NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年08月11日 (月) | 編集 |
第115回

< たくさんの友人たちの力を借りて、花子たちは青凛社を作り、『王子と乞食』の単行本を完成させました。

それから二年後、かよは必死で働き、自分の店を持ちました。

そして、歩は四歳になりました >

花子たちはやんちゃ盛りの歩に手を焼きながらも、惜しみない愛情を注いでいた。

* * * * * * * * * *

1926年(大正15年)・8月。

< さて、8月のある日のこと >

村岡家では、歩と英治、平祐までが夢中になって、てるてる坊主を作っていた。

もうすでに数十個は出来上がっていて、軒先や部屋の鴨居等いたるところにぶら下がっている。

「歩ちゃん、お祖父やんとお祖母やんが来てくれたよ」

「歩、ぐっどいぶにんぐ」


甲府から吉平とふじがやって来たのは、翌日に控えた海水浴に花子と英治が誘ったのだ。

ふたりを出迎えた歩は明日が待ちきれず、すでに海水着を着ていた。

「ああ、こんだけてるてる坊主吊るしゃあ、明日はきっと晴れるら ~ 

歩、海行ってスイカ割りしような」


吉平は手土産に持ってきた見事なスイカを見せた。

「歩、呼んでくれてありがとうね ~ お祖母やん、海水浴なんて産まれてはじめてじゃん」

吉平とふじは久しぶりに会えた可愛い孫の一挙手一投足に目を細めるのだった。

「お母ちゃま、これ着るんだよ」

歩が引っ張り出してきたのは、歩と同じ柄の花子の海水着だった。

* * * * * * * * * *

だがてるてる坊主たちのご利益はなく … 翌日、外は大雨で、雷まで鳴りはじめた。

< てっ、ザーザー降りですか >

「歩ちゃん、海はまた今度ね … 」

「や~だ、皆で海に行くんだもん」


すっかりへそを曲げた歩は泣き出してしまう。

花子は歩を元気づけるため、あることを思いついた。

「 … やりましょう、海水浴」

* * * * * * * * * *

花子は居間にゴザを敷き、海水浴に持っていこうと用意した弁当のお重を広げた。

「歩ちゃん、ここは海よ …

想像の翼を大きく広げて、ここが海だって想像してみるの」

「ここが海?」


花子は歩の目を閉じさせた。

歩だけでなく、大人たちも全員目を閉じて、自分たちが海にいると想像した。

「ザブ~ン、ザブンと寄せては返す波 … 」

「 … でも、ここはおうちだもん」


歩はこれで、誤魔化されるような単純は子供ではなかった。

吉平と英治は畳の上で泳ぐ真似をしてみせた。 

「おお、海だ ~ お祖父やんと泳ごう!」

「でも、ここは海じゃないもん。

僕、海に行きたい … 海に行きたいの!」


… 畳を海だと思えという方が無理な話だった。

* * * * * * * * * *

花子は書斎にこもってしまった歩に吉平たちからの土産のスイカを運んだ。

「これ食べて、機嫌直そうよ」

「僕、海でスイカ食べる!」


目の前で障子をぴしゃりと閉められ、花子はか~っと頭に血が上ってしまった。

「いつまでもわがまま言っている子は知りませんからね!」

* * * * * * * * * *

< 花子が息子に手を焼いている頃。

一方、蓮子は … >

依頼が増えた原稿を家事の合間を縫って執筆する忙しくも充実した毎日を送っていた

傍らのゆりかごの中では富士子がすやすやと静かな寝息を立てている。

こんな時間が最も捗る時だった。

< … おや、こちらは順調のようですね >

しかし、仕事にかまけて少しでも手を抜くと、浪子の厳しい叱責が待っていた。

それでも嫁と姑の関係は以前に比べると概ねうまくいっているようだ。

「それにしても富士子はいい子だね ~

産まれた時からお乳はたくさん飲むし、よく育つよ」


そんな浪子の言葉を耳にした純平は自分が生まれた時のことを執拗に訊ねた。

「ねえねえ、教えてよ ~ 」

「お祖母様は、純平が産まれた時のことを知らないのよ」


返事に困っている浪子に代わって蓮子が答えたが、純平の疑問は更に深まってしまった。

「どうして?」

「それは … 」


< 龍一と引き離され、実家に連れ戻された蓮子は、ひとりで純平を産みました。

それを幼い息子に、どう説明したらよいのか … 蓮子は言葉が見つかりませんでした >

* * * * * * * * * *

依然、歩は書斎でむくれたままだった。

「歩ちゃん、皆と一緒にお弁当食べましょう」

「雨なんか嫌いだ ~ ずっと降らなきゃいいんだ」


花子や英治がいくら宥めても機嫌は直らず、しまいには雨に対して悪態をついた。

* * * * * * * * * *

「 … 今日のようにある暑い夏の朝のことです」

そこで、花子が即興の物語を話しはじめると、歩が興味を示して身を乗り出してきた。

「小さなひとひらの雲が、海から浮き上がって、青い空の方へ元気よく楽しそうに飛んで行きました。

ずっと下の方には、下界の人間が汗を流しながら真っ黒になって働いておりました。

雲は思いました。

『どうかして、あの人たちを助ける工夫はないのだろうか?』」


英治は、花子の話に合わせて、スケッチブックに絵を描きはじめた。

「こちらは、空の下の世界です。

あんまり太陽の光線が強いので、人々は時々空を見上げては、雲に向かって …

『ああ、あの雲が私たちを助けてくれたらなあ』

というような様子をいたしておりました。

… さあ、雲は何て言ったと思う?」


歩はにっこり笑って答えた。

「助けてあげるよって」

「そうね …

でも、雲は人間の世界に近づくと消えてしまうの」

「消えちゃうの?」


途端に歩は悲しそうな顔をした。

* * * * * * * * * *

「それでも雲は勇ましくこう言ったの。

『下界の人たちよ、私は自分の体にどんなことが起きても構わない。

あなたたちを助けよう。

私は自分の命をあなたたちにあげます』

下へ下へと、人間の世界へ下って行った雲は、とうとう涼しいうれしい夕立のしずくとなって、自分の体を失くしました」


ちょうどそこで、英治が描き上げた物語の絵を歩に手渡した。

「まあ ~ 」

優しい顔をした雲が太陽の光を遮って、下界の人たちに恵みの雨を降らしている絵だ。

「 … 雲は死んじゃったんだね」

絵を見ていた歩が顔を上げて花子に訊ねた。

「ええ … でもね、雲が降らせた雨で苦しい苦しい暑さから、たくさんの人や、動物や、樹や草花が救われたのよ」

「じゃあ、雨のこと嫌ったらかわいそうだね」


花子は優しくうなずいた。

「 … 今日は雨で海に行けなくて残念だったけど、今度の日曜日行こうね」

「うん」


* * * * * * * * * *

ようやく機嫌を直した歩は居間に戻って、皆と弁当を食べ始めた。

「僕、分かったよ。

雲はね、雨を降らして消えちゃった後、虹になるんだよ」

「て … 」


花子は驚くとともにうれしくなった。

自分が考えつかなかった物語の続きをわずか四歳の我が子が話しはじめたのだ。

「 … ほうね」

「お別れに、お空の虹になったんだ」

「ほう ~ 」


感心する吉平を見てふじが笑った。

「あんたの言いてえこんは分かるさ」

「歩は神童に間違いありませんよ」


ところが、吉平のお株を取っのはた英治だった。

真顔で皆に訴えた。

「いやあ、まったくじゃん」

同意する吉平 … 神童の花子の子供は神童に違いないのだ。

歩を中心に場の雰囲気も一気に和んだ。

* * * * * * * * * *

翌日、吉平とふじは甲府に帰る道すがら、かよの店『カフェータイム』に立ち寄った。

「て ~ 立派なお店じゃん、かよ」

「ああ、自分の店を持つなんて … 俺の娘にしちゃ出来過ぎじゃん。

かよ、うんとこさ頑張っただな」


かよはうれしそうにうなずいた。

「お父もお母もゆっくりしてってくれちゃ」

カウンターの向こうでコーヒーを淹れる、かよは一端の女将に見えた。

吉平は訊ねた。

「かよ … もう郁弥君のことは大丈夫か?」

「こぴっと頑張ってれば … きっと、郁弥さんが見ててくれる。

ほう思ってるさ」


穏やかに笑ったかよを見て、吉平もふじも安堵したようだ。

* * * * * * * * * *

村岡家には仕上がった原稿を受け取りに梶原が訪れていた。

「花子君は締め切りを守ってくれるから本当に助かるよ」

編集者の経験がある花子には梶原たちの苦労がよく分かるから迷惑はかけられないのだ。

「 … それで折り入って相談なんだが、この本の翻訳もお願いできないだろうか?」

花子は梶原が差し出した原書を受け取った。

原題は『VOICES OF THE BIRDS』。

数頁めくって花子は笑顔を見せた。

「歩の好きそうな本です」

「 … 大急ぎで翻訳してもらえないだろうか?」

「はい、是非やらせてください」

「本当に急いでるんだ。

十日で仕上げてくれないか?」


花子は唖然とした … とても十日で終わらせる仕事ではなかった。

梶原が褒めたのにはそれだけの理由があったということだ。

「十日ですか … 」

「何か用でもあるの?」


海水浴に行かなければならないとは言えなかった。

「大丈夫です … 頑張ります」

そう答えた顔が少し引きつっていたかもしれない。

「引き受けてくれるか … 助かるよ」

* * * * * * * * * *

梶原が引き揚げようとした時、歩が居間に駆け込んできた。

「お母ちゃま、日曜日、これ海で着るんだよ」

歩は花子の水着を広げて梶原に見せてしまった。

「歩ちゃん … 」

「十日で本当に大丈夫?」


梶原は不安そうに花子に確認した。

「大丈夫です … 」

< さて、花子はこの海水着を着ることが出来るのでしょうか?

… ごきげんよう、さようなら >

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