NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年08月01日 (金) | 編集 |
第107回

< 大地震で東京の中心部は恐ろしい被害を受けましたが、大森の村岡家は幸い倒壊を免れました。

かよを捜しに行った英治が大森の家に戻ったのは、震災から三日後のことでした >

「かよ、心配しただよ。

郁弥さんは … 郁弥さんと一緒じゃなかっただけ?」


花子が姿の見えない郁弥のことを尋ねると、かよはようやく重たい口を開いた。

「お姉やん … 郁弥さん、結婚してくださいって言ってくれたさ」

「そう、よかったね」


花子は笑顔で喜んだ。

「おら、うれしかった … 」

しかし、言葉とは裏腹に、かよは少しもうれしそうな顔をしてはいなかった。

「かよ?」

かよの後ろでは英治が沈痛な面持ちで立っている。

「 … 郁弥さん、おらのこと女神だって言ってくれた。

ほれなのに、おら恥ずかしくって店飛び出しちまったさ」


訥々と語るかよ、花子の胸に不安が広がった。

「ふたりとも、とにかく中に入って … 疲れたでしょう?」

英治も肩に手をあてて促したが、かよは虚ろな顔で佇んだままだった。

「おら、何で素直に『はい』って言えなんだずら … 」

そんな後悔を口にした、かよは何かを両手でしっかりと包み持っていた。

* * * * * * * * * *

「おう、よかった、無事だったか?」

肩を落とし、無言で居間に入ってきた英治を見て、歩を抱いた平祐が安堵の顔で出迎えた。

「父さん、郁弥が …

火災に巻き込まれて … 郁弥は逃げきれませんでした」


英治は苦悶の表情で郁弥の死を伝えた。

「 … 何かの間違いだろう、人違いじゃないのか?」

俄かに信じがたい話に平祐は英治に訊きかえした。

しかし、英治は目に涙を溜めて首を横に振った。

「そんな … 」

花子は言葉を失い、平祐は唇をかみしめた。

* * * * * * * * * *

かよは身体を休めるようにと別室に布団を用意されたが、そこには入らず、ぼんやりと座っていた。

手のひらをそっと開くと … そこには、真っ黒に煤け、表面も傷だらけの腕時計があった。

郁弥が英国留学の際に手に入れたご自慢の腕時計だ。

時計の針は、11時58分で止まったままだった。

もし、郁弥が用意した楽団が時間通りに来ていたら …

もし、かよがその場で郁弥の求婚を受けていたら …

もし、郁弥がかよの後を追って店を飛び出していたら …

* * * * * * * * * *

「 … 火災がようやく収まったって聞いて、銀座に向かったんだ」

英治は、平祐と花子に自分が目にしたものを話して聞かせた。

「銀座の街は見る影もなく、辺り一面すっかり燃えてしまっていた。

かよさんと君が住んでいた長屋もあとかたもなかった …

郁弥とかよさん、何処かに避難しているんじゃないかと思って、避難所をひとつずつ回っていったんだ。

新橋、京橋、日本橋辺りまで捜しに捜して … 築地のお寺でかよさんを見つけたんだ」

「お寺で?」


英治は軽くうなずいた。

「そのお寺で、郁弥が埋葬されるのを見届けてくれたようだ」

* * * * * * * * * *

「郁弥は本当に逃げ遅れたのか、そんなことどうして分かるんだ?

もう一度捜しに行こう ~ 今度は私もいく!」


立ち上がって、慌ただしく出かけようとする平祐を英治は止めた。

「捜してみなければ分からないじゃないか!」

平祐は目を見開き、英治を怒鳴りつけた。

「 … そうだ、会社の連中にも手伝ってもらおう。

郁弥が居ないと困るだろう?

え、これから村岡印刷立て直すのに … 」

「父さん、郁弥はもういないんです!」


英治は平祐の言葉を遮るように大声を上げた。

* * * * * * * * * *

平祐には絶対に受け入れたくない事実だった。

「あの一帯に居た人たちは … 皆、助からなかったそうです」

英治にしても郁弥の死など信じたくないのは変わりはなかった。

しかし、彼は無残に変わり果てた銀座の街を目の当たりにしているのだ。

「店の近くでかよさんは見つけたそうです。

郁弥の時計を … 」


平祐の目から涙があふれた。

「何もしてやれなかった … 」

英治も頭を垂れ肩を震わせて泣いていた。

そんなふたりにかける言葉も見つからない花子だった。

* * * * * * * * * *

< 甲府では、花子たちの安否が一切わからない状態で、皆が不安に暮れておりました >

徳丸商店では甚之介の指揮で東京の得意先に届ける救援物資の準備が大急ぎで進められていた。

「おう、呼び行かせたのは他でもねえ ~ 震災のこんだけど」

呼びつけられて待っていた吉平にふじ、朝市親子は甚之介の周りを取り囲んだ。

「徳丸さん、東京はどんな状況で?

大地震から三日経っても、新聞も届かんし、電報も打てんから、子供たちの無事も分からん!」

「役場でも状況が分からんみてえですし … 」

「何でもいいから、教えてくりょう ~ 東京は、大森はどんな様子ずらか?」


吉平、朝市、ふじと矢継ぎ早に甚之介に訴えた。

「まあいいから落ち着けし!

その大森ってとこの状況は分からんけんど … 銀座や東京の東の方は建物が倒れた後、ひでえ火事が起こって、あたり一面焼け野原だとう」


甚之介の話を聞いて一同愕然となった。

「村岡さんの会社、銀座にあるじゃなかったけ?」

朝市が声を上げた。

「かよの長屋とカフェーも銀座じゃん!」

ふじは泣き出した。

「東京で地震にあって逃げてきたうちの衆がこう言ってるから、残念だけんど … 恐らくほうずら」

駄目押しの甚之介の言葉にへなへなと座り込んでしまった。

「かよちゃん … はな … 」

「大丈夫さよ、便りがねえのはいい報せって言うじゃんけ!」


ふじを支えながらリンは慰めた。

* * * * * * * * * *

そこへ、武が甚之介に救援物資の準備が整ったことを報告にきた。

「東京は、ほんなひでえ状況だ … きっと皆、食うにも困ってるはずだ。

これから東京のお得意さんのとこにこの物資を届ける!」


徳丸甚之介は、そんな男気のある人物だった。

「徳丸さん、おらたちも行かしてくりょう ~ 子供たちの無事を確かめてえだ!」

いの一番に名乗りを上げたのは吉平だった。

「徳丸さん、おらも連れてってくりょう!」

「ふじちゃん、ここは男衆に任せとけし」


甚之介がふじを諭していると、朝市も名乗りを上げた。

「朝市は学校があるら、生徒ほったらかして行く訳にゃあ … 」

リンは止めたが、甚之介は朝市に言った。

「こんな時だ、わしから校長に言っておくから、行ってこうし」

「徳丸さん、ありがとうごいす!」


一同は甚之介に頭を下げると、武が前に出てきた。

「じゃあ皆、無事でな!」

「武、おまんも行くだ!」


甚之介から一喝された武だった。

* * * * * * * * * *

大森では …

この頃になると、避難していた人々も少しずつ戻ってきて、自分の家の修理や周りの瓦礫の片付けなどに取りかかるようになっていた。

村岡家も倒れた家具や落ちた瓦、後片付けに忙しかった。

< 東京では、救援活動に携わる吉太郎が村岡家に立ち寄っていました >

「お義兄さん、ありがとうございました」

ひとりではとても無理な、瓦礫を運ぶのを手伝ってもらった英治は吉太郎に礼を言った。

「兄やん、戻らんでいいの?」

憲兵という公の立場にいる吉太郎は身内のことだけに構っている訳にはいかないと、花子は分かっていた。

「そろそろ行く。

… ほうか、郁弥さんがな」


吉太郎も郁弥の死を悼んだ。

郁弥は誰にでも好かれる男だった … 吉太郎はかよのことも心配だったのだ。

かよは相変わらず、誰とも話そうとせず、気が抜けたようにぼんやりと縁側に座ったままだった。

「はな、かよを頼むぞ」

「うん」


* * * * * * * * * *

立ち去る吉太郎。

門のところから路地を人待ち顔で眺めている少年と少女がいた。

花子が震災の日から預かった子供たちは次々に親が迎えに来て帰って行ったが、この正男とフミ兄妹の親はいまだに現れなかったのだ。

「あの子たちの親はまだ安否が確認できないのか?」

「ええ … 皆何処かに避難しててくれたらいいんだけど」


すると、ふたりが花子に近づいてきた。

「ねえ、また話聞かせて」

妹のフミがなだったが、花子は何だかそんな気分にはなれなかった。

「フミちゃん、ごめんね … 今ちょっと … 」

フミは不満げに花子を見つめた。

「お話、してあげなよ」

英治からそう言われ、花子は思い直してふたりと一緒に家に入った。

* * * * * * * * * *

「昔、あるところに、あんまり泣くので『ナミダ』という名をつけられた小さい娘がありました」

もう何回も聞いた話だろうが、ふたりの子供たちは端この話に真剣に聞き入っていた。

「 … ナミダさんはカエルに言いました。

『何だって私についてくるのよ?』

すると、カエルは …

『何故かって言われたら、もうじきお嬢さんの周りにナミダの池が出来るだろうと思いましてね』
 

* * * * * * * * * *

ナミダはなお一層、泣きだしました。

『よしてください、よしてください』

カエルは夢中になって飛び回りました。

『そんなにお泣きになると、大水が出ます』

なるほど、ナミダはちょっと泣くのを止めて、辺りを見回しますと …

水は一刻一刻に増しておりました」


フミは身を乗り出した。

「ナミダさん、泳げないんだよ!」

「そうなの ~

ナミダは泳げなくて困ってまた泣き出すのです。

『私をこの島から出してちょうだい』

カエルは涙にこう言いました。

『この島から抜け出す道はひとつしかありません。

… 笑うんです』

さあ、ナミダさんは笑えるかな?」


花子は子供たちに笑いながら問いかけた。

* * * * * * * * * *

「笑える訳ないじゃんけ … 」

ふと気づくとかよが立っていた。

花子と目があうとかよはすっと立ち去った。

かよにとって『ナミダさん』の話は、辛いものだったのだ。

花子は自分の迂闊さを悔いた。

* * * * * * * * * *

二日後 …

大八車に大量の物資を乗せた吉平、朝市、武の三名はようやく大森までたどり着いていた。

「この辺りは大分無事みてえですね」

「はな、かよ … 無事でいてくりょう!」


村岡家まではあと少し、甲府から歩き通しの三名は最後の力を振り絞った。

「まだけえ、おら、もう駄目ど ~ 一歩も歩けねえ」

そんな泣き言を言いながらも、武もここまでよく頑張って来たものだ。

「もうすぐそこじゃあ!」

遂に村岡家の前に到着した吉平は大声で呼びかけた。

「お~い、はな ~ 無事けえ?!」

その声を聞きつけて、花子たちが飛び出してきた。

「てっ、お父?!」

「お義父さん … 朝市さんも来てくれたんですか」

「英治さん、はな!」

「ああ無事だっただけ、はなたれ」


朝市と武は手を取り合って喜んだ、疲れさえ吹っ飛んだようだ。

「よかった ~ 」

吉平は、花子、英治、歩を抱きしめた。

「無事で、本当よかった … 」

緊張の糸が切れ、吉平は男泣きした。

「お父 … 」

< 吉平たちがやって来たのは、地震から五日後のことでした。

… ごきげんよう、さようなら >

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