってうつむいてしまった。

「おいおい、まさか本気じゃないだろうな?」

冗談を言った本人が狼狽えてしまうほど、龍一の目は本気に見えた。

「とにかく、今回はこのままの脚本でいく!

… 皆を集めてくれ、稽古を始める」


誰にも有無を言わせずに席を立った。

* * * * * * * * * *

あ然と見送る仲間を後にして、龍一は平祐が座っている席の前に立った。

「どうも、先日はありがとうございました」

龍一にしては、丁寧な言葉づかいで礼儀正しく礼を言った。

「三面記事で人を判断すべきでないとよく分かりました」

平祐から渡されていた白蓮の歌集『踏繪』をテーブルの上に置いた。

「帝大生ともあろう君たちが、余りにも浅はかだったから、苦言を呈しただけだ」

「いい出会いになりました」


そう言った龍一の表情は以前の拗ねて世の中を斜めから傍観していたような顔とは別人みたいに輝いて見えた。

「この歌集と出会う前と後では、僕はすっかり変わってしまったのかも知れません」

「ほう ~ 」

「そのお礼が言いたかったんです」


丁寧にお辞儀をすると店から出て行った。

「ありがとうございました ~ またお待ちしています」

かよの言葉に送り出された龍一は、外の光をまぶしく仰ぎ見た後、蓮子の脚本に目を落とし、微笑むとゆっくりと歩き出した。

* * * * * * * * * *

< 一方、福岡の蓮子は … >

『推敲した脚本の原稿は届いているのでしょうか

あなたが強く言うので書き直しましたのに、何の連絡もありませんので、大層心配しております』


蓮子が龍一へしたためた手紙だ。

『君ゆけば ゆきし寂しさ

君あれば ある寂しさに 追わるるこころ』


< 恋の歌を綴ってしまうほど、こちらも相当入れあげている様子です。

道ならぬ恋だというのに … >

* * * * * * * * * *

「あ、あら ~ ご飯でもないとに書斎から出てくるちゃあ、珍しいこともあるもんばい

雪でん降るちゃないと?」


廊下で蓮子の姿を見かけたタミが嫌味たっぷりに口にすると、女中たちを連れて行ってしまった。

蓮子は一番後からついていこうとした新入りの女中すずをこっそりと引き留めた。

「今すぐこれを出してきてちょうだい、速達でね」

龍一宛ての封書を手渡した。

「はい、いつもと同じでよかとですか?」

しかし、そんなやり取りを見逃すタミではなかった。

* * * * * * * * * *

舞台は変わって、村岡印刷。

郁弥は重役室の前で、部屋に入ることを逡巡していた。

彼の手には一通の封筒が握られていた。

宛名には『村岡英治様』の文字がある。

< ここにも手紙を託された人が居りました >

* * * * * * * * * *

郁弥は重い足取りで部屋に入ってきた。

「 … 兄さん」

陽気な郁弥らしからぬ、深刻な顔で兄が座っている前に立った。

「どうした?」

英治は不審な顔で郁弥を見上げた。

「 … これ、義姉さんから預かってきた」

さきほどの封筒を差し出した。

「外回りのついでに病院寄って、それで … 」

郁弥の態度にただならぬ不安を感じた英治は、すぐさま開封して中に入っていた一筆箋を取り出した。

「 … 何だよ、これ?」

『離婚してください 香澄』

ただそう書かれているだけだった。

「一体どうして?!」

郁弥もどんなことが書かれているのか知っていたはずだ。

「分からないよ!

… 兄さんこそ、心当たりないのか?!」


英治は部屋を飛び出した。

* * * * * * * * * *

香澄の病室を訪れた英治は、ノックの返事も待たずにドアを開けた。

「香澄!」

香澄は … 英治がやって来ることを予想していたようにベッドに腰かけて振り向きもせずに外の景色を見ていた。

「これは一体どういうことなんだ?」

郁弥から受け取った封筒をつきつけて訊ねた。

「 … そこに書いた通りです。

私と別れてください」


英治の顔も見ようとはしない。

「突然何を言い出すんだよ?

どうして … どうして急に別れたいだなんて?」


すると、香澄は横顔で寂しそうに笑った。

「あなたの心には … 他の女の人がいるわ」

香澄の言葉は英治の胸を貫いた。

「あなたの心の中には私ではない他の女の人がいる」

そう言いながら、香澄は今日初めて振り向いた。

すべてを見透かすかのような眼差しで英治を見つめ、すっと視線を落とした。

それはほんの数秒のことだったが、英治にはとてつもなく長い時間に感じた。

「何を言い出すんだよ ~ 他の人なんか居る訳ないじゃないか」

* * * * * * * * * *

「君と別れるつもりはない」

「いいえ!

… 別れてください」


悲壮な顔の英治を見据えて強い口調で言い返した。

「死ぬのを待たれるのは嫌なの」

顔を背けて言ったそのひと言に英治は何も言えず、立ち尽くすだけだった。

* * * * * * * * * *

「ああ、もう ~ やってもやっても終わらないわ」

仕事とはいえ繰り返し戻って来る校正に、亜矢子はうんざりして声を張り上げた。

「はなさん、続きは明日にして食事に行かない?」

「皆さんにご迷惑をおかけした分取り返さないと」


今朝のことがあり、皆が残っているのに、はなが帰る訳にはいかなかった。

「時には息抜きも必要だ。

今日はいいぞ」


しかし、梶原の計らいで、ふたりは今日の仕事から解放された。

* * * * * * * * * *

その夜、ドミンゴに顔をみせた郁弥はいつもと様子が違っていた。

「やあ、かよさん久しぶり」

笑顔を見せたが、どことなく気持が入っていない。

「私、花よりチップの方がいいんですけど」

かよは、いつものクセでそう答えてしまった。

すると郁弥は申し訳なさそうな顔をした。

「すみません、今日は花がなくて … 」

少し拍子抜けでカウンター席に案内した。

* * * * * * * * * *

ひとりウイスキーを飲んでいる郁弥はやはりどこかおかしい。

無口な上に深刻な顔で何か考え事でもしているようだ。

「あの、どうかしたんですか?」

気を引くためのポーズかとも思ったが、少しきになったので訊ねた。

「 … 何だか今日は妙に静かですけど」

「うれしいな … かよさんが気にしてくれるなんて」


そう答えただけで、また考え込んでしまった。

「本当にどうしちゃったんですか?」

かよは少し母性本能をくすぐられてしまったみたいだ。

「かよさん、僕のこの辛い気持ちを聞いてくれますか?」

「ええ、まあ … 」


実際のところ、ひとりでは抱えきれずに誰かに聞いてもらい気持もあったのだが … ことがことだけに憚っていたのだ。

「実は … 義姉さんが、兄と離婚したいと言い出したんです」

* * * * * * * * * *

「てっ ~ 英治さん離婚するんですか?!」

かよが思わず声を上げた時、はなと亜矢子が店の入り口に立っていた。

銀座だったら、いくらでも店はあるのに、聡文堂と村岡印刷の関係者は、このドミンゴしか利用しない。

余程居心地がいいのだろうか …

「醍醐さん! … お姉やん」

今の話、ふたりの耳に届いていただろうか?

果たして、亜矢子がつかつかと郁弥に迫ってきた。

「英治さん、本当に離婚するんですか?」

しっかり聞かれていたようだ。

「いえ … まだ決まったわけじゃないんですけど

かよははなのことが心配だった。

呆然とした顔で入口の前に立ち尽くしたままだ。

< ようやく立ち直りかけていたはなは、すっかり混乱してしまいました。

… ごきげんよう、さようなら >

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