NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年07月03日 (木) | 編集 |
第82回

はなは亜矢子と共に訪れたカフェー・ドミンゴで、郁弥の口から偶然、英治が妻に離婚を切り出されていることを知ってしまった。

「英治さん、本当に離婚するんですか?」

「いえ … まだ決まったわけじゃないんですけど」

「奥様から離婚を切り出されるなんて … よっぽどひどいケンカでもなさったの?」


亜矢子はムキになって郁弥に訊ねているが、、彼自身詳しいことはよく分からないのだ。

かよは、はなのことが心配だった。

ようやく立ち直りかけていたのに、今の話ですっかり混乱して入口の前に立ち尽くしている。

「かよさん、もう一杯」

郁弥がウイスキーのお替りを注文すると、亜矢子はカウンターの隣りの席に座り込んだ。

「私たちもつき合うわ ~ はなさん、飲むわよ」

* * * * * * * * * *

どれほど時間が経っただろうか …

郁弥はカウンターに突っ伏して、亜矢子はソファーの背もたれに寄りかかって、酔いつぶれてしまっていた。

< その日、何故か、はなは全く酔えませんでした >

「すいません、お報せいただいて」

慌てて店に入ってきたのは、英治だった。

英治は、はながいることに気づかずにカウンターで寝ている郁弥に近づいて行った。

「郁弥、しっかりしろ! … 帰るぞ!」

起きる気配が全く感じられず、あきらめて郁弥の肩を抱えて立ち上がらせた。

その時、英治ははなが居ることにやっと気づいて、お互いにぎこちなく挨拶を交わした。

「 … 兄さん、僕は離婚なんて反対だからな。

義姉さんが可哀そうだ」


郁弥のうわ言っだった。

「すみません … 」

英治は、はなに頭を下げると、出口へと向かった。

「あの … 」

はなは英治を呼び止めていた。

「私も反対です。

離婚なんてしないでください … 絶対にしないでください」


思わず叫んでしまった。

「 … 分かってます」


うつむきながら無理に笑おうとした英治を見て、はなは我に返った。

「すみません … 関係ない私が何言ってるんでしょう …

ごめんなさい、失礼します!」


店を飛び出して行ってしまった。

* * * * * * * * * *

「一体どういうこと?」

聡文堂の扉を開けるや否や、そう言いながら入ってきたのは宇田川満代だった。

「とっくに書店に並んでいる『にじいろ』創刊号が私のとこに届いてないんだけど … 」

大層不機嫌な様子の満代、梶原が顔面蒼白で立ち上がった時、出先からはなが戻って来た。

「宇田川先生? … ごきげんよう」

何も知らず、愛想よく挨拶したはなを満代はにらみつけた。

「ご機嫌よろしい訳ないでしょ」

「 … はなさん、宇田川先生に創刊号、お渡ししてなかったの?」


亜矢子に言われて、ハッとするはな。

「いつまで経ってもくれないから、こちらから取りに伺いました」

「申し訳ありません!」

「宇田川満代も随分と舐められたものだわ ~ 」

「本当になんとお詫びしたらいいのか … 本当に申し訳ありません」


ただただ「申し訳ありません」と繰り返すはな、満代はソファーに腰を下ろすとわざと声を張り上げた。

「梶原さん、編集者というのは、作家のことをいの一番に大切にするものよね?」

「先生、今回の不手際は私の責任でもあります。

本当に申し訳ありません」


梶原だけでなく、部屋に居たすべての職員が立ち上がって満代に向かって深く頭を下げた。

* * * * * * * * * *

「宇田川先生、見てください ~ まだ発売したばかりなのに、もう先生の作品が大変素晴らしいって、絶賛するお葉書が届いてるんですよ」

その時、機転をきかせた亜矢子が読者からの葉書を読み上げ始めた。

「はじめまして、私は宇田川満代先生の『銀河の乙女』を読んで泣きました。

もう10回も読み返してますが、いつも涙が流れます … 」

「 … もう結構よ」


こんなことぐらいで機嫌が直るとは亜矢子も思ってはいなかったのだが … 案の定、満代は席を立った。

「先生、二度とこのような不手際がないようにしますので、今後ともご執筆よろしくお願いします」

平身低頭で謝る梶原に免じてだろうか満代は雑誌を受け取って引き揚げていった。

「安東、もう二度は言わないぞ。

編集者として、責任を持って、きちんと仕事をこなせ。

… 仕事の失敗は、仕事で返せ」


梶原はいつものように多くは語らず、それだけをはなに言い渡した。

* * * * * * * * * *

< ところ変わって福岡です >

「封開けてしもうたら、奥様が気づきんしゃりますばい?」

龍一から蓮子宛てに届いた封書をタミは、勝手に盗み見ようというのだ。

さすがに配下のトメが嗜めたが、タミは怯むことなく封筒の底を鉄瓶の口から吹きあがってくる湯気に当てている。

「大丈夫くさ … ほうら」

湯気の熱と水分で底がきれいに剥がれた。

「 … あなたとふたり、過ごしたあの夜、思い出しては、あなたに会えない寂しさで、どうにかなってしまいそうです。

まあ ~ なんとまあ ~ 」


してやったり、蓮子の尻尾をつかんだとでも思っているのか、タミはうれしくて仕方がないといった様子だ。

元の封筒に収めて、底を貼っておけば、開封したことは分かりはしないだろう。

嬉々としたタミは、ふとトメの顔を見た。

「こん手紙のこと、旦那様には内緒ばい」

「はあ、報告せんでよかとですか?」

「よかよか ~ 」


タミは何か企んでいるような顔をしてまた笑ってみせた。

* * * * * * * * * *

「奥様、お手紙が届いちょりますばい ~ 東京から」

そして、何食わぬ顔でサロンにこもっている蓮子に封書を届けた。

差出人の名前を見て笑顔になる蓮子。

一日千秋の思いで待っていた手紙だ。

タミが部屋から出て行くと、ハサミを持つ手ももどかしく封を開けた。

… その手紙はすでに誰かの目に触れていたことに気づく余裕など、今の蓮子にはなかった。

『前略、脚本の第二稿無事に届いております。

これにて上演するつもりです … 稽古への立ち合い、是非に願いたく思います。』


* * * * * * * * * *

その晩の食事の席で蓮子は伝助に願い出た。

「 … 私が書いた脚本の舞台のお稽古が始まるんです。

ですから、私また東京へ行きたいの」

「その舞台に出るんか?」

「いいえ ~ 私は出ませんわ。

けれど、原作者というのはお稽古に立ち会うものなのです」


蓮子は伝助の無知をいいことに方便を言った。

「ですから … 」

伝助は腕組みをして蓮子の顔をじっと見つめた。

芝居のことなど分からないが、蓮子の様子が少しおかしいことには気づいていた。

百戦錬磨の石炭王の洞察力はけた外れだった。

* * * * * * * * * *

ところが蓮子に思ってもみない助け舟を出したのはタミだった。

「いいじゃありませんか、旦那様 ~

東京の『お友達』もさぞや、奥様に会いたいやろうし」


お銚子のお替りを運びながら、そう口添えをした。

「 … はなちゃんか?」

伝助に訊かれて、蓮子はうなずいた。

「分かった … そげん行きたいとなら、仕方なかたい」

『はな』という名前を出した途端、あっさりと許可が下りた。

「旦那様のお世話はうちがしときますき ~ 奥様は安心して、東京に行きなすったらよかとです」

やけに愛想がよいタミの猫なで声を聞いて蓮子は悪寒が走った。

< 今まで散々、蓮子に反発していたタミが突然味方をするなんて … 一体何を企んでいるのでしょうか? >

* * * * * * * * * *

「では、次号の『銀河の乙女』は2頁増やすということで、よろしくお願いします」

好評の『銀河の乙女』は、すでに『にじいろ』には欠かせない目玉の作品だった。

はなの不手際で損ねた機嫌もなんとか治った満代は、引き続き連載を続ける気になって、次号の打ち合わせのために聡文堂まで足を運んできていた。

梶原も立会いの上で取りあえず話はまとまったところだ。

「でも、また『文芸東洋』と締切が重なりそうなのよね」

「私でお力になれることがあれば何でもおっしゃってください」


しかし、満代ははなを一瞥しただけだ … 信用していないのだろう。

失われかけた信頼はそう容易く元には戻っていなかった。

* * * * * * * * * *

雷の音が聞こえ、急に窓の外が暗くなったと思ったら、俄かに雨が降り出してきた。

「あらやだ、雨?」

雨は、はなに嫌でも思い出させてしまう … 土砂降りの中、英治に抱きしめられたあの夜のことを。

はなが雨に気を取られていると、満代が席を立って傘立てにあった、はなの赤い蛇の目傘を無造作に手に取った。

「この傘、貸して」

「あ、それは!」


はなは思わず立ち上がっていた。

「何、私に貸したくないの?」

「ああ、いえ …」


慌てて、首を振った。

「じゃあ、お借りするわ」

そのまま傘を手に帰ろうとする満代。

はなはそのまま見過ごすことができず、条件反射のように傘の柄を掴んでしまった。

「何なの、あなた?!」

その勢いに満代は驚いて、はなをにらんだ。

「 … この傘は … 」

< はなにとっては大切な思い出の品なのです >

「これだけは … 持っていかんでくりょう」

うわ言のようにつぶやいた。

* * * * * * * * * *

「聞いた?

この人、担当の作家より傘の方が大事なんですって」


満代は部屋中に聞こえるように吹聴した後、はなに訊いた。

「宇田川満代は傘以下ってこと?」

首を振ったが、はなの気持ちの上ではその通りだったかもしれない … 比べられるものではないのだ。

「じゃあ、原稿も傘に書いてもらえばいいじゃないの」

傘から手を離そうともせず、うつむいたままのはなの態度が満代の怒りに火を注いだ。

「私、おたくの雑誌にはもう書かないから、その傘に書いてもらいなさいよ!」

「まあまあ、先生」


亜矢子が慌てて、自分の傘を差し出したが、満代の怒りはおさまらない。

「作家を見下す最低の編集者じゃないの ~ こんな人辞めさせて」

「 … 分かりました」


梶原ふたつ返事で答えた。

「安東は宇田川先生の担当から外します」

「では、ごきげんよう」


満代は平然とした顔で、亜矢子が差し出した傘を奪うように手に取ると、さっさと出て行ってしまった。

* * * * * * * * * *

「 … 皆仕事に戻れ」

満代が出て行った扉を見つめたままのはな。

梶原は、はなのことをソファーに座らせた。

「安東、お前ずっとどうかしてるよな?

… しばらく会社に出てこなくていい」


はなは息を呑み、梶原を見つめた。

「編集長!」

亜矢子が咎めようとしたが、梶原は話を続けた。

「そんな抜け殻みたいな奴は、うちにはいらない」

抜け殻 … まさに今の自分を表すのに相応しい言葉だとはなは思った。

心は空っぽなのに涙があふれてきた。

ふらふらと立ち上がり、梶原に向かって頭を下げた。

* * * * * * * * * *

机の上の荷物をまとめて廊下に出たはなを梶原が呼び止めた。

「 … 忘れ物だ」

梶原がはなに手渡したのは、『王子と乞食』の原書だった。

こんな大切なものまで忘れてしまうほど、今のはなは尋常ではなかったのだ。

* * * * * * * * * *

長屋で、原書を開いて、第二話の翻訳を進めようと試みたが、一向に捗らない。

作業に集中することができない。

机の上の英英辞典を見るにつけ、また切なくなってしまう。

最悪の精神状態だった。

「お姉やん」

そんな姉の後姿を見つめていたかよが見かねて声をかけてきた。

「 … 甲府に帰れし。

辛くて辛くてどうしようもねえ時は逃げたっていいと思うだ」


かよは立ち上がると、はなの旅行鞄を下げてきた。

「お母のほうとう食えば、きっと元気になるさ」

「かよ … 」


甲府へ帰ろう … お母とお父が待ってる、地元へ帰ろう …

< … ごきげんよう、さようなら >

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