NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年08月07日 (木) | 編集 |
第112回

村岡家を出て、番頭を従え歩き出した伝助が突然、足を止めた。

前方からこちらに向かって歩いてくるのは … 蓮子だ。

蓮子も伝助に気づいた。

あれほど世間を騒がせて離婚したふたりが、バッタリ出くわしてしまったのだ。

< ふたりが顔を合わせるのは、何と蓮子の駆け落ち事件以来でした >

蓮子は視線をそらしてうつむいた。

「筑前銀行の頭取さんは明日ん約束やったかな?」

表情も変えずに伝助は後ろに従っている番頭に訊ねた。

「明日の午後二時からの約束になっちょります」

再び歩き出した伝助が、そのまま無視して蓮子の横を通り過ぎようとした時だった。

「あの … 」

蓮子の方から声をかけてきた。

「ちょっと、一杯やりませんか?」

思いもかけない蓮子からの誘いの言葉に、さすがの伝助も仰天した。

「はあ?!」

* * * * * * * * * *

蓮子が伝助を案内したのは、かよの屋台だった。

連れ立って訪れたにもかかわらず、ふたりは柱を挟んで腰かけた。

かよの方を見据えていて、お互いに視線を合わせようともしない。

< かよは緊張で引きつっていました。

あれほど世間を騒がせて離婚したふたりが何故屋台なんかに来たのでしょう? >

酒を注ぐ手も震えているのが分かった。

「 … そう言えば、はなちゃんとかよちゃんは、この人のことを褒めていたわね。

怖そうに見えるけれど、きっと苦労人で優しい人だって」

「はい」


かよは、伝助の顔をちらりと見た。

「それなのに、あの頃の私は、この人のいいところなんてひとつも見ようとしてはいなかった。

自分で心を閉ざしてしまって … 」


* * * * * * * * * *

すると、伝助もまるでかよに話しかけるように口を開いた。

「まあ、仕方なかったろう …

今思えば、こん人は気の毒な花嫁じゃった」


蓮子は伝助の顔を見た。

「俺は金ん力で買えんもんは何ひとつないち思ちょった。

ばってん、この年になってやっと分かった … この世には金の力ではどうにもならんもんがひとつだけある」


失ってはじめて、己がどれほど蓮子のことを愛していたかを思い知った伝助だった。

伝助はコップの酒を一気に呷った。

「 … 俺の負けたい」

潔く認め、かよに勘定するように言った。

「いいえ、ここは私が … 」

「何を言いよる、天下の石炭王が女に金など払わせられるか!」


しかし、蓮子は聞かなかった。

「怒るばい!」

蓮子はしっかりと伝助を見つめて懇願した。

「自分で稼いだお金でごちそうさせてください!

そのためにお誘いしたんです」


* * * * * * * * * *

「 … 分かった。

そんなら、一遍だけごちそうになるばい」


伝助が納得してくれたことが分かって、蓮子はホッと安堵の表情になった。

「かよちゃん … お替りをふたつ」

なみなみと注がれたコップを掲げてふたりは乾杯した。

言葉には出さない和解だった。

* * * * * * * * * *

「蓮子 … しゃん」

「はい」

「今、幸せか?」


蓮子は伝助がこんなにも優しい顔をしていたのだとはじめて気づいた。

目に涙を溜めながら微笑んだ。

「はい」

その答えを聞いた伝助は一瞬目を閉じて、満足そうに … それでいて寂しげに二度うなずいた。

「 … そうか」

そして、コップに残っていた酒を飲み干した。

「ごちそうになった」

伝助が席を立つと、蓮子も後を追うように立ち上がり、ふたりは向かい合った。

* * * * * * * * * *

「じゃあ、元気でな」

「あなたもお元気で … 」


蓮子は穏やかに微笑んだ。

「 … ごきげんよう … さようなら」

蓮子の肩に手を伸ばした伝助は、ゆっくりと顔を近づけてその唇で額に軽く触れた。

あっという間に体を離すと、すべてを吹っ切るように豪快に叫んだ。

「さあ、今夜は神楽坂中の芸者呼んで、どんちゃん騒ぎたい!」

振り向かずに早足で立ち去っていった。

蓮子は晴々とした顔で黄昏の空を見上げた。

結果はどうあれ、伝助に嫁いだことを少しも後悔していない自分に気づく蓮子だった。

そのお蔭で今の自分がある … そうとさえ思えた。

* * * * * * * * * *

「そう、よかったわね … 」

村岡家に足を運んだ蓮子が、花子にたった今、伝助と和解できた報告をしていると … 英治が龍一を担ぐようにして帰って来た。

足腰が立たないほど泥酔している龍一は玄関から板の間に倒れ込んだ。

「おかえりなさい … どうしたの?」

「工事現場の帰り、龍一君に飲みに誘われて … 」


すると、龍一が突然息巻いた。

「女ってのはね、魔物ですよ!

僕は蓮子のことが分からなくなりました!」

「さっきからずっとこんな調子で … 」


英治はいいかげん困り果てていた。

* * * * * * * * * *

「龍一さん」

花子は龍一に水が入ったコップを渡した。

この時、英治は居間に蓮子がいることに気がついた。

「龍一君!」

しかし、それが分からない龍一は声を荒げた。

「石炭王とね、仲良く乾杯してたんですよ ~ 」

どうやら、蓮子を捜しに出て、偶然ふたりのやり取りを見てしまったのだろう。

「 … 蓮子が今の暮らしにガッカリしてるのは、分かってましたよ。

新米弁護士の稼ぎじゃ、贅沢させられないし、口うるさいお袋はいるしさ ~ 」


よろよろと立ち上がったと思ったら、また引っくり返ってしまった。

* * * * * * * * * *

「龍一さん … 」

名前を呼ばれ、龍一はやっと蓮子がここにいることに気がついた。

「蓮子 … 」

蓮子は悲しげな顔で龍一を見ていた。

「何で石炭王と屋台なんか行くんだよ!

じゃあ、俺との逃避行は何だったんだよ?!」


英治はいきりたつ龍一を止めながらも彼を擁護する発言をした。

「でも、龍一君がヤケ酒飲みたくなる気持ちも分かりますよ … 」

* * * * * * * * * *

「もう、英治さんまで」

横で聞いていた花子が呆れたように笑った。

「花子さん」

英治は龍一に気を遣って諌めたが、花子は話すのを止めなかった。

「蓮様は、別れたご主人に、きちんと『さよなら』を言ってきたんです。

こぴっとけじめをつけて、今日から育児も家事も頑張るそうです」

「龍一さん … 私、今の暮らしにガッカリなんてしていなくってよ。

お義母様には叱られてばかりいるけれど、嫌われないように頑張るわ」


蓮子のその言葉にすべて自分の誤解だったと龍一は悟った。

「帰る家があるって、うれしいことね」

* * * * * * * * * *

「醍醐さんが声をかけてくれて、秀和の同級生たちが、こんなにお金を送って下さったの」

何通も届けられた現金書留の封筒を前に花子と英治は胸がいっぱいだった。

「亜矢子さん、ほんとうにありがとうございます」

ふたりは亜矢子に頭を下げた。

「『王子と乞食』の単行本化を待ち望んでいるお母様たちが、こんなにも大勢いらっしゃるということですわ」

「皆さんのお気持ちに必ず応えましょう」

「 … そうだね」


花子の言葉をしっかりと受け止めた英治だった。

「何年かかっても必ずやりとげよう」

そんな決心を廊下で聞いていたかよ … その表情はいまだ戸惑っていた。

* * * * * * * * * *

「英治さん、今日からこれで我慢してください」

次の日から、愛妻弁当が、おかずが漬物だけの日の丸弁当に変わった。

「節約は大切だよ … 今僕たちに出来ることは、ひとつずつやっていこう」

皆の善意と期待に報いるために、まずは自分たちの生活を切り詰めることからはじめたのだ。

英治は前にも増して、懸命に工事現場で汗を流した。

花子は贅沢品の着物を古道具屋を呼びつけ、買い取ってもらった。

そして、ひとつでも多く仕事をこなそうと寸暇を惜しんで翻訳に精を出した。

< どうしても会社を再建し、郁弥の夢を叶えたい … その強い思いが、ふたりを突き動かしていました >

* * * * * * * * * *

本の装丁も英治の手で順調に進められていた。

< こうして、ふたりで頑張っていたある日のこと >

伝助の伝言を携えて、嘉納鉱業の番頭が村岡家を訪れた。

「筑前銀行東京支店の内藤支店長が融資の話を聞いちゃんなさるそうですばい」

番頭は紹介状と支店長の名刺を渡しながらそう言った。

* * * * * * * * * *

英治と花子は早速、出版社兼印刷会社設立のための事業計画を作成し、筑前銀行に赴いた。

伝助から話が通っていたのだろう、計画書を見るまでもなく、あっさりと融資の契約が交わされたのだ。

* * * * * * * * * *

「父さん、印刷機が買えます!」

銀行から戻った英治が興奮しながら玄関を上がってきた。

「『王子と乞食』を出版できるんです!」

「 … まさか?!」


歩の相手をしていた平祐は信じられないといった顔で英治を見上げた。

「本当です。

銀行が融資してくれたんです」


英治は契約書を平祐に見せた。

「郁弥さんと私たちの夢が叶うんです」

花子の声もうわずっている。

「どこの銀行だ?!」

「筑前銀行です。

九州の嘉納伝助さんが口を利いてくださって」


沈みがちだった平祐までいつになく興奮気味だ。

* * * * * * * * * *

隣りの部屋にいたかよは居たたまれず廊下へ飛び出した。

その時、ふと庭にひっそりと咲いている可愛らしい花に目が留まった。

見覚えがある花 … それは勿忘草の花だった。

かよは庭に下りて、花の前にしゃがみ込んだ。

* * * * * * * * * *

「この花、かよさんみたいでしょ?」

そう言って郁弥は一輪の勿忘草を差し出した。

「私、チップの方がうれしいんですけど … 」

そんな受け答えをしたかよの髪に優しく飾ってくれた。

「よく似合います … 」

* * * * * * * * * *

郁弥の笑顔が目に浮かんで切なかった。

そんなかよに声を掛けられず、花子が部屋の中から見つめていた。

< いつの間にかこんなところに、勿忘草が …

ごきげんよう、さようなら >

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