NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年07月30日 (水) | 編集 |
第105回

< それから1年が経とうとしておりました >

1923年(大正12年)夏。

額に汗をにじませながら、花子は書斎に向かって原稿用紙に鉛筆を走らせていた。

『余と余の民は知っている。其方は知らぬ。

私たちは、この言葉を覚えて、彼の名を賛美しよう』

花子は原稿用紙に『完』の文字を書きこむと、鉛筆を置いた。

原稿用紙を揃えて、ふうっと息をつくと満足そうに笑った。

「終わった … 」

< 『王子と乞食』の翻訳がとうとう完成しました >

* * * * * * * * * *

< 花子の『王子と乞食』の翻訳が完結したことを祝って、聡文堂でささやかなパーティが開かれました >

聡文堂の職員、村岡印刷からは平祐、英治、郁弥が、かよと歩まで顔を揃えていた。

「え~皆さん、この『ニジイロ秋号』をもって、創刊号から連載してきた『王子と乞食』の翻訳がついに完結となりました。

翻訳者の村岡花子先生、本当にご苦労様」


梶原はまず花子の労を労った。

「皆さん、本当にありがとうございました」

一同に向かって、照れくさそうにお辞儀する花子。

「それから、挿絵を描いてくれて、その縁で結婚した村岡英治君。

『王子と乞食』の原書を提供してくれた村岡郁弥君にも感謝します」


* * * * * * * * * *

「児童文学界に新風を吹き込むべく、聡文堂を設立して4年。

この『ニジイロ』がここまで続いたことを、心より感謝しています」


梶原は深く頭を下げた。

「これからも皆さん、どうぞ力を貸してください」

そう言って、乾杯の音頭を取った。

* * * * * * * * * *

パーティもひと段落した頃、ふたたび梶原が一同に呼びかけた。

「え~皆さんにもうひとつ報告があります」

亜矢子を皆の前に立たせた。

「この度、醍醐君が退職する運びとなりました」

「て ~ ?!」


初耳だったのは花子だけでなく、同僚の三田も知らなかったことのようで困惑した顔で亜矢子に訊ねた。

「まさか、ようやく結婚相手が見つかったのか?」

「違うんです、三田さん。

挑戦したい新しい道が見つかったんです」

「新しい道?」


須藤が訊き返した。

「ええ、私 … 世間がまだ知らない本当の嘉納蓮子の姿を書いてみたいんです」

亜矢子はそう言いながら、瞳をキラキラと輝かせた。

「それを書いた後はどうする訳?」

どういう訳か三田は執拗に訊ねた。

「それは、まだ分かりません。

でも書きたいという、このドキドキ … パルピテーションを今大切にしたいんです」

「引継ぎが終わるまでまだしばらく居てもらうが、皆よろしく」


その言葉が終わるや否や、がっくりと肩を落として椅子にへたり込んだ三田に須藤が不思議そうな顔をした。

「何で三田君が気落ちしてるの?

… えっ、もしかして、そういうこと?!」


一度もおくびにも見せなかったが、三田は亜矢子に恋心を抱いていたのだ。

「残りの日々も編集者として、精一杯働きますので、よろしくお願いいたします」

亜矢子へはなむけの拍手を送る一同。

* * * * * * * * * *

「え~それと、村岡印刷さんからも発表があります」

亜矢子と入れ替わって、平祐が前に出て、英治を郁弥を呼んだ。

「 … 頑張って」

花子から声を掛けられて、うなずいた英治は緊張気味に前に向かった。

「この度、村岡印刷の代表を長男の英治に譲ることにしました。

これからは、英治が社長、郁弥は専務取締役として務めますので、皆様もどうぞ今後ともよろしくお願いします」


平祐の紹介を受けて、英治が社長就任の挨拶をはじめたが、ひどく緊張しているのが誰の目にも明らかだった。

「皆様、私も弟もまだまだじゃくしゃい … 」

案の定、言葉をつっかえてしまった。

言い直したが、焦れば焦るほど、口がうまく回らない。

「 … す、すいません」

平祐は失笑しながら、英治の肩に手を置いた。

「兄さん、relax … 深呼吸して」

郁弥に促されて、英治は深く息を吸い込んだ。

気を取り直した英治は、花子を見てうなずき、仕切り直しの挨拶を再開した。

「 … 皆様、私も弟もまだまだ若輩者ではございますが、多くの読者の記憶に残る本を一冊でも多く印刷するよう精進していく所存です。

どうぞ、ご指導ご鞭撻をよろしくお願いいたします」


今度は何とかしくじらずに言い切ると郁弥と共に頭を下げた。

* * * * * * * * * *

「歩、パパとっても立派ね」

歩を抱き上げて、梶原と握手を交わす英治を見せながら、花子はそう話しかけた。

「あっ! … I've got an idea!」

突然、郁弥が声を上げたので、英治が驚いて振り返った。

「何だよ、急にびっくりするじゃないか?」

「郁弥さん、何、いい考えって?」


訊き返した花子に郁弥は迷わず即答した。

「『王子と乞食』を一冊の本にしませんか?」

思いもしなかった話に花子は目を丸くした。

「単行本を出版するのね ~ これだけ好評なんだもの、いい案だわ」

亜矢子が早速賛成して、梶原に確認した。

「梶原さん、いいですよね?」

すると、梶原は両手を上げて大きな丸を作って答えた。

「お姉やん、すごいじゃん」

かよに声を掛けられた花子は、自分の頬を思い切りつねった。

「痛い … 」

笑い声の中、英治が近づいてきた。

「花子さん、夢じゃないよ」

「兄さん、装丁に工夫を凝らして、今までの日本にない美しい本にしようよ。

イギリスに負けないくらい!」

「そうだな、やってみるか!」


英治は差し出された郁弥の手を握り返した。

かよはそんな郁弥のことを頼もしく見つめている。

「これからも、どんどん夢のある童話を翻訳していきますので、よろしくお願いします!

社長!」


花子に社長と呼ばれ、英治は居心地悪そうに笑った。

「社長は止めてくれよ!」

「 … しゃちょう」

「歩まで、しゃちょうは止めてくれよ ~ 」


口真似した歩のことを英治は高く抱き上げた。

* * * * * * * * * *

「 … 花子さんは、いつまで仕事を続けるつもりなんだ?」

不満顔の平祐を郁弥が呆れた顔で嗜めた。

「父さんこそ、いつまでそんなこと言ってるんだよ」

平祐は郁弥の腕を掴んだ。

「お前はちゃんと家に入る女性と結婚しなさい」

「僕は出会った瞬間から … かよさんと結婚するって心に決めてますから」


郁弥は当然のことのように平祐に言い切った。

「郁弥さん?!」

その声は花子と英治の耳にも届いていたのだ。

「あ、ちょっといいですか?」

郁弥はちょうどよい機会と思ったのか、声を潜めてふたりに手招きした。

* * * * * * * * * *

郁弥の周りに、花子、英治、平祐と村岡家の面々が集まり、何やら密談らしきことが始まった。

「実は、明日 … 求婚するつもりなんです」

「てっ、明日?!」


また急な話だった。

「あ、いや、明日は彼女のBirthdayですよね?」

「ええ」

「だから、かよさんがカフェーで働いてるところにSurpriseで … 」


郁弥は悪戯っぽく笑った後、離れた場所で何も知らず酒を注いでいるかよを見た。

「例え父さんが反対しても、僕の決心は揺らぎませんから」

そして、立ち上がり、平祐をにらみつけた。

「反対なんかしないさ」

平祐は郁弥を座らせると、顔を近づけた。

「あの子はいい。

家事の手際もいいし、料理もうまい … 何より働きもんだからな」

「Wonderful! ~ 賛成してくれてよかった!」


すると、平祐は郁弥の肩を抱いた。

「ただし … 結婚式は東京で挙げろ。

また甲府で挙げる気なら、『異議あり!』と言って、暴れてやるぞ」


冗談とも本気ともとれる平祐の言葉に郁弥は顔をしかめた。

「またですか … 」

花子と英治は自分たちの式を思い出して顔を見合わせて笑った。

「 … かよさんには、明日まで黙っててくださいね」

「ええ、郁弥さん、頑張って!」


花子が励ますと郁弥は力強く応えた。

* * * * * * * * * *

その夜のこと。

「歩やっと寝たわ」

縁側に腰掛けている英治の元に歩を寝かしつけた花子がやって来た。

「明日、郁弥さん、うまくいくといいわね」

「ああ … 」


英治は花子の方に向き直った。

「花子さん、母の形見なんだ」

そう言って、手にしていた小箱を開けて花子に見せた。

「まあ、素敵なカメオ」

赤子を抱いた聖母マリアが彫られたカメオのブローチに花子は感嘆の声を上げた。

「 … これは一度、香澄が母から受け継いだもので、彼女が亡くなる前に郁弥に託したんだ」

英治は包み隠さずに話した。

「郁弥が僕にくれたんだ。

花子さんに渡すようにって … 」


花子は英治の顔を見つめた。

「あの時、郁弥が背中を押してくれたから、僕は君と、歩と、こんなに幸せな家庭を持てた。

これ、花子さんに持っていてほしい」


英治に小箱を差し出された花子は微笑み、そっと受け取った。

「 … ありがとう、大切にします」

* * * * * * * * * *

翌日、かよの誕生日。

今日、彼女に求婚をすると宣言した郁弥は昼近くにカフェードミンゴを訪れた。

「よしっ!」

ドアの前で深呼吸すると、意を決して店の中へと入っていった。

「いらっしゃいませ、コーヒーでいいですか?」

かよがいつものように笑顔で出迎えた。

「あっ、はい」

やけにおどおどしている郁弥を見て、かよは首を傾げた。

郁弥は火照った顔を帽子で扇ぎながらソファーに座ると、腕時計を確認した。

12時10分前だ … 予定の時間まで後少しあった。

手のひらを返すと、文字が書いてある。

『貴方は 僕の女神だ』

決め台詞なのだろう … 口の中で何回も繰り返していた郁弥が窓から外を見て、飛び上がった。

店の前を四人組の管弦楽団が通るのが見えた。

「えっ、あ … 早っ」

郁弥が駆け寄るより一瞬早く、店のドアを開けて楽団は入ってきた。

彼らを呼んだのは郁弥だったが、何かの手違いか予定の時間よりも早く来てしまったのだ。

「少し早いけど、いいか … よしっ!」

* * * * * * * * * *

ほどなく、かよがコーヒーを運んできた。

緊張した面持ちで座っていた郁弥は突然、かよの名を呼んだ。

「 … Happy birthday! お誕生日おめでとう!」

すっくと立ち上がって叫ぶと、それをきっかけにして、楽団が演奏を始めた。

「てっ?!」

意味が分からず、呆然とするかよの前に郁弥は片ひざをついた。
 
かよの目を真っすぐ見つめながら言葉にした。

「かよさん … あなたは僕の女神です」

「て … 」


ただただ戸惑うかよ。

「僕と結婚してください」

郁弥はそう言うと右手を差し出した。

「かよさん」

* * * * * * * * * *

「よっ、ご両人!」
 
「おめでとう!」

居合わせた他の客たちからヤジが飛び、かよの同僚の女給たちも交えて店中から拍手が起こった。

すべて郁弥の筋書き通りに進んでいるはずだった。

しかし、かよはニコリともせず … それどころかまるで怒っているような顔をしている。

「 … かよさん?」

不安げに声をかけた郁弥をかよはにらみつけた。

「郁弥さんの … バカっちょ!」

そう怒鳴りつけると、お盆を持ったままで店の外へ飛び出して行ってしまった。

「かよさんっ?!」

< 郁弥さん、やっちまいましたね ~

… ごきげんよう、さようなら >

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