NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年07月16日 (水) | 編集 |
第93回

< はなが英治と甲府で祝言を挙げてから1年半経ちました >

1921年(大正10年)・夏。

ふたりは、英治の実家の近くに居を構えていた。

玄関から外へ出た安東はな、改め村岡花子は蝉時雨の中、青空を見上げた。

「いい天気だね ~ 」

誰にともなくつぶやいた。

< あら、もうおめでたですか? >

花子は、すっかり大きくなったお腹の子に話しかけたのだ。

そして、玄関の『村岡英治、花子』と書かれた表札を雑巾で拭きながら、うれしそうに笑った。

「花子 … ふふっ」

* * * * * * * * * *

とある日曜日。

仕事が休みの英治は、身重の花子に代わって台所で洗い物をしている。

花子はといえば、居間で手紙を読んでいた。

甲府の両親からの手紙だ。

『はな、元気にしてるけ 無理して仕事してねえけ

くれぐれも自分の体とお腹の赤ん坊を大事にするだよ』


ふじの言葉を代筆した後、吉平自身の言葉が続いた。

『ボコの新しい名前を考えたので、送ります 父』

うめ つゆ えつ きみ ちよ よし しづ さくら …

女の子の名前ばかり書き連ねた紙が同封されていた。

* * * * * * * * * *

「手紙、何だって?」

洗い物を終えた英治が居間に戻って来た。

「お父が子供の名前考えたからって」

花子は先ほどの紙を英治に手渡した。

「へえ … 女の子の名前ばっかりだね」

「そうなの、孫も秀和女学校に入れたいんですって。

まだどっちが生まれてくるか分からないのに … 困ったお祖父やんですね」


花子はお腹の子に話しかけて笑った。

「でも、あなたが女の子だったら、絶対に名前には子をつけてあげますからね」

* * * * * * * * * *

「邪魔するよ」

玄関の方から声がした。

ふたりで出迎えた訪問者は平祐だった。

「いらっしゃいませ」

「父さん、何か急ぎの用でも?」


英治の口ぶりではあまり歓迎されているようにはみえなかった。

「いやあ、天気がよかったから、散歩のついでに寄ったんだ」

「 … そう言って、毎週日曜に来てますね」

「たまたまだ、たまたま」


* * * * * * * * * *

「調子はどうだね?」

「ええ、相変わらずよく動くんですよ。

夜でも足で蹴るから起こされちゃうくらいです」

「そうか ~ 結構、結構、それなら男の子だな」


花子の話を聞いて、平祐は好々爺のように笑った。

「元気な女の子かも知れませんよ」

「いや、まずひとり目は村岡印刷の跡取りを産んでもらわないとな」


すると、英治は花子のお腹に顔を近づけて話しかけた。

「どっちでもいいからね ~ 元気に生まれておいで」

「生まれておいで ~ 」


* * * * * * * * * *

自分の存在を無視したかのようなふたりの振舞に平祐は思いきり咳ばらいをした。

ハッとする花子。

「お義父様、お茶もお出ししてなくて、失礼しました … 只今」

「大丈夫、僕が淹れるから」


席を立とうとする花子を制して、英治が立ち上がった。

「あ、平気よ … 」

「明日、醍醐さんが原稿取りにくるんだろう?

締切厳守だ」


花子は申し訳なさそうな顔をして平祐を見た。

「お義父様、せっかくいらしていただいたのにすみません。

ゆっくりしていらしてくださいね」

「仕事辞めればすべて解決するぞ」

「父さん」


英治は平祐を諌めた。

「『王子と乞食』の翻訳は君にしかできないんだから」

そう言いながら、花子に手を貸して立ち上がらせた。

「はいじゃあ、頑張って」

花子の肩を叩いて、書斎へと背中を押した。

< 英治の協力もあり、花子は臨月まで翻訳を続けておりました >

* * * * * * * * * *

早々に英治の家を退散した平祐の行く先はお決まりのカフェードミンゴだった。

「今日はお疲れみたいですね?」

「ちょっと当てられてしまってね ~ いつまでも新婚気分で困るよ」


平祐は不機嫌な顔をして、かよに話した。

「君のお姉やんは、出産の最中でも翻訳してるよ、あれは … 」

いかにもありそうなことだとかよは笑った。

「英治も英治だ、村岡印刷の次期社長ともあろう者が尻に敷かれて …

だからふたりの結婚に反対だったんだ!」


かよは平祐から、幾度となく同じ愚痴を聞かされていた。

そして、いつも同じように聞き返すのだ。

「そんなこと言って、また遊びに行くんですよね?」

「いや、もう行かないさ」


かよは吹き出した。

平祐はこんなやりとりを楽しんでいる節がある。

「すぐに美味しいコーヒーをお持ちします」

* * * * * * * * * *

奥の席に龍一がひとりで座っていた。

彼が手にしているのは、蓮子からの手紙だった。

『龍一様

私は覚悟いたしました

すべてを捨てます



あなたにこのまま、お会いできないなら

生きている意味などありません

あなたの傍で生きられない今の境遇に、もう耐えられないのです



悪魔の涙に濡れる私を、一刻も早く救い出してください

蓮子』


この手紙は龍一にある決意をさせた。

* * * * * * * * * *

< それから数日が経ち … >

蓮子のこもるサロンのドアをノックする者がいた。

「奥様、すずです」

蓮子が唯一信頼している女中のすずだった。

「あの方から、お手紙が届いたの?」

慌ててドアを開けて訊ねると、すずは首を振った。

「お手紙ではなく … 」

すずが振り向いた先 … 蓮子は我が目を疑った。

そこに龍一本人が立っていたのだ。

蓮子の鼓動が早鐘のように鳴りはじめた。

「久しぶりですね」

龍一の声を耳にして、更に激しくなる鼓動。

「 … どうぞ」

蓮子は龍一をサロンへと招き入れた。

* * * * * * * * * *

サロンでふたりきりになると、蓮子は龍一に背を向けて、先程の動揺がウソのように冷静な声で訊ねた。

「私のことなんて、とっくにお忘れになったと思っていました」

「残念ながら、忘れることができなくて … 」


龍一は蓮子の正面に回って、彼女から届いた手紙を差し出した。

「手紙、拝読しました。

暇つぶしに僕をからかって遊んでいるんですか?

それとも … 」


龍一の声は震えていた。

「そんなことを聞きにわざわざいらしたの?」

「いや違う、あなたを … 」


そう言いかけた時、サロンの外で足音が聞こえた。

* * * * * * * * * *

足音の主はタミだった。

「なんばしょっと?」

サロンの前で見張っていたすずを見て、不審な顔で近づいてくる。

「な、なんも … 」

その時、サロンの中から大音量の音楽が聞こえてきた。

タミは顔をしかめて立ち去っていった。

* * * * * * * * * *

機転を利かせた龍一が蓄音機を回したのだ。

「 … 私を何ですの?」

龍一は蓮子に近づくと耳元に口を寄せた。

「今日ここに来たのは、あなたを連れ出すためです」

その言葉に蓮子の虚勢がもろく崩れていった。

「 … あなたの本当の気持ちを教えてほしい」

龍一は、蓮子をじっと見つめて答えを待った。

* * * * * * * * * *

「その手紙の通りです。

あなたの傍で生きられるなら、私はすべてを捨てます」

「そ、それがどういうことか分かってますか?」

「分かっています!」


蓮子は声を荒げて、龍一をにらみつけた。

そして、おもむろに指輪を外してテーブルの上に置いた。

「宝石も着物もいらない!

家も名前も捨てます … あなたの傍で生きられるなら!

だから、今すぐ私をここから連れ出して!」


帯を解こうとする蓮子を龍一は抱きしめた。

* * * * * * * * * *

「あなたを試すようなことを言って、すみませんでした」

龍一は体を離すと蓮子の目を見た。

「逃げましょう。

そして、ふたりで暮らしましょう」


涙ながらにそう訴えた龍一を見て、蓮子も歓喜の涙をこぼした。

「けれど、今すぐという訳にはいきません」

喜びが一瞬でしぼみかけ、蓮子は龍一を問い質した。

「どうして?」

「今逃げたところで、すぐ見つかって引き裂かれるのが落ちだ。

あなたはこの家に連れ戻され、僕は牢屋に入れられる … そうならないためにも、準備が必要だ」


そう説明されても、蓮子はまだ不満だった。

「僕たちは必ず一緒になれる。

だから、もう少しだけ我慢してください」


ようやく蓮子はうなずいた。

「分かったわ … 」

ふたりは見つめ合い、そしてまた熱く抱擁した。

* * * * * * * * * *

その日、花子は朝から、そわそわと落ち着かなかった。

東京で仕事がある伝助について上京する蓮子が、この家に訊ねてくるのだ。

約束の時間を待ちきれずに外へ出ると、陽炎のたつ通りの向こうから日傘をさした蓮子が伝助と共に歩いてくるのが見えた。

「蓮様!」

花子は蓮子に見えるように自分の大きなお腹を指さした。

「まあ!」

目を丸くした後、蓮子は拳を握ってうなずいてみせた。

* * * * * * * * * *

「はなちゃん、すごくきれい。

やっぱり村岡さんは、はなちゃんの巡り合うべきたったひとりの人だったのね」


式の写真を見ながら蓮子は言った。

急に決まった式ゆえに出席もかなわず、伝助から許しがもらえず、久しぶりに上京した蓮子。

ふたりがあうのは花子が結婚して以来初めてのことだった。

「それにしても大きなお腹 ~ もう今にも生まれそうね」

すると、花子が急に顔を曇らせた。

「私、怖いの … 無事に産めるのか、ちゃんと育てられるのかって」

そんな不安も蓮子にだから口にできた。

「大丈夫よ、はなちゃんなら。

小さい妹さんたちの子守をこぴっとしてたんでしょ?」

「ええ … 」


しかし、花子の表情は冴えなかった。

「でも …

産む時は覚悟した方がいいわよ。

もの凄く痛いから」


そういえば、蓮子は経験者だった。

「てっ?!」

恐れをなした花子を見て、蓮子は無邪気に笑い出した。

「そんなに怖がらないで。

『案ずるより産むが易し』よ」


* * * * * * * * * *

「よし、安産祈願をしちゃる」

ふたりの話を聞いていた伝助が急に立ち上がって、花子の横にしゃがむと、その大きなお腹に手のひらを当てた。

「てっ?!」

花子は伝助の顔を見た。

「俺の安産祈願は評判ばい」

真っ赤な顔で唸りはじめると気合を込めて叫んだ。

「やっ!!」

「てっ … て … ??」


ただそれだけのことだった。

「これで安産間違いなしじゃ」

そう言ってさも愉快そうに高笑いし始めた。

「 … はあ、ありがとうございます」

よく分からないが、少し気持ちが軽くなった気がした。

「嘉納さん、そんなに大勢に安産祈願なさったんですか?」

「よそに女の人が大勢いらしゃっるの」


花子の問いに代わりに答えたのは蓮子だった。

「男の甲斐性たい」

相変わらず笑っているが、やや気まずそうにもみえる。

* * * * * * * * * *

「ねえ、あなた。

赤ちゃんが産まれたら、すぐに会いに来たいの」


この時とばかりに蓮子は伝助にねだった。

「蓮子の奴、またすぐに東京に来ようとしちょるばい」

伝助はいたずらっぽい顔で花子に言った。

「ねえ、来てもいいでしょ?」

「うん、分かった … 分かった」

「ありがとうございます」


蓮子はこれ以上ないほどの笑顔を見せた。

伝助は蓮子の喜ぶ姿を見るのが好きなのだろう。

花子の目にもふたりが仲睦まじく映った。

「ええ、さあ、そろそろ行くばい。

じゃあ、はなちゃん、またな」


伝助は居間を出て行った。

* * * * * * * * * *

「蓮様、是非いらしてね」

「はなちゃん、赤ちゃんが産まれたらすぐに知らせてね」


蓮子の言葉に妙に力が入っていた。

「私、元気な赤ちゃんを産むわ」

「待ち遠しいわ … 」


< この時、蓮子が駆け落ちの計画を進めていたとは、知る由もない花子でした。

… ごきげんよう、さようなら >

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