NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年07月26日 (土) | 編集 |
第102回

『レンコサンケヅク』

電報を受け取った龍一は、その晩のうちに甲府を目指して旅立った。

その手には、伝助から預かったトランクだけを携えて。

村岡家を出る龍一の後を尾行(つけ)る黒い影 … 晶貴の執事だった。

* * * * * * * * * *

「大変、大変、怪しい男が来るだよ!」

村岡家に駆け込んできたリンは、見るからに怪しい男に安東家の場所を聞かれたと血相を変えて報告した。

「 … 逆の方指しといたけんど」

狭い村だ、その程度のことでは見つけられるのは時間の問題だろう。

「まさか、蓮様がここに居るってこと、知られたずらか?」

一同に緊張が走った。

「蓮子さん、おらたちがこぴっと守るから心配しなんでいい」

吉平の言葉に蓮子はうなずいた。

* * * * * * * * * *

その時、入口の障子に人影が映り、ゆっくりと戸が開かれた。

「この男じゃん!」

「おまん、何をしに来ただ?!」


吉平が男の前に立ちはだかった。

「あの、こちらに … 」

「龍一さん?!」


怪しい男というのは、何のことはない … 東京から駆けつけた龍一だった。

「蓮子!」

龍一は一歩踏み出して、蓮子のお腹を見た。

「 … まだ生まれてなかったのか?」

「ええ … 」

「電報もらって、慌てて駆けつけたんだ」

「 … 電報?」


花子はいぶかしげに聞き返した。

「『レンコサンケヅク』って … 」

「てっ?!」


目を丸くして驚いたのは蓮子だった。

「ほれが … お父の早とちりで」

ふじがすまなそうな顔をした。

「 … て、ことは … ボコのお父け?」

「て ~ ?!」


リンと吉平、電報を打った張本人のふたりは目をパチクリさせていた。

* * * * * * * * * *

「これは?」

「嘉納鉱業の番頭が置いてった。

君に渡せと … 」


龍一はトランクと一緒に預かった一通の封筒を蓮子に差し出した。

封を開けると、中から手紙と鍵が出てきた。

『嘉納伝助は妻蓮子を離縁する』

手紙にはただ一行そう記してあり、もう一枚入っていたのは離婚届だった。

蓮子はそれを龍一にも見せた。

「 … 実は、この間、嘉納さんと会って話をしたんだ」

蓮子が動揺しているのが分かった。

「はじめは話し合いなんてもんじゃなかった。

村岡さんが居なかったら、どうなっていたか分からない」


龍一は花子を見た。

「でも、嘉納さん、最後は分かって下さったんですね?」

花子の問いには答えず、龍一は離婚届にもう一度視線を落とした。

あまりにも見事な伝助の潔さだった。

* * * * * * * * * *

蓮子は、封筒に入っていた鍵を手にトランクを見つめた。

「何が入っているのかしら?」

鍵を開け、トランクを開くと … そこには、指輪や宝石などの宝飾品がぎっしりと詰まっていた。

全て、蓮子が伝助から買い与えられたものだった。

花子は息を呑んだ。

こんなにたくさんの宝飾品を一度に目にしたことなどなかったからだ。

「て ~ ?!」

部屋の外で様子をうかがっていた、ふじ、吉平、リンの3人も花子と同じだった。

「ふじちゃん、こんな宝石見たことねえじゃんな ~ 」

「これが宝石けえ … 美しいねえ」

「これ全部、蓮子さんのもんけ?」


リンに訊ねられた蓮子は顔を強張らせて否定した。

「いいえ、私のものではありません。

あの人から頂いたものは一切捨てて、私は嘉納の家を出てきたんです。

ですから、これも送り返しましょう」


出産祝いと称した額面が書かれていない小切手と共に送り返すというのだ。

「よし、そうしよう」

龍一はうなずくとトランクのふたを閉じてしまった。

* * * * * * * * * *

その日の夕食は、リンの他に朝市も呼ばれて、ささやかな宴のようだった。

「龍一君、飲もう ~ 朝市、おまんも飲めし!」

若者と話すことが好きな吉平はご機嫌で、龍一と朝市の盃に酒を注いだ。

「ほいじゃあ、ボコが元気に産まれてくることを祈って … 乾杯!」

「お父の早とちりのお蔭で、龍一さん来てくださってよかったわね」

「ええ」


蓮子は花子の言葉にうれしそうにうなずくと、龍一にふじがこしらえたほうとうが入った椀を手渡した。

「お母のほうとうは日本一なのよ」

「美味いです!」


蓮子と暮らし始める前の龍一はこんなにいい顔で笑えるような男ではなかった。

「うんとこさ、こせえたから、お替りしてくりょう」

* * * * * * * * * *

「 … 本当に全部送り返しちもうだけ?」

リンがトランクを前にして、さも名残り惜しそうにつぶやいた。

「返す前にちっと触ってみてもいいけ?」

「どうぞ」


蓮子は笑いながら快く許した。

朝市は目くばせして嗜めたが、リンは嬉々としてトランクを開けてしまった。

* * * * * * * * * *

「龍一君、家は東京け?」

「ああ、はい」

「もうじき、孫が生まれるから、親御さんも喜ぶら?」


吉平の問いに龍一は少し気まずそうに答えた。

「いいえ、父はすでに亡くなってますし … 勉強もしないで、演劇ばかりやっていたので、母からも愛想尽かされて … 勘当されたんです」

「てっ、勘当?」

「今は弁護士目指して、真面目に大学行ってますけど」

「父親になるんだから、こぴっと頑張ってもらいます」


隣りで蓮子が冗談っぽく釘をさすと皆が笑った。

「大学で好きな学問、思いっきし出来るなんて … おらに取っちゃ夢みてえな話だ」

「朝市はほんなこんより、早く結婚して、早く孫の顔見してくれちゃあ」


余計な口を挟んだリンを振り向いた朝市は絶句した。

「どうでえ、似合うけ?」

蓮子のティアラを勝手に頭につけたリンに一同は大爆笑。

* * * * * * * * * *

「龍一君」

吉平は龍一に酒を勧めた。

「こぴっと精進して、立派な弁護士になれし … ほうして、いい父親になるだよ」

「はい」

「産まれてくるボコがまた、お母さんとの縁をつないでくれるら。

ほうしたら、蓮子さんにも東京のお母ができるじゃんね」

「ええ」


裏表のない、ふじの言葉はいつも蓮子を泣かせた。

「蓮様、これからはきっといいことばっかりよ」

ここにいる誰もが花子が言う通りの明日が訪れると信じていた。

蓮子は改めて幸せをかみしめた。

この幸せは、ふたりだけでは到底手に入れることは叶わなかっただろう。

「はなちゃん、お父様、お母、リンさん、朝市さん … ありがとうございます」

皆に向かって頭を下げると、龍一もそれに倣った。

「この子が無事に産まれて、大きくなったら教えてやります。

あなたは、こんなに暖かい人たちに囲まれて、祝福されて産まれて来たのよって … こんなに幸せなことはありません」

「僕も蓮子も世間をすべて敵に回したと思ってたんだ。

本当にありがたいです」


龍一はもう一度、頭を垂れた。

* * * * * * * * * *

「そうだ、赤ちゃんの名前、決まりましたか?」

少々湿っぽくなった雰囲気の中、花子が話題を変えた。

「それが、なかなか決められなくて … 」

龍一が懐から取り出した紙には、いくつか絞り込まれた名前が記してあった。

「急がんきゃ、本当に産まれちもうぞ」

吉平の言葉にまた一同が笑った。

* * * * * * * * * *

富士の山が朝陽に映える気持のいい朝だった。

「おはようございます」

「お父さん、昨夜は楽しかったですね」


蓮子と共に居間に出て来た龍一に向かって吉平は待ち構えていたように口を開いた。

「おう、龍一君、出かけるじゃん」

「お父、何処行くで?」


まだ朝飯も食べていないのに … 花子は怪訝な顔をした。

「牧師様に安産のお祈りをしてもろうだ」

「歩が産まれる時も、お父、教会でお祈りしてもらっただよ」

「ほれじゃあ、蓮様の分もこぴっとお祈りしてもらってくりょうしね」

「お願いします」


蓮子も頭を下げた。

「じゃあ、行くぞ!」

吉平は歩を抱いたまま、龍一を伴っていそいそと出かけて行ってしまった。

「お父、息子がひとり増えたみたいじゃんね」

見送りながら花子が笑った。

* * * * * * * * * *

女性たちが朝食の支度をしていると、突然、勢いよく入口の戸が開けられ … 黒ずくめの服を着た男がふたり、無言で入ってきた。

「どちらさんですか?」

ひとりは晶貴の執事だ。

執事が顎で指図すると、もうひとりの男が勝手に居間に上がり込んできた。

「何をするで?!」

男は蓮子の腕に掴み掛った。

「何ですか、あなたたち」

有無を言わさず、蓮子を引きずり出そうとする男にすがりついたふじは腕に噛みついた。

「痛てててっ」

男に振り払われて転倒しそうになったふじを花子が受け止めた。

「蓮子さん、逃げろし!」

ふじに駆け寄る蓮子。

その時、恐ろしい顔をした晶貴が家に入ってきた。

「お兄様?!」

* * * * * * * * * *

「 … そのお腹の子は、宮本龍一の子か?」

晶貴は蓮子を目の玉をむいてにらみつけた。

蓮子も負けじとにらみ返した。

「そうです」

その言葉に晶貴の怒りが爆発した。

「連れて行け、早く!!」

執事たちにもの凄い剣幕で命じた。

「乱暴は止めて!」

花子とふじは必死に抵抗したが、蓮子を男たちに奪われてしまった。

そのまま外へ出ようとする暴漢たちの前に騒ぎを聞きつけて駆けつけたリンや村の衆が立ちはだかった。

「おまんら、妊婦に寄ってたかってなにょうするだあ!」

クワやスキ、カマを手にした村の衆に男たちは一瞬怯んだが、リンは突き飛ばされ、他の者も瞬く間に追いやられていった。

結局、百姓の敵う相手ではなかったのだ。

「誰か、駐在さん呼べし、駐在さん!」

* * * * * * * * * *

男のひとりが、蓮子を守ろうとするふじに手を掛けようとしたその時だった。

「止めてください!

お兄様、もう止めさせてください!」


蓮子は立ち上がって絶叫した。

「お兄様 … ってことは、伯爵様け?

こんなろくでもねえまねする伯爵もいるだけ!」


リンが驚いた通り、身分は高く、身なりは立派でも晶貴ほど卑しい人間はいないだろう。

「私は何処へでも行きます。

お兄様のおっしゃる通りにしますから、もう乱暴は止めてください!」


蓮子は自分のために大切な人たちが傷つけられることを望まなかった。

「蓮様、行っては駄目!」

「ほうだよ、元気なボコをここで産むずら!」


花子とふじは大声を上げて蓮子を止めた。

「もうじき、赤ちゃんが産まれるんです!

お腹の赤ちゃんのお父さんと引き離さないでください、お願いします!」


花子は懸命に訴えたが、鬼の形相の晶貴は蓮子の腕を掴むと容赦なく引っ張った。

「ああ?!」

* * * * * * * * * *

「どうして、妹にこんなひどいことが出来るの?」

晶貴は掴み掛った花子の手を振り払った。

「はなちゃん?!」

しかし、花子はあきらめずに晶貴に食って掛かった。

「蓮様にもやっと愛する家族が出来たのよ!

家族の誰にも愛されたことない蓮様がようやく愛を見つけたのに … 何故、お兄さんのあなたがそれを引き裂くの?

蓮様だって、幸せになったっていいじゃないですか?!」


晶貴は表情ひとつ変えない。

「もういいの、はなちゃん … お母、リンさん。

はなちゃん、お世話になりました」


蓮子は笑顔を作って、お辞儀した。

「何が起きても、この子は私が守る … そう龍一さんに伝えて」

「蓮様 … 」

「大丈夫よ。

必ず … 必ず、また会えるから」


花子は気丈に振舞う蓮子のことをじっと見つめた。

それを遮るように晶貴は蓮子を表へと連れて出て行ってしまった。

「蓮様 … 」

追うことも出来ずに花子はその場に立ち尽くしていた。

< 必ず、必ず、必ず … また会える日が来ますように。

… ごきげんよう、さようなら >

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