NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年07月11日 (金) | 編集 |
第89回

クリスマスパーティの後、カウンター席に残った朝市は英治を問い質した。

「はなに英語の辞書贈ったのあんたですか?」

「 … はい、そうですけど」


はなは酔いつぶれて、朝市の向こうで突っ伏して眠っていた。

「あんたに言っておきてえことがある。

はなは … 甲府に帰ってきた時、あの辞書を捨てようとしたです」


驚く英治。

「あんな大事なもの投げ捨てようとするなんて、びっくりして止めました。

あん時のはなは … おらが見たこともねえ、悲しい目してたです。

あの辞書をくれたあんたのことを、必死に忘れようとしてただと思います」


掃除をしていたかよも手を止めて朝市の話に耳を傾けている。

「今は、元の明るいはなに戻ったみたいに見えるけんど … やっぱり、おらには違って見えます。

いくら明るく笑ってても、昔の屈託のないはなの笑顔とは違うです」


朝市は眠っているはなに目を落とした。

「はなはきっともう、おらの知らんはなになっちまった。

… あんたのせいじゃないですか?」


顔を上げて責めるような目で英治を見た。

英治は悲痛な顔で黙って話を聞いている。

「あんたもはなのことが好きなら、はなの気持ち … こぴっと受け止めてやってくりょう」

* * * * * * * * * *

「ちょっと待ってください。

… どうして、僕にそんなこと言うんですか?」


英治は目をそらさずに朝市に訊ねた。

「あなたは、僕よりずっと彼女のことを分かっている。

朝市さんこそ、はなさんのことが好きなんじゃないですか?」


英治から指摘された朝市はあっさりと認めた。

「はい …

おらは、はなが好きです。

ボコの頃から、はなはずっとおらの傍に居ました。

いつか、おらの嫁さんになって欲しいと思ってました」


今日までずっと自分の胸に秘めてきた思いを初めて口に出したのだ。

「 … そんなに思ってるなら、あなたが彼女と結ばれるべきだ」

朝市は、苛立って声を荒げた。

「まだ分からんだけ?

… おらじゃ駄目じゃん!

あんたじゃなきゃ駄目どう!!」


英治は朝市の気迫に言葉を失った。

にらみつけている朝市の顔には、はなのために何もできないもどかしさや悔しさがにじみ出ていた。

* * * * * * * * * *

朝市は、グラスに残っていたウイスキーを一気に飲み干すと、ふっと表情を緩めた。

くしゃくしゃの顔をして笑うと息をついた。

「はあ、酔っぱらった … 武が待ってるから帰る」

そう言って席を立った。

「朝市、もう電車ねえよ」

「歩いて帰る … ちょうどいい酔い醒ましだ」


心配するかよにそう言って笑った後、扉の前でもう一度、英治の方に向き直った。

「はなのこと、お願えします」

英治の背中に深く頭を下げると、店から出て行った。

いつのまにか、ソファーで酔いつぶれていたはずの郁弥が目を覚ましていた。

* * * * * * * * * *

一夜明けた開店間もないドミンゴ。

武と朝市がライスカレーをかっ込むように食べている。

「ここのライスカレーも食べ納めじゃん」

「てっ、やっと甲府に帰るだけ?」

「ほんなに寂しいなら、もっと居てやらっか?」


かよは思いっきり首を振った。

「ごちそうさまでした!」

あっという間に平らげたふたりは両手を合わせると、荷物を手に立ち上がった。

「釣りはいらん、世話になったじゃん」

武はかよの掌に紙幣を数枚渡した。

「てっ、武 … はじめてチップくれたじゃん、ありがとう!」

最後にいいところを見せたのだ。

「 … やっぱし、もっと居っかな?」

そのまま帰ればいいものを自分で男を下げるのが武らしかった。

* * * * * * * * * *

「朝市、お姉やんに会わんで帰っちまうだけ?」

そう言われて、朝市は少しだけ名残惜しそうな顔をみせた。

「うん、いいら … こぴっと頑張れって、かよちゃんから言っといてくりょう。

かよちゃんも元気で」


かよは朝市に言いたいことがあった。

「ゆんべの朝市、うんとこさかっこよかったよ」

かよから褒められて、照れまくる姿はいつものシャイな朝市だった。

昨夜は、はなのためにと、一世一代の勇気を振り絞って英治に意見したのだろう。

「朝市の何処がかっこいいでえ ~ ?!」

経緯を知らない武は納得がいかない。

「汽車に遅れるから早く行こう!

ごっそうさん!!」


朝市は武を急かして帰って行った。

「ありがとうございました!!」

* * * * * * * * * *

< 朝市がはなのためにそんなかっこいいことをしてくれたなんて … つゆほども知らないはなでした >

「昨夜は相当飲んでたけど、大丈夫?」

二日酔いですっきりしない顔のはなを見て亜矢子は声をかけた。

「お恥ずかしい … 」

酒の上での失敗が多いはな、きまりが悪いので話を変えた。

「あっ、『銀河の乙女』、今日こそ入稿したいわね。

村岡さんの挿絵まだかしら?」


すると、亜矢子は確信しているように答えた。

「きっとすごくいい絵が上がってくるわ」

「えっ?」

「私、そんな気がするの」


はなの顔を見て意味深に笑った。

* * * * * * * * * *

「 … 安東さん」

気がつくと、郁弥が会社にやって来ていた。

何だか、やけに緊張した感じで立っている。

「後でちょっと話したいことがあるんです」

「はい?」


その口ぶりからすると、仕事のことではないようだ。

「 … 兄のことで」

* * * * * * * * * *

「『銀河の乙女』は、誰の心にも居ると思うんです。

… 英治さんの心にもきっと居るはずです」

机の上に置いた真っ新な紙を前に英治は昨夜の亜矢子の言葉を思い返していた。

自分の心に居る『銀河の乙女』とは? …

答えはひとつだった。

英治はそれを形にするために鉛筆を手に取ると、紙に走らせ始めた。

* * * * * * * * * *

郁弥は、ドミンゴのカウンターに着くなり、はなに切り出した。

「昨夜、ここで兄と朝市さんが話ているのを聞いてしまいました」

やはり郁弥は目を覚まして、ふたりのやりとりを聞いていたらしい。

酔いつぶれて眠ったままだったはなには何のことか分からなかった。

「あのね、お姉やん眠てたけんど、ふたりでお姉やんの話してただよ」

カウンターの内側でかよが説明した。

「そうですか … 」

どんな話をしていたのか気になったが、郁弥の表情からすると楽しい話ではなさそうだ。

「 … それで?」

「やはり、兄とあなたは心が通じ合っていたんですね。

… 義姉さんが亡くなる前から」


はなに動揺の色がみえた。

「義姉さんも気がついていました」

姉に代わって確かめたのは、かよだった。

「それで、お義姉さん、突然英治さんと別れたいなんて言い出したんですか?」

「 … きっとそうです」


郁弥はため息をついた。

「義姉さんの気持ちを思うと、僕は兄とあなたが一緒になるのだけは許せないんです」

* * * * * * * * * *

「 … そうだと思います」

絶句していたはなはようやく、そう言葉にした。

「私も自分のこと許せないんです」

はなは深呼吸すると、郁弥の顔を見た。

「正直に言います。

お兄さんの離婚話を聞いた時、一瞬だけ考えてしまいました。

… お兄さんと一緒になれるんじゃないかって」


英治をひとことも責めず、自分の気持ちも偽らず、ありのままを話そうとするはなに、反対に郁弥の方が狼狽えていた。

「もうそんなこと二度と考えません。

好きだとか、一緒に居てえだとか … そういう気持ちは全部、甲州の山の中に捨ててきましたから …

どうか、安心してください」


はなが「自分を許せない」と言った言葉に嘘はないと郁弥は信じた。

「 … そうですか」

郁弥は視線をそらして目を伏せてしまった。

「村岡さんとはいい仕事の仲間でいたいんです。

今心からそう思ってます」


はなを責めるような言い方をしてしまった自分を恥じていた。

「 … 分かりました」

笑顔で取り繕うことしかできない自分が情けなかった。

「すいません、未だ仕事が残っているので … 失礼します」

そう断ると、はなは慌ただしく会社へと戻っていってしまった。

* * * * * * * * * *

同じ頃、英治は会社に残って、スタンドの灯りの下、一心に挿絵を描いていた。

夜も大分更けて下描きが終わり、鉛筆をペンに持ち替えた。

そして、東の空が白む頃に英治は自分の心に居る『銀河の乙女』を遂に描き上げた。

徹夜明けで疲れた顔の中に満足げな表情が宿っていた。

* * * * * * * * * *

英治が描き上げた挿絵を持って、郁弥が朝一番に聡文堂にやって来た。

「おはようございます。

これ、兄から預かって来ました」


郁弥は、はなと亜矢子に封筒を差し出した。

「挿絵出来たんですか?!」

「はい」


昨日の今日なので、郁弥に対するはなの態度がいくらかぎこちなくも感じたが、挿絵が完成したことでそんなことは吹き飛んでしまったようだ。

ふたりは郁弥を応接席に案内して、早速封筒から挿絵を取り出した。

* * * * * * * * * *

「素敵 … 」

はなの口から思わず感嘆の声が漏れた。

「これなら、宇田川先生も気に入って下さるわよね」

はなはそう確信して、亜矢子に同意を求めた。

当然、亜矢子も同じ感想だった。

「これは … はなさんよね」

亜矢子は少し羨ましそうにその絵を見ながら言った。

「えっ?!」

「だってほら、この女の子、想像の翼を広げてる」


はなは改めて挿絵を見直した。

今まで英治が描いてきた『銀河の乙女』は鎧に身を包んだ凛々しい少女の姿をしていた。

しかし、今回は、天空のひときわ輝く星を目指して、背中の羽を羽ばたかせている微笑みをたたえた天使の様な少女だった。

< 英治の心の中に居る『銀河の乙女』というのは、ひょっとして … >

「てっ … 」

< … ごきげんよう、さようなら >

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