NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
  • 06«
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • »08
--年--月--日 (--) | 編集 |
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


朝ドラ関連のブログ一覧はこちらです。よろしくお願いします!

にほんブログ村 テレビブログ 朝ドラ・昼ドラへ
2014年07月31日 (木) | 編集 |
第106回

1923年(大正12年)9月1日。

いつものように英治を仕事に送り出した花子は、歩とともに縁側でしゃぼん玉をしながら遊んでいた。

「もうすぐお祖父ちゃまがいらっしゃるから、そしたらご飯にしましょうね」

「うん」


柱の時計は、12時10分前を指していた … ちょうど、郁弥がカフェードミンゴでかよへ派手な求婚をはじめた頃だ。

* * * * * * * * * *

「かよさん … あなたは僕の女神です」

「て … 」

「僕と結婚してください」


戸惑うかよに郁弥は右手を差し出した。

「よっ、ご両人!」

「おめでとう!」


居合わせた他の客たちからヤジが飛び、店中から拍手が起こった。

しかし、かよはニコリともせず … それどころかまるで怒っているような顔をしている。

「 … かよさん?」

不安げに声をかけた郁弥をかよはにらみつけた。

「郁弥さんの … バカっちょ!」

そう怒鳴りつけると、お盆を持ったままで店の外へ飛び出して行ってしまった。

「かよさんっ?!」

呆然と見送った郁弥 … 何故すぐにかよの後を追わなかったのだろう …

* * * * * * * * * *

かよは、プロポーズされたことはうれしかったが、できればもっと静かなところでふたりきりの時にしてほしかったのだ。

「 … 恥ずかしかった」

< 郁弥の派手なプロポーズに動転して、店を飛び出したかよは気を落ち着けて、やっぱり店に引き返そうとしていました >

ふと空を見上げたかよは、思わず足を止めてしまった。

巨大な入道雲が青空にまるでそびえ立つかのように浮かんでいたのだ。

* * * * * * * * * *

庭先で三輪車に乗っていた歩が突然、空を指さした。

「て … 歩、見たこともないような大きな入道雲だね」

花子と歩が入道雲に見入っていると、木戸をくぐって平祐が庭に入ってきた。

「やあ、花子さん」

「ごきげんよう、お義父様」

「さあ、歩、今日は何して遊ぼうか?」


村岡印刷の社長を英治に譲り、一線を退いた平祐は、大森にある英治宅を訪れて、孫の歩と遊ぶことを楽しみにしていた。

「ほら、歩、お祖父ちゃま来てくださってよかったわね」

花子に抱き上げられた歩は平祐にも入道雲を指さして教えた。

「ほう ~ 」

平祐も今までこれほど巨大な入道雲を見た記憶がない。

カラスの鳴き声がやけに耳についた …

その時だった。

カタカタと小さな揺れが次第に大きくなって、本棚や窓ガラスを揺らし始めた …

* * * * * * * * * *

< 1923年(大正12年)9月1日、午前11時58分。

相模湾を震源とするマグニチュード7.9の大地震が関東地方の南部を襲いました >

後に関東大震災と呼ばれる大地震が発生したのだ。

* * * * * * * * * *

辺り一面、砂ぼこりが舞う中、花子は意識を取り戻した。

歩に覆いかぶさるような体制で倒れていることに気づき、慌てて我が子の名を呼んだ。

起き上がった歩は幸いどこも怪我はしていないようだ。

「歩 … 」

花子は歩を抱きしめながら、辺りを見回した。

平祐の姿が見えない。

「お義父様 … お義父様!」

瓦礫の隙間からうめき声が聞こえた。

「 … ここだ、歩は無事か?」

よろよろと這い出てきた平祐も無事だったようだ。

「すごい揺れだったな」

花子と平祐は改めて我が家を見た。

箪笥や机は倒れ、居間と書斎の窓は破壊され、庭のいたるところに本や屋根瓦が散乱している。

ただ、建物自体は何とかその姿を保っていた。

* * * * * * * * * *

花子は耳を澄ませた。

何処からか子供たちの泣き声が聞こえてくる。

壊れた木戸を出て家の前の路地に出ると、さっきまで遊んでいた子供たちがうずくまって泣いていた。

「大変 … 」

花子は歩を平祐に預けると、子供たちに駆け寄った。

「大丈夫、皆 … 皆、大丈夫?!」

< この地震の被害が想像以上に大きいことを、花子はまだ知りませんでした。

当時の大森は郊外の田園地帯であり、被害は比較的少なかったのです >

* * * * * * * * * *

6名いた子供たちの怪我はかすり傷程度のものだった。

「今、外に出ても危ないから、お家の人が迎えに来るまで、皆で一緒に過ごしましょう」

花子は子供たちを家に上げて保護した。

吹きさらしの居間でも、外に居るよりは安全だろう。

「花子さん」

辺りの様子を見に行っていた平祐が戻って来た。

「 … 倒れた家もある。

火事で燃えてる家も … 何処もかしこも滅茶苦茶だ」


表からは、けたたましく鳴るサイレンがひっきりなしに聞こえている。

「英治さんは?

… 銀座はどうなんでしょう?」

「さっぱり分からん … 」


平祐は表情を曇らせ首を横に振った。

* * * * * * * * * *

花子は親に分かるようにと、預かっている子供たちの名前を書いた紙を門の前に貼っておいた。

路地は瓦礫の間を縫うように避難する人々が慌ただしく行きかっていた。

* * * * * * * * * *

夜になったが、停電のため、花子はロウソクに火を灯した。

「さあ、明るくなるわよ」

門の貼り紙を見て子供を迎えに来た親がいた。

「大丈夫だったか … 火を消していて、迎えに来るのが遅くなっちまって」

花子に礼を述べて子供を引き取って帰って行った。

* * * * * * * * * *

「そうだ、何か面白い話をしましょうか?」

頻繁に起こる余震に怯えて泣き叫ぶ子供たちに花子は物語を話して聞かせることを思いついた。

「どんなお話がいいかしら?

そうね … 『涙さん』という、お話はどうかしら?」


* * * * * * * * * *

< 花子は子供たちを力づけたい一心で、必死に想像の翼を広げ、こんなお話を作りました >

「 … 昔、あるところに、あんまりなくので『涙』という名をつけられた小さい娘がありました。

何か思うようにならなければ、『涙さん』は泣きました」


子供たちは花子が即興で考えながら話すその物語に惹きこまれていった。

「ある朝、学校へ行く道で例の通りに泣いておりますと …

今日は涙さんはどうして泣いてたと思う?」


話を止めて子供たちに訊ねた。

「学校に行きたくなかったから?」

女の子の答えに花子はうなずき、話の続きをはじめた。

歩も平祐の膝の上で母親の話に耳を傾けていた。

「そこへカエルが一匹、ひょっこり飛び出してきました。

涙さんはカエルに言いました。

『何だって私についてくるのよ?』

すると、カエルは …

『何故かって言われたら、もうじきお嬢さんの周りに涙の池が出来るだろうと思いましてね』 … 」


* * * * * * * * * *

花子がそこまで話し終えた時、顔を煤だらけにした英治が居間に入ってきた。

「英治さん?!」

「 … 皆、無事でよかった」


英治は、花子、歩、平祐の顔を見て安堵の表情になった。

「パパ … 」

歩み寄る歩を英治は抱きしめた。

「無事だったか!」

「英治さん、おかえりなさい … 心配したのよ」


夫の無事を花子は涙を流して喜んだ。

* * * * * * * * * *

いつしか子供たちは眠りついていた。

「 … 帰って来る途中、そこいら中、火の海で … この世のものとは思えない光景だった」

英治は自分が目の当たりにした惨状を話して聞かせた。

「郁弥は … 会えたのか?」

平祐に訊かれ、英治は残念そうに首を横に振った。

「かよさんは?」

花子も首を横に振った。

沈黙する一同。

「 … でも、郁弥さん、かよに求婚するって言ってたじゃない?

きっと、かよと一緒に何処かに避難しているのよ」


そうあってほしい、そうに違いない … 花子は自分に言い聞かせていた。

* * * * * * * * * *

しかし、英治の表情は暗かった。

彼は、銀座が今どんな状況にあるか知っているからだ。

「会社は?」

平祐が尋ねた。

ここまで英治は会社のことはひと言も触れてはいなかったのだ。

「 … 建物は全壊しました」

平祐は表情に出しはしなかったが、どれほどのショックを受けたことだろうか …

「無事だった社員を帰した後、郁弥とかよさんを捜しにカフェードミンゴに行ってみたんだけど、火事があちこちに起こっていて … 捜すのをあきらめて帰ってきたんだ」

花子たちの無事を確認した英治は、郁弥とかよを捜すために、朝が完全に明けるのも待たずに、ふたたび銀座へと出かけて行った。

* * * * * * * * * *

一方、葉山家では …

「誰か、誰かいないの?!」

園子が金切り声で叫んでも誰ひとり駆けつける者はいなかった。

建物は無事だったものの、使用人たちは皆、金目のものを持って逃げ出してしまったのだ。

呆然とソファーに座っている晶貴。

彼に忠誠を誓うものなどおらず、見せかけだけの主従関係だったということだろう。

* * * * * * * * * *

「お兄様、お義姉様、ご無事だったんですね?」

部屋に入ってきたのは、純平を抱いた蓮子だった。

「蓮子さん、どうして?!」

「乳母がもう田舎に帰るからと、私のところに純平を連れてきてくれたのです」

「乳母まで逃げたか … 」


その時、開け放たれたままの窓から、人影が飛び込んできた。

「 … 龍一さん?!」

蓮子は我が目を疑った、愛しい龍一が目の前に現れたのだ。

「行こう … 迎えに来たんだ」

龍一の言葉に微笑んだ蓮子は純平を龍一にそっと抱かせた。

「 … この子が純平か」

こんな状況だったが、龍一は初めて我が子をその腕に抱いたのだ。

「はい」

* * * * * * * * * *

「蓮子さん、お待ちになって!」

そのまま出て行こうとするふたりを止めたのは園子だった。

「あなたも … 」

「もう自由にしてやれ!」


しかし、晶貴はそう叫んだ。

蓮子は晶貴を振り返り、二三歩前に歩み出た。

「 … お兄様、よろしいんですね?」

「ああ、好きにしろ」


晶貴の顔は憑き物が落ちたように険しさが消えていた … 何もかもあきらめた男の顔かも知れない。

長い間縛られていた呪縛から蓮子が解放された瞬間だった。

「さあ、行きましょう」

蓮子と龍一は、晶貴に深く頭を下げると、手を取り合って屋敷を後にした。

* * * * * * * * * *

村岡家で預かっていた子供たちもひとりふたりと迎えに来た親と共に帰って行った。

「おばちゃん、また『涙さん』のお話、聞かせてね」

そう言って帰って行く子もいた。

そんな親子を見送った時、花子は路地の向こうから、とぼとぼと歩いてくるかよの姿を見つけた。

「 … かよ?」

少し後に英治の姿もあった。

ふたりは重い足取りでこちらへ向かってくる。

花子は、かよに駆け寄った。

「かよ、無事だっただけ?」

煤けて汚れ、やつれた姿のかよを花子は抱きしめた。

「お帰り … よかった」

* * * * * * * * * *

「かよ、心配しただよ。

郁弥さんは … 郁弥さんと一緒じゃなかっただけ?」


しかし、かよはひと言も発せずにぼんやりと立っている。

まるで魂の抜け殻のようだ。

製糸工場から逃げ出してきた時もこれ程まではひどくはなかった。

「 … かよ?」

< … ごきげんよう、さようなら >

連続テレビ小説 花子とアン Part2 (NHKドラマ・ガイド)

新品価格
¥1,188から
(2014/7/31 19:49時点)



関東大震災 (文春文庫)

新品価格
¥605から
(2014/7/31 19:49時点)


関連記事
スポンサーサイト

朝ドラ関連のブログ一覧はこちらです。よろしくお願いします!

にほんブログ村 テレビブログ 朝ドラ・昼ドラへ
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。