NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年08月06日 (水) | 編集 |
第111回

「 … もうひとつ、訊きたいことがある」

伝助は身を前に乗り出して、そう言った。

「な、何でしょう?」

身構える花子。

「あいつはどげんしよるとね?」

「え?」

「蓮子は無事に暮らしちょるか?」


伝助は、ようやく一番気にかけていたことを花子に訊ねた。

番頭たちに「蓮子のことは終いにする」と宣言した手前、表だって調べさせる訳にもいかなかったのだろう。

英文の翻訳など口実に過ぎなかったのかも知れない。

「あ、蓮様ですか …

はい、震災の後、龍一さんと坊やと一緒に暮らせるようになって … 蓮様も人並みにお姑さんのことで苦労なさってるみたいですよ」


伝助は、ふうっと息を吐いて安堵の表情になった。

* * * * * * * * * *

< その夜のことでした >

トランクを抱えた亜矢子が村岡家に転がり込んできた。

「今夜泊めてくださる? … 私、行くとこがないの」

「て?!」

「出版社を辞めて、蓮子様の駆け落ち事件を取材していることで、父と衝突してしまって … もう、あんな家には帰らないわ!」


* * * * * * * * * *

「ご迷惑なのは重々承知しておりますが、他に行くあてがないものですから」

主である英治は快く許可した。

「狭いけど我慢してね」

平祐にかよ、そして亜矢子と村岡家の居候が三名に増えた。

* * * * * * * * * *

< こうして、醍醐は村岡家に居候しながら、ますます取材に燃えておりました >

「私の記事を?」

「はい」


自分の記事を書くための取材を申し込んできた亜矢子に、蓮子は少々食傷気味に答えた。

「これまでにも散々あちこちで書かれているじゃないの … 醍醐さんも、どうぞお好きにお書きになったら?」

しかし、亜矢子は食い下がった。

「そこには、ひとつも本当のことは書かれていません。

調べれば調べるほど、あの事件はただの恋愛沙汰ではないと思いました」


今まで書かれてきた記事のほとんどは、筑豊の石炭王を捨てて若い恋人と駆け落ちした華族のお姫様という決まりきった切り口で面白おかしくでっち上げたゴシップ記事でしかなかった。

亜矢子が書きたいのはまったく別なものだ。

「蓮子様は、家や身分に操られる人生を捨てて、自分の人生を生きようとしたのではありませんか?

私は、貴方の声を聞き、真実を書きたいんです」


亜矢子の熱意は蓮子の心を動かした。

取材することを許された亜矢子は、それから、蓮子の元を頻繁に訪れることになる。

* * * * * * * * * *

「蓮子さん、大変 ~ 雨よ、雨!」

取材を受けている部屋に浪子が駆け込んできた。

ふたりとも話に夢中になっていて、外の天気のことなどまったく気にしていなかったのだ。

「まあ、ホントだわ!」

「ほら急いで、洗濯ものが濡れてるじゃないの!」


浪子は自分では決して手を出そうとはしない。

「大変ですわ … 」

蓮子なりに慌てているのだが、浪子の目にはゆっくりとしか見えなかった。

「急いで ~ 遅い、遅い!

どうして雨が降る前に洗濯ものを取り込まなかったのよ?!」

「申し訳ございません、お義母様」


優雅に頭を下げている場合ではなかった。

「あなた、見てないで手伝って!」

浪子は亜矢子にまで指図した。

どしゃ降りの中、庭に飛び出して洗濯物を取り込むふたり。

ただ、どちらもお嬢様育ち故に、手際の悪いことときたら …

* * * * * * * * * *

村岡家では、雨上がりの庭で英治が歩を相手にシャボン玉で遊んでいた。

家の中から出てきた花子が縁側にいる英治の横に座った。

「英治さん」

英治が振り向くと、『王子と乞食』の装丁案が置かれていた。

「やっぱり、『王子と乞食』の本、作りましょう」

「でも … かよさんは賛成してないんじゃ?」


花子は英治に、先日の伝助の言葉を伝えた。

「 … こんな時だからこそ、本を待ってる人がいるんじゃないかって」

「あの人が?」


花子はうなずいた。

「そう言ってもらって、私も強く思ったの。

この本が出来ることで、少しでも元気を取り戻してもらえる人が増えたらいいって … どうかしら?」


英治は少し考えて、そして微笑んだ。

「うん、そういう本を作ろう。

これは、僕たちがやらなきゃいけない仕事だ」


微笑みを返す花子。

そんなふたりのやり取りを庭の隅で見ている平祐が居た。

* * * * * * * * * *

「素敵だわ ~ 郁弥さんの夢を実現なさるのね?」

夕食の後片付けを手伝いながら、亜矢子は花子の話に賛同した。

「是非、私もお手伝いさせて」

「でも、まだ資金のこともあるし … 実現できるかは目途は全然立ってないの」

「そうなの?」


考え込む亜矢子。

「 … 醍醐さん?」

何か妙案がひらめいたようだ。

「はなさん、クッキーをたくさん焼きましょう」

そう言ってニッコリと笑ってみせた。

* * * * * * * * * *

< さて、醍醐さんがひらめいたアイディアというのは? >

数日後、それは実行された。

まず亜矢子は座卓に真っ白なテーブルクロスを敷いた。

「焼けたわよ」

花子は亜矢子に言われた通り、鉄鍋でクッキーを焼き上げた。

「すごいわ、はなさん!」

それをふたりで大きな皿に並べた。

しばらくすると、村岡家に数名の訪問者がやって来た。

「お待ちしてましたわ」

玄関の扉を開けて真っ先に顔をみせたのは … 秀和女学校時代の同級生で、ふたりにとってはルームメイトでもあった畠山鶴子だった。

「ごきげんよう」

その後から次々に懐かしい顔が入ってきた。

< まあまあ ~ 秀和女学校の同級生の皆々様でございますね >

「皆さん、ごきげんよう ~ お元気そうで」

「はなさん、醍醐さん、お懐かしいわ」

「今日はお招きいただき、光栄ですわ」


* * * * * * * * * *

「皆さん、お茶をどうぞ ~ 紅茶がとても高いので、女学校の時代のようにはできないけれど」

居間に通された皆にお茶が配られ、座卓の中央にクッキーの皿が置かれた。

「さあ、皆さん、クッキーもどうぞ」

一同から歓声が上がった。

「スコット先生、直伝のクッキー?」

「ええ … でも、震災の後でオーブンが調達できなくて」

「かまどで焼いた特製クッキーよ」


少し焦げたものがあるのはご愛嬌だ。

* * * * * * * * * *

「皆さん、ご無事で本当によかったわ」

ひとしきり昔話に花を咲かせた後、花子が改めて、こうして同級生たちと無事に再会できたことに感謝した。

「私、教会の奉仕活動で震災以来、避難所を訪ねているんですけれど … 皆さん、家族やお家、お仕事を失って、本当に絶望なさっていて … 」

鶴子はそこまで話して言葉をなくした。

「震災さえなければ … 」

誰かがつぶやいた。

「でも、秀和の建物が無事に残って、本当に幸いでしたわ」

亜矢子が言ったように、皆絶望の中に何かしら希望の光を見出したいのだ。

「やっぱり女学校の頃が一番楽しかったわね …」

沈みがちな雰囲気に花子も思わずそんな言葉を漏らしてしまった。

* * * * * * * * * *

「はなさん、そんなこと言ったら、ブラックバーン校長に叱られますよ」

鶴子の言葉にハッとする花子。

「ああ」

卒業式でのブラックバーン校長の言葉を思い出した。

「The best things are never in the past.

but in the future.」

「最上のものは過去にあるのではなく、将来にあります。

旅路の最後まで、希望と理想を持ち続け進んで行くものでありますように」


校長の言葉を訳して皆に伝えたのは他ならぬ花子だった。

誰もがしっかりと記憶にとどめていたのだ。

* * * * * * * * * *

「皆さん、お手紙にも書いた通り、今日はご協力お願いしたいんです」

「え?」


亜矢子の言葉に花子は首を傾げた。

「はなさん、ご主人と『王子と乞食』を出版なさろうとしているんですってね。

うちの子供たちも、あの物語ずっと読んでいたのよ」


鶴子が言った。

「出版社を兼ねた印刷会社を作ろうとしていると伺いました。

はなさん、是非協力させてください」


澄子が花子の前に封筒を差し出した。

「私も協力いたしますわ」

鶴子も封筒を置いた。

「もちろん、私も協力させていただくわ」

亜矢子をはじめ、今日集まった全員が協力を厭わずに寄付金が入った封筒を差し出したのだ。

* * * * * * * * * *

「皆さん … 」

花子は同級生たちの好意に言葉を詰まらせた。

「お金はいただけません」

しかし、感謝しながらも、受け取ることを辞退してしまった。

「どうして?」

亜矢子は表情を曇らせた。

「皆さんのお気持ちはホントに … ホントにうれしいです。

でも、甘える訳には … 」


すると、鶴子がある提案を口にした。

「それじゃあ、このお金は未来の本への投資というのはどうかしら?」

「投資?」

「会社が上手くいったら、どんどん本を出すでしょ。

そしたら、私たちに割引価格で優先的に売ってくださらない?」

「いい考えね」


一同が鶴子の提案に賛成した。

「こういう時こそ、人々の心を楽しく元気づけるものが必要だと思うの」

奇しくも、鶴子の口から出たのは、伝助と同じ言葉だった。

うなずく亜矢子たち。

「皆さん … 」

* * * * * * * * * *

「 … 未来の本への投資?」

仕事から戻った英治は、皆から集まった寄付金が入った封筒を亜矢子から手渡された。

「皆、早く本を作ってくれって言ってくださって」

英治にそう説明した後、花子は亜矢子に改めて礼を言った。

花子が困難に見舞われた時、必ずと言っていいほど手を差し伸べてくれるのが亜矢子だった。

「醍醐さん、ありがとう」

英治も同じように頭を下げた。

「お茶会を開いて、私も助かったわ。

畠山さんのお宅、離れが開いてるから貸してくださるって … 明日からお世話になることにしたわ」


その時、花子は居間に入らず、廊下で暗い表情で立っているかよに気づいた。

目が合うと、ふいっと二階へ上がって行ってしまった。

< かよの心の時計は、まだ止まったままなのでしょうか … >

* * * * * * * * * *

< 数日後、再び嘉納伝助がやってまいりました >

伝助は村岡家の玄関に山のような食料や日用品、雑貨を番頭に運び込ませた。

「こないだ、翻訳してもろうたお礼たい」

「 … こんなにたくさんいただけません」


花子は恐縮を通り越して困惑していた。

伝助にとって、愛情や感謝の大きさを表すのは金額や物なのだろう。

「よかよか ~ 余ったら、配給ち言うて、近所ん人に配っちゃんしゃい」

豪快さの中に優しさがあった。

「ありがとうございます … じゃあ、遠慮なく」

伝助は片手を上げ微笑むと、感謝する花子に見送られて帰って行った。

* * * * * * * * * *

村岡家を出て、番頭を従え歩き出した伝助が突然、足を止めた。

前方からこちらに向かって歩いてくるのは … 蓮子だ。

蓮子も伝助に気づいた。

< あれほど世間を騒がせて離婚したふたりが、バッタリ出くわしてしまいました。

… ごきげんよう、さようなら >

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