NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年07月05日 (土) | 編集 |
第84回

「今度こそ忘れてやる!」

教会の図書室の窓からはなが投げ捨てようとした英英辞典を朝市は間一髪で取り上げた。

「はな、何てことするでえ?!」

はなはさめざめと泣いていた。

「英語の辞書じゃんけ、こんな大事なもん投げるなんて … どうしたで?」

「もう見たくないから捨てるだ!」


朝市の手から奪い返そうとするはな。

「はな、やめろし!」

「放っといてくりょう!」

「放っとけるわけねえら!」


朝市ははなの手を振り払った。

「こんな大事なもん投げ捨てたら、罰が当たるら!」

どんな訳があろうと、本を大事に扱わないことは許せなかった。

* * * * * * * * * *

雨が吹き込んでくる窓を閉めると、はなはその場に座り込んでしまった。

「はな、もう見たくねえってどういうこんだよ?

… 今度こそ忘れてやるってどういう意味だよ?」


朝市は雨と涙で濡れてしまったはなに手拭いを差し出した。

「はな、翻訳の仕事、そんなに辛いだけ?」

はなは黙ったまま首を横に振って、手拭いで涙を拭いた。

「ほれじゃあ、何で … 話してくれちゃあ」

赤くはらした目で朝市を見たが、手拭いに顔をうずめてまた泣き出してしまった。

「朝市、ごめん … 」

「おらに … 言いたくねえようなことけ?」


はなはもう一度、首を横に振ったが、「ごめん」と謝っただけだった。

* * * * * * * * * *

雨はすぐに上がり、朝市ははなを家まで送り届けた。

「大事な本、こんなに濡らしちまって … 」

ふじは縁側で英英辞典を開いて、頁ごとに布で丁寧に水分を吸い取っている。

「おばさん、大丈夫そうけ?」

「うん、大丈夫ずら」


落ち着きを取り戻したはなは朝市に申し訳なさそうな顔をした。

「朝市、悪かったじゃんね … 」

「 … 何があったか分からんけんど、元気出せし」


結局、はなは朝市に何も話してはくれなかった。

少しのわだかまりを残して、朝市は帰って行った。

* * * * * * * * * *

はなは縁側に腰掛けて小さなため息をついた。

「東京で傷ついて、帰って来ただけ?」

せっせと手を動かしながら、ふじは訊ねた。

「顔見た時から分かってたさ」

母は何でもお見通しだった。

「おら、好きになったらいけん人、好きになっちまった」

ふじは手を止めて、驚いた顔ではなの横顔を見た。

「奥さんがいる人だって知らないで、本気で好きになっちまっただ」

偶然、畑仕事から戻って来た吉平も入口の前で佇んだまま、はなの話を聞いていた。

「 … ほの辞書もほの人がくれたの」

「ほうけ … 」


それを聞いて、ふじははなが英英辞典を濡らしてしまった訳が何となく分かった。

「恋って、素敵なもんだとばっかり思ってた …

ふんだけど違った。

人を好きになるって、本当に恐ろしいこんだ。

今、すごく怖いら … 自分が自分でなくなっちまったみてえで」


* * * * * * * * * *

「いつまでここにいるでえ?」

ふじから返ってきたのは、はなにしてみれば意外な言葉だった。

「ここでじっとしてても何も変わらんよ ~ はなはもう立派な大人じゃん。

自分で、こぴっとケジメつけんきゃいけんよ」


はなは母を見た。

厳しい顔で見つめている。

「落ち着いたら、こぴっと東京へ帰れし」

はなは、その厳しさの中に隠れた愛情を感じた。

「お母 … ごめん、こんなバカな娘で」

まためそめそ泣き出したはなの肩をふじは笑いながら抱き寄せた。

「お母はいつだって、はなの味方さ ~ 」

* * * * * * * * * *

その夜、はなは再び翻訳の作業に向かい合った。

「 … こういう時は、父親はちっとも役に立たんじゃんな」

夜なべのわら仕事をしながら、吉平は寂しそうにぼそっとこぼしていた。

* * * * * * * * * *

「この単語、何だろう?」

はなは縁側に干したままの英英辞典に目をやった。

すると突然、風が吹きはじめてパラパラと頁をめくった。

風は家の中まで吹き込んできて、はなの手元の原稿用紙までめくった。

その瞬間、まばゆい黄金色の光が縁側の外から差し込んできた。

思わず閉じた目をそっと開くと、光を背にした人影が立っていた。

見覚えのあるその姿 …

「てっ、お祖父やん?!」

紋付袴の周造だった。

「 … お祖父やんじゃねえ、周左衛門と呼べし!」

周造は怖い顔をしながら胸を張って見栄を切った。

そして、縁側から家の中に上がってくると、英英辞典を手に取った。

「はな、おまんは人様からもろうた、この大事な辞書を窓からぶん投げて捨てようとした!」

はな言葉もなくうなずいた。

「いらねえなら、わしがもらっていく」

そう言って、辞典を小脇に挟んだ。

「おまんは、この大事な英語の辞書がなけりゃあ、一生、花子にゃなれん」

いつの間にか、はなは立ち上がっていて、目の前まできた周造と対峙していた。

「 … 死ぬまで、はなたれのはなじゃ」

憎々しげな顔をしてそうほざいた。

「てっ、死ぬまで?」

「そうさの ~ 」


周造は英英辞典をしっかりと抱え、高笑いしながら去っていく。

「待ってくれちゃあ ~ 持っていかねえでくりょう!

お祖父やん、周左衛門祖父やん!!」


* * * * * * * * * *

「はな、はな?!」

はなは机に突っ伏した姿勢で両親に揺り起こされた。

「てっ、おっかねえ夢みた」

すでに次の朝が訪れていた … 一体何処からが夢だったのだろう?

はなは慌てて縁側を見た。

昨日置いた場所で英英辞典は朝の陽を浴びていた。

急いで駆け寄ると、手に取って頁をめくった。

「ああ、乾いたじゃん」

「うん」


そして辞典を膝の上に置いて、表紙を愛おしそうに撫でてみた。

… 本を大切にしなかった自分を戒めるために、お祖父やんは現れたのかも知れない。

縁側から見上げた空は快晴だった。

数日後、はなは『王子と乞食』の第二話の翻訳を書き上げた。

* * * * * * * * * *

東京へ戻ったはなが真っ先に向かったのは聡文堂だ。

「よし、面白い!」

はなの書き上げた翻訳を読み終えて、梶原は太鼓判を押した。

「もう大丈夫みたいだな?」

「はい、ご心配をおかけしました」


頭を下げるはな、傷は完全に癒えた訳ではない、しかし持ち前の前向きな気持ちは取り戻しかけていた。

* * * * * * * * * *

< 一方、上京した蓮子は龍一と再会していました >

以前ふたりで訪れた龍一が行きつけの屋台にいた。

蓮子はわざわざ上京してきたというのに、龍一の機嫌はあまりよろしくなかった。

「舞台、蓮子さんにも見てほしかったな」

「私だって見たかったわ」


どうやら、舞台の稽古どころか本番にも間に合わなかったようだ。

「僕たちが汗水たらして芝居やってた頃、あなたはご主人と温泉に浸かってた訳だ」

まるで子供のように拗ねてみせた龍一はコップの酒を一気に飲み干した。

「おやじ、今日は持ち合わせないからツケで」

そう言って、席を立った。

「お金なら … 」

龍一はバッグを開けようとした蓮子の手を押さえた。

「石炭王のごちそうにはなりたくない」

さっさと歩き出してしまった。

「お待ちになって!」

後について立ち上がった蓮子、龍一は立ち止まった。

そして蓮子の手を取ると突然走り出した。

* * * * * * * * * *

薄暗い通りを抜け、一軒の家に走り込んだ。

「 … どうなさったの?」

「近頃、何者かに監視されている」

「えっ?!」


蓮子の顔に驚きが走った。

部屋に入ると、龍一は窓から外の様子をうかがった。

「ここはまだ大丈夫みたいだ。

… 越してきたばかりだからな」


龍一は電気を点けて、蓮子の前に薄っぺらな座布団を置いた。

「座っててください … 少ししたら、送っていきますから」

しかし、蓮子は腰を下ろそうとはせず、どことなく居心地が悪そうな顔をしている。

「あっ、こんな汚い部屋には入ったことないですか?」

蓮子は慌てて首を振った。

「違うの … 男の人の部屋に入ったのなんて、生まれて初めてなの」

乙女のような戸惑いをみせた。

* * * * * * * * * *

「本当に面白い人だな」

龍一は微笑んだ後で真顔になった。

「あんなに熱い恋文をくれた人とは思えない」

ふたりの目と目が合った。

「会いたかった。

死ぬほど会いたかった」


言葉よりも早く、龍一は蓮子のことを抱きしめていた。

しばしの抱擁の後、龍一は蓮子の唇に自分の唇を重ねた。

なすがままにされていた蓮子だったが、ハッとして龍一の身体を押して腕から逃れた。

「蓮子さん … 」

「そんな恐ろしいこと、できないわ」


荷物を手に取ると出口へと向かった。

「待ってくれ、蓮子さん」

「 … ごめんあそばせ」


蓮子が震える手を戸に伸ばした時、背後で倒れる音がした。

「痛て … 」

ゆっくり振り向くと、すべって転んだ龍一が板の間に引っくり返っていた。

「 … あ、あなたは、どうしていつも転ぶの?」

そう口にした途端、無性におかしくなって、ふたり同時に吹き出した。

いつしか声を上げて笑い合っていた。

* * * * * * * * * *

香澄の病室。

血相を変えた英治が駆け込んできた。

ベッドの横のイスに腰掛けていた郁弥がふらっと立ち上がって英治を振り返った。

「 … 兄さん」

香澄はベッドに横たわり目を閉じている。

英治はその姿を呆然と見つめた。

* * * * * * * * * *

聡文堂に復帰したはなは、何とか元のペースに戻りつつ、今まで失敗した分を取り戻すべく奮起していた。

「三田、これ村岡印刷へ届けてくれ」

「あ、私これから届けます」


ここで働く以上、村岡印刷を避けている訳にはいかない、はなは梶原に自ら名乗りを上げた。

しかし梶原は首を振った。

「お前には大仕事が待ってるだろ?

… 宇田川先生の原稿催促だ」

「私とっくに宇田川先生の担当、外されたんじゃ … 」


梶原は苦笑いした。

「彼女に首切られた編集者は数えきれない。

そこを何とか、強引に頭を下げてねじ込むんだ」

「実は、私も昨日担当クビになったの」


はなの後に担当についていた亜矢子が情けなく笑った。

「何としても書いてもらえ。

それさえ揃えば、『にじいろ』秋号、完成だ」


はなに新たに与えられた試練だった。

そうと分かると、否が上にも緊張してきた … しかし、俄然やる気も湧いてきた。

「はい、こぴっと頑張ります」

梶原や亜矢子たちの期待を背にはなは満代がいるドミンゴへと向かった。

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