NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年07月04日 (金) | 編集 |
第83回

< 失恋のあげく、仕事でも失敗続きのはなは、甲府に帰ることにしました >

突然のことなので、連絡も入れずに甲府の実家へ戻ったが、出迎える者は居なかった。

「 … ふたりとも畑行ったずらか?」

ひとまずはなは仏壇に手を合わせ、周造に戻って来たことを報告した。

「お祖父やん、ただいま。

ごめんなさい … おら夢を追っかけるために東京に行ったのに、好きになっちゃいけん人、好きになって … ほの上、仕事では失敗ばっかりで、皆に迷惑かけて、かよにも心配かけて …

ほんな自分が情けなくなって、頭冷やしに帰ってきました。

… なんて、とてもじゃねえけんど、お父やお母には言えんなあ」


周造の位牌に向かってつぶやいた。

「そうさなあ ~ 」

「てっ?!」


はなはドキッとして辺りを見回した。

< 今、お祖父やんの声が … 空耳でしょうか? >

* * * * * * * * * *

はなが荷をほどいていると、急に庭先から賑やかな声が聞こえてきた。

両親たちが畑仕事から戻って来たようだ。

「 … あんたまたとんでもねえこん言い出して」 

「婿殿はもう百姓に嫌気がさしただけ?」

隣のリンのあきれたような声も聞こえる。

しばらく真面目に百姓に専念していた吉平だったが、今度はぶどう酒を造りたいと言い出したらしい。

「このまんま百姓だけやってても、何にも変わらん!

ぶどう酒は今に甲州の名を日本中に広げる事業になるだ」

「ほんな調子のいいこん言って ~

ふじちゃん、ホラ話に乗っちゃいけんよ」


リンに釘を刺されたふじは、承知しているとばかりにうなずいてみせた。

「リンさんが口を挟むと余計に揉めるから、黙っててくれちゃあ」

「ふん、これが黙ってられるけ!」

リンに口を挟むな、黙っていろというのが無理な相談だ。

「あんた、地道におらと百姓やるって、仏壇の前でお父やんに誓ったこんもう忘れただけ?」

「 … 百姓をやめるなんて言っちゃいん。

百姓も夢を持たんきゃダメじゃ ~ 百姓、びい、あんびしゃすずら!」


* * * * * * * * * *

何となく出そびれて、はなは家の中でうろうろしているところをリンに見つかった。

「はなちゃん?」

聞きつけて駆け寄ってくるふじ。

「てっ、はな?!」

「お母、おばさん、ただいま」

「てっ、はな ~ ?」

「グッドアフタヌーン、お父」


両親とも狐につままれたような顔ではなを見ている。

はなが戻って来た喜びより驚きの方が大きかったのだ。

「いきなり帰って来るなんて、びっくりするじゃん」

「こんなとこに居て、大丈夫なんけ?」

「うん … 新しい雑誌が出来上がって、ひと息つけたから、お休みもらっただよ。

お父とお母の顔見たくて」


自分でも空々しい言い訳だと思った。

「ほうか ~

早く見してくれちゃあ、ほの雑誌」


一同は手を伸ばしたが …

「 … ごめん、忘れた」

そんな肝心なものを忘れてくるなんて?!

それ以前に、はなの作る話を楽しみに待っていた両親に送ってもいなかったとは … 送ることができなかったというべきか?

「慌てて汽車に飛び乗ったから、つい鞄に入れるの忘れちまって … 」

「はな?」

「なんで ~ はなの作った新しい雑誌、読みたかったじゃんな」


ぬか喜びさせられて、しきりに残念がる吉平。

ふじは怪訝な顔をしてはなの顔を覗きこんでいた。

* * * * * * * * * *

夕方になって、はなが戻って来たことを聞きつけた朝市がやって来た。

「はな、久しぶり ~ お母から聞いて、持ってきたら」


朝市が手にしていたのは、『にじいろ』の創刊号だった。

「おじさん、はなの作った新しい雑誌です」

「おお ~ 」


はなの顔が少し引きつってみえた。

「学校で校長先生や生徒らと読んだだよ。

はなの翻訳した『王子と乞食』、もの凄く面白えですよ」

「てっ、はなが翻訳しただけ?」

「後でおらにも読んでくりょう」


ふじは台所でほうとうをこしらえていた。

「 … 朝市、わざわざありがとう」

「はな、こんな大事なもん忘れるなんて ~ どうかしてるじゃん」


朝市は軽い冗談のつもりだったが、核心をついていた。

「ほうだね ~ 」

上っ面だけで笑って返した。

「いつまでいるで?」

はなは言葉に詰まった、何も決めてはおらず、ただ汽車に飛び乗ったのだ。

「 … しばらくいるつもり」

「ほうけ ~ ほんな仕事休んで大丈夫け?」

「うん、翻訳の仕事持ってきたから」


はなは本心では朝市にもうこれ以上、何も聞いては欲しくなかった。

両親の前でボロが出そうで冷や冷やしていたのだ。

朝市も、はなのそんな微妙な態度を不審に感じていた。

「さあ、ほうとうできたよ ~ たんと食えし」

ふじは朝市にも食べていくように誘ったが、本を届けに来ただけだと遠慮して帰って行った。

* * * * * * * * * *

その頃、梶原は村岡印刷を訪れていた。

「『にじいろ』、お蔭さまで評判も良くて、次の号の問い合わせもたくさん入っています」

「それはよかった ~ 英治が聞いたら、喜びます」

「あ、兄もうすぐ帰って来ますから」


郁弥が腕時計を確認してそう言った。

「じゃあ、待たせてもらってもいいですか?」

梶原は紙袋からウイスキーの瓶を取り出して、テーブルの上に置いた。

「一杯やろうと思って」

「もちろんです」


梶原が村岡印刷にやって来た目的は英治に会うためだった。

「英治君、奥さんの病院?」

その質問に村岡親子は顔を曇らせた。

「はあ … 」

郁弥はあいまいに返事しただけだったが、平祐が重たい口を開いた。

「実は、英治は離婚したんです」

「離婚?」

「嫁の方から別れてほしいと言ってきまして …

英治は最後まで納得しませんでしたが、嫁の意志が固く … 先方の親とも話し合って、区切りをつけました」

「 … そうでしたか」


ところが、英治は夫婦でなくなった今も病室に通い続けているのだ。

「当然だよ。

義姉さんは兄さんのためを思って別れたんだから」


郁弥もこの離婚には納得していなかった。

そんな話をしているところへ英治が戻って来た。

「梶原さん、今夜ゆっくり息子の愚痴でも聞いてやってください」

平祐の言葉に梶原はうなずいた。

* * * * * * * * * *

安東家では、食後の時間、吉平がはなが翻訳した『王子と乞食』をふじに読み聞かせていた。

「 … ロンドンの市中に居る、これだけのことは分かっていたが、それ以上は何にも分からずにただ無暗に歩いて行った。

行くに連れて、家は次第に少なくなり、往来の人の数も減ってきた。

… つづく」


吉平が第一話を読み終えると、ふじは感嘆の声を上げた。

「ああ、面白かった ~ はな、頑張ったじゃんね」

「早く続きが読みてえなあ」


うなずき合っている両親に、はなは困惑した。

「ほんなにすぐには翻訳できないよ」

吉平は物語の最初の頁を開いてふじに見せた。

「おう、この挿絵も美しいなあ」

「はあ、いい絵だね ~ 見たこともない景色だに、ずっと見ていたくなるねえ」


ふたりで仲良く本を手にして挿絵に見惚れている。

「はなの訳した言葉にぴったりじゃあ」

「うん」

「 … ありがとう」


礼を口にしたはなだったが、心のうちは複雑だった。

* * * * * * * * * *

「もう一杯どうだ?」

「あっ、いただきます」


梶原がウイスキーのボトルを傾けると、英治はグラスを差し出した。

「僕はもう結構です」

郁弥はもう限界のようだ。

「ふたりとも強いな ~ 」

水も氷もなし、ウイスキーをストレートでぐいぐい飲んでも平気な顔をしている。

とても郁弥が太刀打ちできるふたりではなかった。

「ちょっと涼んできます」

郁弥が表の空気に当たりに部屋を出て行くのを待っていたかのように梶原は切り出した。

「いろいろ大変だったようだな」

「 … はい」

「俺も一度、結婚に失敗している」


梶原は愛していた女性が居たが、親の勧める別の女性との結婚を選んだことを話した。

「でも俺は妻を幸せにしてやることは出来なかった。

別れる時、彼女に言われた言葉が今でも耳に残っていてね。

『結婚しても私はずっと寂しかった』

そう言われたんだ。

俺と一緒に居ると、ひとりでいる時より孤独を感じたそうだ」


当時のことを思い出したのか、梶原は深いため息をついた。

「 … 香澄も、そうだったのかもしれません。

僕は、ふたりの女性を傷つけてしまいました」


梶原はグラスに残っていたウイスキーを飲み干した。

「安東君は甲府の実家に帰した。

ここんとこ、ずっと上の空だったからね」

「申し訳ありません」

「どんな道を選ぶか君次第だ … だが、後悔だけはするな」


梶原は英治が自分と同じような失敗を繰り返さないように、そのことを伝えたかったのだ。

* * * * * * * * * *

実家でも、はなの翻訳作業は決して思うようには捗らなかった。

第一話を訳した時の様な、溌剌としたやる気が湧いてこないのだ。

下手するとただ英語を日本語に直すだけの作業でしかないのかもしれない。

分からない単語があり、机の上の英英辞典に手を伸ばした時、庭からリンの通る声が聞こえてきた。

* * * * * * * * * *

「はなちゃんがいきなり帰って来た原因は男じゃねえだけ?」

ふじと一緒に空豆の皮をむきながら、したり顔で言った。

「東京で悪い男にでも引っかかったずら」

「何を言うだ、はなはほんなバカな娘じゃねえ!」


横で薪を割っていた吉平が否定したが、リンは譲らない。

「い~やいやいや、ああいう賢い子に限って、コロッと男にだまされるだよ」

悪気はまったくないとはいえ … 親の前で、それも本人が家の中に居るというのによくもまあ平気な顔でそんなことを口にできるものだ。

「バカなこと言うじゃねえ!」

さすがの吉平も腹を立てて、声を荒げたが、ふじが嗜めた。

すると、はなが風呂敷包みを抱えて家から出てきた。

「はな?」

「何だか気が散って仕事にならんから、教会の本の部屋に行ってくる」


あんな言い争いを近くでやられた日には、集中できずに仕事どころではないだろう。

ふじもその方がいいと思った。

「うん、行ってこうし、気つけて」

はなが出かけていくのを見送った後、リンは性懲りもなくまた言い出した。

「やっぱり、ありゃ男に裏切られただよ」

リンという女は変なところで勘が鋭いから性質が悪い。

「はなに限ってあり得ねえ!」

「ふたりともええ加減にしろし!」


ふじはとにかく様子がおかしいはなのことが心配だった。

* * * * * * * * * *

教会の図書室は静かで、家に比べたら環境は数倍よかったが、それでも仕事が捗る訳でもなかった。

なにしろ、分からない単語を引こうと英英辞典に手を伸ばしても、開くことをためらってしまうのだ。

この辞典の贈り主との思い出が容赦なく頭に浮かんでくる。

気づけば、窓ガラスに降り出した雨粒が当たっていた。

はなは何を思ったか、英英辞典を抱えると、その窓に向かって歩き出した。

窓を開けると、雨脚は強くなっていて部屋の中まで吹き込んできた。

腕の中の辞典にも雨が当たる。

そこへ読み終えた本を手にした朝市が入ってきた。

朝市は開け放した窓の前に立っているはなの横顔を見て、胸騒ぎを感じた

* * * * * * * * * *

「今度こそ …

今度こそ忘れてやる!」


はなはそう叫ぶと抱えていた英英辞典を高く振り上げて窓の外へ投げ捨てようとした。

「はな!!」

朝市は間一髪、はなの手から英英辞典を取り上げた。

「何てことするでえ?!」

はなはさめざめと泣いていた。

< … ごきげんよう、さようなら >

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