NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年07月10日 (木) | 編集 |
第88回

突然、長屋に戻って来たかよは、玄関に倒れ込むようにして、切羽詰まった声で言った。

「武、何処行ったか知らんけ?

お姉やん、おらには … 武が必要なんだ!」

「て …

かよ、武といつからそんな?!」


よりによって武なんかと、はなはまるで責めるようにかよを問い質した。

「武だけじゃねえ、お姉やんも、朝市も、醍醐さんも、ほれからほれから … 」

何だか話の様相が変わってきた。

「とにかく落ち着けし!」

すると、かよは懐から一枚のチラシを取り出して、はなに見せた。

それは、クリスマス会の案内だった。

「うちの店で急にクリスマスパーティやることになっただよ。

ほれで、女給ひとりで、最低10人はお客さんを呼ばんといけんだ。

ふんだけんど、おら東京に知り合いなんていないし … 」


かよは今にも泣きそうな顔で訴えた。

たぶんノルマを果たさないと、その分、本人が負担しなければならないのだろう。

「な~んだ」

「お姉やん、どうしよう?」


武のことは思い違いと分かって、安堵したはなは胸を叩いてみせた。

「お姉やんに任せとけし、こぴっと集めてあげるさ」

* * * * * * * * * *

< 大正8年この頃、銀座の街ではクリスマスパーティが流行りはじめておりました >

ドミンゴの前にはサンタクロースに扮した呼び込みが立ち、行きかう人たちにチラシを配っている。

店内はクリスマスの装飾が施され、ホールのテーブルは片付けられていた。

ひとりでも多く客を入れようと、今夜は立食パーティの形式らしい。

「随分人が集まってるな」

はなが梶原や亜矢子、聡文堂の同僚を誘って店を訪れた頃には、すでに所狭しと客が入っていた。

かよたち女給はサンタクロースの帽子を被って慌ただしく接待をしている。

「秀和女学校のクリスマスとは趣が全然違うけど楽しそうね」

「ええ」


亜矢子もはなもクリスマスは卒業以来だった。

* * * * * * * * * *

「あ、宇田川先生!」

三田がいつもの指定席に座って原稿用紙を広げている満代を発見した。

「まったくどうして今日はこんなにうるさいのよ?!」

クリスマス会があるとは知らなかったらしく、不機嫌な声が聞こえてきた。

「いや ~ この状況でも原稿が書けるって、さすがとしか言えません!」

三田の『よいしょ』もクリスマスのせいかやけにテンションが高く、却って満代をいらだだせた。

「うるさい!」

「 … せっかくだ、楽しもうじゃないか」


三田は梶原に促されて、そそくさと満代の傍から離れていった。

* * * * * * * * * *

梶原、三田、亜矢子、はな、それに朝市 … 武の姿が見当たらないと思ったら、サンタの扮装をした女給たちに見惚れて後をつき回っていた。

これで6名、かよのノルマはあと4名だ。

「お姉やんの会社の人、5人じゃないだけ?」

かよが血相を変えて飛んできて、はなに訊ねた。

「あ、須藤さんが遅れて来るって」

かよは取りあえずうなずいたが、はなへの用事はそれだけではなかった。

「お姉やん、ちっと来て … お姉やんが必要なんだ」

* * * * * * * * * *

「 … お待たせしました」

しばらくすると、エプロンをつけたはなが一同が陣取った席に酒を運んできた。

「金に困って、ついに女給はじめたのか?」

「安東君、そんなに困ってるのか?」


三田と梶原が真剣な顔で訊ねた。

亜矢子も心配そうに見つめている。

「今日だけです … 女給さんが風邪をひいてしまって、人手が足りないみたいなんです」

はなはそう説明すると、慌ただしく戻っていった。

* * * * * * * * * *

その時、店の扉が開いて、入ってきたのは蓮子だった。

これで7名。

「蓮様、来て下さったのね」

「はなちゃんのお誘いだもの、来るわよ!

… はなちゃん女給になったの?」


蓮子もエプロン姿でお盆を手にしたはなを見て、不思議そうな顔をした。

「いや、これはその … 」

「ちょっと退きなさいよ」


説明しようとしたはなを押し退けたのは帰り支度をした満代だった。

「先生、もうお帰りですか?」

「うるさくて仕事になりゃしない」


こんな日にわざわざこの店で仕事をする方もどうかと思う。

扉に手をかけた満代がふと足を止めて振り向いた。

「ひょっとして … 白蓮?」

蓮子は驚いたようにうなずいた。

「 … 失礼ですけど、あなたは?」

「私のこと知らないの?」


はなが慌てて、自分が担当している作家の宇田川満代だと紹介した。

「申し訳ございません。

現代小説はあまり読まないので … 」

「こっちはよく存じ上げてるわ」


満代は不敵に笑いながら、蓮子に迫ってきた。

「それは、どうも … 」

「私がこの世で一番嫌いな女よ」


満代の悪態にも蓮子はきれいに微笑んで返した。

「お目にかかれて光栄です」

目に見えない火花がふたりの間で飛び交っているようだ。

横で聞いているはなは気が気ではなかった。

「大正三美人のひとりとか言われて、いい気になんないでよ!」

そう捨て台詞を残して、満代は店から出て行った。

* * * * * * * * * *

「ごきげんよう」

満代の背中に投げかけた言葉を聞いて、亜矢子が蓮子のことに気づいた。

「蓮子様!

ごきげんよう、お久しぶりです」


ふたりともこの界隈にいることが多い割には顔を合わせることなく、蓮子の婚礼以来の再会だった。

「あら、醍醐さん … ごきげんよう」

「ごきげんようの嵐だな … 」


三田の吐いたひと言が言いえて妙だ。

* * * * * * * * * *

そんなやり取りをしているところに村岡兄弟が店に入ってきた。

かよが誘ったのだろう。

「皆さん、メリークリスマス」

イギリス留学の経験がある郁弥にとって、クリスマスというイベントが心を和ませたのかも知れない。

彼の楽しそうな笑顔を久しぶりに見たような気がする。

とにかく、これで9名 … あとひとりでクリアだ。

「お姉やん、須藤さん未だけ?」

「ああ、どうしたんだろう?」


奥方との約束を思い出して直帰してしまったのではないだろうか?

* * * * * * * * * *

パーティの賑やかな声は通りまで漏れていた。

「お祭り騒ぎだな … 」

龍一と演劇仲間の田中は、店の前までやって来てはじめてクリスマスパーティだと知ったようだ。

「たまにはいいだろう」

ふたりはうなずき合うと店の扉を開けた。

彼らは気づいていなかったかもしれないが、ずっと尾行してきたふたりの男が店を少し通り過ぎたところで足を止めた。

片方は吉太郎だ。

< おやまあ、クリスマスだというのに、吉太郎は憲兵のお仕事ですか? >

上司と思われる男が煙草を吹かすと、苦々しく言い捨てた。

「浮かれやがって …

ブルジョアは敵だの、革命を起こすだの大層なこと言ってるくせに、所詮ああいう主義者は頭でっかちの生ぬるい坊ちゃんさ」

「同感であります」

「で、どうする?

この様子だと当分出てこないぞ」

「自分が店に入ります」


上司はさすがに躊躇したが、吉太郎は自信ありげに答えた。

「大丈夫です」

* * * * * * * * * *

店内に入った龍一は、亜矢子と談笑している蓮子を見つけ、近づいて行こうとした。

「もうあの女には、関わるなと言ってるだろう」

しかし、田中が龍一を引き留めた。

「この店には石炭王も来るそうじゃないか」

その言葉で龍一の脳裏に先日のことが忌まわしい思い出としてよみがえった。

結局、ふたりはカウンター席に腰を下ろした。

「かよちゃん、強い酒をくれ」

* * * * * * * * * *

その声に気づき、蓮子が龍一の傍に駆け寄ってきた。

「龍一さん … 」

「今日は石炭王とご一緒じゃないんですか?」


龍一は強い酒を呷って、蓮子の目を見ずに訊ねた。

「あの日はごめんなさい。

お目にかかって謝りたかったの」


入り口付近で吉太郎は龍一のことを鋭い目で見つめていた。

そこに一番お呼びでない奴が首を突っ込んできた。

「どうも、お久しぶりじゃん」

割り込んできた武がポーズを取りながら蓮子を見た。

「 … あの?」

「はなたれんとこの地主の徳丸武でごいす」


そう言われても、蓮子の記憶には全く残っていないのだ。

「ごめんなさい、何処のどなたか全く思い出せないわ」

村人たちの前で親子共々面目をつぶしてやったことなど、ひとかけらも覚えてはいなかった。

「蓮子さん、お久しぶりです!」

「あら、朝市さん?!

お懐かしいわ」


その時、龍一は不愉快そうな顔で田中と共に席を立っていった。

蓮子は寂しげな顔で見送るしかなかった。

* * * * * * * * * *

「てっ、吉太郎さんじゃん?!」

ひと目を避けるように気配を消して立っていた吉太郎を朝市が目ざとく見つけた。

「てっ、兄やん」

その声にはなとかよも吉太郎を見つけた。

「兄やん、来てくれただけ?」

「いや、たまたま通りかかったらすげえ賑わいなんで … 」

「やった ~ これで10人じゃん!」


吉太郎は気まずそうな顔をしているが、かよはノルマをクリアできたことで大喜びだ。

「勢ぞろいね ~ 吉太郎さん、乾杯しましょう」

「いえ、実はまだ仕事が残っていて … 」


蓮子の言葉に少しはにかむように答えた顔は甲府に居た時の吉太郎だった。

「軍隊の仕事も忙しそうじゃん」

「まあな … 」


そんな会話を交わしながら、吉太郎の目はしっかりと龍一たちを捉えていた。

* * * * * * * * * *

「ふんだけんど、どうして蓮子様と知り合いでえ?」

武は自分は忘れ去られていたのに、しっかりと覚えられていた朝市のことが羨ましかった。

「蓮子さんが甲府にいらした時、はなと吉太郎さんと一緒に4人で釣りをしただ。

蓮子さん、こ~んなでっけえ魚釣っただ!」


蓮子や吉太郎、思いがけず懐かしい顔に再会した朝市は興奮気味に大声をあげながら誇張して腕を目いっぱいに広げてみせた。

「それは大げさよ、これくらいだと … 」

慌てて否定する蓮子。

場が一気に和んで皆大笑いした。

「でも楽しかったわね」

吉太郎もその瞬間、職務にあることを忘れ、遠い日を思い出していた。

自然と気持が優しくなり、頬を緩めた。

* * * * * * * * * *

宴は進み、ちらほら帰る客も出てきて、梶原と三田は銀座の街へと繰り出していった。

蓮子の視線の先では、相当酔っぱらった龍一が女給の肩に手を置いて何か話していた。

「ああ、かよちゃん、踊ろう!」

「てっ?!」


龍一は通りかかったかよを呼び止めると強引に手を取って、おぼつかない足取りでホールの中央へと引っ張り出した。

千鳥足の上、でたらめなステップで踊る龍一。

その姿を悲しげな目で見つめている蓮子。

「蓮様 … 」

はなは何と声をかけていいのか分からなかった。

* * * * * * * * * *

急に踊ったため、なおさら酔いが回ったのだろう、龍一はフラフラしながら店から出てきた。

すると後を追うように蓮子が飛び出してきた。

「龍一さん!」

龍一に歩み寄ろうとしたその時だった。

「蓮子!」

従者を従えた伝助だった。

「これは、これは、石炭王の嘉納伝助 … 様ではありませんか?」

近づいてきたのが伝助だと分かると、龍一はおどけた調子で頭を下げた。

「ふふふ、よかご機嫌やな」

龍一を笑い飛ばした後、伝助は蓮子の方を心配そうに見た。

「何しよっと?

遅いき、迎えに来たばい」

「ほぇ ~ お優しいご主人だ」


顔を上げた龍一を見て、伝助は蓮子に訊ねた。

「お前の知り合いか?」

蓮子は一瞬迷ったように見えたが、すぐに首を振った。

「 … いいえ」

自らがつれない態度を取っておきながら、その言葉が龍一にとってはショックだった。

* * * * * * * * * *

「行くぞ、あっちで運転手が待ちくたびれちょるき、さあ」

伝助は蓮子の肩を抱くと促した。

早足で大通りに向かうふたりの背中に龍一は叫んだ。

「待てよ!

… 待ってくれ、行かないでくれよ」


振り向いたのは伝助だった。

「酔っぱらいたい、相手するとやなか … 」

そう耳元で言うと、ふたたび蓮子の肩に手を置いて歩き出した。

ふたりが去った路地に残された龍一は呆然と立ち尽くしていた。

店から出てきた吉太郎はそれを一瞥すると、何も言わずに立ち去っていった。

* * * * * * * * * *

< 蓮子たちがそんなことになっていたとは知らず … はなは三杯目のぶどう酒を飲もうとしていました >

「やっぱし徳丸商店のぶどう酒は美味えら?」

武も遊んでばかりではなく、ドミンゴに自家のぶどう酒を売り込んでいたらしい。

「美味え!」

武に朝市、郁弥と今、はなの周りに座っている男たちは、はな三杯限界説を知らなかったのだ。

* * * * * * * * * *

英治は亜矢子とカウンター席に居た。

「英治さん、挿絵の調子はいかがですか?」

「それが、なかなか難しくて … 」


英治は浮かない顔をみせた。

「 … 宇田川先生は、もしかしたら、英治さんだけの『銀河の乙女』を見たいんじゃないかしら?」

「それはどういうことですか?」

「遠い遠い星まで、傷つきながらたったひとり旅を続ける銀河の乙女。

『銀河の乙女』は、誰の心にも居ると思うんです。

… 英治さんの心にもきっと居るはずです」


亜矢子が何を言いたいのか … この時、英治にはまだ分からなかった。

「 … 僕の心にいる?」

♪ Twinkle, twinkle, little star ~

後ろから聞こえてきた歌声に振り向いた亜矢子が顔色を変えた。

はなが『きらきら星』を歌いながらホールで踊っているではないか?!

「大変、はなさん、いつの間にあんなに酔っちゃったの?!」

三杯目を超えるとはなはこうなってしまうのだ。

楽しそうに歌いながら踊るはな、その足取りの危うさは龍一どころではない。

つまずいた途端、グラッとよろけた。

「危ない!」

英治と朝市がほぼ同時に飛び出して、はなを両側から支えたので事なきを得た。

「ああ、優しいですね ~ 」

はなは英治を見て、へらへらと笑った。

「花子さん、こぴっとしてください!」

ふたりは、はなをカウンターの隅の席に腰かけさせた。

* * * * * * * * * *

パーティは終わり、かよたち女給が店の後片付けをはじめた。

酔いつぶれたはなはカウンターに突っ伏して眠ってしまった。

同じように郁弥もソファーで引っくり返っている。

英治と朝市だけ、カウンターに並んで、ウイスキーを酌み交わしていた。

「 … どうぞ」

英治が朝市のグラスに注ぎ足した。

「やっぱり寝てしまいましたね」

はなの微かな寝息が聞こえていた。

「朝市さんは、花子さんの幼なじみだそうですね」

「 … はなのこと花子って呼ぶですね?」


小難しい顔をして黙っていた朝市がようやく口を開いた。

「ああ」

英治にとってはそれがもう当たり前になっていた。

「村岡さん」

朝市は改めて英治の名を呼んだ。

「はい」

「はなに英語の辞書贈ったのあんたですか?」

「 … はい、そうですけど」


* * * * * * * * * *

「やっぱり、ほうけ」

朝市はひとり納得したようにうなずいている。

しばらく考え込んだ後、英治の方に向き直った。

「あんたに言っておきてえことがある」

はじめて英治の目を見て話しはじめた。

「はなは … 」

< まあ、怖い ~ 朝市は決闘を申し込むのでしょうか?

… ごきげんよう、さようなら >

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