NHK朝ドラ『花子とアン』『ごちそうさん』『あまちゃん』…ストーリーを勝手に解釈&裏読み … ほぼネタバレ…
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2014年08月18日 (月) | 編集 |
第121回

< … 時代は昭和に代わり、花子は児童文学の翻訳に没頭していました。

日本中の子供たちのために楽しい物語を送り届けたいという強い思いからでした  >

1932年(昭和7年)・5月。

英治と花子は、製本が上がったばかりの新雑誌『家庭』を居間に並べた郁也、歩、そして三年前に他界した平祐の遺影の前に供えた。

「子供も大人も楽しめるような雑誌にしました。

歩は喜んでくれてるかしら?」

「ああ、きっと喜んでくれているよ」


< 歩の死から6年、ふたりが歩のことを思わない日はありませんでした >

ただ、最近やっと涙を流すことなく、歩の思い出を語り合うことができるようになったふたりだった。

* * * * * * * * * *

カフェータイムにおいて、『家族』の創刊の祝賀会が開かれ、女流大物作家の長谷部汀や宇田川満代、蓮子に亜矢子とそうそうたる執筆陣の面々が集まった。

「お陰様で青凛社の雑誌『家庭』、皆様にご協力いただき、無事創刊の運びとなりました」

乾杯の輪の中に、大震災で失った聡文堂を再建した梶原の姿もあった。

新生聡文堂のため、参加している作家たちへの執筆依頼も目論んでいた。

「ところで花子先生、うちも翻訳ものを増やしていきたいんですが、今後どんな作品を翻訳したいですか?」

「日本には十代の若い方たちが読む物語が少ないと思うんです。

私が女学校時代に読みふけっていた欧米の青春文学をもっともっと紹介していきたいと思います」


そう言いながら、花子はすでに翻訳の連載が二本、少女小説、随筆まで執筆して多忙な作家生活を送っていた。

「あなたそんなに?

私より稼いでるんじゃないの?」

「はなちゃん人気者ね、一体いつ寝ているの?」


満代と蓮子に茶化されて、花子は困った顔をして謙遜した。

* * * * * * * * * *

「そういう白蓮さんは、ご自分の半生を小説にお書きになって、映画化までされたんですものね ~ 」

汀は褒めたが、昔から蓮子に対抗意識を持っていた満代は、相変わらずの毒を吐いた。

「赤裸々に書きゃいいってもんじゃないわ。

白蓮さんはようするに世間の注目をずっとあびていたいのよ。

平民になったあなたが何を着てくると思ったら … 」


中国の知り合いからもらったというチャイニーズドレスを見事に着こなした蓮子は満代の言葉など気にも留めていないように微笑んだ。

「あっ、宇田川先生こそ … 震災の時、運命的な出会いをなさったご主人とのことお書きになったらいかがでしょうか?」

「ぜひ、私の小説なんかよりよっぽどロマンティックですわ」


花子はご機嫌取りのつもりで話を振ったのだが、満代は却って不機嫌になった。

「 … あれは、錯覚でした」

とっくに離婚していたことを誰も知らなかったのだ。

< それで宇田川先生、今日は一段と荒れてるんですね … >

梶原が自分も離婚経験者だと慰め、蓮子などは二回も経験していると慰めた。

「作家は不幸なほど、いい作品が書けるのよ ~ ほっといて」

そう吐き捨てて、ウイスキーを飲み干した。

* * * * * * * * * *

「それはそうと … 白蓮さんが雑誌に書いてらした『どんな境遇であれ、女性は男性と等しい権利を持つべき』だという記事、感心して読みましたわ」

またも汀が蓮子を評価すると、花子も亜矢子も同意した。

「まあ、うれしいお言葉ですわ」

「文学の世界も男性中心ですけれど、政治も同じです。

女性は家庭を守るだけでなく、男性を同じように社会に参加する権利があるはずです」


花子が皆の前に出て訴えた。

「その通りです!

そもそも25歳以上の男性に選挙権があって女性にないのはおかしいですわ」


花子に続いて息巻く蓮子に、かよはニコニコしながらコップの水を渡した。

「蓮子さん、早くしゃべれるようになりましたね」

「 … お姑さんに鍛えられましたから」


蓮子は少し照れて、肩の力をふっと抜いて笑った。

* * * * * * * * * *

「皆さん、女性の地位向上のためにがんばりましょう!」

汀が立ち上がってグラスを掲げると、他の女性たちも立ち上がった。

「男の出番はないな」

「ええ」


女性陣の勢いに押され気味の梶原と英治は苦笑いだ。

「これからもお互い切磋琢磨していきましょう ~ 乾杯!」

* * * * * * * * * *

祝賀会が終わって、店のカウンターには秀和女学校の同窓生三名だけが残っていた。

「はなさん、今日はありがとう … お蔭で先生方から取材の承諾をいただけたわ」

「醍醐さん、燃えてるわね」

「その後、吉太郎さんとはどうなの?」


蓮子の質問に表情を曇らせながら、亜矢子は答えた。

「それが、龍一さんや武さんにあんなお芝居までしてご協力いただいたのに … 」

* * * * * * * * * *

「 … 上官に醍醐さんとのことを話しました」

「それで、上官の方は何と?」

吉太郎は亜矢子の顔を見つめて、無言で首を横に振った。

話があると呼び出された時の雰囲気から亜矢子はすでに答えを察していた。

「そうですか … 」

「醍醐さんには自分より相応しい相手が居ます。

ですから … 」

「いいえ … 私待ちます、いつまででも … 吉太郎さんを思い続けます」

* * * * * * * * * *

そんなことがあってから、すでに数年が経とうとしていた。

「 … そうだったのね」

「好き合ってるふたりがどうして一緒になれないの?」


最愛の人にはもう会いたくても会えないかよは、亜矢子と吉太郎の関係が歯がゆかった。

「でも、兄やんはまだひとりだし … きっとまだ醍醐さんのこと」

「もういいの ~ 私、これからは仕事に生きることにしましたから」


それが亜矢子の本心でないことは花子にさえ分かった。

「醍醐さん、その愛が本物なら、必ずいつか成就すると私は思います」

蓮子の言葉には説得力があった。

「蓮子様 … 」

亜矢子の顔を見て、ふたりはうなずいた。

* * * * * * * * * *

「龍一君たちが迎えに来ましたよ」

英治が蓮子を迎えに来た龍一と純平、富士子を案内して店に戻って来た。

「ごきげんよう」

「お母様を迎えに来ました」


蓮子の子供たちは花子たちに礼儀正しく挨拶をした。

「まあ、偉いこと … 純平君はお母様思いで立派ね」

「純平の奴、『お母様は僕が守る』って、完全に蓮子の味方なんです。

夫婦喧嘩なんかしようもんなら、僕が一方的に責められますよ」


そうボヤキながらも龍一は幸せそうだ。

「あっ、そうだ … はなちゃん、明日お宅へ伺ってもいいかしら?」

会わせたい人がいると蓮子は言った。

* * * * * * * * * *

「純平君また背が伸びたみたいだな」

蓮子たち家族の背中を見送りながら、英治がつぶやいた。

「ええ、歩はひとつ上だから … 」

「今頃、純平君より大きくなってたな」

「英治さんの息子ですもの、のっぽになったはずよ」


… ふたりの心の中に今も確かに歩は生きているのだ。

* * * * * * * * * *

翌日、花子が書斎で執筆に勤しんでいると、近所の子供たちが窓から顔を出した。

「お話のおばさん、お話聞かせて!」

忙しいのも構わずに花子は快く子供たちを庭に招き入れた。

「今日は何のお話がいい?」

子供たちは声を合わせて『王子と乞食』を注文した。

「ある日、ロンドンの片隅に住んでいたキャンティという貧乏人の家に男の子が生まれました … 」

子供たちに語り掛けるように読み聞かせする花子を英治は工房から出て、微笑みながら眺めていた。

* * * * * * * * * *

ちょうどその時、蓮子が『花子に会わせたい人』を連れて門の外までやって来ていた。

「英治さん、ごきげんよう」

「ああ、蓮子さんいらっしゃい」


英治が近づくと、蓮子の後ろに控えていた男が頭を下げた。

「あちらが村岡花子さんよ」

「子供たち、顔を輝かせて聞いていますね」


男は花子と子供たちの様子を見ると穏やかに笑った。

「ね、花子先生ならぴったりじゃなくって?」

満足そうにうなずいたその男は … あの黒沢一史だった。

* * * * * * * * * *

「JOAKで番組を作っています、黒沢と申します」

居間に通された黒沢は花子に名刺を渡し、自己紹介した。

「JOAKって、あのラジオ局の?」

花子と英治は顔を見合わせた。

ラジオ局の人がどんな用があるのだろう?

「黒沢さんは福岡で新聞社記者をなさっていたの。

それがいつの間にかJOAKにお勤めになっていたのか … 私も知らなかったけれど、またご縁が出来てね」

「あの … ご要件というのは?」


話が読めない花子は不安げに黒沢に尋ねた。

「村岡花子先生、ぜひ我々のラジオ番組に出演してください」

単刀直入に切り出すと頭を下げた。

「て ~ ラジオに?!」

花子と英治はまた顔を見合わせた。

< てっ、花子がラジオに?!

… ごきげんよう、さようなら >

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